公開日:2025年04月18日 更新日:2025年04月25日
口コミプロモーションとは?メリット・デメリットや成功させるためのポイントなど紹介
口コミプロモーションとは
口コミプロモーションは、実際に商品やサービスを購入・利用した人の感想や評価を公開することで、消費者の購買欲を高めるPR手法です。
ポイントは、商品・サービスを提供している企業自身が「よいものですよ」とPRするのではなく、実際の購入・利用者に「よいものですよ」と言ってもらうことにあります。これにより消費者に「体験者が高く評価しているのだから信頼できる」という印象を広めることができます。
マーケティング戦略において口コミプロモーションは、広告やキャンペーンと並ぶ重要な施策になっています。また、口コミプロモーションではSNSやレビューサイトが多用され、さらにインフルエンサーを活用することもあります。口コミプロモーションは種類が増えることでPR効果をさらに高めています。
口コミプロモーションの重要性が増した理由
商品購入時に口コミの影響を受ける人が多い
口コミプロモーションの重要性が増した理由その1は、商品購入時に口コミの影響を受ける消費者が増えたことです。
商品やサービスを購入する前に、レビューサイトやSNSで評価をチェックする消費者が増えています。レビューサイトやSNSに記載されている実際の体験談や評価は、消費者にとって信頼性が高く、購入の決め手になることも少なくありません。特に高額商品や初めてのサービスでは口コミの影響力が高まっています。
口コミ投稿をする人が増えた
口コミプロモーションの重要性が増した理由その2は、口コミ投稿をする人が増えたことです。スマートフォンとSNSの普及により、誰もが気軽に自分の体験を発信できるようになりました。「何か買ったら必ず口コミ投稿をする」といった人もいるくらいです。
口コミ投稿をしている人は、自分の評価に共感してもらえる快感や、体験を共有する満足感を得ることができます。SNSに口コミ投稿をして「いいね」やコメントがつくと、嬉しいと思えるのです。
このようにして口コミが増えた結果、それらが持つ情報量が莫大なものになりました。企業による自社製品の説明より、上手に説明できている口コミ投稿もあります。量だけでなく情報の質も高まっているのです。
口コミプロモーションのメリット
商品を購入する際の後押しになる
口コミプロモーションのメリットその1は、商品・サービスを購入しようとしている消費者を後押しすることです。
口コミは第三者のリアルな体験談であり、これは消費者の不安や迷いを和らげ、購入の決断を促します。特に高価格帯の商品や初めて利用するサービスに対しては、他人の肯定的な意見が強い説得力を持ちます。
潜在層へのアプローチにつながる
口コミプロモーションのメリットその2は、潜在層にアプローチできることです。
まだ自分のニーズを自覚していない消費者(潜在層)も、他人の体験や感想(=口コミ)を目にすることで興味を抱き、購買行動へとつながることがあります。口コミの自然な情報拡散効果により、想定していなかった層への認知び拡大が期待できます。
高い費用対効果が得られる
口コミプロモーションのメリットその3は、費用対効果が高いことです。
口コミは、多額の広告費をかけずに広範囲に情報を拡散できる特性を持つので、広告主は低予算で口コミプロモーションを運用できます。しかもSNSやレビューサイトでの口コミは長期間公開し続けることができるので、長期的な効果も期待できます。
情報の信ぴょう性が高い
口コミプロモーションのメリットその4は、情報の信ぴょう性が高いことです。
企業が「うちの商品は質が高い」と宣伝しても消費者が簡単には信じないのは、利益を得るためにいっている、と思われるからです。
しかし口コミで「この商品は質が高い」といわれた場合、その投稿者は利益を得ているわけではないので、消費者は「この人には嘘をつく動機がないので、本当だろう」といった先入観を持ちます。この先入観が「信ぴょう性が高い」という印象に発展します。
口コミプロモーションのデメリット
口コミプロモーションのデメリットは、リスクが小さくなく、口コミの内容を企業側で制御できない点です。消費者の感想がそのまま拡散されるため、商品・サービスに不満を持った人のネガティブな意見が広まってしまいます。特にSNSは拡散力があるので、悪い口コミ投稿が一気に拡大し、ブランドイメージに傷がつく可能性があります。
口コミの「信ぴょう性が高い」というイメージは、企業にとって諸刃の剣になります。つまり良い内容の口コミも悪い内容の口コミも、消費者に信じられやすいのです。
口コミプロモーションのやり方
インフルエンサーを起用する
SNSやブログで大きな影響力を持っているインフルエンサーを口コミプロモーションで起用することで、短期間で多くのフォロワーに商品・サービスを認知させることができます。
