健康食品広告で最初に確認すべき前提

健康食品広告では、まず自社商品が一般食品、保健機能食品、医薬品等のどれに近い扱いかを確認します。
商品カテゴリと表示できる範囲が曖昧なまま広告表現を作ると、薬機法・景表法・健康増進法の判断を誤りやすくなります。
※出典:消費者庁「健康食品に関する景品表示法及び健康増進法上の留意事項について」
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健康食品とは?医薬品・一般食品との違い
健康食品という言葉は、実務上よく使われますが、広告で自由に機能や効果を表示できる商品カテゴリを意味するわけではありません。まず押さえるべきなのは、その商品が食品として販売されるものなのか、医薬品的な効能効果を訴求しているように見えるものなのかという違いです。
消費者庁の資料では、健康食品の広告その他の表示について、景品表示法・健康増進法上の虚偽誇大表示等に該当するかどうかは、特定の用語だけで一律に判断するのではなく、表示全体から個別具体的に判断されるとされています。
出典:消費者庁「健康食品に関する景品表示法及び健康増進法上の留意事項について」
一般的な食品として販売する場合、広告では味、素材、栄養補給、毎日の健康維持、生活習慣のサポートなど、食品としての範囲に収まる伝え方が基本になります。一方で、病気の治療や予防、身体機能の改善、症状の解消を思わせる表現になると、食品広告としてはリスクが高くなります。
また、厚生労働省は、医薬品等の広告規制として、医薬品等の名称、製造方法、効能、効果、性能に関して、明示的・暗示的を問わず虚偽または誇大な記事を広告してはならない旨を示しています。
健康食品であっても、広告全体が医薬品的な効能効果を標ぼうしているように見える場合は、慎重な確認が必要です。
例えば、同じサプリメントでも、健康維持をサポートすると伝えるのか、血圧を下げる、便秘が治る、脂肪が落ちると伝えるのかで、広告全体の印象は大きく変わります。健康食品広告では、商品の形状や成分名だけでなく、広告が消費者にどのような期待を持たせるかを確認することが重要です。
| 区分 | 広告で確認すること | 注意点 |
|---|---|---|
| 一般食品 | 食品としての特徴、素材、味、栄養補給、生活習慣サポートの範囲で伝えているか | 疾病の治療・予防や身体機能の改善に見える表現は避ける |
| 保健機能食品 | トクホ、栄養機能食品、機能性表示食品のどれに該当するか | 許可・基準・届出の範囲を超えた表現になっていないか確認する |
| 医薬品等 | 疾病の診断、治療、予防などを目的とする表現になっていないか | 食品広告で医薬品的な効能効果に見える表現は慎重に扱う |
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健康食品と保健機能食品の違い
健康食品広告を作る前に、いわゆる健康食品と保健機能食品を分けて考える必要があります。いわゆる健康食品は、健康によさそうな食品やサプリメントを広く指す日常的な呼び方です。
一方、保健機能食品は、国が定めた制度に基づき、一定の条件のもとで機能性を表示できる食品です。
消費者庁は、保健機能食品について、国が定めた安全性や有効性に関する基準などに従って食品の機能が表示されている食品と説明しています。保健機能食品には、特定保健用食品、栄養機能食品、機能性表示食品の3種類があります。
広告制作では、どの制度に該当するかによって、表示できる内容、確認すべき資料、注意すべき表現が変わります。
| 分類 | 広告で確認するポイント | 実務上の注意点 |
|---|---|---|
| いわゆる健康食品 | 食品としての範囲で表現しているか | 機能性を断定する表現や医薬品的な表現は避ける |
| 特定保健用食品(トクホ) | 許可された保健の用途に沿っているか | 許可表示を短く言い換えた結果、意味が広がっていないか確認する |
| 栄養機能食品 | 対象栄養成分、基準量、表示文言、注意喚起表示を満たしているか | 栄養成分の機能を超えて、商品全体の効果のように見せない |
| 機能性表示食品 | 届出表示、機能性関与成分、根拠資料、公表情報と一致しているか | 国が効果を認めたような表現や、届出範囲を超えた広告表現に注意する |
特定保健用食品(トクホ)
特定保健用食品は、許可された保健の用途を表示できる食品です。ただし、広告では許可された内容を超えて、より強い効果があるように見せないことが重要です。
消費者庁は、特定保健用食品について、からだの生理学的機能などに影響を与える保健効能成分を含み、その摂取により特定の保健の目的が期待できる旨を表示する食品と説明しています。広告制作では、許可表示の範囲や対象者、摂取条件を確認したうえで表現を調整する必要があります。
例えば、許可表示に含まれる条件や対象者、摂取場面を省略すると、消費者が実際より広い効果を期待する可能性があります。トクホであっても、広告文、画像、LPの見出し、体験談が許可表示の範囲から外れていないかを確認する必要があります。
栄養機能食品
栄養機能食品は、特定の栄養成分について、定められた基準を満たす場合に、その栄養成分の機能を表示できる食品です。個別の許可制ではなく、基準に適合しているかを事業者側で確認する制度として扱われます。
消費者庁は、栄養機能食品について、特定の栄養成分の補給のために利用される食品で、栄養成分の機能を表示するものと説明しています。また、栄養機能食品として販売するためには、定められた上限値・下限値の範囲内であることや、注意喚起表示等が必要とされています。
広告では、栄養成分の機能を伝えることと、商品全体の効果を断定することを分ける必要があります。たとえば、栄養成分の補給を説明する文脈から外れて、疲労回復、治療、改善、痩身などの印象につながる表現になっていないかを確認します。
機能性表示食品
機能性表示食品は、事業者の責任で科学的根拠に基づく情報を届け出ることで、一定の機能性を表示できる制度です。広告で扱う場合は、届出表示、機能性関与成分、対象者、摂取方法、注意事項などを確認し、届出内容を超えた訴求になっていないかを見る必要があります。
消費者庁は、機能性表示食品について、販売前に食品の安全性と機能性に関する科学的根拠などを届け出れば機能性を表示できる制度と説明しています。一方で、特定保健用食品とは異なり、国が審査を行う制度ではないため、事業者が自らの責任で科学的根拠を基に適正な表示を行う必要があります。
特に注意したいのは、機能性表示食品であることを理由に、広告で強い効果を自由に言えると誤解することです。
消費者庁は、国が機能性表示食品の効果を認めているかのような表示や、公表されている届出内容を超えた広告について注意を促しています。
届出表示の一部だけを切り出したり、画像やグラフで実際以上の効果を連想させたりすると、広告全体として誤認を招く可能性があります。
広告として見られる範囲は広告文だけではない
健康食品広告で確認すべき範囲は、広告文のテキストだけではありません。バナー、LP、商品画像、動画、SNS投稿、口コミ、体験談、ランキング、ビフォーアフター、FAQ、注釈、申込導線まで含めて、広告全体の印象を確認する必要があります。
消費者庁の留意事項では、健康食品の表示が景品表示法・健康増進法上問題となるかどうかは、特定の用語や文言の使用だけで一律に判断されるものではなく、表示全体から個別具体的に判断されるとされています。
そのため、本文だけでなく、画像、体験談、注釈、CTAを含む全体の見え方を確認することが重要です。
出典:消費者庁「健康食品に関する景品表示法及び健康増進法上の留意事項について」
例えば、広告文では健康維持をサポートと書いていても、LPのファーストビューに急激な体型変化を示す画像があり、体験談で症状改善を強く語っている場合、全体として強い効果を期待させる広告に見える可能性があります。
また、個人の感想です、効果には個人差がありますといった注釈を入れれば、強い効能訴求をそのまま使えるわけではありません。注釈は補足であり、主見出し、画像、口コミ、CTAを含む広告全体の印象を安全側へ調整することが重要です。
公開前には、次の範囲をまとめて確認しておくと、社内説明や媒体審査への対応がしやすくなります。
| 確認対象 | 見落としやすいポイント |
|---|---|
| 広告文 | 疾病、改善、予防、痩身、保証、最上級表現が入っていないか |
| バナー・画像 | 体型変化、数値改善、医療的な印象を与えていないか |
| LP | 見出し、本文、FAQ、申込導線まで一貫しているか |
| 口コミ・体験談 | 個人の体験が効果保証のように見えていないか |
| グラフ・ランキング | 根拠、調査条件、比較対象、期間が確認できるか |
| 注釈 | 小さすぎる表示や、強い訴求の打ち消しだけに頼っていないか |
| SNS・動画 | テロップ、ナレーション、コメント引用まで確認しているか |
自社商品カテゴリを確認するチェックポイント
健康食品広告の表現可否を考えるときは、最初からNGワードを探すのではなく、自社商品カテゴリと根拠資料を確認するところから始めます。
広告表現は、商品カテゴリ、訴求内容、掲載面、根拠資料の組み合わせで見たほうが、社内や顧客にも説明しやすくなります。
健康食品広告では、商品が一般食品なのか、特定保健用食品・栄養機能食品・機能性表示食品のいずれかに該当するのか、また届出表示や許可表示の範囲を超えていないかを確認する必要があります。制度や表示基準は更新される可能性があるため、実際の広告制作時には消費者庁・厚生労働省などの公式情報を確認することが重要です。
公開前の初期チェックでは、次の項目を整理しておきましょう。
| 確認項目 | 社内で確認する資料・情報 | BtoB実務での使い方 |
|---|---|---|
| 商品カテゴリ | 一般食品、トクホ、栄養機能食品、機能性表示食品などの分類 | 広告で使える表現範囲の前提をそろえる |
| 表示根拠 | 許可表示、届出表示、成分情報、試験資料、商品規格書 | 上司・法務・顧客へ表現理由を説明する |
| 訴求内容 | 健康維持、栄養補給、美容、ダイエット、睡眠、免疫など | どの法令や審査項目に関係するかを整理する |
| 掲載面 | LP、バナー、SNS、動画、記事広告、同封物、店頭POPなど | 媒体審査や制作範囲の確認に使う |
| 表現の強さ | 断定、保証、最上級、数値改善、体験談の見せ方 | 修正優先度を決める |
| 確認者 | 薬事、法務、品質保証、マーケ、制作、代理店、媒体担当 | 承認フローと修正履歴を残す |
実務では、マーケティング担当だけで広告文を判断すると、商品分類や根拠資料の確認が抜けやすくなります。
反対に、薬事・法務だけで見ると、媒体ごとの審査基準やLP全体の訴求設計まで確認しきれないことがあります。
そのため、最初の段階で商品カテゴリ、訴求内容、掲載面、根拠資料を一覧化し、関係者が同じ前提で確認できる状態を作ることが大切です。この章では、健康食品広告を作る前に何を確認すべきかが整理できました。
次章では、薬機法・景表法・健康増進法など、実際に関係する主な法律と規制を分けて確認します。
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健康食品広告に関わる主な法律と規制
