公開日:2021年11月26日 更新日:2021年12月23日
マーケティングリサーチ会社3選!調査会社の選び方も解説
マーケティングリサーチ会社3選!調査会社の選び方も解説
現代は情報があふれている時代ですが、自社のビジネスに役立つ有益な情報は簡単には手に入りません。ましてや、消費者のニーズや市場のトレンドといったビジネス戦略の判断に不可欠な情報は、自ら調べなければ手に入らないでしょう。
このような情報を自社に代わって調査してくれるのがマーケティングリサーチ会社です。しかし、リサーチ会社はそれぞれ強みや得意分野があり、費用もそれぞれ異なります。自社にとって最適なリサーチ会社を探すのは意外と大変です。
そこで本記事では、マーケティングリサーチの基礎知識や事例、リサーチ会社の選び方について解説します。また、おすすめのマーケティングリサーチ会社3選も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
マーケティングリサーチとは
マーケティングリサーチとは、企業のマーケティング活動に必要な情報を一般消費者や自社のターゲット層などから収集することです。収集したデータは分析して自社のマーケティング活動に役立てます。
単純にリサーチと呼ばれたり、市場調査と呼ばれたりすることもあります。
マーケティングリサーチでわかること
マーケティングリサーチで調査する内容の例を挙げると以下のとおりです。
●自社商品はどれくらい認知されているのか?
●どれほどの人に利用されているのか?
●どのような形で使われているのか?
●キャンペーンやセール、イベントの効果はどれくらいあったのか?
●新商品の価格はいくらにすればいいのか?
●自社商品と他社商品のブランドイメージはどうちがうのか?
●どこを改善してほしいのか?
上記のような情報は、自社商品のさらなる認知度向上や売上アップに欠かせません。ビジネスの成功にはこのような消費者視点の情報が必要です。
これらを自社に集め、分析して次のマーケティング施策に活かす。そのための活動がマーケティングリサーチです。
マーケティングリサーチの主な手法
マーケティングリサーチは、おおむね2種類に分かれます。
ひとつは数値で表せる量的データを調査する定量調査、もうひとつは言葉・シチュエーション・アクションなどの数値では表せない質的データを調査する定性調査です。
定量調査の主な手法は以下のとおりです。
●ネットリサーチ(インターネット調査)
●郵送調査
●訪問調査
●会場調査(CLT)
●ホームユーステスト(HUT)
定量調査は施策の結果を割合で確認したいときや、商品の実態を数値や割合で把握したいときに行います。
定性調査の主な手法は以下のとおりです。
●デプスインタビュー
●グループインタビュー
●ディテールドインタビュー
●エスノグラフィ
定性調査は特定情報の深掘り、定量調査で得たデータの深掘り、仮説の立案や検証などを目的に行います。
マーケティングリサーチの事例
マーケティングリサーチは、さまざまな業界で行われています。
この項目では2つの事例を紹介します。
不動産業界のリサーチ事例
●目的:不動産投資に対する意欲・関心
●手法:定量調査(スクリーニング10問と本調査20問)
●期間:5日間
●対象:金融資産1,000万円以上保有している日本全国の20歳以上の人。本調査2,000回答
●費用:約35万円
アンケートにスクリーニング設問を設けることで富裕層を抽出。また、不動産投資の経験者に対象をしぼってコロナ禍での投資意欲の変化や購入目的、購入時期などを聴取しました。
これにより、withコロナ時代における不動産市場の景気動向を予測できるようになります。
IT業界のリサーチ事例
●目的:自社クラウドサービスのブランドイメージ、自社のブランドイメージ
●手法:定量調査(スクリーニング10問と本調査15問)
●期間:2日間
●対象:日本全国の20歳~70歳未満の男女。本調査1,000回答
●費用:約35万円
提供するクラウドサービスのブランドイメージ、自社に対するイメージなどをアンケートで確認。これにより、自社商品の市場での立ち位置や自社に対して消費者が抱くイメージなどを正しく把握できます。
設問内容は、「知っているクラウドサービスの提供事業者」や「職場で導入されているクラウドサービス」「知っているクラウドサービス提供事業者のイメージ」などです。
マーケティングリサーチ会社の選び方
この項目では、マーケティングリサーチ会社を選ぶときに大事な3つのポイントを紹介します。
自社に最適なリサーチ会社を選ぶためにも、ぜひ参考にしてください。
リサーチの品質
リサーチ会社が保有しているパネル(アンケートの回答者・リサーチ対象者)の規模が十分かどうかは、取得できるデータの質を担保する上で非常に重要なポイントです。パネルの規模が大きければ、それだけ必要なサンプル数も確保できるので、必然的に得られるデータの質も高まります。
