公開日:2018年11月09日 更新日:2024年10月23日
Facebook広告とは?配信先や種類、費用、配信方法をわかりやすく解説!
SNSを活用したマーケティング手法の一つとして、Facebook広告が注目を集めています。
Facebook上での広告配信は、InstagramやMessengerなど、Meta社が運営する他のSNSにも配信可能なため、広告のリーチを大幅に拡大することが可能です。
本記事では、Facebook広告の基本から配信先、広告の種類、費用、そして効果的な配信方法について、分かりやすく解説します。
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Facebook広告とは
Facebook広告とは、文字通りFacebook内に表示される広告のことを指します。
他のSNS媒体と比べFacebookは実名が公開されているため、趣味仲間や学生時代の友人などの繋がりにプラスして、ビジネスでの繋がりが強い特徴があります。そのため他の媒体では訴求できなかった、ビジネスマンに向けたアプローチも可能になってきます。
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国内で3,000万人ものユーザーが存在するFacebookでは、広告主の利用目的に応じた広告の作成・出稿が可能です。個人情報での登録がマストなフェイスブックでは、細かいターゲティング設定で広告を配信することができます。
キャンペーン時のみに広告出稿ができたり、Instagramアカウントと連携ができたり、サービスや使い方は様々で企業のマーケティングに活用できます。
以下にFacebook広告とその他SNS広告・リスティング広告との違いを表にまとめています。
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Facebook広告の4つの配信先
Facebook広告を利用すると、Facebookだけでなくそのほかの配信先にも広告を掲載することができます。
下記は、Facebook広告の4つの配信先と主な広告フォーマットについてまとめました。
Audience Network
Facebook
FacebookはMeta社が運営している、世界で最も多いユーザー数を誇るSNSです。日本国内だけで3,000万人を超えるユーザーを抱えています。ユーザーの投稿が表示されるフィード画面に掲載できる広告や、ショッピング機能を活用した広告・ストーリーズへの広告出稿ができます。また、実名での登録が必要となっていることもあり、他のSNSより細かなターゲティングを行えることが特徴です。動画・画像での広告掲載が可能となっているため、自社のサービス・商品に合わせた広告訴求が可能となっています。
Instagram(インスタグラム)
Instagram
は、Meta社が提供している動画・写真投稿型のSNSです。Facebookを超えるほどの月刊アクティブユーザー数を誇っているメディアに成長しています。Facebookビジネスマネージャーを活用することで、Facebook広告に出している広告をInstagram広告に活用することが可能です。
【関連記事】
【初心者必見】Instagram広告とは?種類や課金形態、出し方を解説!
Messenger(メッセンジャー)
Messengerは、Meta社が運営しているメッセージアプリです。Facebookの友人とチャットを行うことができるだけでなく、Facebookのアカウントを持っていない場合でもMessengerを使うことが可能です。
Messengerに掲載できる広告は、2種類あります。1つは、メッセージ受信箱のスレッド間に表示される広告。そしてもう1つは、Messengerのストーリーズの間に表示される広告です。ストーリーズ間に表示される広告は、InstagramやTwitterと同じ様な形式ですが、受信箱に表示される広告には詳細が表示されるという特徴があります。また、成果の得やすい位置に広告が配信できるという特徴もあります。
Audience Network(オーディエンスネットワーク)
Audience Network(オーディエンスネットワーク)は、Facebook広告のターゲティング機能を活用して、広告配信を行うアドネットワークサービスです。Meta社傘下のFacebook・Instagramに加え、提携しているアプリへの広告配信が可能となっています。通常のアドネットワークとは異なり、出稿するメディアと実際に配信されたメディアを確認できる特徴があります。また、広告のフォーマットも多いため、様々な広告出稿も可能です。
