リスティング広告は、ユーザーの検索キーワードに合わせて広告を表示できるため、ビジネス成果を左右する要因となります。
本記事では、キーワード選定の重要性や具体的な手順、注意点をわかりやすく解説します。
適切なキーワードを設定すれば、最適なターゲットへ効果的にアプローチでき、売上向上や認知拡大につなげることが可能です。
運用結果をもとにした調整のポイントも紹介します。
また、同一意図の重複キーワードや関連性の低い設定を避ける方法、効果的な広告グループの組み立て方など、失敗しないためのテクニックも併せて解説します!
リスティング広告の場合には、ユーザーが検索するキーワードによって連動して広告が表示されます。そのため、キーワードの選定がとても重要です。
キーワードの選定が上手くいっていないならば、最適なターゲットに広告が届かなくなり、成果にも繋がりにくくなります。
ユーザーが検索しがちなキーワード、ニーズに合わせたキーワードを実際に分析して選定することが重要です。また、検索クエリという言葉もよく使われますので、意味の違いや使用シーンも知っておくことが大切です。
その場合に、「キーワード」「検索ワード」は、「クリスマスケーキ 通販」などと設定されます。
リスティング広告のキーワード選定手順
リスティング広告のキーワードを選定する手順について紹介します。どんなキーワードを設定するのか、洗い出す作業から始める必要があります。
①キーワードを洗い出す
キーワードを洗い出す手順は、軸キーワードとサブキーワードを考えていくところから始めます。
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軸キーワードは、「ケーキ」や「スニーカー」「自転車」など商品名やサービス名などの単一キーワードになります。
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サブキーワードは、「おすすめ」「安い」「人気」「ブランド」「価格」などの検索の際のサブとなるキーワードとなるものです。
軸キーワードを決める
軸となるキーワードの決め方ですが、商品名などが何で検索されているのかをチェックして決めます。
「Googleキーワードプランナー」を活用して次の手順で見つける方法もおすすめです。
関連性の高いキーワードを見つけることができていい方法です。
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「新しいキーワードを見つける」をクリック
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「キーワード」もしくは「WebサイトのURL」を入力
例えば、「スニーカー」で入力すると「女性スニーカー」「男性スニーカー」「ブランドスニーカー」「ナイキ」などのキーワードが見つかります。
サブキーワードを決める
画像参照元:
ラッコキーワード
サブキーワードを見つけるには、「ラッコキーワード」というツールの活用がおすすめです。
軸キーワードを入れて、さらに細かなサブ的キーワードを探していきます。
「選び方」「おすすめ」「人気「格安」「通販」などの様々なサブキーワードが見つかります。
ユーザーが軸キーワード意外に検索している多様なサブキーワードを見つけることが可能です。
意外なキーワードがある場合もあります。
サブキーワードは意図によってグルーピングしておく
そして、たくさんのサブキーワードが見つかったら、ユーザーの検索意図別にグルーピングをします。
「ブランドものを買いたい」「おすすめや人気の選び方を知りたい」「安く買いたい」「通販で買いたい」などの検索意図別に分けます。
例えば「安く買いたい」とグルーピングした中には「セール」「格安」「最安」「安い」「1万円以下」「5,000円以下」などのサブキーワードが入ります。
そして、この場合にユーザーが安く買える商品を探しているのか、安く買える方法を探しているのかなどを、実際にユーザー目線で検索してみます。
どちらが多く検索されているのか、上位表示されている記事の確認がおすすめです。
②キーワードを選定する
実際にキーワードを選定する際ですが、企業側の成果、コンバージョンに繋がりやすいキーワードを設定することがとても重要です。
キャンペーンを設定する際にキーワードを最適な形でグループ分けすることやマッチタイプを考えること、除外キーワードについて、さらに詳しく見て行きます。
CVまで近いキーワードを優先して設定する
軸のキーワード×サブのキーワードを組み合わせてコンバージョンが狙えるようにすることが重要です。
例えば、
スニーカー×安い
スニーカー×ブランド×おすすめ
スニーカー×ナイキ×人気
など様々な組み合わせを実際の購買成果に結びつきやすいように設定します。
スニーカー×渋谷
などと店舗がある地域名と組み合わせる方法も効果的です
その地域でスニーカーを購入したい人が検索をするため、成果が挙がりやすくなります。
また、検索した際に、Googleマップも同時に表示されるため、店舗の場所がすぐわかっておすすめです。
広告グループを最適な形になるように作成する
リスティング広告では、キャンペーンをまず作成しますが、グループの中にキーワードと広告文、誘導先のランディングページ(LP)のリンク先ページを設定します。
