音声コンテンツの中でも、特に注目を集めているポッドキャスト。
最大の特徴は、従来のマス広告ではリーチが難しかった「若年層」「女性」「企業の決裁者」といった層に対し、深い集中力と高いエンゲージメントを伴ったアプローチが可能な点にあります。
リスナーが自ら番組を選択する能動的な視聴スタイルにより、広告の完全視聴(聴取)率は8〜9割という数値を記録。デジタル広告の「運用性」と、ラジオ特有の「親密なつながり」を両立させた、戦略的なメディアへと進化を遂げています。
他メディアでは稀な「ビジネスパーソンと学生」の両方に深く刺さるポッドキャスト広告の独自性について、成功事例を交え、門田歩氏にお話を伺いました。

株式会社TBSラジオ
門田 歩様
デジタル戦略部
TBSラジオの音声コンテンツ領域のうち、
Podcast/radikoなどのデジタル分野の広告セールス推進を担当。
企画立案や運用管理などに従事している。
「聴き流すラジオ」から「指名して聴くポッドキャスト」へ
――ポットキャストとは、どのような媒体でしょうか。
ポッドキャストは、いつでも好きな時に聴ける「ストック型」の音声メディアです。
地上波ラジオが24時間のタイムテーブルに沿って放送される「フロー型」メディアであるのに対し、ポッドキャストはコンテンツが蓄積され、好きな番組を好きな時に選んで聴けるスタイルが特徴です。
いわば「音声版のYouTube」とイメージしていただくと分かりやすいでしょう。
TBSラジオはコンテンツを制作する「パブリッシャー(YouTuberのような立ち位置)」として、Spotify、Amazon Music、Apple Podcastといった各プラットフォームに番組を配信しています。
――地上波ラジオとの違いや特徴を教えてください。
最大の違いは、リスナーの「能動性」にあります。
地上波ラジオが受動的に聴かれるメディアであるのに対し、ポッドキャストはリスナーが自らパーソナリティ名で検索し、特定の番組を選んで聴きに来る「深く、狭い」能動的な視聴スタイルが主流です。
この「自ら探しに行く」という高いエンゲージメントこそが、広告に対する高い受容性につながっています。
インプレッション保証で、テレビやWebと同じ感覚で出稿可能に
――料金体系や発注の仕組みも、従来とは異なるのでしょうか?
はい。ポッドキャストは「デジタル広告」として機能します。従来のラジオは聴取率からの推計でしたが、ポッドキャストはインプレッション(再生数)保証型です。
そのため、「女性比率の高い番組群に100万回流す」といった、Web広告に近い運用が可能です。
料金体系は非常に明瞭で、番組指定なしならCPM1,000円からスタートできます。
他にも、複数番組指定ならCPM 1,250円から、1番組指定ならCPM 1,500円からと単価が設定されています。都道府県単位のエリア、デバイス、再生曜日・時間帯でのターゲティングも可能です。
性別/年代の絞り込みは現時点では出来ないのですが、近いうちに実現する可能性もあります。
予算50万〜100万円のスモールスタートもできるため、音声広告の未経験企業様にもテスト的な形でご出稿いただけます。なお、CM音源制作費込みで始める場合は100万円からのプランを推奨しています。
SNSでも新聞でも届かない「若年層×女性×決裁者」という稀有なリスナー構成

