公開日:2021年09月16日 更新日:2021年12月23日
マーケティングリサーチとは?手法やメリットの紹介!
マーケティングリサーチとは?手法やメリットの紹介!
今回はマーケティングリサーチについて解説していきます。
マーケティングリサーチと聞くとアンケート調査というイメージがありますが、アンケートにもいろいろな手法があります。
その目的はマーケティング活動で発生する課題を洗い出し、分析して実態の把握と商品開発やサービス向上の参考にするためです。
マーケティングリサーチのメリット・手法・おすすめの会社を紹介しますので参考にしてください。
1.マーケティングリサーチとは
マーケティングリサーチとは、企業が商品やサービスを提供する前あるいは後で発生するさまざまな課題を分析するために行う活動をいいます。
消費者や顧客から幅広くデータを収集し分析することで企業側が把握しきれなかった課題が見つかるのです。
具体的に見ていきましょう。
市場調査とマーケティングリサーチの違い
市場調査とマーケティングリサーチは同じだと捉えている方は多いのではないでしょうか。
しかし、この2つは似て非なるものなのです。
市場調査は企業がマーケティングする際に消費者から必要な情報を集め分析します。
消費者は提供する商品やサービスをどう感じているのか、どのようなニーズがあるのか、さらにどのような不満があるのかなど情報を集めて施策を立案・実行します。
特に市場調査では数値で現在の市場を把握する点がポイントです。
一方、
マーケティングリサーチは市場調査よりもさらに広い視野に立って考察します。
将来の市場動向を考えて提供する商品やサービスがどのように消費者のニーズに合うのか分析するのです。
それではマーケティングリサーチについて詳しく見ていきましょう。
マーケティングリサーチは商品開発の起爆剤
マーケティングリサーチは商品開発の起爆剤にもなります。
マーケティングリサーチすることで消費者の購入履歴・利用経験・好感度などが掴めます。
また消費者が商品に対してどのような不満を抱いているかネガティブな声も拾えるのです。
現在社会はモノがあふれ、ある程度満たされた環境にあります。
こうした環境下では誰もが受け入れて飛ぶように売れる商品を生み出すことは難しいといえるでしょう。
企業は顧客をセグメンテーションしターゲットを絞って、ピンポイントで好感度のある商品やサービスを提供することが収益に繋がるのです。
さらに消費者の間で一度人気に火がつけば口コミで情報は広がりこれまで関心のなかった層の人たちも興味を持ち始まるのです。
こうしたことからマーケティングリサーチは新しい商品を生み出し、消費者の購入意識を駆り立てる起爆剤になるといえるでしょう。
どういう場面で実施すべきなのか?
マーケティングリサーチするタイミングについて考えましょう。
実際にリサーチする場面は、新商品の開発や新市場を開拓する前後が最適です。
市場における競合他社の動向や手がけている商品の評判など情報を収集・分析し、自社の今後の商品開発やプロモーションに活かします。
セールス・商品開発におけるメリット
マーケティングリサーチの分析結果をもとに、消費者の目線に立った最適なマーケティングが施策ができます。
また、社内で情報を共有すれば顧客を担当するセールスや営業企画など関連部署とのコミュニケーションもスムーズに行くでしょう。
そうすることで、企業だけでなく顧客満足度にも大きく貢献できるのです。
顧客満足度が向上すれば経営の安定化にも繋がります。
そしてマーケティングリサーチで得た情報は今後の商品開発にも大きな影響を与えます。
インターネットが普及し社会生活が大きく様変わりし、人々のライフスタイルも多様化しているのです。
時間と共に消費者の関心は移り変わり、ニーズも変わります。
そうした消費者の声を正しく分析し商品開発に活かすことが顧客満足度の実現に結び付くのです。
ビジネスリスクの回避
マーケティングリサーチはビジネスリスク回避に役立ちます。
企業がこれは売れると思い生産ラインを構築し、大量生産した商品が実際はニーズがなくて失敗したとなれば大きな損失に繋がります。
規模が小さな企業なら倒産するケースも起こり得るのです。
企業と消費者の価値観に相違があるまま生産を始めれば、思わぬ損失を生む可能性があるので注意しましょう。
そのためにマーケティングリサーチを活用し、しっかりとした分析を行えばこうしたビジネスリスクが回避できます。
サービス向上
消費者のニーズを把握することで、より質の高い商品やサービスをタイミングよく提供できて企業の発展に貢献できます。
サービスが向上すれば商品やサービスに共感する顧客が増えてリピーターが生まれ、企業収益の安定化に繋がります。
3.マーケティングリサーチの手法・手順
ここではマーケティングリサーチの手法や手順について解説します。
マーケティングリサーチはターゲットになる顧客や商品などによって異なります。
どのような手法を提供すればいいのでしょうか。
その手順についても紹介します。
マーケティングリサーチの手法
マーケティングリサーチには「定量調査」と「定性調査」の2つの手法があります。
まず「定量調査」は、数値を集めることで仮説の検証と現状の把握を目的とします。
・Web調査
インターネットを使いユーザーに簡単なアンケートを実施する方法です。
メリットは短時間でデータが集められることと、コストがほとんどかからないことです。
多くの企業で採用している代表的な手法といえるでしょう。
・郵送調査
対象者にアンケートを郵送して記入後に返送してもらう方法です。
自治体などが利用する調査方法としても知られています。
メリットはインターネットが使えない高齢者が気軽に回答できることです。
ターゲットに直接届いて実施できる点は高く評価されますが、若い世代ではそのまま破棄される可能性があります。
インターネットの使用頻度が高い世代にはインターネット、中高年では郵送調査など組み合わせてアンケートするのもおすすめです。
・訪問調査
調査員が直接対象者の自宅に伺いアンケートを実施する方法です。