健康食品広告は、薬機法だけでなく、景品表示法、健康増進法、特定商取引法、食品表示法、食品衛生法など複数のルールに関係します。まずは法令ごとの役割を分け、どの表現・掲載面・根拠資料を確認すべきかを整理しましょう。

健康食品広告のチェックでは、どの法律に当たるかを一つに決めるよりも、「医薬品的な効能に見えないか」「効果や価格を実際よりよく見せていないか」「健康保持増進効果を誇大に伝えていないか」「通販の申込条件が分かりやすいか」を分けて確認することが重要です。
| 法令・ルール | 主に確認すること | 健康食品広告で問題になりやすい場面 | 実務で確認する資料・情報 |
|---|---|---|---|
| 薬機法 | 医薬品的な効能効果を標ぼうしていないか | 治る、予防する、改善する、症状に効くなどの表現 | 商品分類、広告文、LP、画像、体験談、薬事確認結果 |
| 景品表示法 | 商品の品質・効果・価格条件を実際よりよく見せていないか | No.1表示、満足度、効果保証、割引表示、ランキング | 調査条件、比較対象、合理的根拠資料、価格条件 |
| 健康増進法 | 健康保持増進効果等について虚偽・誇大な表示になっていないか | ダイエット、免疫、血糖、便通、美容、疲労などの健康訴求 | 消費者庁資料、根拠資料、表示全体、口コミ、画像 |
| 特定商取引法 | 通販広告・申込導線で販売条件を誤認させていないか | 定期購入、初回価格、解約条件、返品条件、申込ボタン周辺 | 販売価格、支払時期、返品特約、解約条件、LP表示 |
| 食品表示法 | 容器包装や食品表示が基準に沿っているか | 栄養成分表示、原材料名、アレルギー、期限表示、機能性表示 | 食品表示基準、届出表示、パッケージ、表示ラベル |
| 食品衛生法 | 食品の安全性・衛生管理に関する確認 | 原材料、安全性、製造・販売体制、健康被害情報 | 品質保証資料、製造管理、健康被害情報、回収対応 |
| 媒体審査 広告ポリシー | 媒体ごとの掲載可否・審査基準を満たしているか | 健康食品カテゴリ、LP表現、ビフォーアフター、体験談 | 媒体資料、広告ポリシー、入稿規定、審査基準 |
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薬機法:医薬品的な効能効果の標ぼうに注意
薬機法は、正式には医薬品医療機器等法と呼ばれる法律です。健康食品広告で特に注意したいのは、食品として販売している商品であっても、広告上で医薬品のような効能効果を示しているように見える場合です。
厚生労働省は、医薬品等の広告規制について、医薬品等の名称、製造方法、効能、効果、性能に関して、明示的・暗示的を問わず虚偽または誇大な記事を広告してはならない旨を示しています。健康食品そのものを医薬品として扱うという意味ではありませんが、広告が疾病の治療・予防や症状改善を想起させる場合は慎重な確認が必要です。
広告実務では、次のような表現が薬機法上のリスクにつながりやすくなります。
| 確認する表現 | 注意が必要な理由 |
|---|---|
| 病気が治る、改善する、予防できると受け取られる表現 | 医薬品的な効能効果に見える可能性がある |
| 血圧、血糖、脂肪、便秘、花粉症など特定の症状に直接結びつく表現 | 疾病・症状への効果を想起させやすい |
| 医師や専門家が効果を保証しているような表現 | 消費者に強い効能期待を与える可能性がある |
| LPや体験談で症状改善を強く語る表現 | 広告文が控えめでも、広告全体で医薬品的に見える場合がある |
BtoBの広告制作では、薬機法だけを見て判断するのではなく、商品カテゴリ、訴求内容、掲載面、根拠資料をセットで確認することが大切です。
広告主、制作会社、代理店、媒体担当の間でどの表現が医薬品的に見える可能性があるかを事前に共有しておくと、修正戻しや審査差し戻しを減らしやすくなります。
景品表示法:優良誤認・有利誤認・根拠のないNo.1表示
景品表示法は、商品やサービスの品質、効果、価格などについて、消費者に実際より著しくよいものだと誤認させる表示を規制する法律です。健康食品広告では、効果の見せ方だけでなく、No.1表示、ランキング、満足度、価格訴求、キャンペーン条件なども確認対象になります。
消費者庁は、景品表示法の表示規制について、商品・サービスの品質や価格について実際より著しく優良または有利であると見せかける表示が、消費者の適正な商品選択を妨げるため、不当な表示を禁止していると説明しています。
優良誤認は、品質・規格・内容などについて、実際のものより著しく優良であると示す表示が問題になります。健康食品広告では、「飲むだけで理想の体型へ」「利用者満足度No.1」「医師も推奨」などの訴求を使う場合、根拠、調査条件、比較対象、表示範囲を確認する必要があります。
有利誤認は、価格や取引条件について、実際より著しく有利であると誤認させる表示が問題になります。健康食品の通販では、初回限定価格、定期購入、解約条件、返金保証、送料無料、割引率などの表示が該当しやすい領域です。
また、効果・性能に関する表示では、表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料が重要になります。消費者庁のQ&Aでは、商品・サービスの効果や性能に関する表示について、裏付けとなる合理的な根拠を示す資料が必要になる旨が示されています。
広告担当者は、「本当に根拠があるか」だけでなく、「広告で伝えている効果と根拠資料の内容が対応しているか」まで確認する必要があります。たとえば、成分単体の研究結果を、そのまま商品全体の効果として見せる場合は、根拠の範囲と広告表現がずれていないかを確認しましょう。
健康増進法:健康保持増進効果等の虚偽・誇大表示に注意
健康増進法は、食品として販売されるものについて、健康保持増進効果等に関する虚偽・誇大表示を規制する法律です。健康食品広告では、薬機法だけでなく、この健康増進法の観点からも、健康効果を実際以上に強く見せていないかを確認する必要があります。
消費者庁の「健康食品に関する景品表示法及び健康増進法上の留意事項」では、虚偽誇大表示等に該当するかどうかは、特定の用語の使用だけで一律に判断されるものではなく、表示全体から個別具体的に判断されるとされています。
健康食品広告では、次のような訴求が健康増進法上の確認対象になりやすくなります。
| 訴求テーマ | 確認すべきポイント |
|---|---|
| ダイエット・痩身 | 容易に痩せる印象、摂取だけで体重が減る印象を与えていないか |
| 免疫・感染症対策 | 疾病予防や感染症予防を想起させないか |
| 血圧・血糖・脂質 | 届出表示や許可表示の範囲を超えていないか |
| 便通・腸活 | 症状改善や治療のように見えていないか |
| 美容・肌・髪 | 身体の変化を保証するように見えていないか |
| 体験談・口コミ | 個人の感想が、一般的な効果保証のように見えていないか |
出典:消費者庁「健康食品に関する景品表示法及び健康増進法上の留意事項について」
消費者庁は、インターネット上の健康食品等の虚偽・誇大表示について継続的に監視し、改善指導等を行っています。例えば、令和8年1月から3月の監視では、健康増進法第65条第1項に違反するおそれのある文言等があったとして、事業者への改善指導が行われています。
出典:消費者庁「インターネットにおける健康食品等の虚偽・誇大表示に対する改善指導について(令和8年1月〜3月)」
このため、健康食品広告では、広告文の単語だけでなく、ファーストビュー、画像、グラフ、体験談、ランキング、注釈、申込導線を含めて、広告全体がどのような健康効果を期待させるかを見る必要があります。
特定商取引法:通販表示・申込導線の誤認に注意
特定商取引法は、通信販売などの取引で、消費者が販売条件を誤認しないようにするためのルールです。
健康食品はEC、D2C、定期通販で販売されることが多いため、広告表現だけでなく、LPの申込導線や販売条件の見せ方も重要になります。
消費者庁の特定商取引法ガイドでは、販売業者等が広告に基づき通信手段で契約の申込みを受ける意思が明らかで、消費者がその表示により申込みできる場合は、通信販売規制を受ける広告に該当すると説明されています。また、広告媒体は問わず、Webサイト、電子メール、バナー等も含まれるとされています。
特定商取引法は、通信販売などの取引で、消費者が販売条件を誤認しないようにするためのルールです。健康食品はEC、D2C、定期通販で販売されることが多いため、広告表現だけでなく、LPの申込導線や販売条件の見せ方も重要になります。
消費者庁の特定商取引法ガイドでは、販売業者等が広告に基づき通信手段で契約の申込みを受ける意思が明らかで、消費者がその表示により申込みできる場合は、通信販売規制を受ける広告に該当すると説明されています。また、広告媒体は問わず、Webサイト、電子メール、バナー等も含まれるとされています。
健康食品広告で特に注意したいのは、初回価格や割引率だけを大きく見せ、定期購入の条件、2回目以降の価格、解約方法、返品条件が分かりにくくなるケースです。広告文が法令上の効能表現に気を付けていても、申込画面で販売条件が分かりにくいと、別のリスクが生じます。
| 通販広告で確認する項目 | 見落としやすい点 |
|---|---|
| 初回価格 | 2回目以降の価格や総額が分かりにくくないか |
| 定期購入条件 | 継続回数、解約期限、解約方法が見つけやすいか |
| 返品・解約 | 返品特約や解約条件を明確に表示しているか |
| 申込ボタン周辺 | 購入条件を理解したうえで申込みできる導線か |
| バナー・メール | リンク先LPと一体で見たときに条件が誤認されないか |
広告代理店や制作会社がLPを制作する場合は、薬機法や景品表示法の表現チェックだけでなく、通販条件の表示確認も制作範囲に含めると、公開前の差し戻しを減らしやすくなります。
食品表示法・食品衛生法:表示義務と安全性の確認
食品表示法は、食品の表示に関するルールを一元的に扱う制度です。広告そのものだけでなく、容器包装、栄養成分表示、原材料名、アレルギー表示、期限表示、保健機能食品の表示など、商品表示側の確認が必要になります。
消費者庁は、食品表示について、食品の表示に関する包括的かつ一元的な制度を創設する食品表示法等について紹介しています。また、期限表示やアレルギー表示など健康の保護を図る表示制度、栄養や保健機能に関する表示制度も整理しています。
食品衛生法は、食品の安全性や衛生管理に関わる法律です。厚生労働省は、食品衛生法について、飲食による健康被害の発生を防止するための法律であると説明しています。
健康食品広告の記事内で食品衛生法を詳しく解説しすぎる必要はありませんが、広告で安全性や品質を訴求する場合は、製造管理、原材料、健康被害情報、回収対応などの確認も重要です。
実務上は、広告文だけを修正しても、パッケージ表示や届出表示と矛盾していると、社内確認や媒体審査で差し戻される可能性があります。広告制作前に、商品規格書、食品表示ラベル、届出表示、栄養成分表示、注意喚起表示を確認し、広告で使う言葉と一致しているかを見ておきましょう。
広告媒体・プラットフォーム審査で確認される点
