2026年3月9日(月)に開催された「メディアレーダーWEEK2026春」に、ヴィアゲート株式会社の渡辺寛紀氏が登壇。
『施策判断を前に進める2026年の消費者インサイト活用法~インバウンド・Z世代・動画など事例から考える判断軸~』をテーマに講演しました。
本レポートでは、当日の講演内容の一部をご紹介します。

ヴィアゲート株式会社
渡辺 寛紀 様
Biz部門・共同創業者/CBO
大学院卒業後、株式会社JINSの新規事業開発室にて、生体データを活用したIoTウエアラブル「JINSMEME」の企画開発に従事し、BizDev、PMとして多くのアライアンス構築をはじめ、事業を推進。JINS退社後はマーケコンサルを経て、セーフィー株式会社の新規ビジネス開発室へ参画。その後、ヴィアゲートを共同創業しCBOとして「エモミル」を統括。企画、マーケターとして一貫して新規事業開発に従事。
「人」に聞くからこそ意味がある。AIインタビューの2つのアプローチ
AIインタビューには大きく分けて2つのタイプが存在します。これらを「目的」に合わせて使い分けることが、精度の高いインサイトを得るための第一歩となります。

①仮想人格(AI)への質問:情報の整理と「既知」の確認
学習させたAIにターゲットのペルソナを設定し、人間が質問を投げかける形式です。
メリットは、現状の市場環境を素早く整理したい時や、既知の情報を手っ取り早くまとめたい時に有効です。
ただ、AIが答えるのはあくまで「昨日までの学習データ」に基づいた内容です。何度やっても似た回答になりがちで、最先端のトレンドや「隠れた真実」の発掘には向きません。
②生身の人間にAIが質問する:真のインサイト発掘
AIがインタビュアーとなり、実際の消費者とリアルタイムで対話を進める形式です。
メリットは、人間特有の予想外の回答や感情の機微をAIが瞬時に拾い上げます。事実の確認に留まらず、「なぜそう感じたのか」という価値観まで深掘りするため、新しいインサイトを発見できます。
しかし、アンケートに比べると回答者の思考負荷が高くなるため、適切な設計が必要です。
上記の様に、目的によって2つのアプローチを使い分けることが非常に重要になってきます。
AIインタビューの進め方について、「設計〜分析〜施策化」までの一連の流れを、コンパクトにまとめた資料をご用意しています。
全体像を整理したい方や、まずは概要を把握したい方におすすめの内容です。
社内検討用のたたき台としてもご活用いただけますので、ぜひダウンロードしてご覧ください。
なぜAIインタビューが必要なのか?アンケートデータとの違い

AIインタビューの必要性を「文脈理解の違い」「データ処理の違い」「アウトプット活用の違い」の観点から見比べてみます。
①文脈理解の違い:数値の裏側にある「背景」が見える
アンケートは選択肢の割合(数値)しか出てこないため、「つまり何が言いたいのか」という文脈が欠落しがちです。
一方、AIインタビューは文脈を雄弁に語ります。例えばインバウンド調査で「料理がイメージと違う」という不満があった際、AIが深掘りすることで「言語の壁で説明を聞き漏らしたからだ(でも味は美味しかった)」という真のボトルネックまで紐解くことができます。
②データ処理の違い:「クロス集計地獄」からの解放
大量のデータを取りすぎて、集計作業に追われる「クロス集計地獄(※)」に陥った経験はありませんか?
数値は出ても言語化が難しく、結局どんな人がいたのか分からないままになりがちです。
一方、AIインタビューでは、膨大な会話データをAIが自動でタグ処理し、定量化します。クラスターごとに名前を振り、出現率を算出してくれます。そのため、言語化してからクロス集計するまでのスピードが劇的に向上します。
さらに、個々の回答者のストーリーを深く読み解く「N1分析(ナラティブ分析)」も同時に行えるため、単なる傾向把握にとどまらず、意思決定に直結する具体的な示唆を得ることが可能です。
③アウトプット活用の違い:議論のスタートラインが「改善案」
アンケートデータは、施策判断するうえで、データの読み解きに時間がかかり、具体的な「打ち手」のブレストを先延ばしにしがちです。
対してAIインタビューは、すでに課題の要約ができている状態からスタートできるため、すぐに「具体的な改善案」の議論に入ることができます。
(※)クロス集計とは、アンケートなどの回答データを、性別や年代といった「属性」や、他の設問の回答と掛け合わせて(交差させて)集計・分析する手法のこと
【事例】Z世代の「デカドリンク」から導く新商品案

