潜在層に届く「偶然の出会い」を。データと20年以上の事例から導くOOH・屋外広告の新たな価値

昨今、デジタル広告による顕在顧客の刈り取りが一般化する一方で、Web上のアルゴリズムだけではリーチできない「潜在顧客へのアプローチ」に悩むマーケティング担当者は少なくありません。コロナ禍を経て人流がリアルに戻りつつある今、再び大きな注目を集めているのがOOH広告(交通・屋外広告)や、デジタル技術を掛け合わせたDOOH広告です。今回は、今年で創業80周年を迎え、数多くの鉄道会社から指定取扱代理店に認定されている協立広告株式会社の佐藤様にお話を伺いました。

飲料・化粧品などの消費財から急増するIT・BtoB企業まで、なぜ同社が幅広い業種から選ばれ続けるのか。
感覚や雰囲気に頼りがちだったOOHの世界を「データ」と「再現性」で捉えなおす、その強みを紐解きます。

新卒で協立広告株式会社入社以来一貫してマーケティング畑を歩み、化粧品・飲料・金融機関等の企業を担当。その傍ら、データが乏しいOOHメディアのデータ整備・効果検証にも取り組み、業界団体においても一般社団法人日本OOHメジャメント協会(JOAA)・運営WGサブリーダー、公益社団法人日本鉄道広告協会・e販促データ編集長などを務め、社内外でOOHデータの普及啓蒙に努めている。専門統計調査士。

目次

認知拡大の先へ。生活動線に溶け込み「偶然の出会い」を創るOOH・DOOH広告

―― コロナ禍以降、生活者の移動動線やマインドが変わりました。現在のOOH広告や屋外広告の市場をどう見ていますか。

佐藤様:コロナ禍の直後は駅や街中から人がいなくなり、OOH市場全体が非常に厳しい状況に直面しました。しかし生活者の移動が戻り、人々が「リアルな体験」を強く求めるようになった現在、日本の広告費統計を見ても交通・屋外広告は明確な回復と成長を見せています

昨今では、従来の固定看板だけでなく、スーパーやコンビニの「リテールメディア」・オフィス内・喫煙所・トイレ個室にいたるまで媒体開発が進んでおり、OOHの領域は今まさに急速に拡張しています。

―― デジタル広告が主流の現代において、改めてOOH広告が選ばれる理由、最大の価値はどこにあるのでしょうか。

佐藤様:一言で言うと、「偶然の出会い」を提供できる点です。デジタル広告は、ユーザーの過去の行動履歴をもとにニーズが顕在化している層を「刈り取る」のが得意な反面、興味関心の外側にある情報には出会いにくい傾向があります。一方でOOH広告は、まだ自社の商品やサービスを知らない潜在層に対して、生活動線の中で自然な気づきや認知のきっかけを与えられます。最近では、消費財メーカー様だけでなく、IT企業やAI開発企業、SIerといったBtoB企業様が、認知向上や信頼性獲得、さらには採用活動の一環としてOOHを活用されるケースが非常に増えていますね。

競合分析とターゲット選定を数値で裏付けるデータ活用

―― OOH広告はプランニングが「感覚的になりやすい」という課題をよく耳にします。御社はどのように顧客の課題を解決しているのでしょうか。

佐藤様:当社の強みの1つとして、「データオリエンテッドなプランと検証」があります。当社では「広告出稿統計ツール」と「交通広告プランニングツール」の2つを導入しています。これらを活用することで、よくありがちな「サラリーマンと言えば新橋ですよね」「若者の街なら渋谷ですよね」といった、感覚や雰囲気によるプランニングではなく、統計データに裏付けられた根拠あるプランのご提案が可能です。

―― 根拠のあるプランで出稿できるのは非常に心強いですね。一方で、実施した後の「効果検証」はどのように行っているのでしょうか。

佐藤様:具体的な手法としては、広告の出稿事後にインターネット調査を回し、特定路線の利用者に対して広告の接触確認を行います。例えば「先週1週間のうちで山手線を使った人」といった条件でピンポイントにサンプルを集め、実際に広告をご覧になったかを聞いていく形です。