健康食品広告では、法令上の確認に加えて、広告媒体やプラットフォームごとの審査基準も確認する必要があります。法律に関する表現チェックを行っていても、媒体側の商材カテゴリ、禁止表現、LP要件、画像表現、体験談の扱いによっては、広告審査で差し戻されることがあります。
特に、検索広告、SNS広告、記事広告、アフィリエイト、メール広告、同封同梱、店頭販促などでは、掲載面ごとに見られるポイントが変わります。広告文だけでなく、遷移先LP、申込フォーム、画像、動画、口コミ、注釈、ランキング表示まで確認しておくと、媒体担当者や顧客への説明がしやすくなります。
| 媒体審査で確認したい項目 | 実務での確認ポイント |
|---|---|
| 商材カテゴリ | 健康食品・サプリメントが掲載可能か、事前審査が必要か |
| 広告文 | 医薬品的効能、誇大表示、No.1表示、保証表現がないか |
| LP | ファーストビュー、体験談、申込導線、注釈が広告文と整合しているか |
| 画像・動画 | ビフォーアフター、数値改善、身体変化を過度に見せていないか |
| 根拠資料 | 届出表示、許可表示、調査条件、比較対象を提示できるか |
| 通販条件 | 定期購入、解約、返品、価格条件が分かりやすいか |
媒体資料や広告ポリシーは更新されることがあるため、出稿前には最新の公式基準と媒体資料を確認してください。Media Radarで媒体候補を比較する場合も、料金や掲載面だけでなく、健康食品カテゴリの掲載可否、審査基準、LP条件、入稿規定をあわせて確認すると、社内説明や顧客提案に使いやすくなります。
この章では、健康食品広告に関わる主な法律と規制を整理しました。次章では、これらの法令を踏まえて、実際にNGになりやすい広告表現を具体的に確認します。
健康食品広告でNGになりやすい表現
健康食品広告では、疾病の治療・予防、身体機能の改善、容易な痩身、根拠のない最上級表現、効果を保証する体験談などが問題になりやすいです。単語だけで判断せず、広告全体がどのような印象を与えるかで確認します。
健康食品広告の表現チェックでは、NGワードを機械的に消すだけでは不十分です。同じ言葉でも、商品カテゴリ、根拠資料、掲載面、画像、口コミ、LP全体の見せ方によって、一般消費者が受け取る印象は変わります。

まずは、NGになりやすい表現を「何が危険なのか」「どの法令に関係しやすいのか」「公開前に何を確認すべきか」で整理しましょう。
| NGになりやすい表現 | 問題になりやすい理由 | 関係しやすい法令・確認観点 | 公開前に確認すること |
|---|---|---|---|
| 病気が治る、予防できると受け取られる表現 | 医薬品的な効能効果に見える可能性がある | 薬機法 健康増進法 景品表示法 | 疾病名、症状名、治療・予防表現がないか |
| 身体機能を直接変えるような表現 | 食品の範囲を超えた機能改善に見える可能性がある | 薬機法 健康増進法 | 成分説明が商品全体の効果保証になっていないか |
| 痩せる、免疫力が上がるなどの断定 | 摂取だけで効果が出ると誤認させやすい | 健康増進法 景品表示法 | 運動・食事・対象者など条件を省略していないか |
| No.1、最高、絶対、保証 | 合理的根拠がない場合、優良誤認につながりやすい | 景品表示法 | 調査条件、比較対象、期間、表示内容との対応があるか |
| 口コミ・体験談・ビフォーアフター | 個人の結果を一般的効果のように見せやすい | 健康増進法 景品表示法 媒体審査 | 体験者条件、再現性、加工・選別、注釈の見せ方を確認する |
| LP・動画・SNS・バナーの強い演出 | 広告文が控えめでも全体印象で誤認を招く可能性がある | 健康増進法 景品表示法 媒体審査 | 画像、テロップ、ナレーション、CTA、FAQまで確認する |
出典:消費者庁「健康食品に関する景品表示法及び健康増進法上の留意事項について」
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病気の治療・予防を暗示する表現
健康食品広告で特に注意が必要なのは、病気の治療や予防を暗示する表現です。食品として販売する商品であっても、広告上で「治る」「改善する」「予防できる」と受け取られると、医薬品的な効能効果を標ぼうしているように見える可能性があります。
厚生労働省の通知では、容器、包装、添付文書、チラシ、パンフレット、刊行物、インターネット等の広告宣伝物などで、疾病の治療・予防を目的とする効能効果が表示されている場合、医薬品的な効能効果を標ぼうしているものとみなす考え方が示されています。
※出典:厚生労働省「無承認無許可医薬品の指導取締りについて」
たとえば、次のような表現は注意が必要です。
| 表現の方向性 | 注意が必要な例 | なぜ危険か |
|---|---|---|
| 疾病名に直接触れる | 糖尿病の方に、高血圧を改善、動脈硬化を予防 | 疾病の治療・予防効果を想起させる |
| 症状の解消を示す | 便秘が治る、花粉症が楽になる、関節痛に効く | 食品ではなく医薬品のような効果に見える |
| 医療を代替する印象 | 薬に頼らず改善、医者いらず、通院前に試したい | 医師による診断・治療を避けられる印象を与える |
| 医師・専門家の効果保証に見える | 医師も認めた、専門家が効果を保証 | 消費者に強い効能期待を与えやすい |
特に、LPの本文では疾病名を避けていても、見出し、画像、口コミ、FAQで症状改善を強く示している場合は、広告全体として医薬品的に見える可能性があります。BtoBの広告制作では、広告文だけでなく、LP構成案、バナー、記事広告、SNS投稿、動画台本まで同じ観点で確認することが重要です。
身体の特定部位・機能への過度な効能訴求
健康食品広告では、身体の特定部位や機能に対して、過度な変化を期待させる表現にも注意が必要です。免疫、脂肪、血糖、血圧、便通、肌、髪、関節、睡眠などは訴求として使われやすい一方で、表現の強さによっては医薬品的な効能や虚偽誇大表示に見える可能性があります。
厚生労働省の通知では、身体の組織機能の一般的増強・増進を主たる目的とする効能効果として、疲労回復、体力増強、老化防止、代謝を盛んにする、血液を浄化する、自然治癒能力が増すなどの例が示されています。ただし、栄養補給や健康維持等に関する表現はこの限りではないとされています。
広告制作では、次のように食品としてのサポート表現と身体機能を直接変える印象を分けて確認すると、社内説明や顧客提案がしやすくなります。
| 訴求テーマ | 注意が必要な見え方 | 確認ポイント |
|---|---|---|
| 免疫 | 免疫力が上がる、感染症を防ぐ | 疾病予防に見えていないか |
| 血圧・血糖 | 数値が下がる、改善する | 届出表示・許可表示の範囲を超えていないか |
| 脂肪・ダイエット | 飲むだけで脂肪が落ちる | 食事・運動なしで効果が出る印象になっていないか |
| 便通・腸活 | 便秘が治る、腸が改善する | 症状の治療・改善に見えていないか |
| 肌・髪 | シミが消える、白髪が黒くなる | 身体変化を保証する印象になっていないか |
| 睡眠・疲労 | 不眠が治る、疲労回復 | 医薬品的な効能に見えていないか |
消費者庁の資料では、健康食品が有する健康保持増進効果等では得られない身体の組織機能等の変化を、イラストや写真で表示することにより、一般消費者が健康食品を摂取するだけで容易に変化を得られると誤認するおそれがあると説明されています。
出典:消費者庁「健康食品に関する景品表示法及び健康増進法上の留意事項について」
「痩せる」「免疫力が上がる」など断定的な効果表現
「痩せる」「免疫力が上がる」「血糖値が下がる」「便秘が改善する」のような断定表現は、健康食品広告で使いたくなる一方、リスクが高い表現です。特に、摂取するだけで効果が出るように見える表現、短期間で大きな変化が得られるように見える表現、誰にでも同じ効果があるように見える表現は注意が必要です。
消費者庁の資料では、特定の健康食品を摂取するだけで、特段の運動や食事制限をすることなく、短期間で容易に痩身効果が得られることはないと説明されています。
また、容易な痩身効果を期待させる表示は、虚偽誇大表示等に当たるおそれがあるとされています。
出典:消費者庁「健康食品に関する景品表示法及び健康増進法上の留意事項について」
表現チェックでは、次のような観点で確認します。
| 確認する表現 | リスクの見方 | 修正時の考え方 |
|---|---|---|
| 飲むだけで痩せる | 摂取だけで痩身効果があるように見える | 食生活や運動を含む生活習慣サポートの文脈で確認する |
| 免疫力が上がる | 疾病予防や感染症対策に見える可能性がある | 健康維持や栄養補給の範囲で表現できるか確認する |
| 血圧・血糖が下がる | 身体数値の改善を断定しているように見える | 届出表示・許可表示・根拠資料と一致しているか確認する |
| 便秘が治る | 症状の治療・改善に見える | 体調管理や食生活サポートの文脈で表現できるか確認する |
| 1週間で実感 | 短期間で効果を保証する印象になりやすい | 期間・対象者・根拠資料の有無を確認する |
現場では、売れるコピーとして強い言い切りを求められることがあります。
しかし、健康食品広告では、訴求の強さと審査リスクが比例しやすい分野です。コピー案を出す段階で、効果の断定、期間の断定、対象者の広げすぎ、摂取だけで変化する印象がないかを確認しておきましょう。
最上級・No.1・絶対・保証表現
「No.1」「最高」「日本一」「絶対」「必ず」「保証」などの表現は、健康食品広告に限らず景品表示法上の確認が必要です。特に、効果・品質・満足度・推奨率・ランキングなどを強く見せる場合は、表示内容に対応する合理的な根拠があるかを確認しなければなりません。
消費者庁は、景品表示法の優良誤認表示について、実際のものより著しく優良であると示す表示や、事実と異なり競争事業者のものより著しく優良であると示す表示を禁止していると説明しています。また、優良誤認表示に該当するか判断するため、事業者に合理的な根拠資料の提出を求めることができるとされています。
また、消費者庁の「No.1表示に関する実態調査報告書」では、No.1表示の根拠として、比較対象となる同種・類似の商品等を適切に選定すること、調査対象者を適切に選定すること、調査が公平な方法で実施されること、表示内容と調査結果が適切に対応していることなどが必要と整理されています。
広告制作時には、次の項目を事前に確認しましょう。
| 表示例 | 確認すべきこと |
|---|---|
| 顧客満足度No.1 | 調査対象、調査方法、比較対象、調査期間、設問内容 |
| 医師推奨率〇% | 医師の選定方法、人数、調査方法、利益相反、表示内容との対応 |
| 売上No.1 | 対象市場、対象期間、比較範囲、販売チャネル |
| 最高品質 | 品質を示す客観的根拠、比較対象、評価基準 |
| 必ず実感・効果保証 | 効果保証に見えないか、返金保証の条件と混同されないか |
No.1表示やランキングは、社内稟議や提案資料では魅力的に見えますが、根拠が弱いまま広告に使うと差し戻しや表示修正の原因になります。
調査資料を持っている場合でも、広告で伝える文言と調査結果が対応しているかを確認することが重要です。
口コミ・体験談・ビフォーアフター・グラフの見せ方
