化粧品広告を出稿するならどこ?注意すべき広告表現のOK・NG

目次

化粧品広告の表現規制と遵守すべき4つの法律

化粧品広告を配信・掲載する際には、薬機法・景品表示法・特定商取引法・医薬品等適正広告基準という4つの法令・指針を理解したうえで表現を設計する必要があります。

【薬機法】効果効能の範囲を定義

薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)は、化粧品広告において最も基本となる法律です。製品開発から広告表現まで幅広く規制が及び、消費者保護の観点から「医薬品的な効果」を暗示する表現は厳しく制限されています。

化粧品として表示できる効能効果は、厚生労働省の通知に定める56項目のみ*です。「シワが消える」「ニキビが治る」といった表現はその範囲を超えるため、違反とみなされます。また、断定的な表現だけでなく、消費者に誤解を与える暗示的な表現も規制対象となる点に注意が必要です。違反した場合は行政処分や課徴金が科されます。

* 厚生労働省「○化粧品の効能の範囲の改正について」
出典:厚生労働省「医薬品等の広告規制について」

【景品表示法】過大な訴求やステマを禁止

景品表示法(不当景品類及び不当表示防止法)は、消費者が自主的・合理的に商品を選べる環境を守るための法律です。2023年10月からはステルスマーケティング(ステマ)も不当表示として規制対象に追加されました。規制の責任を負うのは商品・サービスを供給する事業者(広告主)であり、インフルエンサーに化粧品を紹介してもらう場合も、「PR」「広告」の明示が徹底されているかを管理する義務が発生します。

出典:消費者庁「令和5年10月1日からステルスマーケティングは景品表示法違反となります。」

【特定商取引法】定期購入や返品ルールの明示

特定商取引法は、EC通販や定期購入を展開する化粧品事業者に特に影響が大きい法律です。2022年施行の法改正により、最終確認画面での取引内容の明示が義務付けられるとともに、誤認させるような表示によって申し込んだ消費者は、意思表示を取り消せるようになりました。2024年以降の行政処分では、誇大広告と最終確認画面の表示違反がセットで適用されるケースが多く、化粧品の定期購入が主な対象となっています。

出典:通信販売|特定商取引法ガイド

【医薬品等適正広告基準】業界共通のガイドライン

医薬品等適正広告基準は、薬機法の広告規制について具体的な解釈を示す厚生労働省の指針です。名称・効能効果・安全性など幅広い表現について、虚偽・誇大表示の基準を解説しています。また、日本化粧品工業連合会が発行する「化粧品等の適正広告ガイドライン」も実務上の必携資料です。本基準はあらゆる媒体を対象とし、「最強」「No.1」「医師推薦」といった最大級・保証的表現は事実であっても原則禁止されています。

出典:日本化粧品工業会「化粧品等の適正広告ガイドライン」
参考:医師監修は薬機法上問題になるのか?

【2026年最新】化粧品向け広告媒体10選

化粧品広告の媒体選定は、ターゲット層との親和性や購買接点の近さが鍵になります。
今回は、4カテゴリーにわたる注目媒体を紹介します。

区分 媒体名 特徴・メディア種別 主要ユーザー層
リテールメディア femedia ネイルサロンサイネージ 20代〜40代 資料を見る
リテールメディア BEAUTINISTA 美容室サイネージ 20代〜40代 資料を見る
リテールメディア アンベール(UNVEIL) トイレサイネージ 20代〜60代 資料を見る
Webアプリ FiNC 健康管理アプリ 30代〜40代 資料を見る
Webアプリ カロミル 健康管理アプリ 20代〜30代 資料を見る
Webアプリ OZmall(オズモール) おでかけメディア 20代〜50代 資料を見る
Webメディア 韓国TVドラマガイドONLINE 韓国芸能サイト 20代〜60代 資料を見る
Webメディア NOWH(ナウ) ライフスタイルメディア 30代〜40代 資料を見る
雑誌・同梱 ViVi ファッション雑誌 10代〜20代 資料を見る
雑誌・同梱 高島屋カタログ カタログ同梱 60代以上 資料を見る

リテールメディア

femedia

femedia(フィーメディア)は、全国のネイルサロンに設置されたデジタルサイネージ型のリテールメディアです。ネイルサービス中の視認率は約100%で、滞在時間60〜90分の間に4回以上のリーチが可能、広告好感度は98.2%を誇ります。ネイルサロン利用女性の多くが1カ月に1回=年間12回通うため、有識者比率85.5%、20〜40代の働く美容意識の高い女性へピンポイントにアプローチが可能です。

