公開日:2021年12月13日 更新日:2023年09月15日
広告戦略とは?基本的な立て方や事例を分かりやすく解説!
広告戦略とは?基本的な立て方や事例を分かりやすく解説!
マーケティング戦略として広告戦略を行うことで、集客や売り上げアップにつなげたいと考えている企業も多いのではないでしょうか。ヒット商品のマーケティング戦略では、広告を有効に使って、集客やブランディングをしているものが多いものの、「自社に合った広告がわからない」、「広告戦略の立案方法がわからない」などの悩みがあるでしょう。
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広告戦略とは
広告戦略とは、商品やサービスを顧客へ届けるために、目的に応じた適切な媒体へ広告を出稿することによって、認知度を高める戦略のことです。広告戦略は、主にメディア戦略とクリエイティブ戦略の2種があります。
どれだけ優れた商品やサービスであっても、認知されていなければ顧客には届きません。したがって、商品やサービスを提供するには、まずは認知度を上げることが必要といえます。
クリエイティブ戦略とメディア戦略は独立していながらも、相互に作用していることから、互いの目的に矛盾することなく機能しなければなりません。まずはクリエイティブ戦略から説明します。
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クリエイティブ戦略とは
クリエイティブ戦略は、顧客の心に響き、購入や集客などの目的を達成できる広告をつくるための戦略のことです。広告を出稿しても、顧客の心に響き、共感を得られるものでなければ、商品やサービスの購入といった目的を達成できません。
クリエイティブ戦略を立てることによって、伝えたいメッセージが顧客へ効果的に伝わるようにします。効果的にメッセージを伝えるためには、ターゲットに合わせた訴求が必要です。ターゲットが求めていないことを訴求しても、意味がありません。
性別や年代、職業、趣味のようなターゲット像を細かく設定するほど、ターゲットの気持ちが考えやすくなり、ニーズを理解できるでしょう。クリエイティブ戦略においては、広告の目的、ニーズを理解した上で、媒体に合った表現方法を考えることがポイントです。
メディア戦略とは
メディア戦略とは、顧客と広告を効率よく接触させるための戦略のことです。出稿する媒体や、露出するタイミングを適切に設定することにより、接触頻度や顧客に与えるインパクトを最大化します。闇雲に広告を出稿していたのでは、接触頻度を高められたとしても莫大な費用がかかってしまいます。
一定の効果が期待できる媒体へ、タイミング良く出稿することが必要です。ターゲットの利用頻度が高い広告媒体、利用されやすい時間帯や時期を把握することで、適切な出稿が可能となります。そのため、メディア戦略においても、ターゲットの明確な設定が重要といえます。
メディア戦略のフレームワーク
メディア戦略におけるメディアとは、顧客と商品またはサービス、企業の接点の総称のことです。メディアは、次の3つのフレームワークに分けられます。
・Paid Media(ペイドメディア)
・Owned Media(オウンドメディア)
・Earned Media(アーンドメディア)
これらはトリプルメディアと呼ばれ、それぞれに特徴があります。メディア戦略では、トリプルメディアの中から、目的に応じて適切なものを選択します。
Paid Media(ペイドメディア)
企業が広告費を支払うことで、広告を掲載するメディアがペイドメディアです。ペイドメディアとして主なものには、以下のメディアがあります。
・テレビ
・ラジオ
・新聞
・雑誌
・Web広告
ペイドメディアの特徴は、費用がかかる反面、ターゲット層が多い場所へ露出でき、短期間で認知度を高められることです。商品やサービスの立ち上げ時など、認知度が低いときにピンポイントで用いることで、費用対効果が期待できます。
出稿量や時期、エリアなどによって費用は大きく変わるので、条件を調整することで、予算に合わせた出稿が可能です。Web広告では、ペイドメディアから、自社が運営するオウンドメディアへ誘導する手法が一般的になっています。
Owned Media(オウンドメディア)
自社が所有し、運営しているメディアのことを、オウンドメディアと呼びます。オウンドメディアの役割は、商品やサービスに対して購入、利用意欲をわかせるものです。オウンドメディアは自社のものなので制約がなく、発信の自由度の高さを活かして、商品やサービスのメリットを伝えたり、具体的な利用シーンを紹介したりします。
一方、立ち上げから露出までには時間がかかることはデメリットです。まずメディアを立ち上げるにも、Webコンテンツや施策の準備などに手間と時間がかかります。立ち上げた後も、すぐには露出されるわけではなく、半年以上かかることが一般的です。
Webコンテンツ制作は外注業者と協力して作成し、早期の認知向上にはペイドメディアを利用することで、スピード感ある運営が可能となります。
Earned Media(アーンドメディア)
アーンドメディアは、企業とは別の第三者により作成されるメディアのことで、口コミやSNS投稿、ブログ記事が当てはまります。「獲得する」という意味をもつ「Earned」は、共感や信頼を獲得することを指しています。近年はツイッターやインスタグラムのようなSNSが大きな影響力をもっていることから注目されています。
特に、インフルエンサーと呼ばれる影響力の大きい人物により、商品やサービスについて良いコメントを発信してもらうことで、一気に認知度、人気の向上が期待できます。
反対に、自社によって完全にコントロールできるわけではないので、ネガティブな印象を与えるような投稿によって、悪い認知のされ方をする可能性もあり、諸刃の剣といえます。
広告戦略の立て方
