スマートフォンの普及により、シニア層へのデジタルアプローチはもはや避けて通れない課題となっています。しかし、「GoogleやMetaの広告では思うように成果が出ない」と頭を抱えるマーケティング担当者は少なくありません。
その理由は、シニア特有の「長い検討期間」と「情報の保存習慣」にあります。
今回は、日本最大級のシニア向けSNS「らくらくコミュニティ」の広告販売窓口を運営するOmelette株式会社の久住様に、シニアの行動特性を捉えた最新のスマホ広告施策と、電話フォローまでを組み合わせた驚異のアポイントコンバージョン獲得手法についてお話を伺いました。

らくらくコミュニティ運営事務局(Omelette株式会社)
久住安里 様
執行役員
FCNT合同会社の戦略アドバイザーとして「らくらくコミュニティ」のメディア事業の事業開発に2019年より従事。
シニア向けのデジタルマーケティングの先駆者として、多くの企業のシニアマーケティングを支援している。
2025年4月にシニア向けの音声AI開発のAgeAI株式会社を設立し取締役に就任。
会員数330万人の「らくらくコミュニティ」とは?らくらくスマートフォンと連携した国内最大級のシニアSNS
――まず、御社が提供している「らくらくコミュニティ」の概要について教えてください。
弊社が運営する「らくらくコミュニティ」は、会員数330万人、特に70代が半数近くを占める国内最大級のシニア専用SNSです 。

最大の特徴は、ユーザーが単に閲覧するだけでなく、自ら投稿し、活発にコミュニケーションを取る「アクティブシニア」の集まりであることです 。
UI(ユーザーインターフェース)も、分かりやすい設計にしており、シニアの方が迷わず使える環境を整えています。また、らくらくスマートフォンにプリインストールされており、強力な普及背景があることも他媒体にはない強みです 。
シニア特有の「長い検討期間」を逆手に取った「保存機能」の活用
――シニア層へのデジタル広告が難しいと言われる理由はどこにあるのでしょうか?
最大の壁は、若年層とは根本的に異なる「検討プロセスの長さ」にあります。
一般的なWebマーケティングでは、広告接触からコンバージョンまでを数日、長くても30日程度の「リードリコール(追跡期間)」で捉えます。しかし、私たちのデータでは、シニアの約7割が1ヶ月以上、高額商品やライフスタイルに関わる商材では数ヶ月から半年かけてじっくり検討することが分かっています。
シニア世代にとって、新しいサービスの導入や商品の購入は「失敗したくない」という心理が非常に強く働きます。そのため、一度の広告接触ですぐに決断を下すことは稀で、何度も情報を読み返し、家族に相談し、納得した上でアクションを起こします。
――その「検討の空白期間」に、せっかくの広告効果が漏れてしまうのですね。
その通りです。一般的なバナー広告やSNS広告は「流れて消える」メディアであり、後で見返そうと思っても二度と出会えないことが多い。この日常的に発生している情報の断絶が、シニアマーケティングにおける最大の機会損失です。

そこで「らくらくコミュニティ」では、新聞の切り抜きを大切に保管するシニアの習性をデジタル化した「保存機能」を戦略的に活用しています。 ユーザーが「今は決められないけれど、いつか必要だ」と感じた広告をワンタップでマイページにストックできる仕組みです。
――「保存」されることで、広告の性質がストック型に変わるということでしょうか?
はい。実際に、保存されたコンテンツは数週間後に読み返される率が非常に高く、保存から1ヶ月以上経過してからの資料請求や成約も珍しくありません。「保存機能」があることで、企業側はシニアの長い検討期間にずっと寄り添い続けることができ、最終的なコンバージョンへと着実に導くことができるのです。
認知から成約までを「線」でつなぐ。シニアの熱量を逃さない4つの独自メニュー
――シニア層は検討期間が長いとおっしゃいましたが、具体的にどのような施策でアクションまで導くのでしょうか?
私たちは、シニア特有の「慎重さ」や「デジタルへの不慣れ」を解消するために、4つのフェーズを組み合わせた独自のマーケティングフローを提供しています。単に広告を出すだけでなく、認知から成約までを「線」でつなぐ設計です。
「らくコミュお知らせ(プッシュ通知)」で圧倒的な認知を獲得
まずは、210万人以上のプッシュ許諾済みユーザーへ直接リーチする「らくコミュお知らせ」です。
これはスマートフォンのホーム画面に直接通知が届くため、視認性が極めて高いのが特徴です。最近では、テレビ通販のような訴求力の高い動画と組み合わせることで、一気に「今、これが話題なんだ」という空気感を作り出します。

「公式アカウント」で検討期間中の情報をストックさせる
プッシュ通知で興味を持ったユーザーを受け止めるのが「公式アカウント」です。
ここで重要なのが先ほどお話しした「保存機能」です。シニアは一度見ただけでは決めませんが、公式アカウントに情報がストックされていれば、数週間かけて何度も読み返し、納得感を深めてくれます。馴染みやすいUIにより、ユーザー同士のQ&Aやコメントも活発に生まれます。

「投稿分析」に基づいた「専用LP」で自分ごと化を促す
広告の飛び先となるLP(ランディングページ)も、シニア専用に最適化します。
私たちは330万人の「生の声」をテキストマイニングで分析できるため、「シニアが本当に不安に思っていること」をピンポイントで解消することが可能です。大きな文字、分かりやすい言葉、そして「なぜこれが必要か」という丁寧な説明で、じっくりと「自分ごと化」していただきます。
例えば、大人用おむつのプロモーションを検討していたメーカー様の事例では、投稿内容を分析した結果、本人のためではなく「老々介護」をしている親や配偶者のために情報を探している背景が見えてきました 。このように、単なるデモグラフィックデータだけでは見えない「生の声」から仮説を構築することで、より深い共感を生むクリエイティブ制作や商品設計が可能になります 。
「電話フォロー(O2O)」で最後のアクションを完結させる
そして、私たちが最も強みとしているのが、デジタルで終わらせない「電話によるクロージング」です。
シニアにとって、スマホの小さな画面でクレジットカード情報を入れたり、複雑なフォームを入力したりするのは高いハードルです。そこで「詳細は電話で」という動線を用意し、オペレーターが平均15分かけて丁寧に説明します。

――電話を介することで、成約率は変わるのでしょうか?
劇的に変わります。このO2O(Online to Offline)施策を導入したケースでは、アポイントの成約率が8%〜15%という驚異的な数字を叩き出しています。 「スマホで見て、電話で納得して申し込む」。このシニアにとって最もストレスのない体験を提供できることが、らくらくコミュニティが選ばれる理由です。
シニア商材企業の「やりたい」を形にするトータルプロデュース
私たちは単なる広告枠の提供だけでなく、シニアの行動特性に基づいた「出口戦略」までのトータル提案を重視しています 。新聞広告で認知を取り、デジタルで理解を深め、最後は電話や対面で背中を押す――。
この一連の動線設計こそが、今のデジタル時代におけるシニアマーケティングの正攻法です 。
「シニアへのアプローチ方法が分からない」「デジタルシフトを進めたいが成果が出ない」とお悩みの企業様は、ぜひ一度ご相談ください。シニアの熱量を逃さない、最適なコミュニケーション設計を共に創り上げましょう。









