スーパーマーケット向けデジタルサイネージの販促・広告効果|イオンや西友の事例から学ぶ出稿ガイド

目次

デジタルサイネージとは

デジタルサイネージとは、ディスプレイやプロジェクターなどの電子機器を用いて、映像や静止画で情報を発信する「電子看板」のことです。紙のポスターやチラシと違い、表示内容を自由に差し替えられるため、スーパーマーケットの広告媒体として急速に普及しています。

デジタルサイネージの仕組み

デジタルサイネージは、コンテンツの配信方法によって大きく2つのタイプに分かれます。

① スタンドアロン型(オフライン)
USBメモリやSDカードに動画データを入れ、モニターに直接挿して再生する方式です。インターネット環境が不要で、初期費用・月額費用ともに最も安く抑えられるのが特徴です。一方で、単一店舗で「同じレシピ動画を流し続ける」「定番商品を紹介する」といった用途には向いていますが、毎日のように特売情報を切り替えたい場合は、その都度USBを挿し直す手間が発生します。

② クラウド型(ネットワーク配信)
インターネット経由で、パソコンの管理画面から映像を一括で書き換える方式です。朝市や夕方のタイムセール、急な雨に合わせた雨具案内など、事務所のパソコンから数クリックで画面を切り替えられます。複数店舗を展開している場合も、本部から全店一括で、あるいは店舗ごとに異なる内容を配信できるため、現場スタッフに負担をかけません。現在のスーパー導入の主流はこのクラウド型です。

スーパーの広告メディアとして語られるデジタルサイネージは、ほぼこのクラウド型を前提としています。リアルタイム性と一括管理のしやすさが、後述する「購買直前のタイミングで情報を届ける」という強みを支えています。

デジタルサイネージを設置しているスーパー

近年、大手スーパーマーケットチェーンが相次いでデジタルサイネージをリテールメディアとして整備しています。ここでは代表的なチェーンの導入状況を、広告枠としての特徴とあわせて紹介します。

イオンリテール(イオン、マックスバリュ、イオンビッグ)

イオングループは、食品売場のレジ付近や店舗出入口に「イオンチャンネル」「イオンチャンネルAD」と呼ばれるサイネージメディアを展開しています。イオンスタイル有明ガーデンでは、商品棚に動画を流す「ビデオレール」を導入し、商品と販促を連動させた提案を行うなど、売場そのもののメディア化が進んでいます。

広告メディアとしての規模は大きく、関連媒体資料では月間来店者数を約2.3億人規模とする紹介もあり、メーカーの販促支援から企業・サービス認知まで、マス広告に近いスケールでの出稿が可能とされています。

※参考:イオン、デジタル技術導入の店舗 東京・有明に|日本経済新聞
※参考:イオンチャンネル

電鉄系スーパーマーケット

小田急系のOdakyu OX、相鉄系のそうてつローゼン、東武ストア、リブレ京成といった首都圏の電鉄系スーパーでは、ガイアプロモーションが「GAIAリテールコミュニケーションサイネージ」を店頭に設置しています。2024年7月末時点で合計93店舗94台が導入され、2週間の全店配信で約520万人の来店者にリーチできるとされています。

子育て世代の主婦をはじめ購買力の高い女性層に、購買直前のタイミングで届く点が強みで、出稿料金は1台2週間3万円(税別)からと比較的始めやすい水準です。

※参考:株式会社ガイアプロモーション|PR TIMES

西友

西友は2026年3月より、首都圏の74店舗からインストアサイネージの導入を開始する計画です。これはトライアルホールディングスが展開するリテールメディアを西友の店舗網に拡大するもので、74店舗への設置により世帯視聴率5%のテレビ番組に相当するリーチを見込んでいます。

音声付き動画による店内放送が可能で、売場のPOPや大量陳列といった「静」の販促と、サイネージの「動」を組み合わせる設計が特徴です。販促効果も実証されており、焼き芋の出来たて情報を配信した店舗では未設置店舗比で売上が114%に、メーカー共同の入浴剤販促では配信店舗の売上が前後比631%(非配信店は407%)に達した事例が報告されています。

※参考:トライアルのリテールメディアマーケティング成功実績を背景に

マルエツ・カスミ

マルエツ、カスミ、マックスバリュ関東を傘下に持つユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス(U.S.M.H)は、自社開発の「ignica(イグニカ)サイネージサービス」を軸にリテールメディア事業を拡大しています。店舗サイネージをネットワーク化し、商品情報やレシピ動画を配信するとともに、AIカメラで視聴人数・視聴時間・性別・年齢層を計測し、販売データと組み合わせて効果検証できるのが大きな特徴です。メーカーなど他企業の広告配信にも対応しています。

※参考:USMH サイネージ×AIカメラで新販促|日本経済新聞

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ウエルシア、スギ薬局などのドラッグストアや
スーパーマーケットなど大手チェーンストアのサイネージ広告を中心としたリテールネットワーク。
複数チェーンを横断し、月間6,000万人以上へリーチが可能です。

