注目すべき3つのポイント
- 地方都市の滞在数が急増
福岡県八女市(4.6倍)や奈良県明日香村(4.0倍)など、歴史的街並みを持つ地方エリアが躍進。 - 「抹茶」と「体験」がキーワード
海外の抹茶ブームや、醤油づくり体験、芸術祭巡りなど、モノ消費から「コト体験」へのシフトが鮮明。 - 欧米豪の個人旅行客(FIT)が主導
従来の団体客から、自ら情報を探して地方を訪れる欧米豪の個人旅行客が滞在増加を牽引。
過去最高の訪日客数を記録。地方創生のヒントは「伝統資源のコト体験化」にあり
株式会社ナビタイムジャパンのデータ分析チームが、訪日外国人向けアプリ『Japan Travel by NAVITIME』の利用状況をもとに、2025年秋(9月〜11月)の訪日外国人滞在状況を調査しました。2025年の年間訪日客数が過去最高(※1)を記録するなか、分析結果からは、観光客が従来の主要都市(ゴールデンルート)から、より深い日本文化を体験できる地方都市へと分散している現状が浮き彫りになりました。
※「滞在」の定義は、30分以上同一1kmメッシュ内で測位が確認された状態です。
(※1)日本政府観光局(JNTO):2025年12月推計値 2025年計42,683,600人(サイト)


滞在増加率の1位は福岡県八女市(前年同期比4.60倍)。白壁の街並みや茶園が人気を集めており、特に世界的な「抹茶ブーム」を背景に、本場の抹茶を求めるニーズが滞在を押し上げました。2位の奈良県明日香村(4.00倍)では、欧州・アメリカ・オーストラリアからのFIT(個人旅行客)が急増。紅葉ライトアップや「醤油づくり体験」といった、その土地ならではの文化体験が支持されています。
また、瀬戸内国際芸術祭の会場となった香川県多度津町や、屋外アートを楽しめる奈良県宇陀市もランクイン。城郭、寺院、伝統建築、そして現代アートといった「歴史×芸術」の組み合わせが、インバウンド誘致の強力なフックとなっています。
| 順位 | 都道府県 | 市区町村 | 増加率 | 主な滞在スポット |
| 1 | 福岡県 | 八女市 | 4.60 倍 | 八女福島の白壁の町並み |
| 2 | 奈良県 | 明日香村 | 4.00 | 鳥形山 飛鳥寺、西国第七番 岡寺 |
| 3 | 長野県 | 野沢温泉村 | 3.43 | 野沢温泉 外湯 |
| 4 | 愛知県 | 清須市 | 3.40 | 清洲城、清洲古城跡 |
| 5 | 沖縄県 | 今帰仁村 | 3.21 | 古宇利島 |
| 6 | 奈良県 | 生駒市 | 3.00 | 生駒山上遊園地 |
| 6 | 北海道 | 占冠村 | 3.00 | 星野リゾート トマム |
| 8 | 沖縄県 | 南城市 | 2.95 | おきなわワールド、奥武島、斎場御嶽 |
| 9 | 奈良県 | 宇陀市 | 2.88 | 室生山上公園芸術の森、女人高野 室生寺 |
| 10 | 香川県 | 多度津町 | 2.86 | 高見島 |

今回の調査結果で最も注目すべきは、「情報のパーソナライズ化」と「特定の関心軸(趣味嗜好)」による地方への波及効果です。 1位の八女市が象徴するように、単なる「観光地」としてではなく、「抹茶」という特定の関心キーワードが地方へ足を運ばせる強い動機になっています。これは、SNSや専門メディアを通じてニッチな情報を収集する欧米豪のFIT層の行動特性を反映しています。
マーケターにとっては、ターゲットを「訪日客」と大きく括るのではなく、彼らがSNS等で反応している「具体的文化(伝統工芸、日本食、現代アート)」に紐付けたコンテンツ発信が、地方誘致やブランド認知の鍵となるでしょう。
関連リンク
プレスリリース・出典
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000535.000026884.html