口コミ、体験談、ビフォーアフター、グラフは、消費者に直感的に伝わりやすい一方で、効果を保証しているように見えやすい表現です。特に、都合のよい体験談だけを選ぶ、体験者の条件を示さない、試験結果の一部だけを切り出す、グラフの縦軸を調整して変化を大きく見せるといった見せ方には注意が必要です。
消費者庁の資料では、体験談を広告で使用することが直ちに虚偽誇大表示等に当たるものではないとしつつ、不適切に使用して一般消費者に誤認される表示をする場合は、虚偽誇大表示等に当たるおそれがあると説明されています。
また、消費者庁の景品表示法Q&Aでは、消費者の体験談やモニターの意見等を効果・性能表示の根拠として使う場合、無作為抽出法で相当数のサンプルを選定し、作為が生じないように考慮するなど、統計的に客観性が十分に確保されている必要があると説明されています。
出典:消費者庁「健康食品に関する景品表示法及び健康増進法上の留意事項について」
公開前には、次の観点で確認します。
| 表現対象 | 確認ポイント |
|---|---|
| 口コミ | 広告であることが分かるか、第三者の自然な投稿のように見せていないか |
| 体験談 | 体験者の条件、人数、同様の結果が得られなかった人の存在を無視していないか |
| ビフォーアフター | 商品摂取だけで変化したように見えていないか、撮影条件が不自然でないか |
| グラフ | 軸の調整、切り取り、対象者条件、試験期間を明瞭に示しているか |
| 専門家コメント | 効果保証や医療的な推奨に見えていないか |
| 著名人・インフルエンサー投稿 | PR表記、台本、投稿内容、LP遷移後の表現が整合しているか |
広告代理店や制作会社が体験談素材を受け取る場合は、素材の見た目だけでなく、体験者の条件、取得方法、使用許諾、調査条件、編集の有無を確認しておくと、媒体審査や顧客確認に対応しやすくなります。
LP・動画・SNS・バナーで見落としやすい表現
健康食品広告では、検索広告やディスプレイ広告のテキストだけでなく、遷移先LP、動画、SNS投稿、バナー、記事広告、メール、同封チラシなども確認対象になります。広告文では控えめな表現を使っていても、LPのファーストビューや動画のテロップ、SNSのコメント引用で強い効果を印象付けている場合、広告全体としてリスクが高まる可能性があります。
消費者庁の留意事項では、健康保持増進効果等を暗示的・間接的に表現するものとして、名称やキャッチフレーズ、含有成分の説明、起源・由来、身体の不安や悩みの例示、記事・医師・学者・体験談などの引用、行政機関や研究機関に認められている旨の表示などが挙げられています。
LPやクリエイティブでは、次のような見落としが起きやすくなります。
| 掲載面 | 見落としやすいNG要素 |
|---|---|
| LPのファーストビュー | キャッチコピー、人物写真、数値、矢印、ビフォーアフターで強い効果を印象付ける |
| LP本文 | 成分説明を商品全体の効果のように見せる |
| FAQ | 「本当に痩せますか?」への回答で効果保証に近い表現を使う |
| バナー | 限られた文字数で「飲むだけ」「即実感」「医師推奨」などを強調する |
| 動画 | テロップ・ナレーション・演出で短期間の身体変化を印象付ける |
| SNS投稿 | 体験談やコメント引用で一般的効果のように見せる |
| 記事広告 | 編集記事のように見せながら、実質的に効果を保証する |
| メール・LINE配信 | 件名や冒頭で強い効能・限定訴求を使う |
出典:消費者庁「健康食品に関する景品表示法及び健康増進法上の留意事項について」
BtoBの制作現場では、媒体審査で差し戻されるまでLP全体を確認していないケースもあります。初稿段階から、広告文、LP、画像、動画、SNS投稿、申込導線を一体でチェックし、修正履歴を残しておくと、社内確認や顧客説明がしやすくなります。
注意書き・個人の感想で打ち消せないケース
健康食品広告では、「個人の感想です」「効果を保証するものではありません」といった注意書きを付ければ、強い効能訴求をそのまま使えるわけではありません。注意書きはあくまで補足であり、主見出し、画像、体験談、グラフ、CTAを含む表示全体の印象が重要です。
消費者庁の資料では、「個人の感想です」「効果を保証するものではありません」「軽い運動を併用した結果です」等の表示をしたとしても、虚偽誇大表示等に当たるか否かの判断に影響を与えるものではないと説明されています。成分効果を強調する表示や体験談等を含む表示内容全体から、一般消費者が健康保持増進効果等を認識するにもかかわらず、実際にはそのような効果がない場合は、虚偽誇大表示等に当たるとされています。
そのため、注意書きを入れる前に、まず主訴求そのものを安全側に調整する必要があります。
そのため、注意書きを入れる前に、まず主訴求そのものを安全側に調整する必要があります。
| 注意書きに頼りがちなケース | 見直すべきポイント |
|---|---|
| 強いビフォーアフターの下に小さく注意書きを入れる | 画像自体が過度な変化を印象付けていないか |
| 効果保証のような体験談の後に個人差注記を入れる | 体験談の選び方、見せ方、再現性の説明が適切か |
| 飲むだけで痩せる訴求に運動併用注記を入れる | 主見出しが摂取だけで効果が出る印象になっていないか |
| グラフの下に小さく試験条件を書く | 対象者、人数、期間、条件が読者に分かる位置にあるか |
| SNS投稿で強い感想を引用し、LP側だけで注釈する | 投稿単体でも誤認を招かないか |
出典:消費者庁「健康食品に関する景品表示法及び健康増進法上の留意事項について」
この章では、健康食品広告でNGになりやすい表現を、単語ではなく広告全体の印象と根拠資料との対応で確認しました。次章では、これらのNG表現をどのように安全側へ言い換えるかを、商品カテゴリや届出・許可範囲に分けて整理します。
健康食品広告で使える可能性があるOK表現と言い換えの考え方
OK表現は商品カテゴリ、届出・許可範囲、根拠資料、掲載面によって変わります。医薬品的な効果を断定せず、健康維持・栄養補給・生活習慣のサポートとして表現できるかを確認しましょう。
健康食品広告では、NG表現を単にやわらかい言葉へ置き換えるだけでは不十分です。
一般健康食品、栄養機能食品、機能性表示食品、特定保健用食品(トクホ)では、表示できる範囲や確認すべき資料が異なるため、商品カテゴリごとに言い換え方を分けて考える必要があります。
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一般健康食品で使いやすい表現の方向性
一般健康食品では、疾病の治療・予防、身体機能の改善、数値の変化を断定する表現は避け、食品としての特徴や日々の健康維持を支える文脈で伝えることが基本です。たとえば、成分、素材、味、摂取シーン、栄養補給、生活習慣のサポートなどは、比較的安全側に寄せやすい表現領域です。
厚生労働省の通知では、身体の組織機能の一般的な増強・増進を主たる目的とする効能効果は医薬品的な効能効果として扱われる一方、栄養補給、健康維持等に関する表現はこの限りではないとされています。ただし、個別の広告表現が問題にならないと断定できるわけではないため、広告全体の印象と根拠資料を確認する必要があります。
一般健康食品で表現を考えるときは、「何に効くか」ではなく、「どのような食生活・健康習慣を支えるか」に視点を移すと、過度な効能訴求を避けやすくなります。
| 避けたい方向性 | 安全側に寄せやすい方向性 | 確認ポイント |
|---|---|---|
| 病気・症状が改善する | 毎日の健康維持をサポートする | 疾病名や症状名を出していないか |
| 飲むだけで痩せる | 食生活や運動習慣を意識する方をサポートする | 摂取だけで効果が出る印象になっていないか |
| 免疫力が上がる | 健康的な毎日を支える栄養補給に | 疾病予防や感染症対策に見えていないか |
| 便秘が治る | 食物繊維を含み、すっきりした毎日を支える | 症状改善の断定になっていないか |
| 疲労回復に効く | 忙しい毎日の栄養補給に | 身体機能の改善・回復を保証していないか |
例えば、「高血圧を改善する」ではなく「塩分や生活習慣が気になる方の健康管理に」、「便秘が治る」ではなく「食物繊維を毎日の食生活に取り入れたい方に」といった方向で、食品としての役割に寄せていく考え方です。
ただし、言い換え後の表現でも、LP全体で数値改善や症状改善を強く印象付けていればリスクが残ります。表現単体ではなく、バナー、見出し、画像、体験談、FAQ、申込導線まで含めて確認しましょう。
栄養機能食品で使える表現と注意点
栄養機能食品は、特定の栄養成分の補給のために利用される食品で、栄養成分の機能を表示するものです。広告で扱う場合は、対象となる栄養成分、基準量、定められた表示文言、注意喚起表示を確認し、栄養成分の機能を超えて商品全体の効果のように見せないことが重要です。
消費者庁は、栄養機能食品として販売するためには、1日当たりの摂取目安量に含まれる栄養成分量が定められた上限値・下限値の範囲内にあること、基準で定められた栄養成分の機能だけでなく注意喚起表示等も表示する必要があることを示しています。また、栄養機能食品は個別の許可申請を行う必要がない自己認証制度とされています。
栄養機能食品では、「栄養成分の機能」を伝えることと、「商品を摂取した結果として体調や症状が改善する」と見せることを分ける必要があります。
| 表現で確認すること | 注意点 |
|---|---|
| 対象成分が制度上の栄養成分に該当するか | 対象外成分の機能を栄養機能食品として表示しない |
| 定められた表示文言に沿っているか | 独自に強い効果表現へ言い換えない |
| 1日当たりの摂取目安量が基準内か | 商品設計・表示ラベルとの整合を確認する |
| 注意喚起表示を入れているか | 広告だけでなく商品表示との整合も確認する |
| 成分の機能を商品全体の効果にしていないか | この商品で改善すると受け取られないようにする |
ビタミンやミネラルの機能を説明する場合でも、広告全体で「疲労が回復する」「肌トラブルが治る」「免疫が上がる」といった印象になっていないかを確認します。栄養機能食品は、栄養成分の機能を表示できる制度であり、商品全体の医薬品的な効能を自由に訴求できる制度ではありません。
BtoBの広告制作では、コピー案を作る前に、対象成分、表示基準、パッケージ表示、商品規格書、注意喚起表示を確認しておくと、薬事・品質保証・法務との確認が進めやすくなります。
機能性表示食品で届出表示を扱うときの注意
機能性表示食品は、事業者の責任で科学的根拠に基づき、特定の保健の目的が期待できる旨を表示できる制度です。広告で扱う場合は、届出表示、機能性関与成分、対象者、摂取方法、注意事項、根拠資料と広告表現が一致しているかを確認する必要があります。
消費者庁は、機能性表示食品について、事業者の責任において、科学的根拠に基づき特定の保健の目的が期待できる旨を表示できる制度と説明しています。また、届出内容は消費者庁ウェブサイトで確認できるとされています。
一方で、機能性表示食品だからといって、広告で自由に効果を強調できるわけではありません。消費者庁は、国が機能性表示食品の効果を認めているかのような表示や、公表されている届出内容を超えた広告を鵜呑みにしないよう注意を促しています。
