公開日:2021年06月28日 更新日:2023年12月21日
VTuberマーケティング攻略ガイド:成功事例から学ぶ、3つのコツと媒体資料
VTuberマーケティング攻略ガイド:成功事例から学ぶ、3つのコツと媒体資料
VTuberとは
VTuberとは、
Virtual YouTuber(バーチャル・ユーチューバー)の略称で、
2Dまたは3Dのキャラクターを使用して動画投稿・配信を行っている配信者のことを指します。キャラクターはCGで作成されていることもあれば、イラストの場合もあり、細かな定義はありません。また、YouTubeだけでなく、17LiveやSHOWROOMといったライブ配信サービス上で活動しているVtuberもいます。VTuberの詳細については、
VTuber・バーチャルYouTuberによるプロモーションまとめの記事でまとめておりますので、ぜひご参照下さい!!
Vtuberをマーケティングに活用するメリット
企業が自社のマーケティングでVtuberを活用するメリットは複数あります。もしここで紹介するメリットが自社が求めるものであればVtuberの導入を検討したほうがよいでしょう。
若年層・Z世代にアプローチしやすい
若年層、特にZ世代にアプローチしたいと考えている企業はVtuberは有効なツールになります。
Vtuberを「よく知らない」と言っているのは中高年以上の世代であり、若い人たちはVtuberの活動を積極的に視聴しています。
したがって企業がVtuberを活用すれば
Z世代とのタッチポイントができます。つまりテレビCMやインターネット広告、SNSを使った情報発信で届かなかった層でも、Vtuberを使ったマーケティングならタッチできるわけです。
SNSで話題になりやすい
Vtuberは新しいコンテンツ、ツールなので話題になりやすいメリットがあります。そして現代の消費者はSNSを使って話題を拡散、共有するので、VtuberマーケティングはSNSマーケティングのサポートにもなります。さらにSNSで話題になるとVtuber施策の視聴者やファンを増やすことができます。
つまり
VtuberマーケティングとSNSマーケティングは、お互いに相手のマーケティング効果を高める作用を持つので好循環が生まれるでしょう。
SNSマーケティングを強化するためにVtuberを導入し、Vtuberマーケティングを強化するためにSNSでの情報発信を増やす、といった施策は有効です。
コアなファンを作れる
Vtuberはキャラクター・ビジネスやアニメ・ビジネスの要素があるので、ファンをつくりやすいという特徴があります。魅力的なVtuberを起用できれば、さまざまなマーケティング・キャンペーンを打ち出すことができます。
最も効果が期待できるのは、人気Vtuberとファンとの集いです。アニメのキャラクターでもゆるキャラでも、ファンはキャラクターと接触できたときに熱狂します。これと同じように
Vtuberとファンが接触できる機会をつくれば、ファンの想いを強くしたり、ファンの数を増やしたりすることができます。
ファンはロイヤリティが高い顧客になるので、マーケティングを成功に導きやすくなります。
目新しいコンテンツを提供できる
Vtuberはユーチューブを使いながら、人のインフルエンサーによるユーチューブ施策とは異なる、まったく新しいアプローチを企業にもたらすでしょう。
Vtuberの魅力は可能性が大きいことにあります。Vtuberは架空のキャラクターやCGを使うことができるので、その映像表現はほぼ無限といえます。
クリエーターの力量次第で、Vtuberは次々目新しいコンテンツを生み出すことができます。これはつまり消費者や視聴者を魅了し続けられることを意味します。インフルエンサー施策の効果が薄れてきたと感じている企業には、Vtuberは次の一手になるでしょう。
Vtuberをマーケティングに活用するデメリット
Vtuberがマーケティングに有効なツールであることは間違いないことなのですが、活用するときの注意が2つあります。
企業の評判がキャラクターイメージに影響されやすい
人気のVtuberは、キャラクターが濃くなる傾向にあります。そのためVtuberのイメージに企業イメージが引っ張られてしまう恐れがあります。
例えば、筋肉隆々のVtuberでマーケティング施策を行ってしまうと、その企業にマッチョなイメージが根づいてしまいます。筋肉やマッチョ、力強さ、パワーを想起させる商品・サービスのPRには有効ですが、企業が扱う商品・サービスが筋肉やパワーと関係しない場合、売上に結びづけにくくなります。
Vtuberのキャラクターイメージは企業の評判に直結しかねないので、Vtuber選びは慎重に行うべきでしょう。
Vtuber文化に関する知識が必要
Vtuberファンたちは、独自のコミュニティや独自の文化をつくっています。ファンたちはVtuberに強い愛着を持ち、Vtuberの人格に心酔し、Vtuberが持つストーリーに共感します。
Vtuberをマーケティングに使うマーケターが、このようなVtuberコミュニティやVtuber文化について知らないと、ファンが望む世界を構築することができずファンをがっかりさせてしまうでしょう。それはVtuberマーケティングからの離脱者を増やす結果となります。
マーケターはVtuberに持たせるストーリーやキャラクター、人格、世界観などを綿密に構成していく必要があります。
Vtuberを活用したマーケティング資料まとめ
マーケティング活動にVtuberを活用したい、けれどどうしたいいかわからない……!