全国約203店舗のネイルサロンに設置されている横型のサイネージ媒体で、関東・中部・近畿・中国・九州の4エリアで300面以上設置。エリアごとにセグメントも可能なフレキシブルな媒体のため、ニーズ・ターゲットに合わせて選択できます。サンプリングやアンケートとの組み合わせによる効果検証も可能な点が、化粧品メーカーに支持される理由の一つです。

ターゲット層20~40代
費用目安資料ダウンロードのうえ、ご確認ください
運営会社株式会社コンヴァノ

BEAUTINISTA

美的 × BEAUTINISTA TV

BEAUTINISTA TV(ビューティニスタTV)は、国内最大級の美容室専門デジタルサイネージ放送局です。放映されるコンテンツは、キレイになりたい全ての方にプレミアムコンテンツを編成しており、美容やファッションはもちろん、ヘルスケア・ライフスタイル・旅行・エンターテイメントなど幅広く展開しています。

全国47都道府県で全1350店舗以上の美容室、面数は7700面以上の規模となり、想定リーチは70万人以上の規模。美容室の平均滞在時間は約2時間30分と長く、施術中という美意識が最大限に高まった環境で広告を届けられる点が特徴です。化粧品・ヘアケア商材との親和性が非常に高く、15〜30秒のTVCM素材から最長2分の長尺動画まで対応しています。

参考:【インストアメディア】BEAUTINISTA TV

ターゲット層20~40代
費用目安1か月/300万~
運営会社株式会社小学館

アンベール(UNVEIL)

アンベール(UNVEIL)

アンベール(UNVEIL)は、株式会社バカンが提供する国内最大のトイレ個室サイネージメディアです。都心オフィスや商業施設を中心に11,346個室を展開し、月間視聴者数1,000万人以上を有します。

健康や美容など様々な意識・悩みが顕在化する空間である「高級オフィス」や「ファッションビル等商業施設」での広告・サンプリングが可能。個室という情報量が少なくプライベートな空間での訴求により、高い集中度での広告接触が期待できます。女性のみ・男性のみへの配信など、性別セグメントにも対応しています。

ターゲット層20~60代
費用目安1週/60万円〜
運営会社株式会社バカン

Webアプリ

FiNC

FiNC

FiNCは、歩数・体重・食事・運動・睡眠・生理を記録してマイルをためるオールインワンの健康管理アプリです。累計ダウンロード数1,200万を誇り、ユーザーは健康・美容意識の高い30〜40代がアクティブ層となっています。様々なライフログが取れるFiNCだからこそ、プロモーションをしながらデータ取得・分析ができる点が強みです。

広告メニューは認知拡大向けのタイアップ記事・タイアップイベント・サンプリングから、獲得拡大向けのブランドカバー広告まで多岐にわたります。スキンケア商材や健康食品メーカーの出稿実績が豊富で、化粧品との相性が高い媒体です。

ターゲット層30~40代
費用目安資料ダウンロードのうえ、ご確認ください
運営会社株式会社FiNC Technologies

カロミル

カロミル

カロミルは、写真を撮るだけで食事記録ができる健康管理アプリです。ユーザー数500万人突破。食事や体重計、血圧計、血糖値計などの写真を撮るだけで簡単に記録ができ、エネルギー、たんぱく質、脂質、炭水化物をはじめとした29栄養素を無料で栄養計算し、栄養バランスを確認することができます。

カロミルユーザーの特徴として、食事・体重・運動を日常的に記録・管理する”健康意識の高い生活者層”を中心に、情報感度が高く、商品価値に共感しやすい層への訴求が可能です。広告メニューとしてはモニター(サンプリング)、マストバイ(購買促進)、記事広告、アンケート調査、バナー広告などが用意されています。スキンケア商材や美容・健康食品との相性が特に高く、ユーザーの栄養状態や生活習慣データに基づくパーソナライズ配信も可能です。

ターゲット層20代~30代
費用目安資料ダウンロードのうえ、ご確認ください
運営会社ライフログテクノロジー株式会社

OZmall(オズモール)

OZmall(オズモール)

OZmall(オズモール)は、スターツ出版株式会社が運営する、会員数400万人の女性向けWEBメディアです。東京&首都圏の女性に向けた情報誌「OZmagazine(オズマガジン)」のWEB版として1996年に誕生しました。グルメや美容・エステの予約・情報収集に利用する30代前後の都市部女性が主要ユーザー層であり、コスメや美容サービスに対する購買意欲の高い層へアプローチできます。