機能性表示食品の広告では、次の確認が重要です。
| 確認項目 | 広告での注意点 |
|---|---|
| 届出表示 | 届出表示の意味を広げすぎていないか |
| 機能性関与成分 | 成分の機能を商品全体の万能効果のように見せていないか |
| 対象者 | 届出上の対象者と広告で想定する読者がずれていないか |
| 摂取方法 | 摂取量・摂取タイミング・注意事項を省略して誤認を招いていないか |
| 科学的根拠 | 広告文と根拠資料の対象、条件、結果が対応しているか |
| 国の関与の見せ方 | 国が効果を保証・承認したように見せていないか |
届出表示に「BMIが高めの方の体脂肪を減らすのを助ける」といった範囲がある場合でも、広告で「誰でも痩せる」「短期間で体重が落ちる」「飲むだけで脂肪が消える」のように見える表現へ広げるのは避けるべきです。
届出表示は、対象者や機能性関与成分、摂取条件とセットで確認する必要があります。
特定保健用食品(トクホ)の場合も同様に、許可された保健の用途に沿っているかを確認します。
消費者庁は、特定保健用食品について、食品ごとに有効性や安全性について国の審査を受け、許可を得る必要があると説明しています。広告では、許可表示を短く言い換えた結果、対象者や条件が抜け落ち、許可範囲を超えた印象になっていないかを確認しましょう。
NG表現をOK表現へ変える言い換え表
NG表現を安全側へ修正するときは、単語を弱めるだけではなく、「疾病・症状の改善」から「健康維持・栄養補給・生活習慣サポート」へ視点を変えることが大切です。あわせて、根拠資料と広告表現が対応しているか、掲載面ごとの見え方に無理がないかを確認します。

消費者庁の留意事項では、健康食品の表示について、健康保持増進効果等を表示したことだけで直ちに虚偽誇大表示に該当するものではなく、著しく事実に相違する表示や著しく人を誤認させる表示が問題になる旨が示されています。また、名称、キャッチフレーズ、含有成分、起源、体験談などによる暗示的・間接的な表示も確認対象になります。
以下は、言い換えを考えるための方向性です。個別商品の広告表現として使えるかどうかは、商品カテゴリ、届出・許可表示、根拠資料、掲載面、媒体審査基準を確認してください。
| NGになりやすい表現 | 安全側に寄せる言い換え方向 | 確認すること |
|---|---|---|
| 高血圧を改善する | 塩分や生活習慣が気になる方の健康管理に | 疾病・数値改善の訴求になっていないか |
| 糖尿病を予防する | 毎日の食生活を意識する方に | 疾病予防を暗示していないか |
| 便秘が治る | 食物繊維を毎日の食生活に取り入れたい方に | 症状改善ではなく栄養・食生活の文脈か |
| 飲むだけで痩せる | 食事や運動を意識する毎日をサポート | 摂取だけで痩身効果が出る印象になっていないか |
| 免疫力が上がる | 健康的な毎日を支える栄養補給に | 感染症予防や疾病対策に見えていないか |
| 疲労回復に効く | 忙しい毎日の栄養補給をサポート | 身体機能の回復を断定していないか |
| 肌荒れが治る | 美容を意識する毎日の食生活に | 身体変化や症状改善を保証していないか |
| 血糖値を下げる | 食後の生活習慣が気になる方に | 機能性表示食品・トクホの場合は届出・許可範囲を確認 |
| 医師が効果を認めた | 専門家コメントを掲載する場合は、監修範囲・根拠・広告表現との関係を明確にする | 効果保証や医療的推奨に見えないか |
| 利用者満足度No.1 | 調査条件、対象者、比較対象、期間を明示する | 景品表示法上の根拠資料があるか |
出典:消費者庁「健康食品に関する景品表示法及び健康増進法上の留意事項について」
言い換えのポイントは、次の3つです。
- 「治る」「改善する」「予防する」を避け、健康維持・栄養補給・生活習慣サポートの文脈にする
- 「誰でも」「必ず」「短期間で」を避け、対象者・条件・根拠を確認する
- 成分の説明、体験談、画像、グラフ、FAQが商品全体の効果保証に見えないか確認する
広告コピーを修正するときは、まず何を言いたいかではなく、読者がどう受け取るかを確認しましょう。
販売意欲の高いコピーほど、身体変化や効果保証に近づきやすいため、表現を弱めるだけでなく、根拠と掲載面に合わせて設計し直すことが重要です。
コピー修正は商品カテゴリ・訴求内容・掲載面・根拠資料で判定する
健康食品広告のコピー修正は、NGワードを削除して終わりではありません。商品カテゴリ、訴求内容、掲載面、根拠資料を並べて確認し、広告全体として誤認を招かないかを判断する必要があります。
特に、一般健康食品と機能性表示食品では、同じ「サポート」という言葉を使っていても、根拠や表示範囲が異なります。また、検索広告の短い文言では問題が見えにくくても、遷移先LPや動画、SNS投稿、体験談まで見ると、強い効能訴求になっている場合があります。
コピー修正では、次の順番で確認すると整理しやすくなります。
| 確認順 | 確認すること | 実務上のポイント |
|---|---|---|
| 1 | 商品カテゴリ | 一般食品、栄養機能食品、機能性表示食品、トクホのどれか |
| 2 | 表示できる範囲 | 届出表示、許可表示、栄養成分の基準、商品表示と一致しているか |
| 3 | 訴求内容 | 健康維持、栄養補給、美容、ダイエット、睡眠、免疫など、どの領域か |
| 4 | 掲載面 | バナー、LP、記事広告、SNS、動画、メール、店頭POPなど |
| 5 | 根拠資料 | 試験資料、届出情報、許可表示、調査条件、社内確認資料があるか |
| 6 | 広告全体の印象 | テキスト、画像、体験談、グラフ、注釈、CTAを含めて誤認がないか |
| 7 | 媒体審査 | 出稿媒体の最新ポリシーや商材カテゴリに合っているか |
表現可否は『商品カテゴリ×訴求内容×掲載面×根拠資料』で見る
健康食品広告の表現可否は、1つの言葉だけで決まりません。同じ表現でも、一般健康食品なのか、栄養機能食品なのか、機能性表示食品なのか、トクホなのかによって、確認すべき範囲が変わります。
「血糖が気になる方に」という表現は、商品カテゴリや届出・許可表示の有無によって確認すべきポイントが変わります。一般健康食品であれば、疾病や身体数値の改善を暗示していないかを慎重に見る必要があります。機能性表示食品やトクホであっても、届出表示・許可表示の範囲を超えていないか、対象者や条件を省略していないかを確認する必要があります。
判断に迷う場合は、次の4軸で整理すると、社内説明や顧客提案に使いやすくなります。
| 4軸 | 確認する質問 | 差し戻しを防ぐためのメモ |
|---|---|---|
| 商品カテゴリ | この商品は一般食品、栄養機能食品、機能性表示食品、トクホのどれか | 商品分類を曖昧にしたままコピーを作らない |
| 訴求内容 | 健康維持、栄養補給、疾病予防、数値改善、痩身など、何を期待させているか | 疾病・症状・身体変化の断定に寄っていないか |
| 掲載面 | 広告文だけか、LP、画像、動画、SNS、体験談まで含むか | クリエイティブ全体で強い印象になっていないか |
| 根拠資料 | 表示内容を支える資料、届出、許可、調査条件があるか | 根拠資料の内容と広告文が対応しているか |
この4軸を整理しておくと、マーケティング担当、薬事・法務、制作会社、広告代理店、媒体担当が同じ前提で確認しやすくなります。修正依頼を出すときも「この表現は強いから弱めてください」ではなく、「一般健康食品の広告で身体数値の改善を期待させるため、健康維持の文脈に寄せましょう」と説明できます。

メディアレーダーで健康食品広告に関連する媒体資料を比較する場合も、表現設計の前提を整理しておくと、媒体ごとの審査基準、LP要件、入稿規定を確認しやすくなります。
媒体資料を確認する段階では、料金や掲載面だけでなく、健康食品カテゴリの掲載可否、NG表現、体験談・画像の扱い、LP審査の有無もあわせて確認しましょう。
この章では、健康食品広告で使える可能性がある表現を、商品カテゴリと根拠資料に分けて整理しました。次章では、違反事例や罰則、広告停止・ブランド毀損などの事業リスクを確認し、なぜ公開前チェックが必要なのかを社内説明できる形で整理します。
違反事例と罰則・事業リスク

違反リスクは行政処分だけでなく、広告審査落ち、配信停止、LP差し戻し、販売停止、ブランド毀損にもつながります。具体的な罰則や処分は最新の公式情報を確認し、記事では実務上の影響と防止策を整理します。
健康食品広告では、表現の一部だけを修正しても、広告全体として消費者に誤認を与えると判断される可能性があります。社内や顧客に説明するときは、「どの法律に触れるか」だけでなく、「広告運用・販売計画・ブランド信頼にどのような影響が出るか」まで整理しておくことが重要です。
違反リスクは行政処分だけでなく、広告審査落ち、配信停止、LP差し戻し、販売停止、ブランド毀損にもつながります。具体的な罰則や処分は最新の公式情報を確認し、記事では実務上の影響と防止策を整理します。
健康食品広告では、表現の一部だけを修正しても、広告全体として消費者に誤認を与えると判断される可能性があります。社内や顧客に説明するときは、「どの法律に触れるか」だけでなく、「広告運用・販売計画・ブランド信頼にどのような影響が出るか」まで整理しておくことが重要です。
出典:消費者庁「健康食品に関する景品表示法及び健康増進法上の留意事項について」
| リスクの種類 | 起こり得ること | BtoB実務での影響 | 事前に確認すること |
|---|---|---|---|
| 行政指導・改善指導 | 表示の修正、改善要請、関係先への協力要請 | 公開中LP・広告文・画像の修正対応が必要になる | 表示全体、根拠資料、商品カテゴリ |
| 措置命令 | 違反表示の周知、再発防止策、同様表示の禁止など | 企業名・対象表示が公表され、社内外の説明が必要になる | 景品表示法、健康増進法、合理的根拠資料 |
| 課徴金納付命令 | 対象行為に応じた金銭的負担が発生する可能性 | 広告費だけでなく、売上・利益計画にも影響する | 対象期間、対象商品、表示内容、売上資料 |
| 広告審査落ち | 入稿不可、配信停止、再審査 | キャンペーン開始遅延、制作・修正コスト増 | 媒体ポリシー、LP、画像、体験談、注釈 |
| 販売停止・ブランド毀損 | 販売計画の見直し、顧客・取引先からの信用低下 | 代理店・制作会社・媒体社にも説明責任が生じる | 承認フロー、修正履歴、公式資料確認 |
行政指導・措置命令・課徴金などの法的リスク
健康食品広告で問題があるとされた場合、まず表示の改善指導や要請の対象になることがあります。さらに、景品表示法上の優良誤認表示や有利誤認表示などに該当すると判断された場合、措置命令や課徴金納付命令につながる可能性があります。
消費者庁は、景品表示法違反行為への対応として、違反行為者に対して措置命令を行うことができると説明しています。また、都道府県知事も景品表示法に基づく権限を有し、措置命令を行うことができるとされています。
出典:消費者庁「景品表示法違反行為を行った場合はどうなるのでしょうか?」
課徴金については、景品表示法第8条に「課徴金納付命令」が規定されています。優良誤認表示や有利誤認表示などの対象行為に該当するか、課徴金額がどう算定されるかは、個別事案と最新条文を確認する必要があります。
