公開日:2024年01月25日 更新日:2024年10月11日
ギフティング施策とは?種類や効果、PRとの違いも解説
目次
ギフティングとは
ギフティングとは、SNSにて多くのフォロワーを抱えるインフルエンサーに、自社の商品を提供することで、インフルエンサーのアカウント内で紹介してもらうマーケティング手法です。インフルエンサーに紹介してもらうことで、ユーザーと同じ目線でアプローチすることができるため、コンバージョン獲得にもつなげやすい特徴があります。
ギフティングの意義
ギフティング施策を導入すると、ユーザーが商品を日常で使用し、その感想や使用シーンをSNSやブログに投稿します。これによりウェブ上の口コミが増え、潜在顧客への認知も向上します。広告とは異なり、口コミは消費者に「自分ごと」として受け入れられやすい点が特徴的です。ギフティングは口コミの促進とユーザーインサイトの獲得に有効で、多くの企業が採用しています。
ギフティングとPRの違い
ギフティングは、プロモーションの一つではありますがPRとは若干異なります。一般的にPRは、プレスリリースなど不特定多数に広く訴求する意味を持ちます。これに対しギフティングでは、特定のインフルエンサーを介してSNS内で拡散させていく手法となります。
ギフティングとサンプリングの違い
また、自社の商品をインフルエンサーに提供するギフティングは、サンプリングにも近い意味があります。サンプリングは、エンドユーザーに対して提供し、そのまま購入や申し込みを促す意味を持ちます。ギフティングでは、あくまで商品を提供するのはインフルエンサーのみとなるため、その点がサンプリング取の違いとなります。
ギフティング施策の効果
ギフティング施策により、信頼性の高いユーザー生成コンテンツ(UGC)が増加し、ブランドの認知度と信頼性が向上します。また、ギフティングは潜在顧客へのリーチを拡大し、新規ユーザーの興味・関心を喚起する効果があります。さらに、ユーザーからのフィードバックを活用することで、製品やサービスの品質改善にも繋がります。
ギフティングの種類
次に、ギフティングの種類について紹介していきます。ギフティングには、インフルエンサーに報酬を支払う有償ギフティングと、報酬を支払わない無償ギフティングに分類されます。それぞれの特徴について紹介していきます。
有償ギフティング
有償ギフティングは、紹介してもらう商品とは別に謝礼として報酬を支払う手法となります。報酬とあわせ、あらかじめ契約を結ぶケースが多いため、ある程度の企業側の希望や紹介方法などを指定することも可能です。この報酬は、インフルエンサーが抱えるフォロワー×単価で計算される傾向にあります。
有償ギフティングのメリット
有償ギフティングのメリットは、企業側の意図を伝えた上でインフルエンサーに紹介してもらえる点にあります。いくらインフルエンサーに紹介してもらったとしても、反響につながらなければ意味がありません。商品独自の強みや訴求ポイントを共有した上で、適切に紹介してもらうことができれば、コンバージョン獲得につながる可能性も高まります。
有償ギフティングのデメリット
一方で、有償ギフティングの場合には、広告ということが分かるハッシュタグを明記する必要があります。「#PR」や「#広告」「#提供」などの表記が無ければ、ステルスマーケティングとみなされる可能性もあるため注意が必要です。また、フォロワー数が多かったり人気のインフルエンサーは、報酬額が高くなったり依頼しても断られる場合もあります。
無償ギフティング
無償ギフティングは、有償ギフティングとは反対に、報酬を支払わないタイプのギフティングです。インフルエンサーを活用したSNSプロモーションをテスト的に行う際には有効活用できます。
無償ギフティングのメリット
無償ギフティングは、商品の提供のみで報酬を支払う必要はありません。そのため、コストを抑えた形でプロモーション施策につなげることが可能です。多くのフォロワーを抱えていたとしても、無償ギフティングに対応可能なケースもあります。そのため、インフルエンサーに確認しながら進めることで、効率的にギフティングを実施すると効果的です。
無償ギフティングのデメリット
ただ、無償ギフティングの場合には有償ギフティングほど細かく投稿内容の指定を行うことはできません。基本的に投稿内容はインフルエンサーに一任するため、投稿内容によってはコンバージョン獲得につながらずに終わる場合もあります。また、フォロワーを多く抱える人気のインフルエンサーになるほど、無償では対応してもらえないケースも起こり得ます。
ギフティング実施の流れ
続いて、ギフティング実施の流れについて紹介していきます。ギフティングを実施する際には、以下の手順を参考に進めていくと効果的です。
目的に沿ったインフルエンサーの選定
近年、SNSの浸透に伴い多くのユーザーがインフルエンサーとして活躍しています。各インフルエンサーによって得意不得意があるため、自社の目的をふまえ最適なインフルエンサーを選定することが重要です。例えば、20代女性向けの化粧品を紹介してもらいたいのに、40代男性のインフルエンサーに依頼しても効果につながる可能性は低くなります。過去の投稿内容やフォロワーの傾向などもふまえ選定していくことが重要です。
インフルエンサーへ依頼
次に、インフルエンサーに依頼をしていきます。特に有償ギフティングの場合には、報酬が発生するためあらかじめ契約を結ぶ必要があります。報酬額とあわせ、目的や対象となる商品内容、インフルエンサーに依頼する理由など、実施前に細かく取り決めておくことが重要です。インフルエンサーへの依頼は、基本的に対象となるSNSからDMなどを活用して行います。
商品の発送・サービス提供