訪問調査には調査員がその場で質問し回答を記入する方法、一定期間経ってから回答を回収する方法があります。
メリットは回収率の高さですが、デメリットはコストがかかることと大規模な調査には不向きなところです。
・会場調査
調査会場に対象者を集めてアンケートを行う方法です。
個別もあれば集団で実施こともあります。
スクリーニングされた対象者のため的確な回答が得られる点は大きなメリットになります。
主に機密性の高い試飲・試食などの調査には最適です。
デメリットはコストがかかることとサンプルによっては準備期間も必要になるところでしょう。
・ホームユーステスト
対象者に自宅で商品のサンプルを実際に使ってもらい、その評価データを収集する手法です。
対象者は自宅にいながら、市場に出る前の商品を試せるので優越感が味わえること、回答すればポイントや謝礼金がもらえるため回答率が高くなる傾向があります。
デメリットは使用方法や保存方法の管理が一律でないため、同じ環境下でのテストといえない場合もあります。
「定性調査」にはグループインタビュー・デプスインタビュー・ソーシャルリスニングなどがあります。
・グループインタビュー
数人の対象者を集め座談会形式でインタビューを行う調査になります。
参加者同士が意見を言い合うことで刺激され議論が活発に行えます。
その結果さまざまな角度から貴重な意見が集められるメリットがあるのです。
・デプスインタビュー
インタビュアーと対象者が1対1でインタビューを行う調査です。
対象者の心理状態を読みながら体験や経験を聞き出し、商品に対する正直な感想を集めるのに適しています。
また、対象者も集団インタビューでないため落ち着いた環境で意見が言えます。
・ソーシャルリスニング
SNSでユーザーの声を収集する手法で、ユーザーからの自然な会話の中から企業に対する意見や商品に関する感想を聞くことができます。
企業が主体的になるアンケート調査ではバイアスがかかりますが、SNS上であれば自由に意見が言えることから消費者の生の声を拾えるのです。
特にインターネットが深く日常生活に入り込んでいる現代で、ユーザーはSNSのさまざまな意や情報を企業より信頼しています。
今後はこうした声がマーケティングに多大な影響を及ぼすことになるでしょう。
マーケティングリサーチの手順
マーケティングリサーチの手順は6つに分類されます。
1.企画
まずマーケティングリサーチする目的を明確にします。
次に誰を対象にしてリサーチするのかターゲティングの設定を行いましょう。
ポイントは性別・年齢・地域・属性など条件を細かく設定してください。
また、どの調査方法が最適か検証しましょう。
調査方法によっては期待する結果が異なる場合もあるため、対象となるターゲットや目的に合った手法を選択してください。
2.設計
リサーチの条件や手法に照らし合わせた調査項目を考えてアンケートを作成してください。
3.実施
企画と設計ができたらユーザーに対してリサーチを始めてください。
4.集計・分析
アンケートで得られた情報を集計し分析を行います。
分析方法はいくつかありますが代表的なものにクロス集計と単純集計があります。
クロス集計は項目を縦と横に掛け合わせて集計する方法で、性別や年齢などの条件も加味する方法です。
単純集計は設問ごとに回答を集計する一般的なやり方です。
5.レポーティング
このようにして分析が終わったデータをレポートティングし、社内で情報を共有します。
誰でもアクセスできるように一元管理しておきましょう。
各業務に役立てることで社員の意識改革もでき、会社全体で収益向上が目指せます。
6.評価
こうして得られたデータからマーケティングリサーチの目的が達成できたか検証します。
そしてユーザーの声を丁寧に拾って、自社が取り組むべき改善点を見つけ出します。
ここで見つけた課題を克服して今後の商品開発・顧客サービスに活かすことがマーケティングリサーチの最終目的となるのです。
4.マーケティングリサーチを得意とする会社3選
最後にマーケティングリサーチを得意とする会社を3つご紹介します。
・株式会社マクロミル
2000年に創業したネットリサーチ力ではナンバーワンの実績を誇る企業です。
その特徴は特定層に偏らないリサーチ手法です。
アフィリエイト広告・メールマガジン・雑誌などの媒体を通じて幅広く募集を呼びかけることでより確度の高い情報の収集・分析ができます。
また、厳格なデータ管理を推し進めるためシステムを導入し重複登録防止や不正登録防止を行っています。
国内外に拠点がありあらゆる国での調査にも対応できるのもマクロミルの強みです。
・株式会社インテージ
株式会社インテージは、1960年創業の老舗マーケティングリサーチ会社で取引実績は約5,000社に及びます。
売上高は業界ではトップクラスを誇りオフライン調査からオンライン調査まで高いデータ収集力と分析力を武器に信頼性も高く評価されています。
・株式会社クロス・マーケティング
2003年創業の株式会社クロス・マーケティングはネットリサーチに長けた会社で、年間に1万件以上の事業を手がけています。
属性に応じた種類豊富なアンケートモニターを得意としており、企業のみならず政府や大学などからの調査依頼も多く扱っているのが特徴です。
マーケティングリサーチのほかにコンサルティングやマーケティングツールなどのサービスを提供しています。
まとめ
マーケティングリサーチについてメリットや手法を解説してきました。
市場調査は市場の動向に注視する一方、マーケティングリサーチは市場の動向だけでなく、将来の動向も見据えた中長期的な顧客満足度を考える手法です。
マーケティングリサーチは、顧客の潜在的なニーズを正確に分析・把握して商品開発やサービスに活かし企業収益に繋げる手法です。
今回紹介した調査方法をぜひ参考にして、自社に最適なマーケティング戦略を展開してください。
ライタープロフィール
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メディアレーダー 運営事務局株式会社アイズ
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