Facebook広告の特徴
Facebook広告には利用者にとって「コスト的に無駄ない広告配信が可能」・「確度の高いユーザーに向けた広告配信を行うためのターゲッティング設定ができる」などの特徴があります。ここでは、Facebook広告の特徴に加えメリット、デメリットについて解説します。
Facebook以外にも広告配信できる
Facebookで広告を配信する上で見逃せないのが、InstagramやMessenger上への広告配信も行える点です。
InstagramはFacebookよりも利用者の年齢層が低く、Facebookだけでは広告効果が不足する部分に対してもアピールが可能になります。
Instagramでは、通常のInstagramフィードへの表示だけでなく、虫眼鏡アイコンの発見タブに表示させたり、ストーリーズ・動画や音楽とエフェクトを利用したリール配信、ショップへの広告配信など利用者の目に付きやすい、ユーザビリティの高い広告配信ができます。
またAudience Networkで連携しているWEBサイトやアプリへの広告配信もできるようになっており、より多くのリーチが獲得しやすい環境がFacebook広告にはあると言えるでしょう。
認知度向上から販売促進までできる
Facebookに広告を出すことで、上でもご紹介したようにInstagramへの配信も可能になるため、幅広い世代のユーザーに向けた広告効果が期待できます。
またFacebookだけでも国内で3000万人以上、さらにInstagramやAudience Networkを活用することで幅広い世代のユーザー、国内のみならず海外のユーザーに向けて情報発信が可能なことは既にご存知の方も多いでしょう。
静止画や文章だけでなく動画や音楽を使うなど、視聴者の印象に残りやすい広告が打ち出せるため認知度向上はもちろん、マーケットプレイスやショップへの広告配信による販売促進までが可能になる点は見逃せないポイントとなるでしょう。
Facebook広告のメリット
Facebook広告には様々なメリットがあります。
Facebook広告のメリット
低コストで始められる
小額から広告を利用することができるので始めやすいです。少額から広告運用を開始し徐々に慣れてきたら金額を増やして運用していくこともおすすめです。
高精度なターゲティング
Facebookアカウントには個人情報が登録されているため精度の高いターゲティングが可能です。年齢や位置情報、家族構成、職業、推定年収等様々なセグメントでターゲットを絞り広告を配信することができます。
【関連資料】ターゲティングができる媒体一覧
自由な広告出稿
広告の配信期間や配信するタイミングを広告主が自由に選ぶことができるため、広告の停止や再開を簡単に行うことができます。そのため、特定の商品の売り出し広告やキャンペーンなどにも適応が可能で様々な目的に応じて自由に選択することができます。
Facebook広告のターゲティング
Facebook広告のターゲティングには大きく3つの手法があります。具体的には以下の通りです。
Facebook広告のターゲティング手法3つ
参考:
広告のターゲット設定/Meta
コアオーディエンス
コアオーディエンスはFacebookのユーザーデータで構成されています。具体例を挙げると、年齢、性別、位置情報、興味関心、学歴、繋がりなどの様々な項目です。Facebookのユーザー登録は基本的に実名なのでターゲティングの精度は高いです。コアオーディエンスはセグメントを掛け合わせることで、さらに精巧なターゲティングができます。掛け合わせ方は「どれか一方に当てはまる『OR設定』」「どれにも当てはまる『AND設定』」「除きたいセグメントを登録する『除外設定』」の3種類です。
カスタムオーディエンス
カスタムオーディエンスは>サイト流入やFacebook、Instagramのアクションを実行したユーザーをターゲットにできます。下記の5種類が挙げられます。
「サイト流入したユーザーのリストを作成しターゲットにする『ウェブサイトトラフィック』」
「顧客の個人情報データを活用しFacebookユーザーと照合してオーディエンスを設定する『カスタマーファイル』」
「アプリ内で特定のアクションを起こしたユーザーのリストを作成する『アプリアクティビティ』」
「オフラインで接触のあったユーザーのリストを作成する『オフラインアクティビティ』」
「Facebookページで広告にアクションした『エンゲージメントオーディエンス』」
類似オーディエンス