この調査において、アンケートを回収する実査の部分に関しては調査会社様のパネルをお借りしていますが、最も肝となる「何をどのように聞くか」という調査設計、そして回収したデータの集計・分析に関しては、100%社内で内製化しています。外注丸投げのレポートとは異なり、社内のマーケティング担当者が責任を持って分析の出口までを設計しているため、「今回の施策で得られた結果から、次は何が課題で、どういう次の一手を取ればいいのか」という具体的な改善策までをセットで導き出せます。感覚値の排除にとどまらず、次の施策へのPDCAサイクルを確実に回せることが、私たちの「データ活用」における本当の強みですね。

20年以上の蓄積が生む「事例データベース」× 創業80年の「確実な実行力」

―― データによるロジックの一方で、「SNSで話題化させたい」「面白い仕掛けをしたい」というクリエイティブな要望にはどう応えていますか。

佐藤様:OOHを「話題作りの起爆剤」としたいというご要望に対しても、当社には強力な引き出しがあります。それが、20年以上にわたって社内で作り続けている「交通広告事例集」です。

資料内容チラ見せ
・商品分類別出稿動向(首都圏)
・広告主出稿金額ランキング etc

当社の社員が日常の移動中に気になった広告を収集し、毎月事例集としてまとめています。自社の扱いだけでなく、業界で話題になった他社事例も含めて網羅し、それらを「音が出る展開」「サンプリング展開」「香りが出る仕掛け」などの特徴ごとに分類して検索できるデータベースを自社で構築しています。
ご要望に合わせて参考となる事例を瞬時に調べ、目的に合わせてカスタマイズしながら、再現性の高いアイデア提案を行うことが可能です。

―― 斬新なアイデアであればあるほど、実際に街中や駅で形にするのは難しい印象があります。

佐藤様:そこが最も重要なポイントです。どんなにデータが優れていて、面白い企画であってもパブリック空間でのルールをクリアして、実際に実施できなければ広告主様にとっては意味がありません。OOHには厳しい業種・表現規制・特殊な申請手続き・業界特有のルールが存在します。

今年で創業80周年を迎える当社は、多くの鉄道会社様の「指定取扱代理店」であり、メディアに対する深い理解と信頼関係、そして規制をクリアするための膨大なノウハウを持っています。アイデアを絵に描いた餅にせず、確実に実行まで担保できる「対応力」こそが、当社の歴史に裏打ちされた強みです。

業界共通の物差しができる時代だからこそ、問われるのは「データの解釈力」

―― これからのOOH広告・DOOH広告の未来において、何が重要になっていくとお考えですか。

佐藤様:業界全体の動きとして、昨年9月に業界共通の標準指標を作ることを目的に「一般社団法人日本OOHメジャメント協会(JOAA)」が設立されました。大手総合広告会社や媒体社、交通広告専業代理店とともに、当社も設立時メンバーとして参画しております。私もその一員として運営ワーキンググループのサブリーダーを務めています。

これまでは媒体社や広告会社ごとに算出基準が異なっていたデータが標準化されることは、業界の発展に向けた素晴らしい「協調領域」における取り組みです。ただ、業界の物差しが統一されて出てくる数字が同じになったとき、次に問われるのは広告会社ごとの「競争領域」、すなわち“データの切り取り方”と“解釈・分析の力”になります。
たとえば「7月の渋谷」というデータを見たときに、単に数字を出すだけでなく、「学生が夏休みに入るため、若者の人流の質がこう変わる。だから今回は新宿の方が適切である」といった、一歩踏み込んだ解釈ができるかどうか。当社が培ってきたデータオリエンテッドなプランニング力と、20年以上の事例から導き出す分析力は、これからの時代にこそ最も真価を発揮すると確信しています

本当に探している条件やターゲット、目的に対して、私たちはデータと事例の双方から「最適な解」を引き出すことができます。少しでもOOH広告の可能性を感じておられましたら、まずは気軽なお悩みベースで構いませんので、ぜひ一度お声がけください。

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