その際、キーワードの設定と誘導先のランディングページ(LP)の内容がきちんとマッチングしておくことが大切です。
例えば、スニーカー×安いというキーワードの場合には、ランディングページ(LP)は、安いお買い得スニーカー、セールスニーカーのページを表示する必要があります。
スニーカー×ナイキ×人気というキーワードの場合は、ランディングページ(LP)は、ナイキのスニーカー紹介記事にします。
キーワードによって、広告グループを分けた上で表示する方法がおすすめです。
キーワードのマッチタイプを設定する
また、キーワードがどのようにマッチした時に広告を表示するのかも決めておく必要があります。3つのマッチタイプがあります。
マッチタイプ |
目的 |
特徴 |
インテントマッチ |
ユーザーの検索意図(インテント)に基づき、関連性の高い幅広い検索クエリに対応する |
・キーワードと厳密に一致しなくても、検索者の意図をくみ取った類似表現や関連語でマッチ
・幅広いリーチが期待できるが、場合によっては予期しない検索クエリにも反応する可能性がある
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フレーズ一致 |
指定したキーワードのフレーズが検索クエリ内にその順序で含まれる場合に広告を表示する |
・キーワードが連続して現れる必要がある(前後に他の語が付くことは可能)
・ある程度の柔軟性はあるが、インテントマッチほど幅広くはない
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完全一致 |
検索クエリがキーワードとほぼ同一、または非常に近い表現の場合にのみ広告を表示する |
・精度が最も高く、余計なキーワードを排除できる
・リーチは限定的になるが、意図に沿ったユーザーに絞って広告を出せる
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参考:
Google
これまで完全一致検索は、その名の通り「設定したキーワードと完全に一致した検索語句」にのみ表示される仕組みでした(少なくとも以前はそうでした)。
しかし、現在のGoogle広告では「完全一致」の定義が変わっています。
2021年ごろからGoogleは、「完全一致」を『検索意図が同じであれば広告を表示する』という仕様に変更しています。
つまり、名前は同じでも内容はまったく異なるものになっているのです。
実際この仕様変更は数年前に行われましたが、多くのアカウントで影響が本格的に現れ始めたのは2024年ごろのことです。
除外キーワードを洗い出す
また、広告表示をさせない除外キーワードも洗い出しておく必要があります。
例えばスニーカーの店でパンプスやブーツなどは売っていない場合には、それらを除外キーワードにしておくことが大切です。
取り扱いがない商品などは最初から除外キーワードにしておくと無駄がありません。
除外キーワードの場合も、部分一致やフレーズ一致などで除外することができますので、それらも検討するといいでしょう。
キーワード選定で注意したい3つの「しない」
キーワード選定では次の3つの「しない」ことを知っておくことも大事なことです。
注意点を最初によく理解した上で効果的に活用してください。
関連性の低いキーワードは設定しない
検索キーワードの設定が大事ですので、扱っている商品やサービスと関連性の低いキーワードは設定しないでください。
ユーザーの興味や関心があって検索をされていたとしても、ビジネスに結びつかない、関連性の低いキーワードは除外する必要があります。
いくら検索するニーズが多くても、自社の商品やサービスと関連性が低ければ、クリック数やインプレッション数は増えず、コンバージョン率のアップに繋がりません。
同一検索意図のキーワードは複数設定しない
また、キーワードは同一検索意図のキーワードの場合には、複数の設定をしないようにしてください。
例えばキーワードの語順が異なるだけや漢字表記や送り仮名が異なるだけの場合などは1つのキーワードにまとめることが大切です。
Google広告では、キーワードの類似パターンという機能で、最適化案の自動適用設定で「重複するキーワードを削除しましょう」にチェックを入れることで複数設定が避けられます。
重複が自動で制限されるためおすすめです。
異なるマッチタイプでキーワードを重複させない
完全一致、フレーズ一致、インテントマッチというマッチタイプが3つありますので、キーワードをこれら異なるマッチタイプで重複させないことも大切です。
「スニーカー×ブランド×安い」を一方では完全一致にして、「スニーカー×ブランド」ではフレーズ一致にするなど、キーワードが重複しているのに、マッチタイプが異なる場合があります。
その場合、管理コストがかかり、データが分散してAIでの機械学習の妨げとなってしまいます。
運用結果を見てキーワードを調整する
そして、リスティング広告のキーワードはずっと変えないのではなく、運用結果を見て調節することも大切です。
一度決めたキーワードがコンバージョンに繋がるとは限りません。
実際にリスティング広告を出してみて、その成果を見てPDCAを回してキーワードを検証することが必要です。
ユーザーのニーズの変化や商品やサービスの売上変化などを見て、キーワードの組み合わせを改善していくことが大事になります。