フォロワーとの信頼関係が構築されているインフルエンサーであれば、その発言は高い説得力を持ち、購入の後押しになります。
ただし、インフルエンサーの選定は非常に重要で、ターゲット層とマッチしているか、過去の発信内容に問題がないかを見極める必要があります。
SNSでキャンペーンを実施
X、Instagram、TikTokなどのSNSで、ハッシュタグ投稿やプレゼント企画といったキャンペーンを展開するのも効果的な手法です。
これらのキャンペーンは、ユーザーに自発的な投稿を促すことができるので、自然で拡散性の高い口コミが生まれやすくなります。キャンペーンに参加するハードルを下げ、楽しく共有できる仕組みをつくることで、多くのユーザー(消費者)が巻き込まれ話題性も高まります。
カスタマーレビュー・ファンサイトの活用
口コミプロモーションに力を入れたい企業は、自社のECサイトのカスタマーレビューやファンサイトを、顧客が気軽に体験談を投稿できるようにしておいてください。企業が消費者に口コミを募集するのもよいでしょう。
企業が消費者に、自由に意見を出せる場や体験を共有できる場を提供することで、ファンが自発的に情報を発信するようになり、ブランドへの愛着も深まります。企業側はこれらの声を拾い上げ、改善やマーケティングに活かす姿勢を持つことで、より双方向の関係を築けます。
モニター募集を行う
モニターも口コミプロモーションに活用できます。
企業は商品やサービスのモニターを募集し、実際に体験してもらった感想を、そのモニターのSNSやブログで紹介してもらうのです。
使用感といったリアルな意見を発信してもらうことで、潜在顧客の関心を引くことも、信頼性のある情報源として機能してもらうこともできます。
口コミプロモーションを成功させるポイント
企画・商品の品質アップ
口コミプロモーションを成功させるには、企画・商品の品質アップが欠かせません。なぜなら口コミプロモーションでは口コミが広がらなければ効果が出ず、口コミが広がるには商品・サービスそのものに語りたくなる魅力が欠かせないからです。
例えば、驚きや感動を生む体験や、ほかにはない特徴的なコンセプトなど、話題性のある要素を盛り込むことで、自然と口コミが発生しやすくなります。
そして企画・商品の品質がアップすれば、口コミ投稿者も「これは自信をもって『良い』と言える」と思うようになります。この気持ちは口コミの文章に説得力をもたらすでしょう。
口コミ投稿の制約を緩くする
口コミプロモーションを成功させるには、口コミ投稿の制約を緩くしたほうがよいでしょう。
ユーザーに口コミ投稿を促す際、表現の自由度を確保してください。決して「○○と書いてください」といった依頼や、「ポジティブなことだけを投稿して」といった要請はしないでください。
あくまでユーザー(=口コミ投稿者)自身の言葉で感想を発信できるよう配慮し、ガイドラインがある場合もあくまで参考程度にとどめるのが理想です。
口コミが拡散しやすい仕組みづくりを意識する
口コミプロモーションを成功に導くために、口コミが拡散しやすい仕組みをつくるようにしてください。せっかくの口コミも、読まれたり、視聴されたりしなければ意味がありません。
SNS上でシェアされやすいキャンペーンや投稿に対するインセンティブを設けることで拡散の起点をつくることができます。
口コミプロモーションの注意点
ステルスマーケティングに気を付ける
口コミプロモーションをするときは、ステルスマーケティングにならないように注意してください。
広告であることを明示せずに第三者のふりをして宣伝する行為は、消費者の信頼を裏切るだけでなく、法的な問題にも発展する可能性があります。インフルエンサーやモニターに口コミ投稿を依頼する際は、必ずPRである旨を記載してください。
口コミ二次利用に注意する
口コミプロモーションをするときは、ユーザーの投稿(口コミ)を勝手に二次利用しないよう注意してください。
SNSやレビューに投稿された口コミでも、そのまま広告などに転用する場合は、著作権やプライバシーの観点から本人の同意が必要です。スクリーンショットを使う際も、事前の許諾や匿名加工などの配慮を忘れずに行いましょう。
薬機法や著作権などに違反していないか確認する
口コミプロモーションをするときは、薬機法や著作権法などに違反していないかを必ず確認してください。
とくに健康食品や美容商材などは、効能や効果に関する表現が薬機法の規制対象になる場合があります。また、画像や動画の引用に際しても、無断使用が著作権侵害とされるリスクがあります。専門家のチェックを入れるなど、事前の対策が求められます。
口コミの強制をしない
口コミプロモーションをするときは、口コミ投稿を強制しないよう注意してください。