類似オーディエンスは、ソースとなるオーディエンスからユーザーに共通する特徴を探し、その共通項が多い人々をターゲティングできます。1~10%で設定でき、数字が小さいほど共通項が多く精巧なターゲティングができます。
Facebook広告の費用・課金方法
Facebook広告の課金方法は「インプレッション課金」と「クリック課金」があります。
課金方法 | 課金発生のタイミング |
インプレッション課金 | 広告が1,000回表示されるごとに課金発生 |
クリック課金 | 広告がクリックされる度に課金発生
|
オークションによる広告出稿の仕組み
Facebookだけでなく、InstagramやMessengerなどに出稿される広告において、広告表示までに「広告オークション」により決定されます。同じターゲットを対象とした広告がオークション形式で競い価格が決定し、どの広告が配信されるかが決定します。
オークションの際に評価されるのは、『利用者とビジネス双方に最大の価値をもたらすかどうか』です。「入札価格」、「推定アクション率」、「広告品質」が判断基準となっています。
Facebook広告の広告フォーマットの種類
Facebookの広告でよく利用される4種類の広告フォーマットとその特徴についてご紹介します。
広告フォーマットの画像はすべて下記ページの「Facebook広告ガイド」を参照にしていますので、より詳細な情報が知りたい方は下記よりご確認ください。

参考:
Facebook広告ガイド / Meta
画像広告

画像広告は、1枚の画像とそれに付随するテキストで構成された広告です。最もオーソドックスな広告手法で簡単に広告出稿ができます。
またどんな商材にも適した広告フォーマットになっています。テキストの見出しは25文字以内、説明文は30文字、メインテキストは多すぎると「もっと見る」と表示され隠されてしまうので、1行25文字×3行が推奨されています。また使用する画像内にテキストが多すぎると、配信されなくなるのでテキスト含有量は20%以下にすることがおススメです。
Messenger広告を除いた、Facebook広告上のほとんどの配信面に配信することが可能となっており、Facebook、Instagram、Audience Networkに配信できます。
動画広告

動画広告は、ユーザーの画面に広告が表示されると自動的に動画が再生される広告です。画像広告よりもユーザーの目を惹き、多くの情報を伝えられることが動画広告のメリットに挙げられます。動画広告もあらゆる商材に対応できるフォーマットになっています。動画のサイズは最大4G、動画の長さは1秒から4時間までできますが15秒以内に収めることをFacebookは推奨しています。
画像広告同様、Facebook広告上のほとんどの配信面に配信可能となっています。通常のフィード広告に加え、Audience Networkを除いた媒体のストーリーズ広告に出稿することが可能なフォーマットです。
カルーセル広告
カルーセル広告は、1つの広告内でコラージュのように複数の画像、動画を配信できる広告です。カード枠の設定は2~10枚です。各画像や動画にそれぞれリンクやCTAを設置することができます。そのため、目的や用途に合わせ多様な表現を可能にします。商品をたくさん紹介したいECサイトや、施術の様子とビフォーアフターの画像を表示したい美容業界などに適しています。
Facebook、Instagram、そしてAudience Networkが配信先として挙げられます。
コレクション広告

コレクション広告は、動画・静止画を問わずメイン画像を1つ設定し、その下に4枚以上の画像を並べて(横スライドで閲覧できます)見せることができる広告です。メイン画像の下に配置する商品画像は最低4枚必要となっており、メイン画像だけでは商品の魅力を伝えきれない!というときにおススメです。
より詳細をチェックしてもらうことで、商品の魅力を伝えやすく、興味を持ってくれたユーザーに効果的な訴求効果が期待できます。
配信媒体は他の広告フォーマットと比較して少なく、FacebookとInstagramのフィードやストーリーズ広告に配信することが可能です。
Facebookで広告を掲載する方法
Facebookで広告を掲載する方法は2通りあります。
「Meta広告」としてコンテンツを広告専用に作る場合と、「みなし広告」としてFacebookに投稿した既存のコンテンツを宣伝する形で掲載する場合です。
両者とも、より広範なオーディエンスにリーチできる点で目的を同じくしますが、「Meta広告」はMeta広告マネージャを活用し、「みなし広告」はFacebookページをそのまま活用できる等、様々な相違点があります。
