注目すべき3つのポイント
- JR西日本とルグランが、鉄道利用データと気象データを掛け合わせた新広告サービス「Railcast Ads」を開始
- サードパーティクッキー規制が進むなか、生活者の「移動」と「天候による需要変動」に連動した配信を実現
- コスメ企業との実証実験を経て、参画事業者の拡大と鉄道事業以外の新たな収益基盤構築を目指す
「Railcast Ads」とは何か
西日本旅客鉄道株式会社(JR西日本)と株式会社ルグランは、鉄道利用データと気象データを掛け合わせた新たな広告サービス「Railcast Ads(レイルキャストアズ)」を2026年5月より提供開始しました。本サービスは、JR西日本とJR西日本イノベーションズが主催する事業共創プログラム「ベルナル」第1回で優秀賞を受賞したルグランとの共創から生まれた取り組みです。

サービス名は、鉄道データの独自性を示す「Rail」と、少し先に起こり得る変化を捉えて最適なタイミングで情報を届ける「cast」を組み合わせたものとしています。沿線で生活する人たちの役に立つ情報を適切なタイミングで届けることで、沿線事業者のビジネス拡大につながる広告サービスを目指すとしています。
脱クッキー時代に対応する3つのアプローチ
サードパーティクッキーの規制強化により、広告配信の精度維持や透明性の確保がマーケターにとっての課題となっています。利用者の関心と合致しない広告が表示されやすくなり、広告体験への不満につながるケースもあります。Railcast Adsはこの課題に対し、3つのアプローチで解決を目指すとしています。
第一に、属性把握の精度向上です。学生・サラリーマンといった属性や、よく利用する店舗・施設、時間帯など、従来の広告メディアでは判定が難しい属性の把握を可能にします。
第二に、「生活圏」を意識した広告配信です。特定の駅や路線を利用している人に向けたアプローチが可能になり、生活者の動線に沿ったコミュニケーションを実現します。
第三に、タイミングの最適化です。天気で変動する需要や売上に対応し、悪天候時の来店促進や天候に合わせた商品・サービスの提案などが可能になります。なお、共同開発元のルグランは天気連動型広告配信ツールを展開しており、こうした既存知見が本サービスの土台にあると考えられます。
実証実験の成果と今後の展開
これまでの実証実験では、天気に連動した広告配信の有効性が確認されたとしています。具体的には、コスメ企業と連携し、気象データ(天気・気温)に応じた生活者行動の変化を捉えながら広告配信を実施・検証しました。
今後は参画事業者を増やし、事業拡大に取り組む方針です。あわせて、Railcast Adsの活用を検討する事業者を募集しています。利用者であるWESTER会員に対しても、最適なタイミングで適切な情報を提案することで、満足度の高い体験につなげるとしています。

サードパーティクッキーからの脱却が課題となるなか、本施策は鉄道利用データという自社保有データと気象データを掛け合わせた実用性の高い取り組みと考えられます。生活者の「今の状況」に寄り添うコンテキスト配信は、広告疲れを防ぎ、エンゲージメントの向上につながる可能性があります。小売業や消費財メーカーの需要喚起はもちろん、沿線という地理的な軸を持つ点から、リアル店舗を持つ事業者との親和性も高そうです。
気象データを活用した広告手法は他社でも広がりを見せており、たとえばウェザーニューズが手がける天気連動型広告では、生活指数やキャスター活用といった独自のアプローチが展開されています。鉄道、気象メディアそれぞれの強みを活かした手法が出そろうことで、ポストクッキー時代の打ち手の選択肢は着実に広がっています。
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プレスリリース・出典
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000002024.000095753.html