スーパーでのデジタルサイネージ活用事例

スーパーマーケットのサイネージは、販促から広告まで幅広く活用されています。ここでは代表的な5つの活用事例を紹介します。

チラシ・特売・タイムセールの告知

最も基本的な使い方が、その日の特売やタイムセール、チラシ掲載商品の告知です。クラウド型なら、夕方の見切り品やタイムセールの開始に合わせて、事務所のパソコンから即座に画面を切り替えられます。紙のPOPやチラシと違い、「今この瞬間」の情報をタイムリーに発信できるため、来店客の購買行動を後押ししやすいのが強みです。

おすすめ商品・レシピ/献立提案

旬の食材を使ったレシピ動画や、献立の提案コンテンツを流す活用も定番です。「何を買うか」だけでなく「どう食べるか」まで提示することで、関連商品のまとめ買いや客単価の向上につながります。

天候・時間帯・季節に合わせたリアルタイム配信

クラウド型サイネージの真価が発揮されるのが、天候や時間帯に応じたリアルタイム配信です。暑い日には夏バテ防止の食材、寒い日には鍋料理、急な雨には傘や雨具の案内など、その時々の状況に合わせて訴求内容を切り替えられます。朝市・昼・夕方で配信を変えるなど、時間帯ごとの最適化も可能です。

店舗・アプリ/ポイント案内

セールの告知だけでなく、店舗の公式アプリやポイントプログラム、会員サービスの案内にも活用されています。アプリのダウンロードやポイントアップデーを店頭で訴求することで、リピーターの獲得や顧客の囲い込みにつなげられます。サイネージとアプリを連携させ、視聴後の購買行動を分析する取り組みも始まっています。

食品メーカー・地域企業の広告

スーパーのサイネージは、自店の販促だけでなく、食品メーカーや地域企業の広告枠としても機能します。新商品のプロモーションや地域企業のPRを、購買力の高い来店客に直接届けられるのが魅力です。これは小売事業者が広告媒体になるリテールメディアの中核であり、メーカーにとっては購買直前のリマインドの場、スーパーにとっては新たな収益源になります。

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スーパーでのデジタルサイネージ活用メリット

スーパーマーケットがデジタルサイネージを広告メディアとして活用するメリットを、4つの観点から整理します。

視認性・訴求力が高い

デジタルサイネージは、動画や音声を使って紙媒体より多くの情報を伝えられます。動きのある映像は人の目を引きやすく、店内という限られた接点でも視認されやすいのが特徴です。文字や写真だけのポスターと比べ、商品の使い方や魅力を直感的に伝えられるため、訴求力の高い広告メディアとして評価されています。

リアルタイム更新でき、運用コストを削減

クラウド型なら、表示内容をパソコンから即座に書き換えられます。紙のPOPやポスターのように印刷・貼り替えの手間がかからず、貼り替え作業や設置ミスといった現場の負担を削減できます。多店舗展開のチェーンでも、本部から全店一括で配信内容を管理できるため、運用効率が大きく向上します。

購買直前の来店客に届く

スーパーの店頭サイネージ最大の強みは、生活者が実際に商品を購入する売場の近くで情報を届けられる点です。テレビやWeb広告と異なり、「買う直前・買う場所」で訴求できるため、購買行動への影響も大きいでしょう。

新たな収益源になる

自店に設置したサイネージは、販促ツールであると同時に、メーカーや地域企業に広告枠を販売することで収益を生むリテールメディアになります。POSデータやAIカメラの視聴データと連動させれば、広告効果を定量的に示せるため、媒体としての価値も高まります。設置コストを広告収入で回収しながら、店舗運営の新たな柱に育てられる点は、スーパーにとって見逃せないメリットです。

スーパーに設置できるデジタルサイネージの種類・費用

デジタルサイネージは設置場所と機器のタイプによって費用が大きく変わります。ここでは設置エリア別に、代表的な機器の特徴と費用相場を整理します。

1.店頭・売り場

来店客の主動線上にあたる店頭や売り場は、視認機会が最も多く、サイネージの効果が出やすいエリアです。

棚前小型モニター(電子POP)

商品棚の前や棚板に設置する小型モニターで、いわゆる「電子POP」です。商品のすぐ近くで動画や静止画を流し、手に取る直前の生活者に訴求できます。画面が小さいぶん本体価格は比較的安価ですが、台数を多く設置するケースが多いため、トータルの導入費・電気代は設置台数に比例して増えます。商品と広告を1対1で連動させられるのが最大の強みで、特定商品の販促やメーカータイアップに向いています。

スタンド型

ディスプレイと台座が一体化した自立式のタイプです。床に置くだけで設置でき、原則として工事費が不要なため、低コストで導入できます。本体は屋内用で10万〜40万円程度が目安です。店頭入口やサービスカウンター付近に置いて、特売情報や店舗案内を流す用途に適しています。移動や配置換えも容易で、初めてサイネージを導入するスーパーが選びやすいタイプです。

