注目すべき3つのポイント
- セーフリストはブランド想起、ブロックリストは行動喚起
厳選メディアへのセーフリスト配信は広告想起でブロックリストを+23pt上回り、ブロックリスト配信はサイト来訪率で+40pt・CV率で+37pt上回った。配信手法によって得意な成果領域が明確に異なる。 - OTTとオープンインターネットでも特性が分かれる
動画配信サービス(OTT)への配信は認知・想起などの心理変容に強く、ニュースサイト等のオープンインターネットへの配信はサイト来訪やオンライン購入などの行動促進に強みを持つことが確認された。 - 「安全性 vs. パフォーマンス」のジレンマは目的設定で緩和できる
総務省ガイドライン準拠の運用であっても、コミュニケーション目的に応じた配信設計を行うことで、両立の余地があることが示された。
SMN株式会社は、NTTドコモが実施した2025年秋季のスマートフォン発売プロモーションにおいて、同社が提供する「TVBridge Ads」を活用したデジタル動画広告の運用検証結果を公開しました。
本検証は、総務省が2025年5月に公表した「デジタル広告の適正かつ効果的な配信に向けた広告主等向けガイダンス」を背景に、JICDAQ(一般社団法人デジタル広告品質認証機構)認証パートナーであるSMNの技術基盤を活用して実施されました。
昨今、アドフラウド(広告詐欺)やブランドセーフティへの対策が急務となる中、多くのマーケターが「安全性を優先するとリーチやパフォーマンスが低下する」というジレンマに直面しています。今回の検証はその問いに対し、実データをもとに一つの指針を示すものです。
セーフリストとブロックリストで成果の特性が明確に分かれる
本検証では、オープンインターネット上で運用型の動画広告を実施。「セーフリスト(ホワイトリスト)配信」と「ブロックリスト(ブラックリスト)配信」を並行して行い、配信金額をそろえたうえでユーザー反応の違いを比較しました。

セーフリスト配信は、運営元が法人であることやプロコンテンツがメインであることなど一定基準を設けて選定された優良メディアに限定した配信です。一方のブロックリスト配信は、不適切サイトを除外するリストとアドベリフィケーションツールを活用しながら、より広範なメディアへ配信する手法です。
結果として、各配信の得意領域が明確に判明しました。
セーフリスト配信:ブランド想起に強み
セーフリスト配信で動画広告に接触したユーザーは、ブランドリフト調査において、ブロックリスト配信と比較して以下の数値を記録しました。
- 広告想起:+23ポイント向上
- 商品認知:+17ポイント向上
厳選されたメディア環境での広告接触が、ブランドの認知・想起に有効に機能することが確認されました。

ブロックリスト配信:リーチ効率と行動喚起に強み

一方、ブロックリスト配信はリーチ単価・動画視聴単価などの配信効率指標でセーフリスト配信を上回ったほか、ユーザーの行動指標においても以下の結果を示しました。
- サイト来訪率:+40ポイント向上
- コンバージョン率(オンライン端末購入):+37ポイント向上
アドベリフィケーション対策を講じたうえでのブロックリスト運用が、配信効率の向上と行動喚起の両面で有効な選択肢となることが示されました。

OTTとオープンインターネットでも広告効果の特性が異なる
本検証ではあわせて、今回のオープンインターネットへの動画広告配信と、2025年春季に実施した「TVBridge Ads」によるOTT(動画配信サービス)への配信を比較しました。なお、実施時期および調査項目が異なるため単純な横比較はできないことを前提として、以下のように整理されています。

テレビ広告(CM)とデジタル動画広告の両方に接触したユーザー群を対象に分析した結果、OTTへのインストリーム動画広告配信は、広告想起・商品認知といった「心理変容」においてオープンインターネット配信を上回りました。
- 広告想起:OTTでのテレデジ接触がオープンインターネットでのテレデジ接触を+21ポイント上回る
- 商品認知:同+36ポイント上回る
一方、オープンインターネットへのインバナー動画広告配信は「オンライン行動」において高い数値を示しました。
- サイト来訪率:オープンインターネットでのテレデジ接触がOTTでのテレデジ接触を+90ポイント上回る
- コンバージョン率:同+104ポイント上回る
OTTは完全視聴率の高さから心理変容への貢献が大きく、オープンインターネットはサイト来訪や購入といった即時行動の促進に強みを持つという特性の違いが、データによって裏付けられました。
テレビ×デジタルの重複接触でサイト来訪率・CV率が2倍以上に
さらに今回の検証では、テレビ視聴データを活用したテレビ広告とデジタル動画広告の統合効果も検証されています。
テレビ広告のみに接触したユーザーと、テレビ広告とデジタル動画広告の両方に接触した「テレデジ接触」ユーザーを比較した結果、テレデジ接触ユーザーはオンライン上の行動指標が大幅に向上しました。

- サイト来訪率:テレビ広告のみ接触者と比較し約2.1倍(リフト値+113%)向上
- コンバージョン率:同約2.2倍(リフト値+117%)向上
加えて、ブランドリフト調査においてもテレビ・デジタル重複接触者は、テレビ広告のみ接触者と比較して広告想起が約1.3倍(リフト値+28%)、商品認知が1.3倍(リフト値+30%)向上しています。

テレビ広告単体でもサイト来訪率(約1.4倍)・コンバージョン率(1.5倍)・広告想起率(約1.4倍)のリフトが確認されており、テレビ広告がオンライン行動にもプラスの影響をもたらしていることが示されました。
なお、本検証に含まれるすべての分析において、ユーザープライバシーに配慮し、個人情報とは紐づかないデータおよび環境で実施されています。
MediaPicks 編集部今回の検証は、「ブランドセーフティ対策とパフォーマンスはトレードオフ」という前提に対し、実データで再考を促す内容といえます。
セーフリストとブロックリストはどちらが優れているかという問いではなく、コミュニケーションの目的によって適切な手法が異なるという点が、今回の結果の核心です。
実務への示唆として読むと、新商品の認知拡大フェーズではセーフリスト×OTT、購入や来訪を直接促したいフェーズではブロックリスト×オープンインターネット、という使い分けが一つの設計指針として参考になるとのことです。
もちろん今回の検証結果はNTTドコモのスマートフォン発売というケースに基づくものであり、SMN自身も継続検証が必要と述べています。
業種や商材、キャンペーン設計によって結果が変わる可能性はあるものの、「目的に応じた配信設計」という考え方そのものは、多くのマーケターにとって参考になる視点といえるでしょう。
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関連リンク
プレスリリース・出典
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000390.000013903.html