薬機法についても、厚生労働省は、医薬品医療機器等法の改正により、虚偽・誇大広告違反に対して課徴金制度を導入したと説明しています。健康食品広告では、食品であるにもかかわらず医薬品的な効能効果を標ぼうしているように見えないかを慎重に確認する必要があります。
健康増進法では、食品として販売に供する物について、健康保持増進効果等に関する虚偽・誇大表示が問題になります。消費者庁の健康増進法ページでは、インターネット上の健康食品等の虚偽・誇大表示に対する改善指導が継続的に公表されています。
実務上は、次のように法的リスクと社内対応をセットで整理しておくと、上司・法務・顧客への説明がしやすくなります。
| 確認項目 | 社内説明で使える観点 |
|---|---|
| どの表示が問題になり得るか | 広告文、LP、画像、口コミ、グラフ、申込導線を分けて確認する |
| どの法律に関係するか | 薬機法、景品表示法、健康増進法、特商法、食品表示法を切り分ける |
| 根拠資料はあるか | 試験資料、届出表示、許可表示、調査条件、社内確認資料を確認する |
| 公開範囲はどこまでか | 検索広告、SNS、LP、記事広告、アフィリエイト、同封チラシまで確認する |
| 修正履歴を残しているか | いつ、誰が、どの根拠で修正したかを残す |
広告審査落ち・配信停止・LP差し戻し
健康食品広告では、法令違反として行政処分に至らなくても、媒体審査で掲載不可、配信停止、LP差し戻しになることがあります。特に、検索広告、SNS広告、記事広告、アフィリエイト、メール広告などでは、広告文だけでなく遷移先LPや画像表現も確認されることがあります。
広告審査で問題になりやすいのは、強い効能表現、痩身効果、疾病・症状への言及、根拠不明なNo.1表示、ビフォーアフター、口コミ・体験談、定期購入条件の分かりにくさなどです。媒体ごとに審査基準や商材カテゴリの扱いは異なるため、出稿前に最新の媒体資料・広告ポリシーを確認してください。
| 審査・運用上のリスク | 起こりやすい場面 | 実務上の影響 |
|---|---|---|
| 入稿不可 | 広告文に医薬品的な効能や痩身断定がある | キャンペーン開始が遅れる |
| LP差し戻し | 広告文は控えめだが、LPで強い効果を訴求している | 制作会社・代理店との修正工数が増える |
| クリエイティブ差し戻し | 画像・動画で身体変化や数値改善を強く見せている | バナー・動画の再制作が必要になる |
| 配信停止 | 公開後に媒体側の審査や通報で問題視される | 獲得計画・広告予算消化に影響する |
| アカウント・商材審査の強化 | 同様の表現が繰り返される | 以後の出稿審査が厳しくなる可能性がある |
広告代理店や制作会社の立場では、広告審査落ちは単なる修正対応ではなく、納期、予算、媒体枠、顧客信頼に直結します。初稿段階から、広告文、LP、画像、動画、口コミ、FAQ、申込導線をまとめて確認し、媒体審査に出す前に社内チェックを済ませておくことが重要です。
メディアレーダーで媒体資料を比較する場合も、料金やターゲットだけでなく、健康食品カテゴリの掲載可否、LP審査の有無、体験談や画像表現の扱い、入稿前に必要な根拠資料を確認すると、提案時のリスク説明がしやすくなります。
販売停止・ブランド毀損・顧客離反
健康食品広告の違反リスクは、法的処分や広告審査だけで終わりません。表示に問題があると公表された場合、商品や企業への信頼低下、販売計画の見直し、取引先からの確認依頼、顧客対応、返品・解約対応など、事業全体に影響が広がる可能性があります。
特に、健康食品は消費者の健康や生活習慣に関わる商材です。広告で過度な効果を期待させた場合、購入後に「思っていた効果と違う」「説明が分かりにくい」と受け取られ、顧客離反やクレームにつながることもあります。
| 事業リスク | 具体的な影響 | 事前対策 |
|---|---|---|
| ブランド毀損 | 企業名・商品名が違反事例として認識される | 公式資料に基づく表現チェックを行う |
| 顧客離反 | 期待した効果とのギャップで不信感が生まれる | 効果保証に見える表現を避ける |
| 取引先対応 | 卸先・ECモール・媒体社から説明を求められる | 修正履歴・根拠資料・承認記録を残す |
| 販売計画の遅延 | LP修正、商品ページ修正、広告停止で販促計画がずれる | 公開前に薬事・法務・品質保証を巻き込む |
| 社内コスト増 | 法務確認、顧客対応、再制作、再審査が発生する | チェックリストと承認フローを標準化する |
BtoBの提案では、違反リスクを恐怖訴求として伝えるのではなく、「売れる表現」と「継続して出稿できる表現」を分けて説明することが重要です。短期的に強いコピーで反応を取れても、審査落ちや修正対応が続くと、広告運用の安定性が下がります。
そのため、顧客提案や社内稟議では、次のように整理すると説得力が出ます。
| 提案時に伝えること | 説明の仕方 |
|---|---|
| 強い効能表現は短期的に目立つが、審査・法令リスクが高い | 表現の強さと運用安定性を比較する |
| 根拠資料と広告文が一致していないと差し戻しやすい | 表示根拠を先に確認してからコピーを作る |
| LP全体の印象が重要 | 広告文だけでなく画像・口コミ・申込導線も確認する |
| 修正履歴を残すべき | 公開後に説明が必要になったときの証跡になる |
| 媒体ごとに審査基準が異なる | 出稿前に媒体資料・公式ポリシーを確認する |
公式違反事例から見る判断軸
違反事例を読むときは、「どの会社が違反したか」だけを見るのではなく、どの表示媒体で、どのような表示が、どの法律・条文に基づき問題になったのかを確認します。これにより、自社広告や顧客のLPを確認するときの判断軸として使いやすくなります。
たとえば、消費者庁は、株式会社ハハハラボの「メラット」と称する機能性表示食品に係る表示について、景品表示法第5条第1号(優良誤認)に該当する行為が認められたとして、景品表示法第7条第1項に基づく措置命令を行ったと公表しています。その後、同商品に係る表示について、景品表示法第8条第1項に基づく課徴金納付命令も公表されています。
この事例では、商品紹介ページなどで、あたかも飲用するだけで容易に腹部の脂肪が減少し、短期間で顕著な痩身効果が得られるかのような印象を与える表示が問題視されました。消費者庁は事業者に対して表示の裏付けとなる合理的根拠資料の提出を求めましたが、表示全体から受ける印象を裏付ける十分な根拠が認められなかったとしています。
実務上のポイントは、「機能性表示食品として届出されていること」と「広告で表現できる範囲」は同じではないという点です。届出表示の範囲を超えて、体脂肪減少やダイエット効果を強く印象付けるLPやクリエイティブを作成すると、優良誤認と判断されるリスクがあります。
出典:消費者庁「株式会社ハハハラボに対する景品表示法に基づく措置命令について」
出典:消費者庁「株式会社ハハハラボに対する景品表示法に基づく課徴金納付命令について」
また、消費者庁は、認知機能に係る機能性を標ぼうする機能性表示食品について、届出後の事後チェックとして、景品表示法(優良誤認表示)および健康増進法(食品の虚偽・誇大表示)の観点から表示の適正化について改善指導を行い、SNSで一般消費者等へ注意喚起したことも公表しています。
この事例群では、「物忘れが改善する」「認知症を予防できる」と受け取られかねない表現や、届出された機能性の範囲を超えて疾病予防・改善効果を連想させる表示が問題となりました。機能性表示食品はあくまで特定の機能について科学的根拠を示して届出を行う制度であり、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。
広告担当者が見落としやすいのは、広告文そのものよりも、体験談や口コミ、Q&A、バナー画像のキャッチコピーです。本文では適切な表現を使っていても、「飲み始めてから物忘れがなくなった」「認知症対策におすすめ」といった周辺表現によって、広告全体として誤認を与える可能性があります。
出典:消費者庁「認知機能に係る機能性を標ぼうする機能性表示食品の表示に関する改善指導及び一般消費者等への注意喚起について」
さらに、消費者庁はインターネット上の健康食品等の虚偽・誇大表示に対する改善指導を継続的に公表しています。健康食品広告では、LPやECサイト、アフィリエイトサイト、SNS投稿など、インターネット上の表示も確認対象になる点を押さえておきましょう。
改善指導事例では、健康食品について「血糖値が下がる」「高血圧が改善する」「がん予防になる」など、医薬品のような効能効果を標ぼうする表示が繰り返し確認されています。また、ビフォーアフター画像や利用者の体験談を用いて、誰でも同様の結果が得られるように見せる表現も問題になりやすい傾向があります。
特に注意したいのは、自社サイトだけでなく、アフィリエイト記事や比較サイト、SNS投稿なども消費者が接触する広告表示として見られる可能性があることです。広告主が直接作成していないコンテンツであっても、運用実態によっては確認や管理が求められるケースがあります。
出典:消費者庁「インターネットにおける健康食品等の虚偽・誇大表示に対する改善指導について(令和8年1月〜3月)」
公式事例を実務に活かすときは、次の観点で読み解くと、単なる事例紹介で終わらず、自社の広告改善につなげやすくなります。
| 公式事例で見る項目 | 自社広告への活かし方 |
|---|---|
| 対象商品 | 自社商品が一般食品、機能性表示食品、トクホなどどれに該当するか確認する |
| 表示媒体 | 自社サイト、LP、アフィリエイト、SNS、ECモールなど対象範囲を広げて見る |
| 問題になった表示 | 効能、痩身、認知機能、No.1、国の関与、体験談などの訴求を確認する |
| 実際の根拠 | 広告表現と根拠資料が対応しているかを確認する |
| 命令・指導内容 | 周知、再発防止、同様表示の禁止など、自社の承認フローに反映する |
| 公表資料 | 社内研修や顧客提案時の参考資料として使う |
違反事例は、他社の失敗を強調するためではなく、自社の広告表現を安全側に調整するための材料として使うべきです。特に、公式資料では「どの表現が問題だったのか」「消費者にどのような印象を与えると判断されたのか」「根拠資料はなぜ不十分とされたのか」が示されていることがあります。
そのため、事例を確認するときは単に処分結果を見るのではなく、対象となったLPや広告表現の特徴を読み解くことが重要です。広告文・LP・画像・口コミ・ランキング表示・体験談・申込導線まで含めて確認することで、自社広告のリスクチェック精度を高めやすくなります。
この章では、違反時に起こり得る法的リスクと事業リスクを整理しました。
広告出稿・LP審査で注意すべきこと
健康食品広告では、広告文だけでなく遷移先LP、画像、体験談、ランキング、FAQ、注釈、申込導線まで確認されます。媒体ごとに審査基準や商材カテゴリが異なるため、出稿前に資料・公式基準・社内承認フローを確認しましょう。

広告審査で見られるのは、広告の短いテキストだけではありません。ユーザーが広告をクリックした後に見るLP、商品ページ、申込フォーム、口コミ、画像、動画、ランキング、定期購入条件まで含めて、広告全体として誤認を招かないかが確認されることがあります。
