公開日:2025年03月19日 更新日:2025年03月24日
リスティング広告のクリック単価はどれくらい?課金方式や平均単価など解説
リスティング広告のクリック単価とは
クリック単価とは、広告がユーザーにクリックされるたびに発生する費用の平均値を示し、一般的にCPC(Cost Per Click)と呼ばれます。
リスティング広告はクリック課金制を採用しているため、選定したキーワードの競争状況や広告文の質、入札戦略など複数の要因によって変動するクリック単価は、リスティング広告の費用対効果を左右する重要な指標となっています。
【関連記事】
リスティング広告の基本を確認する
リスティング広告の課金方式
リスティング広告は費用対効果に優れるクリック課金方式です。広告が表示されただけでは料金が発生せず、ユーザーがクリックした時点で費用が発生します。この仕組みにより、実際の成果に連動して広告費が支払われ、無駄な出費を防止できます。結果として、広告主は効率的な予算運用を実現できるのです。
リスティング広告のクリック単価が決まる仕組み
リスティング広告のクリック単価は、オークションシステムの結果により決定されます。
まず、広告主が上限クリック単価と広告の品質スコアを設定し、広告ランクが算出されます。クリック単価は、直下の広告ランク(下位順位の広告の入札額×品質スコア)を自身の品質スコアで割り、その結果に1円を加えた金額です。
たとえば、自身の品質スコアが8で、直下の広告ランクが980の場合、計算式は980÷8+1となり、クリック単価は約124円となります。このように、入札金額だけでなく広告の品質が掲載順位や実際に支払うクリック料金に大きな影響を及ぼすのです。
そのため、広告主は品質向上と入札戦略の最適化で、費用対効果の高い広告運用を実現する必要があります。
参考:
Google 広告のオークションの仕組み
参考:
Yahoo!掲載順位の決定方法
【業界別】リスティング広告のクリック単価の相場
WordStreamの調査結果によれば、全業種の平均クリック単価は2.69 ドル(1ドル150円換算で約404円)です。
各業界で大きな幅があり、法律関係は6.75ドル(約1013円)となる一方、Eコマースは1.16ドル(約174円)に収まります。業界別の相場は各企業の入札戦略や広告品質によって変動するため、状況に応じた最適な入札設定が求められます。
参考:
平均クリック単価
リスティング広告のクリック単価を調べる方法
リスティング広告のクリック単価は、Google広告のキーワードプランナーを活用して簡単に確認できます。キーワードプランナーの操作は直感的に理解できるため、スムーズなクリック単価の確認が可能です。以下で具体的な手順を見てみましょう。
①キーワードプランナーにログイン
まずはGoogle広告の管理画面にアクセスし、ログインしてください。ログイン後、画面右上の「ツールと設定」をクリックし、表示されるメニューから「キーワードプランナー」を選択します。Googleアカウントが必要なため、未登録の場合はアカウント作成後に再度ログインしてください。この操作により、キーワードに関する詳細なデータが取得でき、広告効果の最適化に役立ちます。
②「検索のボリュームと予測のデータを確認する」を選択
次に画面右側に表示される「検索のボリュームと予測のデータを確認する」ボタンをクリックします。これにより、登録したキーワードの検索ボリュームや将来的な予測データが取得でき、ターゲット選定の精度が向上します。表示される新しいキーワード候補も参考になり、広告戦略の改善に直結する情報が得られるので注視してください。
③クリック単価相場を調べたいキーワードを入力し、開始するボタンを押下
クリック単価相場は、調査対象のキーワードを入力後、「開始する」ボタンを押下すれば確認できます。入力欄には対象キーワードを複数設定でき、エンターキーで区切ると同時に複数の調査が可能です。入力完了後、開始するボタンをクリックすると、各キーワードに対する平均クリック単価や予測値が表示されるため、広告戦略の精度向上に活用できます。
クリック単価が高騰する3つの原因
キーワードプランナーで自社のクリック単価が高騰していることに気が付いた方は、次の3つをチェックして下さい。
1つ目は競合状況、2つ目は広告の品質、3つ目は商材や業種の利益率です。これら3つの要因が複雑に影響し合い、クリック単価の高騰を引き起こしています。以下では各要因の詳細を解説します。
