更新日:2025年09月03日
「推しの声」で、新しい購買体験。“にじさんじ×わかさ生活”の事例にみる『テレAI』の可能性
近年、ファン心理を活かした推し活マーケティングが各所で注目を集めています。
本連載『広告のネタ帳』でも、さまざまなIPコラボ事例をご紹介してきました。
今回取り上げるのは、
「にじさんじ×わかさ生活Vtuber」のプロモーション事例です。
とりわけ注目すべきは、購入体験に”電話×AI”を組み込んだ『テレAI』の活用。
「推しの声で商品を購入できる」という仕組みは、ファンに新しい購買体験を提供するだけでなく、企業にとっても購入行動を後押しする新たな手段となり得ます。
本稿では、この『テレAI』を活用したマーケティング施策の可能性を探り、具体的に購買行動を促すプロモーション施策への応用を考えていきます。
■広告のネタ帳とは?
「もうちょっと刺さるアイデアがほしいな……」と思ったとき、世の中の広告を眺めると意外なヒントに出会えるものです。
広告のネタ帳は、そんなときに役立つ『ちょっとした切り口』を広告事例から拾い上げるコラムです。
にじさんじ×わかさ生活の事例
本事例は、わかさ生活が2025年1月に発売した『推し活専用アイケアサプリメント「ブルーベリーアイ LOVE YOU」』と、Vtuber 先斗寧(ぽんとねい)さんのコラボキャンペーンです。
このキャンペーンでは、対象商品を1つ購入すると、先斗寧さんの限定ポストカードやリーフレット、ブルブルくんマスコットが同梱されます。また、キャンペーンに合わせて先斗寧さんのYouTubeチャンネルで配信も実施され、商品の認知やファン層へのアプローチも行われました。
キャンペーン内容
・コラボ限定のグッズ(購入特典)
・PR配信
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ー Vtuberだからこそ響くアイケア訴求
施策の狙い
・ファン層に認知してもらう
・商品PRを行い、興味を持ってもらう
以前、DHCの「速攻ブルーベリー」がX(旧Twitter)で話題になったことをご存じでしょうか。私自身もライブイベントに参加した際、近隣のドラッグストアにファンが集まり、商品をこぞって購入・服用していた光景を目にしました。
Vtuberは主にインターネット上で活動するため、ユーザーが画面を見る時間が長くなりがちです。そのため、目をいたわるサプリは自然に興味を引きやすく、今回の“推し活専用”キャッチコピー付き商品と、人気上昇中のVtuberとのコラボは非常に相性が良いと言えます。
ファン心理を動かす、新しい購入プロセスの設計
施策の狙い
・Vtuberの声を活用し、特別な購入体験にする
冒頭にご紹介した『テレAI』は電話を通じて購入できるサービスで、今回のキャンペーンでは先斗寧さんのボイス案内に従って注文ができる仕様で導入されています。これまでにも電話購入の経路は存在していましたが、主流は店頭やECであり、特にECでは会員登録や入力作業が煩雑で、購入直前の離脱が課題とされてきました。
『テレAI』はその課題を解決し、氏名・郵便番号・住所の3情報のみで購入が完結するシンプルな設計を実現しています。タッチ操作と音声案内だけで手続きが済むため、誰でも直感的に利用でき、登録不要で即時購入を促せる点が特徴です。
さらに注目すべきは「購買体験の特別感」です。
従来は商品に推しの要素が含まれていても、購入プロセス自体には推しが介在しませんでした。しかし『テレAI』では、推しの声が購入行為そのものに関与し、「どこで買うか」「いつ買うか」といった意思決定に影響を与えます。これにより、購買は単なる取引ではなく『体験』となり、ファン心理を活かした購買行動の促進が可能となるのです。
参考:テレAI
▼1,2をまとめると…
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