こうした相違点を含め、Facebook広告を掲載する方法として、ここでは、「Meta広告」のワークフローに従って、広告目的の選択、ターゲットオーディエンスの決定、広告掲載場所の選択、広告の注文、広告掲載後の効果測定と分析を紹介します。

参考:
Facebook広告 公式
【1】広告の目的を選択する
Facebook広告は、以下のように多様な目的で利用できます。
- ・売上向上:商品やサービスの販売促進
- ・リード獲得:潜在顧客の情報収集
- ・エンゲージメント向上:投稿へのいいねやコメント、シェアを促進
- ・トラフィック増加:ウェブサイトやランディングページへの訪問者を増やす
- ・認知度向上:ブランドや商品・サービスを広く知ってもらう
- ・アプリの宣伝:アプリのダウンロードや利用を促進
このうち、「Meta広告」は高度な広告やキャンペーンを展開する場合に有益であり、「みなし広告」は、オーディエンスのエンゲージメントを高める目的やブランド認知度を向上させることに適しています。
設定する目的には、以下があります。
売上
広告目的で売上を選択する意義は、商品・サービスの販売促進や収益性向上、顧客基盤拡大にあります。
例えば、ダイナミック広告で商品カタログに基づき個々のユーザーに最適な商品を自動的に表示したり、コンバージョン広告で商品購入や資料請求などの行動を促進したり、動画広告で商品の魅力を視覚的に訴求したり、することが売上目的の広告です。
「Meta広告」は、「みなし広告」に比しカスタマイズ機能に優れ、一段と高度なソリューションを実現できるため、売上目的の広告に最適です。
リード
広告目的でリードを選択する意義は、潜在顧客の情報を収集することや顧客基盤を拡大すること、マーケティング活動を効率化させることにあります。
例えば、リード獲得広告で潜在顧客に資料請求やメルマガ登録を促したり、フォーム広告で簡単に資料請求できる仕組みを構築したり、インスタントフォームでユーザーの離脱を防ぎ情報収集をスムーズにしたり、カスタムオーディエンスで既存顧客リストに基づき類似のユーザーに広告配信したり、することがリード目的の広告です。
エンゲージメント
広告目的でエンゲージメントを選択する意義は、投稿へのいいねやコメント、シェアを促進することやターゲットオーディエンスとのコミュニケーションを活性化することにあります。
例えば、投稿エンゲージメント広告で投稿へのいいねやシェアを促進したり、ライブ配信でユーザーとリアルタイムなコミュニケーションしたり、グループ広告で同じ興味を持つユーザーが集まるコミュニティをつくったり、クイズ広告でユーザーの参加意欲を高めエンゲージメントを向上させたり、することがエンゲージメント目的の広告です。
トラフィック
広告目的でトラフィックを選択する意義は、ウェブサイトやランディングページへの訪問者増加や商品・サービスの認知度向上、コンバージョン率向上にあります。
例えば、ウェブサイトトラフィック広告でウェブサイトへの訪問者を増加させたり、イベント広告で商品やサービスに関するイベントを告知したり、動画広告で商品の魅力を視覚的に訴求したり、ダイナミック広告で商品カタログに基づき個々のユーザーに最適な商品を自動的に表示させたりすることが、トラフィック目的の広告です。
認知度
広告目的で認知度を選択する意義は、ブランドや商品・サービスの認知度向上や顧客基盤拡大、ブランディングにあります。
例えば、リーチ広告で多くの人に商品やサービスを知ってもらうことや、動画広告で商品の魅力を視覚的に訴求すること、ブランドストーリー広告でブランドの価値観やストーリーを伝えること、インフルエンサーマーケティングで影響力のあるユーザーに商品やサービスを紹介してもらうことが、認知度目的の広告です。
アプリの宣伝
広告目的でアプリの宣伝を選択する意義は、アプリのダウンロード数増加やアプリ利用者数増加、アプリ収益の向上にあります。
例えば、アプリインストール広告でアプリのダウンロードを促進したり、アプリエンゲージメント広告でアプリ内での満足度を高めたりすることがアプリ宣伝目的の広告です。
【2】ターゲットオーディエンスを決定する
ターゲットオーディエンスとは、広告又は既存の投稿を届けたいFacebook利用者を示します。
実名登録を基本とするFacebook広告のターゲティング機能は、他のWeb広告やSNS広告より優れており、「みなし広告」であっても、年齢・性別はもちろん、興味・関心による絞込みが可能です。「いいね」したオーディエンスだけにアプローチすることもでき、自動オーディエンスオプションによりFacebookから提案されることあります。