「投稿し続けないと報酬を出さない」「必ずポジティブな内容を書くように」といった圧力をかけると、信頼性の低下やトラブルの原因になります。ユーザーが自由に感じたことを発信できる環境づくりが、長期的なブランド価値向上につながります。
ネガティブな口コミを放置しない
口コミプロモーションをするときは、ネガティブな口コミを放置せず、誠実に対応してください。
悪い口コミもユーザーの正直な意見として受け止め、必要であれば改善や謝罪のアクションを示すことが重要です。無視したり削除したりすると、さらに炎上が広がる危険があるからです。透明性のある対応が信頼につながります。
口コミプロモーションの事例
プロMOWションチャレンジ
森永乳業はアイスクリーム「MOW(モウ)」のプロモーションで口コミを利用しました。企画名は「プロMOWションチャレンジ」です。X、Instagram、YouTubeでMOWの魅力をプロモーションしてください、と呼びかけました。
報酬も出て、例えばXで口コミ投稿をして1,000個のいいねを獲得したら、10万円分のギフト券がもらえます。
口コミを大々的に募集したうえに、多額の報酬を出すこの企画は、口コミプロモーションの代表例といえるでしょう。
参考:
プロMOWションチャレンジ/森永乳業株式会社
4Dグミフォトコンテスト
株式会社カンロでは、4Dグミ ブロックスのフォトコンテストを実施しました。キャンペーン内容は4Dグミで作った作品を写真で投稿し、優秀賞に選ばれると作品が実際のフィギュアになってプレゼントされるという遊び心のあるものとなっています。投稿された写真には楽しむ子どもの姿も映るなど、認知拡大だけでなくイメージ向上にも繋げている事例です。
参考:
4Dグミ ブロックス/トラミー事例
#ラブなポッキー
グリコのポッキーによる口コミプロモーション「#ラブなポッキー」は、やや複雑な仕組みになっています。
まず、消費者が対象商品を購入すると、プロの歌手が選んだ楽曲をSpotifyで聴ける特典がついてきます。さらに、その楽曲を聴いた消費者が、曲のイメージに合った写真を撮影してグリコに投稿すると、その写真が歌手のジャケットに採用される可能性がある、という企画になっています。
手の混んだ内容なので、誰でも参加できる気軽さはありませんが、それだけに、この企画に参加する歌手のファンは熱心に打ち込むことができます。
参考:
#ラブなポッキー/江崎グリコ株式会社
#八天堂で冬のこうさく
八天堂は広島県三原市に本社がある昭和8年創業のクリームパンの製造・販売会社です。八天堂の口コミプロモーションの名称は「#八天堂で冬のこうさく」。消費者に新種のクリームパンを提案してもらう、という内容です。工作(こうさく)と名づけたのは、アイデア・クリームパンを絵に描いてもらったり、紙細工でつくってもらったりするからです。
フルーツをたっぷり詰めたクリームパンや、パン食い競争にクリームパンを使うアイデアなどが寄せられました。
参考:
#八天堂で冬のこうさく/八天堂株式会社
日本遺産SNS写真祭2025
キヤノンの子会社、キヤノンマーケティングジャパンが開催した「日本遺産SNS写真際2025」は、日本の遺産を写真撮影してもらい、Xに「#日本遺産SNS写真祭」をつけて写真を投稿してもらう、という内容です。
これは文化庁との共同企画で、日本遺産地域の活性化を狙ったものです。投稿する写真は、別にキヤノンのカメラで撮影する必要はなく、企業案件ながら縛りが緩い特徴があります。
キヤノンは長年、文化遺産を映像データに残す事業に取り組んでいますが、この企画はその一環になります。このように口コミプロモーションは、商品・サービスのPRだけでなく、社会貢献事業にも使うことができます。
参考:
日本遺産SNS写真祭2025/キャノンマーケティングジャパン株式会社
口コミプロモーションの関連資料
下記では、口コミプロモーションやインフルエンサー活用に関する資料をご紹介しています。ぜひお役立てくださいね!

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ライタープロフィール
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メディアレーダー 運営事務局株式会社アイズ
- 広告・マーケティングに特化した媒体資料のポータルサイト「メディアレーダー」のマーケティング担当。
BtoBマーケティングを始め、Web広告やリード獲得目的の施策を展開中。
「めでぃつぶ」では、広告業界の方、マーケター必見のマーケティング知識・ノウハウを発信しています。
メディアレーダーについて詳しく知りたい方はこちら
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