2023年7月にMeta社からリリースされ、日本でも、類似サービスであるX(旧Twitter)の代替として注目を集めているThreads。
Threadsに対応したクチコミサービス「トラミー」を提供する、株式会社アイズ・ソーシャルメディア事業部の谷津氏に、Threadsの実態と広告・マーケティング業界においてどのような活用方法が予想されるのか、お話をうかがってきました。
1.Threadsの特徴は「1投稿におけるコンテンツ量」
―そもそも、Threadsはどのようなサービスなのでしょうか?
Threadsは、2023年7月6日にMeta社からリリースされたテキスト共有型アプリです。 InstagramやFacebookを提供しているMeta社が提供しているということもあり、Threadsを利用するには、Instagramのアカウントが必要となっています。

Threadsの投稿は、テキスト・画像・動画を入れることができます。
また、InstagramやYouTube、TikTokといったSNSのように、「動画や画像のいずれかが投稿に必須」という条件がなく、テキストのみ、または画像のみといった投稿が可能です。
投稿形式や投稿できるコンテンツがX(旧Twitter)と類似しており、今後その代替となるのではないかと話題を呼びました。Meta社のCEOである、マーク・ザッカーバーグ氏のThreadsの投稿によると、リリースから約1日もしないうちに3000万人以上もの新規登録ユーザーを獲得したと発表があり、世界的な注目度の高さがうかがえます。
―他SNSと比較した際のThreadsの特徴は何ですか?
Threadsの特徴として挙げられるのが、1投稿内のコンテンツ量の多さです。
| Threads | X(旧Twitter) | TikTok | ||
| 文字数 | 500文字 | 140文字 | 2200文字 | 150文字 |
| 動画 | 最長5分 | 最長2分20秒 | 最長60秒 | 最長3分 |
| 画像 | 最大10枚 | 最大4枚 | 最大10枚 | なし |
| ハッシュタグ | なし | あり | あり | あり |
無料で利用できる通常投稿を比較すると、他のSNSは、1投稿に使用できるコンテンツの最大数が動画・画像・テキストのどれかに特化しているのに対し、Threadsはそれがどれかのコンテンツに偏っておらず、他SNSの平均を全体的に上回っています。
そのため、「特定のコンテンツに特化していない」という特徴があり、どの投稿方法でも一定以上の情報を伝えられるため、動画・画像・テキストを上手く組み合わせることで、他のSNSと比較してよりユーザーに伝わりやすい投稿を行うことができるでしょう。
しかし上記は、あくまでも無課金で利用できる範囲内の話であり、XのBlue Subscription(旧Twitter Blue)やInstagramのIGTV機能のように、他SNSでも1つの投稿で共有できる情報を増やす方法はあります。
※2023年8月29日時点の情報
2. SNS担当者もまだ「Threads」の実態を把握できていない
―クチコミマーケティングSNS「トラミー」にて、いち早くThreadsへの対応を開始していましたが、なぜ対応を開始したのでしょうか?
トラミーは、クライアントの商品やサービスをトラミー会員が体験し、その体験を会員自身のSNS上でクチコミ・レビューを公開(情報発信)するクチコミプロモーションサービスです。トラミーの会員数は約12万人を超えており、既にThreadsのアカウントを開設している会員様も多くいらっしゃいます。そのため、トラミーにおけるクチコミ投稿において、会員がThreadsの利用者になりうること、そして当社クライアントの認知拡散・コンテンツ強化に繋がることなどから、Threadsへの対応を開始しました。
参考:クチコミマーケティングのプラットフォーム「トラミー」、クチコミ投稿のSNSに「Threads(スレッズ)」対応
―Threadsに対応するプレスリリース配信への反応はありましたか?
反応は結構ありましたね。
Threads対応に関するプレスリリースを配信したのが、Threadsリリース後1週間足らずだったこともあり、興味を持っている企業様からの連絡が目立ちました。
そもそも、Threadsがここまで注目を浴びた理由として、Xの広告配信に必要な条件が追加され、誰でも広告配信できるという状況ではなくなってしまったということが挙げられます。
これまで、どのようなアカウントでも広告配信できたのですが、2023年4月から認証アカウントマークが必須になったことで、誰でも広告配信ができるという状況ではなくなりました。
当社のクライアントの中でも、施策を1から練り直すことになったクライアントもいらっしゃいます。
その他にも、ユーザーに表示されるポスト(旧ツイート)に閲覧制限が付くなど、広告・マーケティング業界全体がXに対して不安を抱いている中でThreadsがリリースされたこともあり、多くの反応をいただきました。
また、まだThreadsに対応している企業が少なかったこともあり、Threadsの活用を検討しているという問い合わせだけでなく「もう対応できるようになったのですか?」といったお問い合わせも多かったですね。
―実際にThreads対応を開始していかがでしたか?