さらに高度なターゲティング機能を有する「Meta広告」では、広告主が所持するデータから類似オーディエンスや重複するオーディエンスも作成でき有益です。
①オーディエンスの作成
オーディエンス作成の意義は、広告効果を最大化することで、無駄な広告費を削減できたり、適切なユーザーに広告を配信できたりします。
例えば、Facebookユーザーの年齢や性別、居住地、興味関心、行動などで絞り込めることはもちろん、広告主が所持する顧客リストやWebサイト訪問者データなどを基に類似のユーザーをターゲティング設定でき、Webサイト訪問者を追跡し広告配信に活用できます。
もっとも、十分なリーチ数を確保するためターゲティングを絞り込みすぎないことや、商品・サービスのターゲット層に合致するため適切なターゲティング条件を設定することに注意しなければなりません。
②最初は幅広く設定する
最初は幅広いターゲットオーディエンスを設定することの意義は、効果的なターゲティングを構築するためのデータを収集することや最適なオーディエンス層を発見することにあります。こうした設定により最終的には無駄な広告費を削減できます。
例えば、年齢や性別、居住地などの基本的な条件のみで設定することや、興味関心や行動などの詳細条件は設定しないこと等が幅広い設定です。
もっとも、広告効果を定期的に分析し最適なターゲティング条件を特定したり、ターゲティング条件を徐々に絞り込んだりして、効果的なオーディエンス層を構築しなければなりません。
③詳細を追加する
詳細を追加する意義は、広告効果の向上やターゲティング精度の向上、無駄な広告費の削減にあります。
例えば、興味関心や行動などの詳細条件を追加したり、顧客リストやWebサイト訪問者データなどを基にカスタムオーディエンスを作成したり、類似オーディエンスを活用したり、リマーケティングを活用したりすることが、追加すべきターゲットオーディエンスの詳細です。
【3】広告の掲載場所を決める
「みなし広告」では、FacebookのデスクトップフィードやInstagramのフィード、Messengerの受信箱に広告を掲載できますが、「Meta広告」では、さらに、フィード右側の広告枠やインスタント記事、Instagramストリーズ、Messenger広告、Meta Audience Networkにも掲載可能です。
従って、本格的な広告キャンペーンを展開する場合には「Meta広告」を選択することが賢明です。
オススメは動画広告
動画広告は、視覚と聴覚に訴える高い訴求力とエンゲージメント率が期待できる広告フォーマットです。短時間で多くの情報を伝えられるため、商品やサービスの魅力を効率的に伝達できたり、他のフォーマットよりも印象に残り易かったりするなどメリットが豊富です。
例えば、商品紹介動画では、商品の魅力を視覚的に訴求でき、顧客の声動画では、顧客の満足度を伝えることに優れています。
もっとも、静止画広告よりも制作コストが高いことや音声が出せない環境では効果が低減すること、長すぎる動画はユーザー離脱の原因となること等を注意しなければなりません。
【4】広告を注文する
広告を注文するとは、予算や掲載期間、表示するコンテンツを設定することです。
「みなし広告」は既存の投稿をコンテンツとしますが、一般的な投稿より広範なオーディエンスに届けたり、ターゲットの行動を促す「今すぐ購入」「メッセージを送信」等のコールトゥアクションボタンを設定したりするため、予算の設定が必要になります。
「Meta広告」では、説明の追加やカルーセル広告の作成とその管理等、さらに高度なクリエイティブとフォーマットのオプションを設定できます。
広告オークションが実施されるタイミングは?
広告オークションが実施されるタイミングとは、ターゲットオーディエンスの広告枠に表示される広告を決定する瞬間を示します。広告主は、広告の表示順位や入札単価を競い合うタイミングを広告掲載のたびに選択できます。
例えば、ターゲットオーディエンスがニュースフィードやストーリーを閲覧する時や検索結果ページを表示する時、動画を視聴する時、アプリを使用する時、ウェブサイトを閲覧する時等が広告オークションの実施されるタイミングです。
誰と競い合う?
広告を競う相手とは、同じ広告枠を希望する広告主や同じターゲット層を狙う広告主、同じ予算を設定する広告主等が考えられます。
例えば、同じ商品やサービスを販売する企業や同じ地域をターゲットとする企業、同じ年齢層をターゲットとする企業、同じ興味関心をターゲットとする企業、同じ行動パターンを持つユーザーをターゲットとする企業等が広告の競争相手です。
勝者はどのように決定される?
