公開日:2021年10月14日 更新日:2024年01月17日
ブランディングとは?マーケティングとの関係・戦略について解説!
ブランディングとは?マーケティングとの関係・戦略について解説!
会社経営の局面で「ブランディング」という言葉を聞くことも多いでしょう。しかし、実際にその定義については曖昧な解釈や間違った知識を持っている人が多いのもまた事実。今回は、ブランディングとは何かを紹介するとともに、実際の手法やフレームワークの取り入れ方について解説していきます。
ブランディングとは
「ブランディング」というのは、「ブランド」を作るための戦略のことです。ブランドの語源は「Burned」(焼印)を意味する言葉で、焼印がその製品の象徴でもあるように、自社の製品を消費者に認知してもらうことが、ブランディングの役割なのです。
例えば、「おしゃれなカフェといえばスタバ」というような印象がありますが、これもブランディングの成功事例のひとつです。うまいブランディングができればそれだけで顧客も増えますし、安定的に事業を展開していくことができます。
目的に合わせたブランディングの種類
ブランディングと一口に言っても、実はたくさんの種類があります。大きく分けると以下のような3つの分類があります。
・何をブランディングするのか
・誰にブランディングするのか
・誰がブランディングするのか
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何をブランディングするのか
まず、何をブランディングするのかということですが、こちらは「商品やサービス」と「企業」に分けられます。
商品やサービスを対象にしたものは「ブランドマーケティング」と呼ばれ、企業が対象だと「コーポレートブランディング」と呼ばれます。消費者と企業ではアプローチ方法も変わってくるので、しっかりと分けて考えることが大切です。
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誰にブランディングするのか
ブランディングでは、誰に対してブランディングをするのかということも重要です。一般的にブランディングというと商品やサービスを購入する消費者に向けて行うことが多いですが、これは
「アウターブランディング」と呼ばれます。
一方で社内の人間に向けてブランディングを行う
「インナーブランディング」もあります。インナーブランディングを行うことで社員一人ひとりの会社理念への理解が高まり、より会社が成長するよいきっかけとなります。
〇誰がブランディングするのか
ブランディングでは、誰がブランディングをするのかということも大切です。消費者に向けたブランディングの場合はBtoCのブランディングですが、中には企業が企業に向けて行うBtoBのブランディングもあります。BtoBのブランディングが成功すれば契約もとりやすくなり、会社の発展にもつながります。
ブランディングを行うことで得られるメリット
ブランディングは実施することで様々なメリットが受けられます。まず最大のメリットは、「利益が増える」ということ。ブランディングが成功すれば顧客の信頼も強くなりますから、より自社の商品やサービスを購入・利用してもらいやすくなるという効果があります。
また、優秀な人材を確保するためにもブランディングは欠かせません。優秀な就活生が複数の企業から内定をもらっている中で、条件などがあまり変わらない場合、選ぶ基準として大きいのはその会社に良いイメージがあるかどうか、ということです。
ブランディングによって会社のイメージアップができていれば、より良い人材を社員として迎えることができます。
また、会社とのビジネス上の取引を行う際にも、ブランディングは非常に重要な武器の一つです。会社のイメージが良ければそれだけで取引はうまくいきやすくなりますし、契約もたくさん取れるようになるでしょう。このように、会社のイメージアップ戦略をしっかりと行っておくことで、様々な面で大きな利益が得られやすくなるのです。
ブランディングが出来ていないと起こること
ブランディングをすることのメリットについて紹介してきましたが、反対に、ブランディングができていないことで起こる弊害もあります。ブランディングをしているつもりでも、正しいやり方でできていなければ意味がないので、気をつけましょう。
ブランディングができていないと、「価格競争」が起こります。自社製品のブランド力が弱いと、価値が定まらないので市場に出回っているありふれた商品のうちの一つという位置付けになってしまいます。消費者も価値がわからないものに関しては購入をためらいます。そんな消費者を捕まえるためには、値段を下げるしかないのです。その結果、他社との価格競争が起こり、価格を下げることで利益も下がります。