ターゲット層20代~50代
費用目安資料ダウンロードのうえ、ご確認ください
運営会社スターツ出版株式会社

Webメディア

韓国TVドラマガイドONLINE

韓国TVドラマガイドONLINE

韓国TVドラマガイドONLINEは、双葉社が運営する韓流専門Webメディアです。韓国ドラマ・K-POPアイドル・韓国美容(K-ビューティー)など、韓国カルチャーを多方面から発信しています。読者の85.6%が女性で、40〜60代のコアなロイヤルファン層に加え、20〜40代のライトなドラマファンも取り込みます。最新コスメや韓国美容への関心が高いユーザーが集まるため、K-ビューティーブームを追い風にしたコスメ訴求に特に適した媒体です。

ターゲット層20代〜60代
費用目安資料ダウンロードのうえ、ご確認ください
運営会社株式会社双葉社

NOWH(ナウ)

NOWH(ナウ)

NOWH(ナウ)は、CLYR株式会社が運営する30〜40代女性向けのウェルビーイングWebメディアです。キャリアやライフスタイルの変化と向き合う「ゆらぎ世代」をターゲットに、心身のセルフケアやパートナーシップなど、読者の多様な悩みに寄り添うコンテンツを発信しています。大手女性誌での編集経験を持つ編集長のもと、広告色を抑えた信頼性の高い記事制作が強みです。エイジングケアやスキンケア商材との親和性が高く、タイアップ企画や体験レビューなど柔軟な広告メニューに対応しています。

ターゲット層30〜40代
費用目安10万円〜50万円
運営会社CLYR株式会社

雑誌・同梱

ViVi

「Leviʼs ® × ViVi」事例

ViViは、講談社が発行する10代後半〜20代中盤の女性向けファッション誌です。「イマドキ女子のおしゃれバイブル」をコンセプトに、ファッション・ビューティー・ライフスタイルのトレンドを発信しています。誌面に加えてWebサイト・LINE・Instagram・TikTokなど複数のデジタルチャネルも展開しており、紙とデジタルを横断したマルチチャネル訴求が可能です。購買力と発信力を兼ね備えたZ世代・若年女性層へのコスメ訴求において、代表的な媒体の一つです。

ターゲット層10〜20代
費用目安直接お問い合わせください
運営会社株式会社講談社

高島屋カタログ

高島屋カタログは、株式会社地区宅便が提供する高島屋のカタログ通販利用顧客向けの同梱・同送広告媒体です。60代以上の女性をメインターゲットとし、購買実績のある高所得・富裕層へ直接リーチできる点が最大の強みです。商品同梱では開封率100%が期待でき、購買意欲の高い顧客へ確実にアプローチが可能です。都道府県別のセグメント配信にも対応しており、化粧品・健康食品・リピート通販商材との相性が特に高い媒体です。

ターゲット層60代以上
費用目安資料ダウンロードのうえ、ご確認ください
運営会社株式会社地区宅便

化粧品広告のOK・NG表現と具体事例集

ここからは、代表的な化粧品カテゴリーごとに、実際の広告現場で問題になりやすいOK・NG表現の具体例を整理します。
薬機法の「56の効能効果」の範囲内で、消費者に伝わる言葉を選ぶための参考にしてください。

事例1:日焼け止め

日焼け止めは、SPF・PA値という客観的指標を持つ一方で、紫外線防御効果の訴求や美白表現を組み合わせる際に表現の逸脱が起きやすい商品カテゴリーです。製品区分の確認と最大級表現の扱いが、特に重要なポイントになります。

日焼け止め_化粧品広告のOK・NG表現

紫外線カット率や「最強」表現の許容範囲

まず前提として、SPF・PA値は紫外線防御効果の客観的指標(測定値)であり、一般化粧品・医薬部外品のいずれの区分でも、所定の測定法に基づき規定の範囲内で表示できます。「日やけを防ぐ」「日やけによるしみ・そばかすを防ぐ」は化粧品の56効能効果に含まれており、化粧品区分の日焼け止めでもこれらの訴求とSPF・PA表示が可能です。区分によって変わるのは、有効成分に基づく具体的効能(美白=メラニン生成抑制によるしみ・そばかす防止など)であって、これは医薬部外品の承認を受けた製品のみが標ぼうできます。SPF・PA表示そのものが医薬部外品に限られるわけではない点に注意が必要です。

OKの方向性は、使用シーンに紐づいた訴求です。「紫外線から肌を守る」「日中の外出前のケアとして」など、物理的な紫外線防止効果であることが明確にわかる表現にとどめ、「完全に防御する」のような断定的・保証的表現は避けます。なお「強力な紫外線カット効果」は不可ですが、「強い紫外線もカット」のように“強い”の対象が紫外線側だと分かる表現であれば許容される、といった線引きも実務では用いられています。