――ポッドキャストには、地上波ラジオと比較して女性リスナーが多いというデータもありますね。
そうですね。ポッドキャストは「深く、狭い」聴き方が主流で、パーソナリティへの信頼や共感が非常に強い。これが今の「推し活」の文脈と非常に相性が良いです。特にTBS Podcastのコンテンツには女性パーソナリティの番組が多く、同世代の女性同士の共感がリスナーの熱量につながる傾向があります。
「この人が紹介するなら試してみよう」という心理的な距離の近さが、他の媒体よりも女性比率を高め、結果として日用品や化粧品、口腔ケアやサプリメント系といった女性向け商材の購買構造に繋がることも多くあります。
――その他、視聴ユーザーの特徴はありますか?
面白いことに、ポッドキャストは「若年層(学生)」と「企業の決裁者」の両方にリーチできる点が特徴です。
調査ではTikTok以上に学生比率が高いという結果もあり、リクルーティング面での活用も増えています。一方で、ビジネス感度の高い層も多いため、SNS広告ではスルーされがちな決裁者層へのB2Bブランディングにも活用されています。
B2Bから美容まで。いま「音声」を選ぶ企業たちの共通点
――実際に、どのような商材で成果が出ているのでしょうか?
主に「女性向け商材」と「B2B・採用」ですね。特にtoB企業様では、名前は知られていないが優良な条件を持つ企業の認知拡大として、高い成果を記録しています。
また、より熱量を伝えたい場合は、番組内に「オリジナルコーナー(タイアップ)」を設ける手法も人気です。枠が数ヶ月先まで埋まることも多いですが、リスナーが自分事としてブランドを捉えてくれるため、質の高いエンゲージメントが返ってきます。
――具体的には、どのような事例で成果がありましたか?
例えば、35歳以上の働く女性をターゲットにしたPCメーカーとのコラボ事例では、プレゼント企画を実施しました。応募には「新しい挑戦に関するエピソードと決意」という条件がありハードルは高かったものの、長文の応募メールが300通以上寄せられました。
さらに、番組限定クーポン経由の購入数も目標を上回り、高いエンゲージメントを示しています。これは、パーソナリティに自分の話を聞いてほしい、メールを読まれたいというリスナーの強い熱意が、結果的に購買行動にまで繋がったのだと推測されます。
完聴率90%。スキップされない理由と「スポンサーへの感謝」
――なぜ他のデジタル広告よりも高い成果が出るのでしょうか?
理由は2点あります。1つ目は「ながら聴き」だからスキップされないこと。
そして、2つ目はリスナーがスポンサーに感謝していることです。
音声コンテンツはランニング中や家事の最中に聴かれるため、わざわざ手を止めて広告をスキップする人が少なく、広告完聴率は8〜9割に達します。
また、「スポンサーがつく=番組が続く」という認識がラジオ文化では浸透しています。そのため、スポンサーがついたこと自体がSNSで話題になり、広告主を応援するムーブメントが起きることもあります。
――成果を出すコツなどがあれば教えてください。
この効果を最大化する鍵は、フリークエンシー(接触回数)です。
音声広告は視覚的な訴求ができないため、1ヶ月に4回以上の接触を目標とすることで、ブランドの認知がリスナーの意識に確実に定着し、検索行動や購買行動へ繋がる高いコンバージョンが期待できます。

実際、B2B企業の新卒採用事例では、若年層が多く聴く「真空ジェシカのラジオ父ちゃん」に3ヶ月間配信した結果、新卒採用ページへのコンバージョン率0.04%を記録しました。この数値は「LPアクセス数/配信インプレッション数」の割合で算出しています。
特に、理系学生という母集団が少ない特定のターゲットに対し、クライアントの他の施策と比較しても高いコンバージョン率を達成できたことは、ポッドキャスト広告のリーチ層の質の高さを証明しています。
これは中長期的にフリークエンシーを高めたことで、リスナーにブランドがすり込まれた結果です。
最後に
――最後に、検討中のマーケターへメッセージをお願いします。
「音声広告はやったことがない」というハードルを、TBSラジオは全力で下げています。
50万〜100万円程度の予算からトライアルが可能で、音源素材がない企業様でも弊社でCM制作を請け負うことができます。
素材制作からプランニング、配信、効果計測までワンストップで実施できるパッケージも約100万円程度で提供しています。デジタル広告の「効率」と、ラジオの「熱量」。そのいいとこ取りをした新しい広告体験を、ぜひ貴社のマーケティングに活用してください。