競合が多い
競合が多い場合、リスティング広告のクリック単価は上昇する傾向がみられます。
同一キーワードに対して多数の広告主が入札するため、オークションの結果、クリック単価が高騰するのです。
たとえば、「看護師 転職」のような成約率が高く利益率も期待できるキーワードでは、高額帯で5000円を超える可能性があります。
多くの企業が狙う人気キーワードは、入札競争が激しくなるため、広告主は入札戦略の見直しや広告品質の改善、ターゲットの絞り込みなどの対策を講じる必要があります。
広告の品質が低い
広告の品質が低い場合、掲載順位が下がり、結果としてクリック単価が大幅に上昇します。品質スコアは、広告クリック率の予想値、広告文とランディングページの関連性、及びページの使いやすさで評価されます。
これらの要素が十分でないと、同一の入札額でも競合に対抗できず、より高い価格を提示しなければ広告が表示されません。低品質な広告はオークションで不利となり、無駄な費用が発生しやすくなるのです。
このため、広告文やランディングページを改善に努め、品質スコアの向上が求められます。
利益率の高い業種や商材を扱っている
利益率が高い商材や業種は、1クリックあたりの費用が上昇する傾向にあります。利益率が高ければ1件の成約で得られる利益も大きく、広告主は高い入札単価を設定しても十分なリターンが期待できるためです。
たとえば、BtoB向けサービスや高額な専門商材では、同一キーワードにおける入札額が他の業界よりも著しく高くなる傾向が確認されています。このような場合、広告主は利益率の高さを背景に、入札戦略を柔軟に調整し、オークションでの優位性を確保するため、クリック単価を結果として高騰させてしまうのです。
リスティング広告のクリック単価に影響する4つの要素
リスティング広告のクリック単価は、多様な要素によって変動します。主な要素として、広告出稿媒体、業界・商材、地域、時期の4つが挙げられます。これらの要素は、競合の多さや広告品質の低さ、利益率の高い業種・商材などの単価高騰要因をより一般化したものです。その理由を理解し、適切に戦略を立てれば、効率的な広告運用につながります。
広告出稿媒体
市場シェアと競合数による影響で、リスティング広告のクリック単価は出稿媒体で変動します。
StatCounterの2021年10月~2022年10月の統計によると、Googleは国内検索エンジンで76% (2025年2月時点では80.18%)のシェアを持ち、競争が激しく単価が高騰しやすい媒体です。掲載順位は下の広告ランクに影響され、競合が多いほど入札額が上がります。
媒体ごとにユーザー層や表示位置が異なり、キーワードによる向き不向きも存在します。そのため、クリック単価にとって、広告出稿媒体は重要な選択肢です。
参考:
デスクトップおよびモバイル検索エンジンの市場シェア(日本)
業界・商材
競争環境と顧客価値により、リスティング広告のクリック単価は、業界と商材で変動します。高額利益の保険や金融は単価が高く、地域ビジネスは低くなります。ユーザー獲得費用も業界で異なり、金融や医療は高単価です。
商材価値や顧客の需要も影響します。法律事務所は高額な6.75ドル(1ドル150円換算で約1013円)で、旅行は安価な1.53ドル(約230円)です。
参考:
業界別平均クリック率
地域
都市部や特定地域は高単価、地方は低単価になる傾向があります。都市部は多くの企業が集中し、広告枠を巡る競争が激化するためです。東京と地方で差が顕著です。そのため、地域特性の理解と戦略立案が求められます。地域別CPCの違いを踏まえ広告戦略を立てましょう。
時期
季節商材はニーズ期や繁忙期、セール時期に、広告枠を巡る競争が激化するため、高単価となります。たとえば、スキーウェアは冬季に高騰します。一過性のブームも同様の理由で入札価格が高騰しやすい時期です。もっとも、月間平均検索ボリュームが縮小する時も広告枠が限られ、単価高騰の可能性があります。このように季節性キーワードの広告では、世の中の動向チェックが不可欠です。
リスティング広告のクリック単価を下げる方法
リスティング広告のクリック単価を下げるには、ターゲットを絞り、品質スコアを高め、除外キーワードを設定します。広告表示オプションを活用し、上限クリック単価を下げるのも有効です。これらの施策を組み合わせ、広告の掲載順位とクリック率を維持しながら、クリック単価を最適化します。