トラミーへ来るお問い合わせ全体の中では、まだまだ他SNSでのプロモーションに関する相談が多いというのが実情です。しかし、問い合わせ頂いた方の話を伺うと「他社はもう始めていますか?」や「全然対策していないのですが、Threadsどんな感じですか?」という声も多く、企業のSNS運用やプロモーション担当の方でさえ、ThreadsがどういうSNSなのかを把握できておらず、不安を抱えている担当者様が多い印象を抱きました。
Threadsに関する情報を知りたいというお問い合わせやご相談が多いことからも、「運用を検討しているが分からないことが多い」という実態があると思います。実際に、このインタビュー準備期間の間にも新しい情報がリリースされており驚きました。
3.プロが考える”今”Threadsでしかできないこと
―リリースされたばかりですが、今Threadsにでしかできないことはありますか?
2023年8月現在、機能としてThreadsにしかできないことはあまりありません。Threadsでできるほとんどの機能が別のSNSで利用できます。
そもそもThreadsはかなり発展途上なSNSなので、これから追加される機能や新たにできるようになることの方が多いと考えられます。
しかし、機能面以外に目を向けると「競合が少ない場所でユーザーに対して情報発信できる」というのは“今”のThreadsでしかできないことだと思います。先行者利益ですね。
他SNSだと、競合他社の情報で埋もれてしまうことや、競合他社と比較されてしまうことが多くあると思います。Threads上で情報発信を行っている企業は他SNSに比べて少ないため、ユーザーに対して情報を届けやすくなっています。
そういった意味で「ユーザーに情報を届けやすい状況での運用」というのは、今のThreadsでしかできないことだと思いますね。
4.広告・マーケティング業界でのThreads活用方法を予想!
―Threadsは広告・マーケティング業界でどのような活用方法が予想されますか?
他のSNS同様、インフルエンサーマーケティングや広告配信を中心に、認知拡大から販売促進ができるSNSとして活用されると考えています。今はまだ広告配信などはできませんが、今後恐らく追加される可能性は高いでしょう。
2023年8月現在、Threadsに投稿検索機能やハッシュタグ、そして広告配信機能はありません。そのため、正直なところクチコミやUGCの収集は非常に難しいです。
現在のThreadsだと、ユーザーは受動的にしか情報を受け取ることができませんが、前述のような機能の実装が進むことでユーザーが能動的に情報を探せるようになります。情報を探せるようになることで、より興味・関心の高い情報に出会えるようになり、Threads上でアクティブに活動するユーザーが増えることが予想されます。
そうなると、やはり、Threads上でのインフルエンサーと呼ばれる人が確実に出てくるでしょう。インフルエンサーを中心に、情報発信やユーザー同士のコミュニケーションが活性化することで、他SNSで行われているようなマーケティング手法が展開されると私は予想しています。
―リリース時注目を浴びた一方で、早くもユーザー離れが懸念されている現状もあると思いますがいかがですか?
やはり、Threadsの盛り上がりが一過性で終わらないかは、運用していく上での懸念点として挙げられます。当たり前ですが、ユーザーの可処分時間は有限なので、SNSが増えれば増えるほどすべてのSNSをチェックするというのは難しくなります。となると、そんな中で、ユーザーが興味関心の高い情報を探す方法である、検索機能がないままだと活性化を図るのは難しいのではないかと思います。
Threadsをはじめ様々なSNSが日々リリースされる中、情報を発信する側も受け取る側も利用するSNSの取捨選択を迫られる時代が来ているのではないかと感じています。
5.SNS担当必見!Threadsのおすすめ運用方法
―Threadsアカウント運用していく上で、おすすめの運用方法はありますか?
Threadsと別のSNSで投稿する内容で差別化を図ることですね。これはThreadsに限らず、複数のSNSで情報発信している場合すべてに当てはまる運用のコツです。
複数のSNSすべてで同じ情報を配信している場合、ユーザーは1つのSNSの情報を見ることで満足し、その他のSNSで配信される情報をわざわざ見ようとは思いません。
同一の情報をただ発信し続けているだけだと、Threadsで見なくても良い情報と認識されフォローを外されてしまうという可能性もでてきます。
そのため、Threadsアカウントを見に来たユーザーに対して、「いかに飽きさせないか」が重要になってくると私は考えています。
もちろんThreadsに限った話ではありませんが、注目されているサービスで運用を行うからこそ「Threadsでしか得られない情報」を提供し、他SNSとの差別化を図る必要があると思っています。
―どのようなコンテンツがThreadsと相性が良さそうですか?
あくまでも、私の予想なのですが、手順の説明が必要となるようなコンテンツはThreadsと相性が良いのではないかと考えています。料理やDIYといったコンテンツです。

Threadsは、画像10枚・文字数500文字・動画最長5分と1投稿に内包できる最大数が多いため、他SNSよりも、詳細に手順を説明することができます。
例えば、Xではレシピや材料をテキスト140文字で説明することは難しいため、画像内に文字を追加する必要があります。一方、Threadsの場合、1投稿500文字まで投稿可能なため、画像で視覚的な工程、そしてテキストでレシピや材料を細かく説明するというような投稿が可能です。
まだ、リリースされて1か月ですが、料理系のコンテンツを上げている、「TASTY MADE」 や「DELISH KITCHEN」の企業アカウントが、早くもフォロワー数20万人以上を超えているので、やはり相性は良さそうと予想しています。
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