マイナビ、27年卒のエントリーシート提出実態を調査――平均13.7社・通過率61.4%、AIによるESの均質化懸念も

マイナビ2027年卒大学生キャリア意向調査5月 エントリーシートの必要性とAI活用への懸念を示す概要画像

注目すべき3つのポイント

  1. ES提出13.7社・通過6割
    27年卒学生の95.3%がエントリーシート提出を経験し、1人あたり平均13.7社へ提出、平均通過率は61.4%という就活の実態が明らかになりました
  2. AIによる均質化でES不要論も
    「必要」と考える学生が77.2%に上る一方、不要と考える理由では「AIの活用で文章が均質化し見極めが難しくなる」が66.3%で最多となりました
  3. ESによる評価への懐疑が3割
    企業がESで正確に評価できると考える学生は約半数(49.0%)にとどまり、3割(30.4%)はAI時代の評価精度そのものに懐疑的でした

27年卒のES提出は平均13.7社、通過率は61.4%という実態

株式会社マイナビは、2027年3月卒業予定の全国の大学生・大学院生を対象に実施した「マイナビ2027年卒 大学生キャリア意向調査5月<エントリーシート>」の結果を発表しました。調査は2026年5月25日から31日にかけて行われ、有効回答数は1,841名です。

2027年卒大学生のエントリーシート提出経験 95.3%が提出したことがあると回答した調査結果

エントリーシートの提出経験を尋ねたところ、95.3%が「提出したことがある」と回答し、就職活動においてエントリーシートが依然として標準的な選考手段であることがうかがえます

2027年卒大学生のエントリーシート平均提出数と通過数 文理男女別の通過率比較

1人あたりの平均提出数は13.7社で、そのうち通過したのは平均8.4社でした。文理・男女別に見ると、文系女子の提出数が平均15.7社で最も多く、通過数も9.4社で最多となっています

また、提出したエントリーシートがどの程度通過したかを集計したところ、全体平均は61.4%でした。属性別では理系女子が63.9%と最も高い通過率を示しています
多くの学生が複数社へ並行してエントリーシートを提出し、その6割前後を通過させている状況が見て取れます。

ESは7割超が「必要」と回答、一方でAIによる均質化への懸念も

エントリーシートが必要だと思う理由と思わない理由 志望度のアピールとAIによる文章均質化への懸念

エントリーシートの必要性について尋ねたところ、「必要だと思う」と回答した学生は77.2%に達し、多くの学生がその意義を認めていることがわかりました。必要だと考える理由としては、志望度や熱意、人柄をアピールできる手段であるといった声が多く挙がっています

一方で、必要ではないと考える学生の理由として最も多かったのは、「AIの活用により文章が均質化しやすく、見極めが難しくなるから」で、66.3%を占めました

エントリーシートが本来担うとされてきた、学生の人柄や思考力を伝えるという役割が、生成AIの普及によって十分に機能しにくくなっていると捉える学生が一定数存在することが示唆されます
必要性そのものは広く認められながらも、その前提が技術環境の変化によって揺らぎ始めている構図です。

AIの活用により、エントリーシートだけでは学生の価値観や本音を見極めにくくなりつつあります。学生理解を深める企画設計や、Z世代に届くコミュニケーションに関心がある方は、マイナビが展開する「キョーソウPROJECT」のインタビューもあわせてご覧ください

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ESでは「正確に評価できない」3割、揺らぐES評価への信頼

学生が考える企業のエントリーシート評価項目 価値観の一致や企業への熱意が上位の調査結果

学生に、企業がエントリーシートを通じてどのような点を評価していると思うかを尋ねたところ、「学生の価値観が企業の文化に合っているか」が56.0%、「企業に対する熱意や意欲」が47.6%と上位に挙がりました。
学生は、エントリーシートが企業との適合性や志望度を見極める手段として用いられていると認識していることがうかがえます

企業はエントリーシートで学生を正確に評価できるか 約半数が正確に評価できると回答した調査結果

その一方で、企業がエントリーシートで学生をどの程度正確に評価できると思うかを尋ねたところ、「正確に評価できる」と答えた学生は約半数の49.0%にとどまり、3割にあたる30.4%が「正確に評価できない」と回答しました。

エントリーシートを必要と考える学生は多いものの、評価の精度という点ではAI利用の広がりもあって懐疑的な見方を持つ学生も少なくないことがわかります。

調査担当者は、AIの普及によりエントリーシート本来の機能が変化の局面を迎えており、企業側でもAIで要約するケースが見られることから、選考プロセス全体が「AIを介したコミュニケーション」に近づいている可能性を指摘しています。

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MediaPicks  編集部

一見すると採用に関する調査ですが、学生から挙がっているAIによって文章が似通い、見極めが難しくなるという声は、マーケターが直面している課題とも重なります。

生成AIによって、誰でも一定の品質の文章を作れるようになったことで、エントリーシートの個性が埋もれやすくなっています。同じように、企業のオウンドメディアやSNS投稿、ブログ記事も、どこかで見たことのある似たようなコンテンツになりやすくなっています。

また、読み手が人だけでなくAIにも広がっている点も重要です。企業がエントリーシートをAIで要約する動きは、検索行動がAIによる要約や回答へ移っている流れとも共通しています。送り手も受け手もAIを使う時代だからこそ、均質化した文章の中で、どう独自性や熱量を伝えるかが、採用でもマーケティングでも重要なテーマになっています。

もう一つ注目したいのは、評価の軸として価値観が企業文化に合っているかが最も多く挙がっている点です。これは、スキルや実績を並べるだけではなく、企業の考え方や雰囲気に共感できるかが重視されていることを示しています。Z世代を顧客として捉えるマーケターにとっても、ブランドのらしさや価値観を一貫して発信し、共感を生み出すことが購買や継続利用につながる重要な要素になります。

つまり、採用ブランディングとマーケティングのコミュニケーション設計は、別々のものではなくなりつつあります。AI時代にコンテンツを差別化し、Z世代に響く価値観ベースの発信を考えるうえでは、どの媒体で、どのように届けるかが重要です。

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プレスリリース・出典
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000002446.000002955.html

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