ターゲットを絞る
リスティング広告のクリック単価を下げるには、ターゲットを絞り、広告を表示するユーザーの質を高める施策が効果的です。ターゲットを絞るには、年齢・性別・地域・興味関心などのデモグラフィック情報を洗い出す必要があります。
たとえば、若い女性向けの美容製品を販売している場合、20代から30代の女性で都市部に住んでおり、美容やファッションに関心がある層にターゲットを絞るとします。広告を表示するユーザーの質が高まり、クリック単価を下げられるでしょう。
また、ターゲット層に関連するキーワードを選定すると、競争の少ないキーワードを見つけられ、単価を下げられます。具体的には、若い女性向けの美容製品の場合、「オーガニックフェイスクリーム」などのキーワードです。
広告の品質スコアを改善する
品質スコアが高ければ、低い入札単価でも広告ランクが上がり、上位表示とクリック単価の抑制が可能です。品質スコアとは、広告の品質を数値化したもので、キーワード、広告、ランディングページの関連性で評価されます。
従って、品質スコアを改善するには、広告の関連性を高める必要があります。広告の関連性は、Google広告のキーワード画面で確認可能です。「平均より下」と評価されている場合は、ユーザーが求めている情報が広告の見出しや広告文に含まれているか、キーワードが商品や商材と合致しているかを見直してください。また、広告の内容に合ったランディングページに変更すると、品質スコアが向上する場合があります。
広告グループのキーワードを含むページや、広告で強調表示したテキストを含むページを試してみてください。
除外キーワードを設定する
除外キーワードとは、特定の検索語句に対して広告を表示しないようにする機能です。除外キーワードを設定すると、広告費の無駄を省け、コンバージョン率の高いユーザーに広告を表示できるようになります。
除外キーワードを設定するには、まず広告管理画面で運用データを確認します。コンバージョンに繋がらないキーワードや、意図しない検索語句を除外キーワードとして設定してください。また、除外キーワードの選定には、検索語句レポートも参考にできます。
Google広告のキャンペーンタブから、分析情報とレポート、検索語句の順にクリックすると、検索語句のリストが表示されます。リストから自社の商品やサービスに関連性の低い語句を見つけ、除外キーワードに追加してください。
参考:
除外キーワードの候補を取得する
広告表示オプションの活用
広告表示オプションとは、広告文に追加情報を表示する機能です。表示される情報が増えてクリック率が向上すれば、広告の品質スコアが改善され、クリック単価が最適化されます。広告表示オプションには、サイトリンク表示オプション、コールアウト表示オプション、構造化スニペット表示オプションなどがあります。
広告表示オプションを設定する際は、可能な限り多くのオプションを設定しましょう。もっとも、広告ランクが低いと表示オプションは使えません。そのため、品質スコアの改善が優先施策です。
参考:
Google広告アセットについて
上限クリック単価を下げる
上限クリック単価とは、1回のクリックに対して支払い可能な最大金額です。上限クリック単価を下げることで、クリック単価を直接的に抑制できます。ただし、上限クリック単価は広告ランクに影響を与える要素の一つです。
上限クリック単価を下げすぎると、広告の掲載順位が下がり、クリック数が減少する可能性があります。そのため、上限クリック単価を下げる際は、広告の掲載順位やクリック率への影響を考慮し、慎重に調整する必要があります。
まとめ
以上の内容から、リスティング広告のクリック単価は入札金額と広告品質の適切なバランスで決定されるのが理解できます。広告運用では、業界、地域、時期などの多様な要素がクリック単価に影響を与えるため、戦略的なアプローチが不可欠です。
クリック単価が高騰する場合は、ターゲットの絞り込みや広告文、ランディングページの品質向上、除外キーワードの設定など各施策を組み合わせるのが効果的です。加えて、各種施策の実施によって無駄な広告費を抑え、効率的な運用が実現できます。こうした運用に不安がある場合は、専門の運用代行会社に依頼するのも賢明な手段のひとつです。
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