出典:消費者庁「健康食品に関する景品表示法及び健康増進法上の留意事項について」
出典:LINEヤフー for Business「広告・ランディングページ(遷移先)作成の注意点 -基礎編-」
| 確認対象 | 審査・差し戻しで見られやすい点 | 実務上の確認ポイント |
|---|---|---|
| 広告文 | 医薬品的効能、痩身断定、最上級、保証表現 | 商品カテゴリ・根拠資料・媒体基準と照合する |
| 遷移先LP | 広告文とLP内容の不一致、情報不足、強すぎる訴求 | ファーストビュー、本文、FAQ、CTAまで確認する |
| 画像・動画 | ビフォーアフター、身体変化、過度な不安訴求 | テキストより強い印象を与えていないか確認する |
| 体験談・口コミ | 個人の結果を一般的効果のように見せる表現 | 取得方法、表示範囲、注釈、再現性の印象を確認する |
| ランキング・No.1 | 根拠不明、恣意的な順位付け、比較条件不明 | 調査条件、比較対象、期間、出典を明示できるか確認する |
| 申込導線 | 定期購入、初回価格、解約条件の分かりにくさ | 特商法表示・最終確認画面・返品条件を確認する |
| 媒体基準 | 商材カテゴリ、禁止表現、LP要件、年齢制限 | 最新の公式ヘルプ・媒体資料を確認する |
\健康食品広告に強い!広告代理店まとめ/
広告文だけでなく遷移先LPも確認する
広告文が控えめでも、遷移先LPで強い効能効果を訴求していると、広告全体として問題視される可能性があります。健康食品広告では、広告文とLPを別々に見るのではなく、ユーザーが接触する一連の導線として確認することが重要です。
LINEヤフーの広告・ランディングページ作成の注意点では、広告とランディングページに掲載している内容に相違がある場合、掲載不可と判断される可能性があると説明されています。また、商品名・商品画像・商品説明・金額など、ユーザーにとって有益な情報がLPに必要であることも示されています。
健康食品広告のLPでは、特に次の部分を確認します。
| LP内の確認箇所 | 注意点 |
|---|---|
| ファーストビュー | 「飲むだけ」「短期間で実感」「医師も推奨」など、強い効果を印象付けていないか |
| 見出し・リード文 | 広告文より強い効能訴求に変わっていないか |
| 成分説明 | 成分単体の研究や一般情報を、商品全体の効果のように見せていないか |
| 体験談・口コミ | 個人の感想が効果保証のように見えていないか |
| FAQ | 「本当に痩せますか?」などの回答で断定的な表現になっていないか |
| 注釈 | 小さすぎる、離れた場所にある、強い訴求の打ち消しだけに頼っていないか |
| 申込ボタン周辺 | 価格、定期購入、解約、返品条件が分かりやすいか |
消費者庁の健康食品表示に関する留意事項では、健康食品の表示が問題になるかどうかは、特定の文言だけではなく、表示内容全体から一般消費者が受ける印象・認識を基準に判断されると整理されています。LPでは、テキスト、画像、体験談、グラフ、注釈、申込導線をまとめて確認する必要があります。
また、健康食品の通販LPでは、特定商取引法の観点も重要です。消費者庁は、通信販売の申込み段階における表示について、注文確定前の最終確認画面で契約事項を簡単に確認できるように表示する必要がある旨の資料を公開しています。
出典:消費者庁「健康食品に関する景品表示法及び健康増進法上の留意事項について」
出典:消費者庁「通販事業者の皆さんへ 最終確認画面や申込書面の表示方法の参考となる資料を掲載しています。」
広告審査前には、広告文とLPを次の順番で突き合わせると、差し戻しの原因を見つけやすくなります。
| 照合項目 | 確認すること |
|---|---|
| 広告文とLPの訴求 | 広告では「健康維持」なのに、LPで「症状改善」になっていないか |
| 広告文と商品情報 | 商品名、価格、キャンペーン期間、特典内容が一致しているか |
| LPと商品表示 | パッケージ、届出表示、許可表示、注意喚起表示と矛盾していないか |
| LPと根拠資料 | 試験結果、調査結果、ランキング表示と広告表現が対応しているか |
| LPと申込画面 | 定期購入、解約、返品、総額などの条件が分かりやすいか |
制作現場では、広告文だけを薬事確認に回し、LP本文や画像が後回しになることがあります。しかし、媒体審査では遷移先まで確認される場合があるため、初稿段階からLP全体をチェック対象に入れることが大切です。
画像・体験談・ランキング・注釈を確認する
健康食品広告では、画像や体験談、ランキング、注釈がテキスト以上に強い印象を与えることがあります。広告文では断定していなくても、ビフォーアフター画像、口コミ、グラフ、No.1表示によって、消費者が「誰でも同じ効果が得られる」と受け取る可能性があります。
消費者庁の留意事項では、健康食品の表示について、名称、キャッチフレーズ、含有成分、由来、新聞・雑誌記事、医師・学者・体験者の談話、アンケート結果などを通じて、健康保持増進効果等を暗示的・間接的に表現する場合も確認対象になると整理されています。
画像や体験談を確認するときは、次の観点で見ます。
| 表現要素 | 注意すべき見え方 | 修正・確認の方向性 |
|---|---|---|
| ビフォーアフター画像 | 摂取だけで短期間に大きく変化したように見える | 撮影条件、期間、生活習慣、加工の有無を確認する |
| 体験談 | 個人の結果を一般的効果のように見せる | 体験者条件、取得方法、表示範囲、注釈を確認する |
| 口コミ引用 | 第三者の自然な感想のように見せながら広告訴求している | PR表記、使用許諾、掲載文脈を確認する |
| ランキング | 恣意的な順位付けや根拠不明のNo.1に見える | 調査条件、比較対象、期間、調査主体を確認する |
| グラフ | 軸や切り取りで効果が大きく見える | 対象者、人数、期間、測定条件を明示できるか確認する |
| 注釈 | 強い訴求を小さな文字で打ち消しているだけに見える | 主訴求自体を安全側に調整する |
LINEヤフーのLP作成に関する公式情報でも、信憑性のない情報、恣意的なランキング、ユーザーにとって有益な情報が不十分なLPは掲載できない場合があると説明されています。また、記事風LPでは、広告主情報や主体者表記、比較・ランキングサイトでの信憑性にも注意が必要とされています。
出典:LINEヤフー for Business「広告・ランディングページ(遷移先)作成の注意点 -基礎編-」
出典:LINEヤフー for Business「広告・ランディングページ(遷移先)作成の注意点 -記事風のランディングページ編-」
特に注意したいのは、注釈の使い方です。「個人の感想です」「効果を保証するものではありません」といった注釈を入れても、主見出しや画像、体験談、CTAが強い効果を印象付けていれば、広告全体として誤認を招く可能性があります。注釈で打ち消すのではなく、主訴求・画像・体験談の見せ方そのものを安全側に調整しましょう。
媒体審査前の実務チェックとしては、次のような表を制作チームに共有しておくと便利です。
| チェック項目 | OKに近づける考え方 |
|---|---|
| 画像は訴求内容と関係しているか | 目立たせるだけ、過度な身体変化、不安訴求に寄せない |
| 体験談は効果保証に見えないか | 個人差注記だけでなく、見出しや導線の表現も調整する |
| ランキングは根拠を示せるか | 調査対象、比較対象、期間、調査方法を確認する |
| グラフは誤認を招かないか | 軸、単位、対象者、条件を分かりやすくする |
| 注釈は読める位置にあるか | 小さく遠い注釈で主訴求を打ち消す設計にしない |
| FAQで断定していないか | 「必ず」「治る」「痩せる」などの回答になっていないか |
制作会社・代理店へ共有する情報
健康食品広告の審査落ちを減らすには、制作会社や広告代理店に「作ってほしい訴求」だけでなく、「使える表現の範囲」「避けるべき表現」「根拠資料」「媒体審査の前提」を共有する必要があります。情報共有が不足すると、初稿の段階で強い効能訴求や根拠不明なランキングが入り、修正工数が増えやすくなります。
外部パートナーへ渡すべき情報は、次のように整理できます。
| 共有する情報 | 内容 | 目的 |
|---|---|---|
| 商品カテゴリ | 一般食品、栄養機能食品、機能性表示食品、トクホなど | 表示できる範囲の前提をそろえる |
| 届出・許可・表示根拠 | 届出表示、許可表示、栄養成分表示、試験資料、商品規格書 | コピーと根拠のズレを防ぐ |
| NG表現リスト | 疾病名、治療・予防、痩身断定、保証、最上級など | 初稿段階でリスク表現を避ける |
| OK方向性 | 健康維持、栄養補給、生活習慣サポートなど | 売れる訴求を安全側に寄せる |
| 掲載媒体 | Google、SNS、LINE広告、記事広告、同封物など | 媒体ごとの審査基準を確認する |
| LP要件 | 価格、商品情報、会社情報、問い合わせ先、申込条件 | 情報不足や広告文との不一致を防ぐ |
| 素材ルール | 画像、口コミ、体験談、グラフ、ランキングの使用条件 | クリエイティブ差し戻しを減らす |
| 確認フロー | 薬事、法務、品質保証、マーケ、代理店、媒体担当の役割 | 承認漏れと修正履歴の欠落を防ぐ |
実務では、制作前に次のような「審査前共有メモ」を作ると、社内外の認識をそろえやすくなります。
| 項目 | 記入例 |
|---|---|
| 商品カテゴリ | 機能性表示食品。届出表示の範囲内で訴求する |
| 主訴求 | 食生活や生活習慣が気になる方向けの健康維持サポート |
| 避ける表現 | 病気が治る、予防できる、飲むだけで痩せる、必ず実感など |
| 使用可能な根拠 | 届出表示、商品規格書、成分資料、調査条件が確認できる資料 |
| 使用注意素材 | 体験談、ビフォーアフター、ランキング、専門家コメント |
| 出稿媒体 | 媒体公式ポリシー・最新媒体資料を確認する |
| 承認者 | マーケ、薬事、法務、品質保証、代理店、媒体担当 |
| 証跡管理 | 修正前後のコピー、確認日、確認者、参照URLを残す |
LPや広告審査の観点を整理したら、次は実際の媒体資料で掲載条件・審査基準・費用感を確認すると候補を絞り込みやすくなります。メディアレーダーで関連媒体資料を比較する場合は、ターゲットや料金だけでなく、健康食品カテゴリの掲載可否、LP審査の有無、入稿規定、資料更新日も確認しましょう。
この章では、広告出稿・LP審査で見られやすい項目を整理しました。
健康食品広告に関するよくある質問
健康食品広告の可否は、商品カテゴリ、表現内容、根拠資料、掲載面によって変わります。よくある疑問は1問1答で整理し、詳細は該当章と消費者庁・厚生労働省などの一次情報で確認できるようにしておきましょう。
健康食品広告では、「この言葉なら必ず使える」「この表現は必ず違反になる」と単語だけで判断するのは危険です。広告文、LP、画像、口コミ、注釈、申込導線を含めた表示全体の印象を確認する必要があります。
出典:消費者庁「健康食品に関する景品表示法及び健康増進法上の留意事項について」
健康食品の広告は怪しいですか?