広告入札の勝者は、入札単価と広告品質スコアに基づいて決定されます。入札単価が高いほど有利で、広告品質が優れているほどスコアが高くなります。
例えば、入札単価100円で広告品質スコア5の広告は、入札単価50円で広告品質スコア10の広告よりも優先的に表示されたり、クリック率やエンゲージメント率が高い広告や関連性の高い広告は広告品質スコアが高くなったりします。
もっとも、広告オークションの仕組みは複雑で、SNSごとの特色もあるため、広告代理店に効果的な入札戦略の策定を相談することも有益です。
【5】広告効果の測定と分析
Facebook広告は、様々な効果測定ツールを用意し、分析ノウハウを公開しています。
基本的な効果測定は「Meta広告」で使用する広告マネージャで十分です。広告マネージャのモバイルアプリを使えば、広告効果の基本的な指標であるクリック率やインプレション数、コンバージョン率を確認できるだけでなく、設定した広告目標達成度を把握でき、その場で広告コンテンツを変更・編集・配信でき、予算の設定も可能です。
マーケティングの価値を理解するため
広告効果の測定と分析の意義は、マーケティング価値を理解するためにあります。
マーケティング価値を理解するとは、広告投資の正当性を評価できたり、広告効果の改善に役立ったり、予算配分の最適化に寄与し、より優れたマーケティング戦略の策定が可能になることです。
例えば、広告が表示されたユーザー数や、そのうち広告をクリックした割合、広告に対していいねやコメントをしたエンゲージメント率、購入や申し込みをしたコンバージョン率を把握し、広告費用に対する売上や収益性を理解することがマーケティング価値の理解です。
実用的なインサイトを獲得するため
広告効果の測定と分析の意義は、実用的なインサイトを獲得するためでもあります。
実用的なインサイトとは、ターゲティング精度を向上できたり、クリエイティブの改善に役立ったり、広告配信の最適化に効果のある洞察です。
例えば、オーディエンスの年齢や性別、居住地、興味関心などの属性だけでなく、広告との関わり方やウェブサイトでの行動などを把握することで実用的なインサイトを獲得できます。
Facebook広告の運用のポイント
Facebook広告の運用ポイントをご紹介します。
目的に応じてキャンペーンを使い分ける
Facebook広告を出稿する際にまず設定するのが「キャンペーン」と謳われている、広告出稿の目的の設定です。
例えば「自社サイトへのアクセス数を伸ばしたい」「さらにコアなファンを増やすために、Facebookページのファンを増やしたい」など広告出稿の目的を設定します。
設定したキャンペーン内容にそって適した配信を行ってくれるので、間違いのないよう、目的に沿ったものを設定するようにしましょう。
ターゲットが被らないようにオーディエンスを作成する
Facebook広告を出稿する際設定するオーディエンス(ターゲット)設定は、地域・年齢・性別・詳細ターゲット設定・言語とカスタムオーディエンスの6項目があります。
詳細ターゲット設定やカスタムオーディエンス設定は特に、Facebook広告の成果に差が出やすいところなのでしっかり検討して設定するのがおすすめです。
詳細にターゲット像を見定めるため、詳細ターゲット設定で「どのようなプロフィール設定のユーザーをターゲットとするか」「どんな利用の仕方をしているユーザーか」など絞り込んでいきましょう。
クリエイティブを最適化する
オーディエンス設定と同じく重要なのが、配信する広告クリエイティブをターゲットにむけて最適化することです。
ターゲットと定めたユーザー層に響くクリエイティブになっていなければ、的確なオーディエンスを絞り込んでいても期待通りの効果は見込めないでしょう。
カスタムオーディエンスを活用する
オーディエンス設定のところでご紹介した、カスタムオーディエンスもしっかり活用したい機能の1つです。
中でもおすすめなのが、カスタムオーディエンスで、カスタマーリストを作成しオーディエンス設定に活かすもの。
既存顧客のデータを利用し、類似する属性を持つ見込み顧客に向けた広告配信ができるようになります。
類似率の設定は1%でも十分に効果が見込めますが、より広く多くのユーザーを対象としたい場合には割合を高めることもできるのでチェックして見てください。
Facebook広告ライブラリを活用する
他社の広告を参考にしたり、似通った広告にしないためにチェックするなら、Facebook広告ライブラリを活用しましょう。
Facebook広告ライブラリでは、Facebookだけでなく、Meta社の運営するその他SNSなどで配信されている広告もチェックすることができます。
どのようなクリエイティブが望ましいか、方針を検討する上でも役立つでしょう。利用は無料で、投稿主のページのいいね!やフォロワーの数などもチェックできます。
参考:
Facebook広告ライブラリ
Facebook広告の効果測定におすすめのツール
Facebook広告の効果測定ツールにはそれぞれ特徴があり、目的に応じて使い分けることが重要です。