※参考:デジタルサイネージの価格はどのくらい?相場や選び方を詳しく紹介

壁掛け型・天吊り型

壁面に金具で固定する壁掛け型、天井から吊り下げる天吊り型は、通路の上部や売場の壁面など、視線が集まりやすい位置に設置できます。専用金具の取り付けや壁面補強が必要なため、屋内設置で工事費がおおむね2万〜10万円(壁面補強を伴う場合は3.5万〜10万円程度)かかります。スタンド型より設置の自由度が高く、店舗の景観に合わせてすっきり見せられる一方、設置位置の変更には再工事が必要です。

※参考:【費用公開】デジタルサイネージを壁掛け設置!失敗しない工事費の相場とプロへの依頼基準

屋外用

店舗のファサードや駐車場、エントランス外側に設置する屋外用サイネージです。直射日光下でも見やすい高輝度仕様や、防水・防塵性能、温度調節機能が必要なため、本体価格は50万〜300万円(一般的には50万〜150万円程度)と高額になります。屋外への設置工事も、基礎工事や補強が必要な場合は10万〜100万円以上に及ぶことがあります。費用は大きいものの、通行人や来店前の生活者にも訴求できるため、集客力の高い大型広告枠として活用されます。

※参考:デジタルサイネージの価格相場をご紹介/導入・運用にかかる費用も解説

2.レジ周り・イートイン

会計の待ち時間やイートインの滞在時間は、来店客の視線が一定時間とどまる「滞留時間の長い」エリアです。

壁掛け型・天吊り型

店頭・売り場と同様に、壁面に金具で固定する壁掛け型、天井から吊り下げる天吊り型の設置が可能です。通路の上部や売場の壁面など、視線が集まりやすい位置に設置できる点が特徴となっています。

3.トイレ個室

トイレ個室は、ほかの情報が遮断されたプライベート空間で、広告を確実に見てもらいやすい特殊なエリアです。

壁掛け型

トイレ個室の壁面に設置する小型サイネージです。男女で設置先を分けられるため、性別ターゲティングがしやすく、利用中はほぼ強制的に視認されるため認知獲得に向いています。多くはドアセンサーと連動し、人がいるときだけ広告を配信する仕組みです。商業施設の場合の費用目安は1週間60万円〜とされ、店頭サイネージとは料金体系が異なります。

※参考:トイレサイネージとは?メリットや費用感についても紹介

\トイレ内に設置できる媒体例/

スーパーマーケット向けの配信例

実際にスーパーのサイネージで配信される広告クリエイティブ事例をいくつかご紹介します。自店舗で配信する際、ご参考ください。

チラシ・特売・タイムセールの告知
おすすめ商品・レシピ/献立提案

サイネージ導入の流れ

設置を検討している方

自店にサイネージを設置する場合は、おおむね次のステップで進めます。

  • 目的の整理
    販促強化なのか、広告枠として収益化したいのかを明確にする。
  • 設置場所・タイプの選定
    店頭・レジ前・棚前・トイレなど、目的に合った設置エリアと機器(スタンド型・壁掛け型など)を選ぶ。
  • 見積もり・配信システムの選定
    本体・工事費に加え、クラウド型CMSの月額費用やコンテンツ制作体制を含めて比較する。
  • 設置・運用開始
    機器の設置とコンテンツ配信を開始。多店舗なら本部一括管理の体制を整える。
  • 収益化(任意)
    自店の販促で運用ノウハウを蓄積したうえで、メーカーや地域企業に広告枠を販売し、リテールメディアとして収益化する。

広告出稿を検討している方

既存のサイネージに広告を出稿する場合は、次の流れが一般的です。

  • 媒体選定・見積もり
    ターゲットと予算に応じて、チェーン・配信店舗数・期間(2週間・1ヶ月など)を選び、料金を確定する。
  • 契約・素材準備
    契約後、規定に沿った広告素材(15秒CMなど)を入稿する。
  • 審査
    広告内容が媒体規定およびスーパー側の基準を満たすか審査を受ける。
  • 配信・効果測定
    配信後、POSデータと連動した売上リフトの分析など、効果検証レポートを受け取れる媒体もある。

まとめ

スーパーマーケットのデジタルサイネージは、購買直前の生活者に届く強力な広告メディアへと進化しています。現在では主要チェーンがこぞって整備を進め、POSデータやAIカメラと連動した効果検証も可能になりました。
設置する店舗にとっては販促強化と新たな収益源の両立につながり、広告を出稿する企業にとっては「買う直前・買う場所」で訴求できる貴重な接点です。設置・出稿のいずれを検討する場合も、まずは目的とターゲットを明確にし、チェーンごとの媒体特性や費用を比較することが成功への近道です。

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