利益が下がると予算も枯渇してくるので、会社は広告費削減に踏み切るしかないでしょう。そうなると製品の認知度も下がるので、さらに売り上げは下がり、新規顧客の獲得は難しくなります。こうならないためにも、しっかりとブランディングを行って、製品やメーカーの価値を消費者に知ってもらうことが大切なのです。
ブランディングの手法
ブランディングを行う方法としては、以下の5ステップが基本です。一つずつ解説するので、チェックしてみてください。
1.環境分析をする
2.ブランドのターゲットを明確にする
3.ブランドアイデンティティを決める
4.ブランドの価値を決める
5.実際に行動に移す
まず、自社の製品をブランディングする場合には、競合他社を調査して環境分析をしましょう。ブランディングにおいて環境分析は重要なステップです。他社の強みや弱みを知ることで自社の強みや弱みも自然と見えてきます。他と比較をしないことには、自社の製品の特徴はわかりませんし、その状態で売り出すのは危険だからです。
境分析ができたら、ブランドのターゲットを企業定めましょう。あまりに広い範囲を捉えすぎると、結局誰にも響かないので、ある程度細く絞って決定することが大切です。
ターゲットが決まったら、今度はブランドアイデンティティを決めます。これは「消費者にこのように思ってもらいたい」というブランドの核となるイメージです。これがしっかり定まって、消費者にもそのイメージがついてしまえば、そのブランドの価値は確固たるものとなります。
また、そのブランドがどのような価値を持っているのかということも、同時に決めていきましょう。例えば、値段の安さなども重要な価値のひとつです。実際に良い製品を安く販売して人気を獲得しているブランドもあります。
ブランドのコンセプトや価値が定まったら、いよいよブランド名やキャッチコピーを考えていく段階です。消費者のイメージと乖離がないように、キャッチーで親しみやすいブランド名をつけるのがベストです。写真やロゴデザインなども、重要なブランディングのひとつです。
マーケティングとの違い・関係性
ブランディングと似た言葉に「マーケティング」というものもあります。ブランディングと混同してしまう人も多いようですが、これらは似て非なるものです。具体的な解説をしていきますので、違いを理解しておきましょう。
価値基準の違い
ブランディングは、ブランドのイメージを作り上げることで、消費者に「ここの製品だから好き」「このブランドは信頼できる」と思ってもらうために行う戦略です。対してマーケティングというのは、商品やサービスの価値そのものを高めるために行う戦略のことを指します。
例えばプロモーションとして芸能人を使うのであれば、ターゲットにしている消費者層に合う人を選ぶことが、ブランディングのひとつです。「大好きなこの人がいつも広告に出ているからこのブランドが好き」と思わせることができれば、ブランディング活動は成功と言えます。
対してマーケティングは、その製品を売るための戦略です。例えば、他の製品にはない付加価値をつけるとか、セットで購入するとお得になるなど、そのような戦略のことを指します。どうやって商品を作るのか、どうやって市場に流通させるかを考えることも、重要なマーケティングです。
消費者へのイメージづけも、製品を売るための戦略の一つなので、広義でいえばブランディングはマーケティングの一部とも言えます。
ブランディング戦略とフレームワーク
ブランディングの戦略を上手に立てて成功させるためには、「フレームワーク」の活用が重要です。ブランディングで使えるフレームワークには、複数の視点から見る以下の3つがあるので、実践してみてください。
3C分析
3C分析とは、
自社・
競合他社・
顧客のそれぞれの弱みや強みをリサーチして、自社製品をうまく売り出すためのヒントを得るために使われます。自社だけではなく他社との比較をすることで、他社にない特徴を自社製品の強みとしてブランディングしていくことができるのです。
PEST分析
PESTは「
政治的要因(Politics)」「
経済的要因(Economic)」「
社会的環境要因(Social)」「
技術的要因(Technological)」の頭文字をとったものです。政治的な動きが市場に関与することもありますし、物価の状況もブランディングの重要なポイントと言えます。また、社会で流行していることや技術力に関してもブランディングに大きく関わってきます。
SWOT分析
ビジネスの環境下において、自社の強みや弱みを把握してそれを生かしたブランディングをするために、SWOT分析は大切です。
SWOT分析は「
強み(Strangth)」「
弱み(Weakness)」「
機会(Oppotunity)」「
脅威(Threat)」の頭文字です。強みや弱み、チャンスや自社のリスクを知ることで、悪いところを補填し良いところは伸ばし、消費者からの信頼を得られるブランディングを行うことができるのです。
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