例えば、基本的な効果測定なら広告マネージャで充分であり、統合的な分析のためにはMeta Business Suiteが用意されています。
効果測定ツールのより具体的な機能と役割は、以下の通りです。
広告マネージャ
広告マネージャとは、「Meta広告」の管理画面であり、広告の作成・編集・配信・効果測定など、すべての工程を網羅するツールです。
無料かつ簡単に操作できるため、初心者におすすめです。
インプレッション数やクリック率、リーチ数、コンバージョン率など、広告効果の基本的な指標を確認できたり、設定した広告目標に基づいて、広告がどの程度達成できているかを分析できたりします。
もっとも、高度な分析機能は限定的であり、データの可視化がやや弱いことや他ツールとの連携が難しいことなどの弱みもあります
Meta Business Suite
Meta Business Suiteとは、FacebookやInstagram等のMetaビジネスアカウントを統合的に管理できるツールです。広告管理機能だけでなく、投稿の作成・分析、メッセージング機能なども備えており、Facebook広告やInstagram広告だけでなく、一般投稿のパフォーマンスもまとめて分析できます。
分析レポートも視覚的で把握しやすく、時間やリソースを最適化するのに便利です。そのため、リアクションのあるオーディエンスやターゲットオーディエンスに対して、より効果的な広告を迅速に配信するのに役立ちます。
テスト
テストとは、広告のA/Bテストやスプリットテストなど、複数の広告を比較・検証するためにMetaで利用できる機能です。
Metaで利用できるテストには、A/Bテストやブランドリフト、コンバージョンリフトがあります。
A/Bテストとは、広告コンテンツやターゲットオーディエンス、配置などの設定が異なるキャンペーンを最大5つまで比較して最適なパターンを選出できるテストです。こうしたテストにより最適な広告クリエイティブの特定やターゲットの絞込み、広告費用の最適化に効果があります。
コンバージョンリフトとブランドリフト
コンバージョンリフトとは、Facebook広告による売上やリード、エンゲージメントの増加量を測定するテストです。広告配信前後でコンバージョン率を比較することで、広告の効果を正確に把握できます。
ブランドリフトとは、Facebook広告がブランド認知度や想起率、購買意欲などに与えた影響を測定するテストです。無作為に選出されたオーディエンスグループへの配信をコントロールし、広告配信前後におけるブランド指標の変化を分析します。
コマースインサイト
コマースインサイトとは、Metaのチェックアウト機能を活用して直接販売している場合や自社Webサイトで販売している場合のオーディエンスの購入行動を詳細に分析できるツールです。
購入に至るまでの顧客行動を可視化し、広告効果や顧客体験の改善に役立てられます。販売チャネル流入前の訪問先も把握できるため、購入促進施策のパフォーマンスを向上できます。
マーケティングミックスモデル(MMM)
マーケティングミックスモデルとは、複数のマーケティング活動が売上などに与える影響を分析する統計モデルです。Facebook広告の効果だけでなく、オフラインのテレビCMや店頭販促などの効果もまとめて分析できます。
Metaでは「ロビン」と呼ばれるAI/MLを活用したオープンソースMMMが提供されており、人間の偏見を軽減した最適なマーケティング予算配分構築に最適です。
広告運用は自社か外注、どちらが良い?
広告運用を自社で展開すべきか、外注すべきかは、広告主企業が用意できる予算と人材、広告目的により異なります。その判断材料となる両者の具体的相違を以下で紹介します。
自社運用
自社運用とは、広告の戦略や運用を自社内で行う方法です。自社の広告チームが直接広告キャンペーンを設計・実施・分析・改善します。
自社運用のメリット・デメリットは画像の通りです。

メリットとして挙げられるのは、自社で運用することで、外注費用を削減できるだけでなく、迅速な対応が可能で広告の修正や最適化がスムーズに行えるため、優れた費用対効果の実現が期待できます。こうした経験が自社に蓄積していくことも自社運用の大きなメリットです。
他方デメリットは、自社に広告運用のノウハウが蓄積されていない場合、期待通りの費用対効果実現が難しくなります。期待通りの成果を実現するのに時間とリソースを要する点も自社運用のデメリットです。
外注
外注とは、広告運用の全部又は一部を、外部の代理店やフリーランスに依頼する方法です。
外注の具体的なメリット・デメリットは画像の通りです。

外注のメリットとしては、Facebook広告に関して豊富な実績と経験を有する専門家が担当してくれたり、そのネットワークで業界情報を早くキャッチアップできたり、同業他社の成功事例を活用したりして、広告効果を高められます。
一方のデメリットですが、外注費用がかかることはもちろん、外注先とのコミュニケーションに時間がかかることがあり、外注先とうまくコミュニケーションできない場合、自社に広告運用のノウハウが蓄積されない可能性があります。
自社運用と外注、どちらが良い?