もしそのような悩みを抱えたご担当者様がいらっしゃいましたら、ぜひ下記に掲載する資料をご活用ください。Vtuberマーケティングを支援している企業様が具体的なサービス内容を記載した資料を掲載しています。
比較検討にもご利用いただけますので、お気軽にダウンロードしてみてくださいね。
Vtuberを活用したマーケティング成功のポイント3選
Vtuberを活用したマーケティングを成功に導く3つのポイントを紹介します。Vtuberはまだ特殊なマーケティング手法に数えられるので、戦略をもってVtuberを使いこなしていく必要があります。
Vtuberの特性を活かす
Vtuberマーケティングを成功させるには、Vtuberの特性を活かす必要があります。
Vtuberの特性とはバーチャル空間とリアル世界の融合です。バーチャルであってもリアリティが欠如していると視聴者はその世界に没入できません。だからといってリアルすぎるとエンターテイメント性が失われ、つまらないバーチャルになってしまいます。
Vtuberマーケティングでは、バーチャル空間にリアリティを持ち込みながら、ファンタジーや未来感といったバーチャル空間でしか演出できない要素を打ち出していきましょう。
商品理解を促進させるコンテンツを企画する
Vtuberマーケティングでは、マーケティング≒ビジネスの要素を盛り込まなければなりません。Vtuber施策でどのように顧客を増やすのか、どのように売上高を伸ばすのか、といった視点が欠かせません。
例えば、Vtuberに自社の商品やサービスを説明させる、というコンテンツにすることができます。ファンはVtuberがいうことに一目置いているので、Vtuberによる商品説明は説得力や訴求力を持ちます。
ただしこのとき
「ビジネス臭」や「商売っ気」が漂ってしまうとVtuberファンをがっかりさせてしまいます。マーケティングにおけるVtuberコンテンツは、エンターテイメント性とビジネス性の微妙なバランスの上に成り立っています。
ユーザーエンゲージメントを意識する
顧客や消費者が自社商品・サービスに関わりを持つユーザーエンゲージメントを高めることは、マーケティングの重要目標の一つになっていて、それはVtuberマーケティングでも同じです。しかもファンをつくりやすいVtuberには、ユーザーエンゲージメントを高めやすいという特徴があります。
したがって、ユーザーエンゲージメントが構築できていない企業がVtuber施策に取り組むと効果が得やすいでしょう。
マーケターは、1)Vtuberと、2)ユーザー(ファン、視聴者、顧客、消費者)と、3)商品・サービスの3つの要素をつなぐ方法を考えていく必要があります。
Vtuberマーケティングの事例
Vtuberを有効活用できた成功事例として、ポカリスエットとヤクルトのマーケティングを紹介します。
ポカリスエット
大塚製薬はポカリスエットのマーケティングで、バーチャル歌手の初音ミクを起用しました。このマーケティングでは初音ミクを使ったユーチューブ番組「きょうはポカリびより」をつくりました。バーチャル歌手がユーチューブに登場しているので、これはVtuberマーケティングといえます。
「きょうはポカリびより」のなかで初音ミクはポカリミクとなり、Leo/needという4人グループとひと夏をすごします。5人の夏のすごし方を紹介したうえで、「熱中症対策にポカリスエットを飲みましょう」とアピールしています。
ポカリミクのユーチューブ番組にはそのほかに「汗かこう」編や「芯から冷やそう」編、「冬のうるおい」編などがつくられました。
参考:
ポカリスエット
ヤクルト
ヤクルトはヨーグルトのCMに、女優の内田有紀さんとVtuber「壱百満天原サロメ」(以下、サロメ)さんの2人を起用しました。
内田さんがヨーグルトを手にしていると、サロメさんが「そちら、ただのおヨーグルトじゃございませんわ」と言い、内田さんが「え?」と驚くと再びサロメさんが「ヤクルトのおヨーグルトですわ」と言います。
ヨーグルトに「お」をつけているところがユーモア・ポイントなのですが、サロメさんを知らない人には面白さが伝わらないかもしれません。
しかしサロメさんはすでにVtuber界では知られた存在で、サロメさんを知っている人は、ヤクルトという大企業が有名女優の内田さんを起用した正統派CMにサロメさんを使ったことに驚きました。
参考:
ヤクルト
からあげクン
からあげクンは、ローソンのマスコットキャラクターで、2019年にVTuberとして動画投稿を初めています。もともと認知度のある自社のマスコットをVTuber化するだけでなく、新たなキャラクターも追加しており、実際の商品である「からあげクン」と絡めたキャンペーンも行っています。また、トップVTuberやJAXA(宇宙航空研究開発機構)などとコラボとした実績もあります。
燦鳥ノム
引用:
サントリー公式
燦鳥ノムは、大手飲料メーカーのサントリーホールディングス株式会社が制作したVTuberです。燦鳥ノムは、もともと存在していたキャラクターではなく、企業オリジナルのVTuberとして作成されています。サントリーの公式VTuberですが、他のVTuber同様に歌の動画や、ゲーム実況動画など、多岐に渡って動画配信を行っています。
キズナアイ