広告戦略は、クリエイティブ戦略とメディア戦略を軸に組み立てていきます。クリエイティブ戦略、メディア戦略ともに、広告出稿の目的およびターゲット設定が重要となることから、まずはこの2点について決めます。
目的とターゲットの決定
広告を出稿する目的を明確にします。認知度の向上は前提としてあるものの、目的には企業のブランディング、商品の購入、資料請求などがあり、それぞれ有効な施策は異なります。目的を明確にしたら、次はターゲットの設定です。
商品やサービスからターゲットを絞り込み、できるだけ具体的な人物像に落とし込むことで、訴求力の強化につながります。
予算を決める
プロジェクトによって予算が決められている場合には、予算内に収められるように、プランニングすることが必要です。メディア戦略で選定した媒体への出稿費用と、クリエイティブ戦略で立案した表現を実現する広告制作費用が主な費用となります。媒体への出稿費用は、目標件数と成約率から逆算して設定するなどして決定します。
メディア戦略を立てる
目的とターゲットを明確にできたところで、メディア戦略を立てていきます。ターゲットの行動パターンをより具体的にするために、カスタマージャーニーマップを作成します。カスタマージャーニーマップとは、時系列に顧客の行動と感情を記入したものです。
カスタマージャーニーマップにより、ターゲットに効果的にアプローチできるポイントを見出せます。ターゲットが見る頻度の多い媒体へ、閲覧しやすい時間に出稿することが基本です。具体的な媒体の候補が上がったら、予算に応じて絞り込みを行い、それぞれの媒体に予算を設定します。
クリエイティブ戦略を立てる
クリエイティブ戦略では、設定したターゲットのニーズを汲み取り、商品やサービスによってニーズに応えられることを効果的にアピールする表現を考えていきます。特に、他社との差別化につながることから、ニーズの中でも表に出ていない潜在ニーズに訴えることが重要です。
ただ、潜在ニーズを見つけるのはむずかしく、実際に商品やサービスを使って体感したり、なぜなぜ分析を繰り返したりすることで、見つけていきます。ニーズに対して効果的にアピールする方法は、商品スペックなどの事実よりも、ターゲットがどのような利益を得られるかを伝えることです。
クリエイティブを作成する
メディア戦略で選定した媒体に合わせて、クリエイティブ戦略で策定した表現を用いて、広告を制作していきます。掲載する媒体によって、動画や静止画などの形式が異なり、それによって広告の印象が変わることもあるので、さまざまなパターンを作成して、イメージに近いものを採用します。
広告を運用・改善する
実際に広告を出稿し、運用していきます。運用中は、各指標によって広告の効果を確認し、改善しながら運用することが必要です。コンバージョン率やクリック率、視聴数などに対する目標値を、あらかじめ設定しておくと、改善すべき点の洗い出しがスムーズにできます。
広告戦略の事例
広告戦略立案の具体例として、事例を3つ紹介します。いずれも、クリエイティブ戦略とメディア戦略がうまくかみ合った広告戦略です。
株式会社ポーラ
ポーラは、女性への支援や行動指針として「 We Care More. 世界を変える、心づかいを。」を掲げるなど、社会に対して貢献する姿勢が評価され、支持されています。
このような活動を世に知ってもらい、ポーラのブランドイメージを向上させることを目的として、新聞広告として「ひとりの女の子を変えた、ひとりの女性の話」を出稿し、企業HPへは2029年ビジョンとして特設ページを作りました。その結果、ポーラの活動が広く認知され、ブランドイメージの向上につながりました。
サントリー
サントリーが展開する緑茶ブランドである伊右衛門。売り上げ増加を目的として、テレビCMおよび新聞広告を出稿しました。
CMでは、伊右衛門がラベルを脱ぐ姿を、写真家である篠山紀信が撮影することで、ペットボトルのグラビア撮影のような、おもしろい表現となりました。これがSNSであるツイッター上で話題になり、大幅な売り上げアップにつながりました。2020年の新聞広告賞も受賞しています。
佐賀市
佐賀市は、インバウンド観光客の増加を目的として、YouTubeへ動画広告を出稿しました。広告戦略はGoogleとともに行い、佐賀市は地元の魅力を伝え、Googleはそれらをもとに、魅力が伝わる広告となるようアドバイスを行いました。動画広告は、佐賀県の観光地、名産品やレジャーなどを紹介するものです。
外国人から大きな反響を得る結果となり、目標であった250万視聴を大きく超え、2,000万以上の視聴数となりました。佐賀市の事例は、クリエイティブ戦略とメディア戦略のお手本といえるでしょう。
まとめ
広告戦略はクリエイティブ戦略とメディア戦略から立てられ、それらがうまく機能することで効果的な広告運用が可能です。広告の目的とターゲット設定をしっかり行うことで、良い戦略が立てられます。ターゲットからニーズを深堀し、潜在ニーズまでアプローチできる広告がベストです。
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ライタープロフィール
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運用型広告 運用代行担当株式会社アイズ
- 運用型広告の広告運用代行サービスを2007年より提供開始、15年以上の広告運用実績でGoogle Partner、Yahoo!セールスパートナー、Twitter広告認定代理店、TikTokゴールドパートナーです。
運用代行可能な広告の種類:Google広告、Yahoo広告、Twitter広告、TikTok広告、Facebook広告、Instagram広告、LINE広告、SmartNews広告、Amazon広告など
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