注目すべき3つのポイント
- コンバージョンの壁
QRコードからの商品購入・会員登録に至る割合は2割未満。多くは「サイト閲覧」で離脱している。 - 心理的障壁の正体
読み取りをやめる最大の理由は「周囲の邪魔になる(25.5%)」「人目が気になる(24.0%)」という公共空間特有の心理。 - 「待ち時間」が勝機
バスや電車の待ち時間、待ち合わせ中など、ユーザーが「自然に立ち止まっている瞬間」が最大の接触・アクション機会。
屋外広告QRコードの実態――CVに繋がるのは2割未満
株式会社アスマーク(以下、アスマーク)が実施した『屋外広告におけるQRコードに関する調査』により、屋外広告に掲載されたQRコードの活用実態と、生活者のシビアな心理が明らかになりました。

調査結果では、直近1年間に屋外広告のQRコードを読み取った経験がある人は約3割(29.8%)。その後の行動として最も多かったのは「サイトやページを少し閲覧して終わった(34.5%)」であり、「商品やサービスの購入(14.3%)」や「会員登録やサービス登録(12.2%)」といった直接的なコンバージョンに繋がる割合は2割未満にとどまっています。屋外という環境下で、じっくりと手続きを行うハードルが高いことが示唆される結果です。
読み取りを躊躇させる「周囲の目」という心理障壁
特筆すべきは、QRコードの読み取りを躊躇する理由です。「立ち止まることで周囲の人の邪魔になるから(25.5%)」が最多となり、「端末を取り出したり、カメラの起動が面倒だから(24.0%)」「人目が気になるから(24.0%)」「距離が遠い、または位置が高いから(24.0%)」が同率で続きました。

機能的な要因に加え、「他者への配慮」が大きな障壁となっている点は注目に値します。屋外という公共空間では、立ち止まる行為自体が心理的なコストとして意識されていることがわかります。
広告が見られているのは「待っているとき」

一方で、屋外広告を意識的に見ている場面としては「電車やバスを待っているとき(26.5%)」が最多、次いで「待ち合わせなどで人を待っているとき(22.6%)」「散歩や遊び、買い物に出かけているとき(21.6%)」が上位に挙がりました。
何かを「待っているとき」に屋外広告が意識的に視認されているという結果は、「立ち止まることへの心理的抵抗」と表裏一体の関係にあります。すでに立ち止まっているシチュエーションであれば、QRコード読み取りのハードルは下がると考えられます。
CV設計のポイントは「場所」と「コンテキスト」の見直し
この結果から、屋外広告におけるQRコード施策を成功させるためには、視認性の高い場所への掲出だけでなく、ユーザーが「立ち止まることが許容される場所」や「手持ち無沙汰な時間」を戦略的に狙う必要があると言えます。バス停、駅のホーム、待ち合わせスポット周辺など、「立ち止まる行為が自然な場所」が、QRコード付き屋外広告の有力な掲出候補となりそうです。

今回の調査で浮き彫りになった「人目が気になる」という心理は、デジタル屋外広告(DOOH)やリテールメディアの普及が進む中で、改めて重要な視点になりそうです。
これまでのOOHは「いかに目立つか(リーチ)」が重視されてきましたが、QRコードを介した「獲得」を狙う場合、ユーザーの「心理的安全性」を設計に組み込む必要性が示唆されます。混雑する駅構内の柱巻き広告よりも、ホームの待合スペースやバス停など、「立ち止まることが自然な場所」のほうがQRコード施策との親和性は高いと言えるでしょう。
また、CVRの低さという課題に対しては、その場で完結させる購入ではなく、後で見るための保存やインセンティブの即時付与など、屋外のコンテキストに合わせたUX設計への転換が求められそうです。「場所×時間×心理」を組み合わせた設計が、これからのOOH運用において検討する価値のあるアプローチになるのではないでしょうか。
関連リンク
プレスリリース
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000647.000018991.html
出典:株式会社アスマーク『屋外広告におけるQRコードに関する調査』(2026年3月実施/全国20〜59歳の男女800人対象/Webアンケート)