キズナアイは、VTuberの第一人者ともいえる存在で、ゲーム・音楽配信だけでなく、YouTubeだけでなくテレビなどでも活躍しているVTuberです。世界初のバーチャルタレントとして様々なYouTuber、VTuberとコラボした実績があります。また、日清オイリオやブルボンといった食品・お菓子メーカーのPRに起用されるなど、様々な分野で活躍しているVTuberです。
戌神ころね
戌神ころねは、ゲーム実況を中心に配信を行っているVTuberです。目標を達成するまで終わらない「耐久配信」や、ゲームの周年イベントに合わせた生放送配信などを行っています。また、YouTubeやTwitterを活用したキャンペーンなどにも起用されています。
Vtuberマーケティングを実施するには
企業が自社のマーケティングでVtuberを使うとき、当然ですがVtuberを起用しなければなりません。
ではVtuberに「つて」がない企業はどうすればよいのか。
Vtuberを探す方法には、1)キャスティング会社に依頼する、2)マッチングプラットフォームを利用する、3)事務所経由で依頼する、の3つの方法があります。
キャスティング会社に依頼
企業が自社のマーケティングでVtuberを使うとき、キャスティング会社に依頼するとVtuberを手配できます。
キャスティング会社は企業の求めに応じてVtuber(またはVtuberを運営している人)を探し、Vtuber施策に起用します。あとで紹介する「事務所」はVtuberと専属契約していますが、キャスティング会社は原則、案件が立ち上がってからVtuberを探し、なおかつ案件1回ごとの契約になります。
マッチングプラットフォームの利用
マッチングプラットフォームは、Vtuberを紹介するWebサービスです。Vtuberがマッチングプラットフォームに登録し、Vtuber施策を行いたい企業が登録しているVtuberのなかから適した人を選びます。
Vtuberと企業が契約した段階で、企業はマッチングプラットフォームの運営会社に手数料を支払います。
事務所経由で依頼
「事務所」は芸能事務所のようにVtuberと専属契約を結び、Vtuberをプロデュースしたり、Vtuberの仕事を探す営業活動をしたりします。
企業が「事務所」に依頼すると「事務所」は自社のVtuberを派遣します。
複数のVtuberが独立して共同で「事務所」をつくり、セルフ・プロモーションをする場合もあります。
注意点
Vtuberマーケティングを実施するときは、以下の3つに注意してください。
●透明性・信頼性を必ず確保する
●利用規約・著作権法などの順守
●炎上リスク
なぜこの3項目に注意しなければならないのか、この注意を怠るとどのようになってしまうのか解説します。
透明性・信頼性を必ず確保する
Vtuberはバーチャルであり、つまり本物ではありません。さらにVtuberは秘密性や秘匿性が魅力になっています。そのため、透明性がないことや、信頼性が薄いことはやむをえないところがあります。
しかし企業がVtuberをマーケティングに使う場合、非透明性や低信頼性が存在しては事業に支障が出ます。したがって企業の
マーケターはVtuberを使いながら透明性と信頼性を確保する必要があります。
例えば、Vtuber施策では、消費者や視聴者、ファンに、それが宣伝や広告の一部として行われていることを明示する必要があります。宣伝であることを明示せず、あたかもVtuberが自主的に自社商品を使っているような演出をしてしまうと、ステルスマーケティングの疑いがかかってしまいます。
また、商品やサービスに関する情報はVtuber施策のなかであっても、正しい内容にして信頼性を高める必要があります。Vtuberだから誇張することが許される、ということはありません。
利用規約・著作権法などの順守
Vtuberのなかには、特定のキャラクターを模しながら、そのキャラクターの権利を持つ企業の利用規約や著作権法に抵触しかねない方法で利用している人もいます。
もし企業が自社のマーケティングで、利用規約や著作権法に抵触しているVtuberを起用してしまうと、権利保有者から訴えられてしまいます。訴えられなくても、オリジナル・キャラクターのファンから非難される可能性もあります。
違法なVtuberや違法疑いのあるVtuberを起用することは企業イメージを著しく棄損するので、信頼できるVtuberを探しましょう。
炎上リスク
Vtuberのなかには過激な言動を繰り返したり、多くの視聴者を不快にさせることをいったりする人がいます。そのようなVtuberは支持者を集めやすいものの、炎上リスクが高く企業のマーケティングに不向きです。
起用するVtuberは厳格に選考することをおすすめします。
ライタープロフィール
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メディアレーダー 運営事務局株式会社アイズ
- 広告・マーケティングに特化した媒体資料のポータルサイト「メディアレーダー」のマーケティング担当。
BtoBマーケティングを始め、Web広告やリード獲得目的の施策を展開中。
「めでぃつぶ」では、広告業界の方、マーケター必見のマーケティング知識・ノウハウを発信しています。
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