しばり表現と美白の組み合わせ

薬機法で認められる日焼け止めの効能効果は「日やけを防ぐ」「日やけによるしみ・そばかすができるのを防ぐ」ことです。これを超えて「日やけによるシミを改善する」「肌の老化を防ぐ」といった表現は、医薬品的効能を超えるため使用できません。「日やけによるしみ・そばかすを防ぐ」を超えた“美白”の訴求(メラニン生成抑制など)を行いたい場合は、医薬部外品としての承認が必要です。耐水性(ウォータープルーフ)を訴求する場合も、試験に基づく範囲にとどめ、「絶対に落ちない」などの保証的表現は避けるのが良いでしょう。

事例2:美容クリーム

スキンケアクリームは、化粧品カテゴリーのなかでも表現の境界線が最もわかりにくい商品群の一つです。紫外線ケアや美白訴求を含む場合、訴求の根拠と区分の把握が欠かせません。

美容クリーム_化粧品広告のOK・NG表現

有効成分の配合量と「シワ改善」の壁

美容クリームに配合される成分について「有効成分を高配合」「たっぷり配合」と訴求したい場合、その成分を「有効成分」とみなせる表現は一般化粧品では認められていません。「肌へのうるおい成分として○○を配合」など、配合目的を明示した記載が必要です。

「シワ改善」については、日本香粧品学会の「抗シワ製品評価ガイドライン」に基づく試験で効果が確認された製品のみ、「乾燥による小じわを目立たなくする」という表現が認められています。それ以外の「シワを消す」「深いシワも改善」「継続使用でシワがなくなる」などはすべてNGです。また「紫外線によるシワを防ぐ」「シワをつくらせない」のような因果関係を示す表現も医薬品的効果の標ぼうとみなされるため、使用は避けなければなりません。

効能評価試験済み、乾燥による小じわの訴求

「乾燥による小じわを目立たなくする」は、所定の試験を経た化粧品に限り認められた56効能の一つです。ただし「効能評価試験済み」をキャッチフレーズとして大きく強調したり、色を変えて目立たせたりすることはNGとされ、「乾燥による小じわを目立たなくする」という説明が近くに記載されていることが求められます。保湿効果と組み合わせて「うるおいを与え、乾燥による小じわを目立たなくする」という複合表現は可能ですが、あくまで「乾燥による小じわ」に限定され、加齢によるシワや深いシワへの効果を示唆する表現は認められません。

事例3:まつ毛美容液

まつ毛美容液は、ユーザーが期待する「まつ毛が増える・伸びる」効果と、化粧品として許容される表現の間にギャップが大きいカテゴリーです。

まつ毛美容液_化粧品広告のOK・NG表現

「伸びる・増える」に代わるボリューム表現

「まつ毛が伸びる」「まつ毛が増える」「まつ毛をふやす」という表現は、化粧品の56効能の範囲には含まれていません。毛髪や皮膚に対する増殖・再生を示す表現は医薬品的効果に当たるため、一般化粧品では使用不可です。

これに代わるOK表現としては、「まつ毛にハリとコシをあたえる」「まつ毛をしなやかに保つ」「まつ毛のダメージを補修し、毛先までなめらかに整える」などが挙げられます。また「まつ毛を美しく見せる」「まつ毛をボリュームアップしたように見せる」(メーキャップ的効果として)といった視覚的演出を訴求する方向性も有効です。

ビジュアルとコピーの組み合わせにも注意が必要です。「Before/After写真」でまつ毛が明らかに増えているように見せる映像は、コピーにNGワードがなくても全体として薬機法違反の「誇大広告」と判断されることがあります。

健康被害を防ぐための安全性・低刺激の伝え方

まつ毛に使用するアイテムは目周辺に接触するため、敏感肌や目のトラブルを持つ消費者が安全性を重視します。「低刺激」「敏感な目元にも」などの安全性訴求は頻繁に用いられますが、「刺激が少ない」「低刺激」(低刺激性等が客観的に立証されていない場合)は不適切とされています。

OKとなるのは、「パッチテスト済み」「眼科医監修のもと安全性評価を実施」「スティンギングテスト実施」などの試験・検証の事実を明示したうえで「肌にやさしい使い心地」「目元にやさしいテクスチャー」などと組み合わせる方法です。ただし「パッチテスト済み」の注記として「すべての方に皮膚刺激が発生しないわけではありません」という補足表示を付けることが一般的に求められます。