Z世代に流行している「デカドリンク」を、一般的な飲料開発にどう活かすかをAIが根掘り葉掘りインタビューした結果、鮮明なペルソナ分布が見えてきました。
①インサイトから「離脱の壁」を特定する

大量の会話データも、AIがタグ付けしているため即座に分類可能です。
検討タイミングで離脱してしまう潜在層(コスパ実用・健康ユーザー)の声を詳細に分析すると、以下のような「心理・物理的な壁」が明らかになりました。
潜在層の赤色の方、消費者インサイトを見たところ、下記のような詳細データが出てきます。
②「改善要素マップ」で情報を構造化する

AIインタビューから読み取った現状(AS-IS)、阻害要因(GAP)、対応策(TO-BE)を「改善要素マップ」へ落とし込むことが重要です。
③AIが提案する具体的アウトプット(MVPスケッチ)

②の「改善要素マップ」を整理し、AIにコピペするだけで、即座に議論できるレベルのMVPスケッチ(具体的案)のヒントを出してくれます。
改善要素をAIにあたえた結果、「1日中無理なく飲める相棒」というコンセプトが誕生。くびれのあるボトルや、タイムラインメモリ付きのデザインなど、即座に議論できるレベルの企画案(MVPスケッチ)が導き出されました。
実在する消費者の意見を基にしているため、的外れな提案ではなく、現場ですぐに「やれる・やれない」を議論できる精度の高いヒントが得られます。
Z世代のほか、インバウンドや動画マーケティングの事例も掲載しております。
気になる方は、是非投影資料をご覧ください。
AIインタビューは「最短スクラム」のエンジン
AIは、ただ質問を投げれば素晴らしい答えをくれる「魔法」ではありません。
現代の技術ではせいぜい魔術レベルです。しかし、魔術の良い点は、「術式=ルール」があるということ。
適切な『消費者インサイト』を術式に当てはめることで、AIはまさに魔法のような価値あるヒントを授けてくれます。
①AIインタビューで「言葉なのに測れるデータ」を集める。
②改善要素マップで情報を整理し、AIにヒントを仰ぐ。
③導き出されたMVPスケッチを元に、最速で議論・実行に移す。
この「最短スクラム」こそが、圧倒的な創造効率を生み出し、あなたのプロジェクトを次のステージへ押し上げます。
日本初の元祖AIインタビュー「emomil(エモミル)リサーチ」とは?
これまでご紹介した「AIインタビューによる最短スクラム」を実現するのが、ヴィアゲート株式会社が提供する「emomilリサーチ」です。日本で初めて開発されたこのサービスには、現場の意思決定を強力にバックアップする3つの大きな特徴があります。
①業界初、アイトラッキングとの組み合わせが可能
emomilリサーチは、チャット形式と音声会話形式の両方に対応した日本初のAIインタビューサービスです。
- 視線分析との融合:スマホ1つで動画視聴時の視線を測定するアイトラッキング機能と組み合わせることで、「どこを見て、どう感じたか」をセットで可視化・深掘りできます。
- マルチデバイス対応:回答者はスマホやPCのブラウザ、または専用アプリから手軽に回答可能です。
②圧倒的なリーチ力とスピード
「誰に聞くか」という課題に対し、国内最大級のパネルネットワークを保有しています。
- 多彩な配信対象:1.2万人の専用アプリモニターに加え、3,000万人の国内連携パネルへの配信が可能です。
- グローバル対応:世界96カ国の海外連携パネルとも提携しており、現地の言語でインタビューを実施できます。
- 自社顧客への配信:クライアントが保有する会員様に対しても、URLを発行してインタビューを行うことが可能です。
③プロジェクトを止めない「伴走型」と「セルフ」
調査の目的に合わせ、サポート体制を柔軟に選択できます。
- 選べるプラン:専門スタッフが設計から伴走する「フルリサーチ」と、調査設計が簡単な「セルフリサーチ」の両方が用意されています。
- 分析アシスト:全ての回答に識別タグが付与され、AIによる「エグゼクティブサマリー」が自動で付属します。これにより、専門知識がなくても「改善要素マップ」への落とし込みがスムーズに行えます。
本記事で紹介した内容に加え、セミナーで使用した未公開スライドも含めた資料を公開しています。
今回ご紹介しきれなかった事例や、実際のアウトプット例など、記事だけでは分からない具体的な活用イメージまで網羅しています。 この機会にぜひダウンロードしてご覧ください。