インフルエンサーと契約を交わすことができたら、続いて商品の発送(もしくはサービスの提供)を行っていきます。郵送時にはインフルエンサーの個人情報を扱うことになるため、対応には十分注意が必要です。また、インフルエンサーが投稿するタイミングが決まっているのであれば、モニタリング期間も含め逆算して発送することが重要です。
インフルエンサーによる投稿
商品の発送まで終われば、あとはインフルエンサーによる投稿を待つだけとなります。有償ギフティングの場合には、投稿前に事前に確認することも可能です。投稿内容によってギフティングの効果は大きく変わります。強みや訴求が適切に含まれているのか確認しておくと効果的です。投稿後には御礼と合わせ報酬を支払います。インフルエンサーと良質な関係が築ければ、次回にもまた依頼しやすくなります。
効果測定を行う
ギフティングは、インフルエンサーに投稿してもらって終わりではありません。投稿後には必ず効果検証を行うことが重要です。ギフティングの効果検証としては、以下の指標をもとに検証していくと効果的です。
ECサイトや店舗での商品販売数
売上増加や利益拡大につなげるためには、自社の商材やサービスのコンバージョンが増加しなければ意味がありません。そこで、ECサイトや店舗での商品販売数は重要な指標となります。とはいえ、投稿された日からはタイムラグが生じる可能性もあるため、ユーザー行動とあわせ確認していくことが重要です。
商品に関するSNS投稿数
商品に関するSNS投稿数も効果測定の指標となります。インフルエンサーが投稿した内容をもとに、ユーザー間でリツイートや同様の投稿が増えてくる可能性もあります。このような口コミの増加は、コンバージョン獲得にもつながるため、ハッシュタグなどをもとに確認しておくと効果的です。
投稿のエンゲージメントやアカウントのフォロワー数
その他、投稿によるエンゲージメントやフォロワー数なども効果指標となります。エンゲージメントとは、いいねやシェア、リツイート、コメントなどのユーザー行動のことを指します。これらが増えることで、拡散性が高まり、コンバージョン獲得にもつながりやすくなります。
ギフティングに適した商材
ギフティングは、基本的に業種業態問わず展開できますが、SNSの特性などをふまえると化粧品やコスメ、食料品、日用品などが効果につながりやすい傾向にあります。いずれも価格はそこまで高くなく、ユーザーが手軽に体験できるような商材が反響につながりやすくなります。また、画像や動画で訴求できることから、洋服やアクセサリーなどファッション系も効果が期待できます。
ギフティング施策実施時の注意点
次に、ギフティング実施の注意点について紹介していきます。ギフティングは、闇雲に実施するとかえってマイナスにつながる可能性も高まります。これから実施の際には以下の注意点は押さえておくと効果的です。
ステマ規制を順守
様々なWeb広告が登場する昨今において、ステルスマーケティングに関する規制は年々厳しくなってきています。一度ステマと判断されると、法的な損害はもとより炎上につながり、企業の信用問題にまで発展しかねません。「#PR」などのハッシュタグを活用し、リスクを回避した運用を心掛けることが重要です。
各種SNSガイドラインの順守
ステマのような法規制とは別に、各種SNS媒体側でもガイドラインが設けられています。当然ながらガイドラインに違反した場合にはペナルティの対象となり、大きな損害につながります。また、自社で順守していたとしてもインフルエンサー側で勝手に違反が行われる場合もあります。そのため、契約時にガイドライン順守を双方で確認しておくことも効果的です。
投稿を義務化しない
無償ギフティングの場合、商品の提供以外に報酬は発生しません。そのため、あまり企業側から投稿内容を指定しすぎたり、催促などを行うと、インフルエンサー側に嫌われる可能性も高まります。コンバージョン獲得につなげるためには、インフルエンサーに良質な投稿内容を作成してもらう必要があります。良好な関係を築くためにも、特に無償ギフティングの場合には、なるべく義務化せずに対応を進めると効果的です。
希望ハッシュタグの伝達
最後に、インフルエンサーには希望するハッシュタグを正しく伝えることが重要です。ハッシュタグは、SNSで拡散を促す上で欠かせません。例えば、商品名やブランド名など、ちょっとしたスペルミスや誤植が機会損失につながる可能性も起こり得ます。コンバージョン獲得につなげる上でも、希望するハッシュタグは適切に共有していくと効果的です。
ギフティング成功のポイント
次に、ギフティングを成功に導くポイントについて紹介していきます。ギフティングは、通常の広告とは異なり、インフルエンサーとの連携が必要になります。そのため、以下の要素をふまえ展開していくと効果的です。
商材とインフルエンサーの親和性
インフルエンサーの選定でもふれたように、インフルエンサーには得意なジャンルや業種が存在します。そのため、そのインフルエンサーが得意な商品でなければ、仮に多くのフォロワーを抱えていても魅力的な投稿内容にはなりません。インフルエンサーの好みや得意分野は、過去の投稿内容などから把握することができます。これらをもとに、商材とインフルエンサーとの親和性を意識しながら選定していくと効果的です。
インフルエンサー自身の商材理解
また、投稿するためにはインフルエンサー側がその商品を理解していなければなりません。例えば、新商品や新機能などは、ただ郵送するだけでは使いこなせず、漠然とした内容の投稿で終わってしまう可能性もあります。そのため、インフルエンサーには商品の使い方や特徴を事前に伝え、正しく理解してもらった上で投稿してもらうことが重要です。
ギフティング施策に関連する資料
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