ただ、パネルの規模が大きくても、特定の属性でセグメントしたときに十分なサンプル数を確保できない会社もあるので注意が必要です。このような状況を避けるため、必ず見積りのときに自社ターゲットの属性を伝えて対応可能か確認しましょう。
また、自社が必要とするサンプルにしっかりリーチするために、パネルの質も重要になります。どのようなプロセスで集めたパネルなのか、パネルの主な属性、質の低い回答を返すパネルに対する対処などをチェックしてください。
有益なリサーチ結果を得るためにも、リサーチ会社が保有するパネルの規模と質の両方をしっかり確認しましょう。
リサーチにかかるコスト
マーケティングリサーチにはリサーチの実施コストと、付帯サービスのコストがかかります。実施コスト、付帯サービスコストは会社によって異なるので、複数のリサーチ会社から見積りを取って比較検討することが大切です。見積りを取る件数が多ければ多いほど、かかる費用の適性額も把握できるでしょう。
また、マーケティングリサーチには付帯サービスが充実している従来型と、リサーチの設計や配信、集計、分析を自社で行うセルフ型があります。従来型は専門家のサポートがオプションで付いているため費用は高く、セルフ型はサポートオプションが付いていないので割安です。
実施コストと同様、付帯サービスの金額もリサーチ会社によって異なります。自社が保有するリサーチのノウハウ、捻出できる予算などを考慮しつつ、見積りなどをしっかり検討しましょう。
担当者の質
担当者の質もマーケティングリサーチ会社を選ぶ上で重要です。
リサーチ会社にとっては調査完了がサービスのゴールですが、リサーチを依頼する自社にとっては調査は単なる手段です。この意識のズレを担当者が理解しているかどうかが非常に大切になります。
リサーチ会社の担当者が調査結果を出すことをゴールととらえていると、データ取得の方向性が本来の目的からズレてしまう可能性があります。
自社の本当の目的に寄り添ったサービスを提供してくれる会社であるか、をしっかりと見極めましょう。
マーケティングリサーチ会社3選
マーケティングリサーチ会社にはそれぞれ得意分野や強みがあります。
ネットリサーチに強みを持っている、ミステリーショッパー(覆面調査)が得意、国内・海外両方のネットリサーチまで対応可能など、実にさまざまです。
この項目では、おすすめのマーケティングリサーチ会社を3社紹介します。
株式会社マクロミル
「株式会社マクロミル」は、インターネットでのモニタリサーチが得意な会社です。230万人以上が会員登録しているサイトを使ってリサーチできます。
提供される付帯サービスは、リサーチの企画・設計・集計・分析など多岐にわたります。リサーチを外注することに慣れていない会社でも安心です。
マクロミルはネットリサーチの他、商品モニター・座談会・会場調査など、さまざまなリサーチ手法に対応しています。
国内年間取引数2,000社以上、プロジェクト実施本数35,000以上を誇るマーケティングリサーチ会社です。
インパクトホールディングス株式会社
「インパクトホールディングス株式会社」は、ミステリーショッパー(覆面調査)が得意な会社です。
●自店とライバル店との差はどこにあるのか?
●店舗の売上アップさせるには?
●スタッフの不満にはどのようなものがあるか?
●どうすればスタッフのモチベーションを上げられるか?
●お客様のリアルな声が知りたい
実店舗運営によくある、上記のような悩みを解決する手助けが期待できます。
また、インパクトホールディングスはミステリーショッパーの他、公開調査・出口調査などを組み合わせて多角的に調査・分析してくれます。
飲食・金融・物販・サービスなど、業種業界を問わず年間11万件以上の調査実績があります。
GMOリサーチ株式会社
「GMOリサーチ株式会社」は日本国内だけでなく、海外のインターネットでのモニタリサーチに対応できる会社です。
国内のリサーチでは約1044万人のパネルネットワークを駆使して、年間15,000件以上の調査を実施しています。
海外のリサーチについては、外国人スタッフが在籍する専門チームが対応してくれます。世界52カ国、約3480万人を対象にさまざまな内容のリサーチが可能です。
海外のモニタリサーチの年間調査実績は約600件になります。
自社商品やサービスの海外展開を考えたとき、現地の商習慣や消費者のニーズを把握することは重要です。海外進出を狙っている会社、もしくはすでに海外進出済みで別の国に進出することを検討している会社にとって、頼りになるマーケティングリサーチ会社です。
まとめ
マーケティングリサーチ会社に依頼するときは、「リサーチして得た結果をどのように活かすのか」を明確にしておく必要があります。
その上で、リサーチそのものの品質、かかるコスト、調査にかかる時間、リサーチ会社からの提案力などを総合的に判断することが重要です。
また、複数の会社から見積りを取って比較検討することも忘れないようにしましょう。
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