自社運用と外注、いずれにおいてもメリットデメリットはやはり存在します。その内容はご紹介してきた通りですが、これでは自社でやればいいのか代理店にお任せすればいいのか判断がつかないこともあるでしょう。
そこでオススメするのがメディアレーダーでの情報収集や比較検討になります。Facebook広告の資料も含む多数の資料がございますので、ご興味があればダウンロードしてみてください。
※もちろん無料でご利用いただけます!
Facebook広告に役立つ資料一覧
下記でご紹介するのは、メディアレーダーに掲載されているFacebook広告関連の資料の一部です。ご参考になればと存じます。

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Facebook広告の成功事例
それでは最後に、Facebook広告の成功事例として、Metaの広告自動化機能を活用した事例やキャンペーン目的を明確にすることの重要性を示した事例、APIを活用した事例を紹介します。
これらの事例から、Facebook広告活用のイメージを得ていただければ幸いです。
Rothy's
手動による広告運用からMetaの自動化キャンペーンに切り替えることで、25%の費用対効果向上と15%のコンバージョンコスト低下を実現した事例です。
Rothy'sは、靴やアクセサリー、ハンドバックを、使い捨てプラスティックボトルや海洋プラスティック等リサイクル素材で作り出したことで有名なメーカーです。
課題は、より費用対効果の優れたプロモーションを展開することでした。
そこで、機械学習機能を有するMetaの自動化キャンペーン「Advantage+ショッピングキャンペーン」を活用することにしました。このサービスを活用することで、ターゲティングやクリエイティブ、予算設定、配置のパターンの最適化が自動になります。
その結果、費用対効果が25%向上し、コンバージョンコストも15%低下させることに成功しました。
参考:
Rothy's
東日本電信電話株式会社(NTT東日本)
コンバージョン広告のみのキャンペーンからリード獲得広告のみのキャンペーンに切り替えることで、2,2倍のクリック率増加と88%のリード獲得単価の低下を実現した事例です。
東日本電信電話株式会社(NTT東日本)は、レコーダーを不要とするクラウド型防犯カメラサービス「ギガらくカメラ」のサブスクリプションを展開しています。
課題は、同サービスのリードを獲得して、キャンペーンパフォーマンスを向上させることと、過去のキャンペーンと比較し今後のプロモーションの方向性を模索することでした。
そこで、従来のコンバージョン広告重視から、リード獲得広告重視に切り替えることにしたのです。
リード獲得広告は、コンバージョン広告に比しユーザビリティが向上するため、ターゲットオーディエンスの手間が大きく省けます。
その結果、クリック率が2.2倍向上し、リード獲得単価も88%低下させることに成功しました。
参考:
東日本電信電話株式会社
Stellantis ジャパン株式会社
コンバージョンAPIを活用することで、バラバラになっていたオンラインとオフラインの顧客データの統合と最適化を実現し、25%の顧客獲得単価の低下と33%のコンバージョン率向上に成功した事例です。
Stellantis ジャパン株式会社は、フィアットやシトロエン等フランス自動車を展開するオートモビルメーカーです。
課題は、従来統合されていなかったオンラインとオフラインの顧客データを最適化することで、実店舗で試乗してくれるリードを獲得することでした。
そこで、顧客データのトラッキング精度がUPするMetaのコンバージョンAPIを活用することにしたのです。
その結果、試乗登録者数が33%増加し、顧客獲得単価も25%低下させることに成功しました。
参考:
Stellantis ジャパン株式会社
ライタープロフィール
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メディアレーダー 運営事務局株式会社アイズ
- 広告・マーケティングに特化した媒体資料のポータルサイト「メディアレーダー」のマーケティング担当。
BtoBマーケティングを始め、Web広告やリード獲得目的の施策を展開中。
「めでぃつぶ」では、広告業界の方、マーケター必見のマーケティング知識・ノウハウを発信しています。
メディアレーダーについて詳しく知りたい方はこちら
https://media-radar.jp/about.php