事例4:ニキビケア化粧品

ニキビは皮膚疾患に関わるため、化粧品としてできる訴求と医薬品・医薬部外品としてできる訴求の区別が特に重要なカテゴリーです。

ニキビケア化粧品_化粧品広告のOK・NG表現

「ニキビが治る」はNG?薬用化粧品の限界

「ニキビが治る」「ニキビを根本からケア」「ニキビの原因をつきとめ除去」は、いずれも一般化粧品としてはNGの表現です。「ニキビを防ぐ」という表現は、医薬部外品(薬用化粧品)として有効成分の承認を受けた製品のみが標ぼうできます。医薬部外品の場合は承認された有効成分の効能として「にきびを防ぐ」「肌あれを防ぐ」が認められています。

一般化粧品として訴求できる範囲は、「皮膚を清浄にする」「油性肌を整える」「毛穴の汚れを取り除く」などに限られます。「ニキビができにくい肌環境を整える」という表現も、直接的な疾患への言及を避ける書き方として使用されますが、文脈全体でニキビの治癒を示唆しないよう注意が必要です。

ノンコメドジェニックテスト等の客観的事実の提示

ニキビを気にする消費者への訴求で有効なのが、客観的試験データの活用です。「ノンコメドジェニックテスト済み(すべての方にコメドが発生しないわけではありません)」という表記は、毛穴を詰まらせないという科学的根拠を示す方法として広く使用されています。

これに加え、「アクネ菌の増殖を抑える」という表現は、抗菌性成分を有効成分とする医薬部外品において認められます。一般化粧品においても「皮脂バランスを整える」「肌のキメを整える」などの角度から、ニキビが気になるユーザーの課題に寄り添う訴求が可能です。成分の特徴を根拠に「毛穴の目立ちにくいなめらかな肌へ」などの間接的な表現も選択肢となります。

事例5:導入美容液

導入美容液(プレ美容液)は「角質層への浸透を助ける」というコンセプトを前面に出した商品が多く、「角質層まで」という表現の扱いが悩みどころになりやすいカテゴリーです。

導入美容液_化粧品広告のOK・NG表現

「角質層まで」を逸脱しない浸透コピーの作り方

化粧品成分が浸透できる範囲は「角質層まで」とされており、それを超えて「肌の奥まで」「真皮まで届く」といった表現は医薬品的効果の示唆として認められていません。「肌の内側(角質層)から…」という表現も、角質層があっても肌内部への作用を暗示するためNGとされています。

OKの浸透コピーとしては、「角質層の隅々までうるおいで満たす」「角質層をやわらかく整え、後に使うアイテムのなじみを高める」「角質層に水分をしっかり届ける」などが挙げられます。「なじみを高める」「肌なじみを整える」は導入美容液の機能性をわかりやすく伝えられる表現で、56効能の「皮膚にうるおいを与える」「皮膚を整える」の範囲に収まります。

テクスチャや肌の柔らかさへの言い換えテクニック

導入美容液の使用感・体験を伝えるには、テクスチャの特徴と肌の質感変化に着目した言い換えが効果的です。「さらっとした水のようなテクスチャーがスーッとなじみ、柔らかな肌へ」「なめらかでみずみずしいうるおいが角質層に広がる」「使うたびに肌がふっくらやわらかな印象に整う」といった表現は、使用体験をリアルに伝えながら規制の範囲内に収まります。

成分名を使った訴求では「○○成分配合(整肌)」のように配合目的を括弧書きで明示する方法が有効です。「プロのような整肌ケア」「エステ後のような肌ざわり」などの比喩表現も、医学的・薬学的な効果の保証をしない限り問題なく使用できます。

薬機法違反のリスクと課徴金制度の注意点

薬機法違反は行政処分にとどまらず、課徴金納付命令という直接的な金銭的ダメージにつながります。2021年8月施行の法改正で導入された課徴金制度では、違反期間中の売上高の4.5%が課徴金として徴収されます。

また景品表示法においても、化粧品業界での違反事例が相次いでいます。違反リスクを最小化するには、下記3点を組織的な仕組みとして整備することが重要です。

① 広告制作前の内部チェックフロー確立
② 薬機法専門家によるレビュー体制の整備
③ インフルエンサー・代理店への表現管理徹底

画像出典:厚生労働省「課徴金制度の導入について」
出典:消費者庁「景品表示法に基づく法的措置件数の推移及び措置事件の概要の公表(令和7年7月31日現在)」

まとめ

化粧品広告は、薬機法・景品表示法・特定商取引法・医薬品等適正広告基準という4つの法令・指針に基づく表現規制を正確に理解したうえで設計する必要があります。効能効果の56項目を基軸に、「言いたいこと」を「言える表現」に変換するクリエイティブの技術も欠かせません。
ターゲットの接触シーンに応じて適切な媒体を組み合わせ、成果につなげましょう。

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