注目すべき3つのポイント
- 地元就職希望58.7%、4年ぶりの増加
2027年卒の大学生・大学院生を対象としたマイナビの調査で、地元(Uターン含む)就職希望率が前年比2.3pt増の58.7%となり、4年ぶりに増加 - 潜在層の7割超が高校以前に地元企業と接点あり
将来的に地元就職を希望する「Uターン潜在層」の71.7%が、高校生までに地元企業について知る機会があったと回答しており、早期の企業認知が進路意識に影響する可能性が示唆 - 地元就職の条件は「給与水準」が最多
地元就職を希望しない学生が検討条件に挙げたのは「給料がよい就職先が多くできる(42.9%)」が最多で、待遇面のギャップが地方採用の最大の障壁
27卒の地元就職希望率は58.7%、物価高を背景に4年ぶりの増加

株式会社マイナビは、2027年3月卒業予定の全国の大学生・大学院生を対象にしたマイナビ 2027年卒 大学生Uターン・地元就職に関する調査の結果を発表しました。調査期間は2026年3月20日~4月5日、有効回答数は2,800名です。
調査では、地元就職を希望する学生の割合が58.7%となり、前年から2.3pt増加しました。増加に転じるのは4年ぶりで、物価高や生活コストの上昇が続くなか、就職先を選ぶ際にどこで働くかだけでなく、どこで暮らすかまで含めて考える学生が増えていることがうかがえます。
地元外に進学している学生のUターン志向をみると、現時点で地元就職を希望する顕在層は49.3%で、前年から4.3pt増加しました。将来的に地元就職を希望する潜在層は6.4%、現時点でも将来的にも地元就職を考えていない非志向層は44.3%となっています。

顕在層が地元就職を希望する理由では、両親や祖父母の近くで生活したいからが47.2%で最多でした。次いで、地元の風土が好きだからが39.4%、実家から通えて経済的に楽だから/地元での生活に慣れているからが33.8%と続いています。地元就職は、単なる勤務地の選択ではなく、家族との距離感や生活費、暮らしやすさと結びついた選択肢として捉えられつつあるようです。
潜在層の7割超が高校以前に地元企業と接点、早期接触が進路意識に影響

地元外に進学した学生に、高校生までの間に地元企業について知る機会があったかを聞いたところ、将来的に地元就職を希望する潜在層では71.7%にのぼりました。顕在層の58.4%、非志向層の53.4%と比べても高く、地元企業との早い段階での接点が、将来のUターン意識に関係している可能性があります。

接点の内容として多かったのは、学校の授業や進路指導で地元企業の話を聞いた経験です。特に潜在層では、家族や知り合いの勤務先企業について話を聞いた割合が44.0%と高く、家庭や身近な人との会話も、地元で働くイメージづくりに影響していると考えられます。

また、高校生までの地元企業との接点が地元就職への考え方に影響すると思うかを聞いたところ、地元外進学者全体の46.5%が影響を認めています。潜在層では50.1%と半数を超えており、大学進学後に採用広報を始めるだけでなく、進学前から地元企業を知ってもらう取り組みの重要性が見えてきます。
学生に早い段階で企業を知ってもらうには、どのような接点づくりが有効なのでしょうか。
マイナビが展開するキョーソウPROJECTでは、高校生・大学生などのZ世代と企業が一緒に課題へ向き合い、若年層に届く企画やプロモーションを形にしています。
地元企業の認知づくりや採用ブランディングにも通じる、学生との共創型マーケティングの考え方を知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。

地元就職の検討条件は「給料」が最多、小中高からのキャリア教育を求める声も

地元就職を希望していない学生に、実現すれば地元就職するかもしれないと思う条件を聞いたところ、最も多かったのは給料がよい就職先が多くできるで42.9%でした。次いで、働きたいと思うような企業が多くできるが40.3%となっています。

自由回答では、都市部と比べて給与・福利厚生が劣ると感じる声や、奨学金返済の援助、給与面などで都内に出るよりも住みやすい福利厚生を求める声がありました。地元就職を広げるには、地元への愛着だけに頼るのではなく、給与や福利厚生、キャリアの選択肢を含めた条件面の整備が求められているといえます。
一方で、地元の魅力向上や、説明会・面接のWEB対応など、地域そのものの魅力づくりや選考に参加しやすい環境を求める意見もみられました。さらに、小中高生向けの社会科見学や仕事体験など、大学進学で地元を離れる前から仕事や企業に触れる機会を増やすべきだという声も寄せられています。
マイナビキャリアリサーチLabの井出翔子主任研究員は、地元就職を一時点の意思だけで捉えるのではなく、学生のライフステージや価値観の変化に応じて、選択肢として残し続けてもらうことが重要だとしています。そのためには、待遇面の改善に加え、早期から地元企業の仕事や働き方を知る機会を継続的に提供することが必要になりそうです。

今回の調査からは、地方企業や自治体が若年層にどう接点を作り、将来の採用候補として関係を育てていくべきかという課題も見えてきます。
特に注目したいのは、将来的に地元就職を希望する潜在層です。
現時点で地元就職を明確に決めているわけではないものの、高校生までに地元企業を知る機会があった割合は71.7%と、3つの層のなかで最も高くなっています。さらに、この層の半数以上が、早期の接点は進路意識に影響すると考えており、就活が始まる前の情報接触が将来の意思決定につながる可能性がうかがえます。
この結果は、採用マーケティングの時間軸を見直す必要性を示しています。従来の新卒採用では、大学3年生以降の就活期にナビサイトや合同説明会で接点を作る方法が中心でした。しかし、潜在層に地元企業を将来の選択肢として意識してもらうには、高校生以前から継続的に接点を設計していくことが重要になります。職場体験、地元企業による出前授業、保護者に向けた企業情報の発信などは、短期的な採用数には直結しにくい施策かもしれません。それでも、地域全体で採用ブランドを育てるうえでは、将来に向けた土台づくりとして大きな意味を持ちます。
また、地元就職を希望していない学生が、地元就職を検討する条件として最も多く挙げたのは給与水準でした。この点からは、企業単体の努力だけでなく、自治体による奨学金返済支援や住居補助などの制度も含めて伝えていく必要があります。地元企業と自治体が連携し、働きがいだけでなく、暮らしやすさや経済的な安心感まで含めて発信することが、今後の地方採用マーケティングではより重要になるといえます。
地方創生や地域採用ブランディングに取り組む企業・自治体のご担当者様は、ぜひメディアレーダーで関連する媒体資料をご確認ください。
関連リンク
プレスリリース・出典
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000002412.000002955.html










