注目すべき3つのポイント
- 不正利用被害額が11年ぶりに減少
2025年の年間被害額は510.5億円となり、前年比約7.4%減と2014年以降で初めて減少 - フリマアプリ悪用の新たな不正
「空き箱出品」を装い不正取得したスマホを受け取る巧妙なスキームが発覚し、決済認証だけでは防ぎきれないリスクが浮き彫りに - 手口ガイドライン6.1版で求められる実効的対策
2026年3月公開の最新ガイドラインでは、好事例集も追加され、属性・行動分析を含む多層防御の具体的な実装が事業者に求められるフェーズに
2025年の不正利用被害額は510.5億円。11年ぶり減少の背景
かっこ株式会社と株式会社リンクは、2026年4月21日に「キャッシュレスセキュリティレポート(2025年10-12月版)」の最新版を公開しました。本レポートは、クレジットカード情報の流出事件やECにおける不正利用の傾向を四半期ごとにまとめたものです。
2025年通年の統計では、カード情報の流出事件は21件(前年比16件減)、流出件数は246,474件(同294,248件減)と、いずれも前年を大きく下回りました。クレジットカードの不正利用被害額も510.5億円(前年555.0億円)となり、前年比で約7.4%減少しています。
被害額は、増加が続いていた2014年以降、11年目にして初めて減少に転じました。背景には、国内でEMV 3-Dセキュアの導入義務化が進んだことが影響しているとみられます。
一方で、被害額は3年連続で500億円を超えており、依然として高い水準にある状況です。
「空き箱出品」に見る不正手口の巧妙化と多層防御の必要性
本レポートでは、フリマアプリを悪用した新たな不正手口が紹介されています。
他人のカード情報で購入したスマートフォンを、フリマアプリ上で「スマホの空き箱」と称して出品・配送させることで、正規の物流ルートを隠れ蓑にして現物を手に入れるスキームです。「空き箱の取引」という形式を装うことで、プラットフォーム側の不正検知を回避しようとする狙いがあるとされています。
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この事例は、決済時の認証強化だけでは防ぎきれない不正が存在することを示しており、配送先や取引行動の隙を捉える「属性・行動分析」による多層防御の重要性が改めて浮き彫りとなりました。
ガイドライン6.1版が示す事業者に求められる対策の方向性
2026年3月に公開された「クレジットカード・セキュリティガイドライン【6.1版】」は、【6.0版】でECサイトに義務付けられた脆弱性対策やEMV 3-Dセキュアの導入、不正利用対策について、決済時・決済後を一体で捉える「線の考え方」を踏まえ、これらの対策を着実に実行していくことを目的とした内容になっています。
あわせて、付属文書として「EC加盟店におけるセキュリティ対策導入ガイド2.1版」が公開され、「不正利用の抑止を実現する加盟店の事例集 1.0版」も同時に公開されました。事例集では、多額の被害や承認率の低下に直面した加盟店が、属性や行動データの分析の導入や専門組織の整備によって、不正被害の抑制に成功した事例が紹介されています。
これらの内容から、事業者には単に対策を並べるのではなく、「何を防ぐのか」を明確にしたうえで、より実効性の高い施策を実装していくことが求められる段階に入っているといえます。
さらにMedia Picksでは本レポートの調査元である、かっこ株式会社にお伺いしEC事業者向けの不正注文検知サービスの導入事例についてインタビューしました。気になる方はこちらもぜひチェックしてみてください。


11年ぶりに被害額は減少しましたが、その背景にはEMV 3-Dセキュアの義務化があります。
ただし、それでも年間510億円という規模は、EC市場全体が負担し続けている信頼コストの大きさを示しています。
特に注意したいのが、「空き箱出品」のように、決済認証の仕組みの外側を突く新たな手口が出てきている点です。不正の対象は決済プロセスだけでなく、物流やCtoC取引にも広がっています。
つまり、マーケティング部門が関わるLP設計やキャンペーン導線も、不正の入口になり得るということです。
今回のガイドライン6.1版では、「事例集」があわせて公開されたことも大きなポイントです。これまでのような「何をすべきか」を示すチェックリスト型から、「実際に成果を出した企業がどう取り組んだか」を共有するフェーズへと変わっています。
紹介されている企業では、属性や行動データを活用した分析によって不正を抑えつつ、承認率の改善にもつなげています。これは、不正対策が単なるコストではなく、CVRや承認率を高め、顧客体験の向上にも寄与する「攻めの投資」になり得ることを示しています。
EC事業者やマーケターにとっては、セキュリティ対策をマーケティングROIの一部として捉え直す視点が求められています。
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関連リンク
プレスリリース・出典
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000220.000009799.html