健康食品広告そのものが怪しいわけではありません。ただし、疾病の治療・予防、短期間での痩身、根拠のないNo.1表示、効果を保証する体験談などを使うと、消費者に誤認を与える広告に見える可能性があります。
健康食品は、消費者の健康や生活習慣に関わる商材です。そのため、広告表現が強すぎると「本当に効くのか」「医薬品のような効果があるのか」と受け取られやすくなります。広告担当者は、売れる表現を考えるだけでなく、読者がどのような期待を持つかを確認する必要があります。
消費者庁の留意事項では、健康食品の表示が問題になるかどうかは、特定の文言だけではなく、表示内容全体から一般消費者が受ける印象・認識を基準に判断されると整理されています。
健康食品広告の信頼性を高めるには、次の観点を確認しましょう。
| 確認項目 | 読者が不信感を持ちやすい例 | 見直しの方向性 |
|---|---|---|
| 効果表現 | 飲むだけで痩せる、病気が治る | 健康維持・栄養補給・生活習慣サポートの文脈に寄せる |
| 根拠資料 | 研究済み、専門家推奨とだけ書く | 根拠資料、調査条件、届出・許可範囲を確認する |
| 体験談 | 誰でも同じ結果が出るように見せる | 個人の結果を一般的効果に見せない |
| 画像表現 | 過度なビフォーアフターや不安訴求 | 商品特性や利用シーンを中心に伝える |
| 申込導線 | 初回価格だけを強調し条件が分かりにくい | 価格、定期購入、解約、返品条件を分かりやすくする |
出典:消費者庁「健康食品に関する景品表示法及び健康増進法上の留意事項について」
現場では、健康食品広告に対する不信感を「広告表現が強すぎることへの反応」と捉えると改善しやすくなります。社内や顧客には、法令順守だけでなく、長く出稿できる表現設計、媒体審査で差し戻されにくいLP、購入後の期待度の調整まで含めて説明するとよいと考えられます。
薬機法で健康食品を広告できますか?
健康食品を広告すること自体が、ただちに薬機法上問題になるわけではありません。ただし、食品であるにもかかわらず、広告で医薬品のような効能効果を標ぼうしているように見える場合は注意が必要です。
厚生労働省の通知では、容器、包装、チラシ、パンフレット、刊行物、インターネット等の広告宣伝物などで、疾病の治療・予防を目的とする効能効果や、身体の組織機能の一般的な増強・増進を主たる目的とする効能効果を表示する場合、医薬品的な効能効果を標ぼうしているものとみなす考え方が示されています。
広告制作では、次のように切り分けて考えます。
| 確認すること | 注意点 |
|---|---|
| 商品は食品として販売するものか | 医薬品のような効果を期待させていないか |
| 疾病名・症状名を使っていないか | 高血圧、糖尿病、便秘、花粉症などの改善・予防表現に注意 |
| 身体機能の変化を断定していないか | 免疫力が上がる、脂肪が落ちる、疲労回復などの表現に注意 |
| LPや体験談で効果を強めていないか | 広告文だけでなく表示全体で確認する |
| 根拠資料と表現が一致しているか | 成分資料を商品全体の効果保証のように使わない |
「健康維持をサポートする」と「高血圧を改善する」では、読者が受け取る印象が大きく異なります。広告で伝えたい価値がある場合でも、疾病の治療・予防ではなく、食品としての役割や生活習慣サポートの範囲で表現できるかを確認しましょう。
栄養機能食品・機能性表示食品の広告ルールは?
栄養機能食品と機能性表示食品は、いずれも保健機能食品に含まれますが、表示できる内容や確認すべき根拠が異なります。広告では、それぞれの制度に沿って、表示文言や届出内容の範囲を超えていないかを確認する必要があります。
消費者庁は、保健機能食品には栄養機能食品、特定保健用食品、機能性表示食品の3種類があると説明しています。保健機能食品は、国が定めた安全性や有効性に関する基準などに従って食品の機能が表示されている食品です。
栄養機能食品は、特定の栄養成分の補給のために利用される食品で、栄養成分の機能を表示する食品です。広告では、対象成分、基準量、定められた表示文言、注意喚起表示を確認し、栄養成分の機能を商品全体の効果のように見せないことが重要です。
機能性表示食品は、事業者の責任で科学的根拠に基づき、特定の保健の目的が期待できる旨を表示できる制度です。特定保健用食品と異なり、国が審査を行う制度ではないため、広告では届出表示、機能性関与成分、対象者、摂取方法、注意事項、根拠資料との一致を確認する必要があります。
| 分類 | 広告で確認すること | 注意点 |
|---|---|---|
| 栄養機能食品 | 対象栄養成分、基準量、表示文言、注意喚起表示 | 栄養成分の機能を超えて、商品全体の効果のように見せない |
| 機能性表示食品 | 届出表示、機能性関与成分、対象者、根拠資料 | 届出内容を超えた広告や、国が効果を保証したような表現に注意 |
| 特定保健用食品 | 許可表示、対象者、摂取条件、保健の用途 | 許可表示を短く言い換えて意味を広げすぎない |
「痩せる」「免疫」「無添加」はどう扱えばよいですか?
「痩せる」「免疫」「無添加」は健康食品広告で使われやすい表現ですが、いずれも使い方によっては誤認を招く可能性があります。個別商品の表現として使えるかどうかは、商品カテゴリ、根拠資料、表示全体、掲載媒体の基準を確認してください。
消費者庁の留意事項では、特定の健康食品を摂取するだけで、特段の運動や食事制限をすることなく、短期間で容易に痩身効果が得られることはないと説明されています。痩身訴求では、「飲むだけ」「短期間で」「誰でも」といった印象になっていないかを確認する必要があります。
出典:消費者庁「健康食品に関する景品表示法及び健康増進法上の留意事項について」
「免疫」については、健康維持や栄養補給の文脈で扱える場合もありますが、感染症予防、疾病予防、身体機能の増強を断定するような表現に見える場合は注意が必要です。広告全体で「病気を防げる」と受け取られないように確認しましょう。
厚生労働省の通知では、身体の組織機能の一般的な増強・増進を主たる目的とする効能効果は、医薬品的な効能効果として扱われる考え方が示されています。ただし、栄養補給、健康維持等に関する表現はこの限りではないとされています。
「無添加」や「不使用」については、何を添加していないのかを明確にする必要があります。消費者庁の食品添加物の不使用表示に関するガイドラインでは、不使用表示を一律に禁止するものではない一方、対象を明示しない単なる「無添加」表示や、過度に強調された表示など、表示を作成する際に注意すべき類型が整理されています。
出典:消費者庁「食品添加物の不使用表示に関するガイドライン」
| 表現 | 注意したい見え方 | 確認・修正の方向性 |
|---|---|---|
| 痩せる | 摂取だけで短期間に痩せる印象 | 食事・運動を含む生活習慣サポートの文脈で確認する |
| 免疫 | 感染症や疾病を予防できる印象 | 健康維持・栄養補給の範囲で表現できるか確認する |
| 無添加 | 何が無添加か不明確、他商品より安全と誤認させる印象 | 対象成分を明示し、過度な強調や安全性との結び付けに注意する |
| 不使用 | 類似機能を持つ原材料・添加物を使っているのに誤認させる印象 | 原材料表示や食品添加物表示と矛盾しないか確認する |
提案では、これらの表現を単に禁止ワードとして扱うのではなく、「どの根拠なら、どの掲載面で、どの程度の表現にとどめるべきか」を整理して説明すると、顧客や社内の合意形成がしやすくなります。
最新の広告ルールはどこで確認すべきですか?
健康食品広告の最新ルールは、消費者庁、厚生労働省、e-Gov法令検索、各広告媒体の公式ポリシーで確認するのが基本です。記事や解説サイトは実務理解に役立ちますが、法令・制度・媒体審査基準の根拠としては一次情報を優先しましょう。
健康食品広告では、法令だけでなく、機能性表示食品制度、食品表示、媒体審査基準、LP要件、広告プラットフォームのポリシーが更新される可能性があります。公開前や出稿前には、確認日を残し、どの資料を根拠に判断したかを記録しておくと、社内説明や顧客対応に使いやすくなります。
FAQで疑問を整理したら、次は自社商品に当てはめて、商品カテゴリ、根拠資料、LP表現、媒体基準を確認する段階です。健康食品広告の出稿候補を比較する場合は、媒体資料の料金やターゲットだけでなく、健康食品カテゴリの掲載可否、LP審査の有無、入稿規定、資料更新日も確認してください。
メディアレーダーで関連媒体資料を比較する際も、これらの項目をチェックすると、社内説明や顧客提案に使いやすくなります。
まとめ

健康食品広告では、まず商品カテゴリと根拠資料を確認し、次に広告表現やLP全体の見え方を確認することが重要です。広告文だけでなく、画像、体験談、ランキング、注釈、申込導線まで含めて、消費者に誤認を与えないかを確認しましょう。
特に、疾病の治療・予防、身体機能の改善、短期間での痩身、根拠のないNo.1表示、効果を保証するような体験談は注意が必要です。機能性表示食品やトクホであっても、届出表示や許可表示の範囲を超えた訴求になっていないかを確認する必要があります。
出典:消費者庁「健康食品に関する景品表示法及び健康増進法上の留意事項について」
広告出稿前には、次の流れで確認すると整理しやすくなります。
| 確認順 | 確認すること |
|---|---|
| 1 | 一般食品、栄養機能食品、機能性表示食品、トクホなどの商品分類を確認する |
| 2 | 届出表示、許可表示、成分資料、調査条件などの根拠資料を確認する |
| 3 | NG表現を避け、健康維持・栄養補給・生活習慣サポートの文脈に調整する |
| 4 | LP、画像、口コミ、ランキング、注釈、申込導線まで確認する |
| 5 | 媒体ごとの審査基準、掲載条件、入稿規定を確認する |
健康食品広告は、強い効能訴求で目立たせるよりも、根拠に沿った表現で継続して出稿できる状態を作ることが大切です。社内や顧客に説明する際は、法令確認、表現設計、媒体選定の順で整理すると判断しやすくなります。
具体的な媒体を比較する段階では、料金やターゲットだけでなく、健康食品カテゴリの掲載可否、LP審査の有無、入稿規定、資料更新日も確認しましょう。
メディアレーダーで関連媒体資料を比較したり、メディアレーダーAIや案件相談マッチングを活用したりすると、目的に合う広告施策を検討しやすくなります。
\健康食品広告に強い!広告代理店まとめ/
















