更新日:2025年09月18日
“影”と“ビールの濃さ”が広告メディアに? QRコードだからこそ成立した広告3選
夏休みの熱気が冷めやらぬ中、大阪万博の会場は今なお多くの来場者で賑わいを見せています。その入場ゲートやパビリオンではデジタルチケットとしてQRコードをかざして入場します。
このように身近になったQRコード。今やQR決済やSNSのアカウント交換はもちろん、レストランでも「QRコードを読み取ってご注文ください」と店員さんに案内されることが日常となりました。
こうして私たちの生活に深く浸透しているQRコードは、広告の分野においてもアイデア次第で大きな可能性を秘めています。
■広告のネタ帳とは?
「もうちょっと刺さるアイデアがほしいな……」と思ったとき、世の中の広告を眺めると意外なヒントに出会えるものです。
広告のネタ帳は、そんなときに役立つ『ちょっとした切り口』を広告事例から拾い上げるコラムです。
1. QRコードの普及背景
QRコードは1994年にデンソーウェーブの原昌宏氏らが開発した二次元バーコードです。もともとは製造業の物流管理用に使われていました。
しかし標準化され誰でも無料で生成・利用できるオープンな規格となったことで、2000年代から物流以外の一般分野でも広く普及していきます。
(※QRコードの読み取り精度や高速化に関する読み取りエンジンはデンソーウェーブが保有しています)
特に2002年QRコードリーダー搭載のガラケーが登場したことで雑誌広告、自販機広告、商品パッケージ、駅のポスターに至るまで、さまざまな媒体にQRコードが導入されるようになります。
このQRコード広告の普及は日本国内だけでなく世界に広がりました。
2011年頃にまず韓国に伝播し、翌年中国ではWeChatのQRコード決済が広まったことによりQRコード広告も普及。
欧米は意外にも遅く、2017年にiOS11でiPhone標準カメラでも読み取れるようになったことで、一般ユーザーにも一気に普及しました。
2. QRコードを活用したユニークな広告事例を3つご紹介
QRコードならではの特性を生かした創意工夫に富んだ広告施策を3つご紹介します。
ー 事例1:外国人観光客向け病院検索サービス×QRコードTシャツ広告
訪日外国人向けの医療機関検索サービス「MEDSEEK(メドシーク)」は2025年6月にリリースされたサービスです。
2025年6月までの半年間で日本を訪れた外国人旅行者数が2000万人を超え、過去最多となりました。
その一方で、訪日外国人が旅行中に突然の体調不良に見舞われた際に、
「病院を受診したいけれど、どこに行けばいいかわからない」
「英語で対応してくれる病院がわからない」といったトラブルに直面する観光客は少なくありません。
そのような不安を解決するため、MEDSEEKは現在地から最寄りの医療機関を多言語で検索できます。
さらに事前にオンライン問診票を記入することで言語の壁を減らし医療機関での受診がスムーズに行えるサービスというのが大きな特徴です。
そして宿泊施設に設置されているQRコードを読み取れば即座に問診票画面が表示されます。
そのMEDSEEKは浅草でQRコードが印字されたTシャツ広告を着て街を歩くと行ったユニークな広告施策を行っています。
QRコードTシャツ広告の独自性
飲食店のスタッフのTシャツを広告媒体にする「
Tシャツ広告」やデジタルサイネージを背負った人が街を「
歩く広告」はこれまでも存在していました。
それらとQRコードを組み合わせものが今回の「QRコードTシャツ広告」と言っていいかもしれません。
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【食品・飲食店業界必見!】全国350店舗以上に展開できるTシャツ広告で認知向上! | 三共生興株式会社
飲食店は友人や同僚と楽しむ飲食店内での食事は情報交換の場。平均滞在時間120分の中で、繰り広げられる“会話”のなかで、あなたの商品やサービスの話題を繰り広げてもらいませんか?Tシャツならではの一体感と、様々な飲食店様のご協力により実現した、飲食店内で使われているTシャツの広告枠。この絶好の機会に、あなたの商品・サービスを紹介しましょう!串焼き居酒屋 ハ剣伝 などマルシェグループ285店舗、スパゲッティーのパンチョ35店舗、お好み焼きの電光石火 14店舗 など様々な飲食店様に掲載可能
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外国人観光客の多いエリアで人が広告として移動することで、高い視認性と場所や時間に合わせて柔軟にアプローチできるのが特徴です。
またQRコードは言語に依存せず理解されるため、インバウンド向けのサービスとしての相性が良く、スマートフォンを構えている観光客が多い観光地では特にスキャン率が期待できます。
考察
OOH(屋外広告)で問題となりがちな「効果測定の困難さ」もQRコードのスキャン数によって広告効果を定量的に測定することができます。
また、Tシャツ広告という手法に加え、QRコードを読み込めばその場でサービスにアクセスできる導線を設計することで、「見る広告」から「体験する広告」へと発展しています。
これはユーザーとの接点を深める体験型プロモーションとしても機能しており、ただのOOHにとどまらない価値を生み出しています。
また必要なコストはTシャツと人件費のみのため費用面でも導入ハードルが低く、小規模なテスト導入から始められ、効果を見ながら全国展開も検討しやすい施策です。
ー 事例2:ギネスビール×QRコードつきグラス広告
ギネスビールは2012年、QRコードを活用したユニークなキャンペーンを実施しました。
使われたのは、真っ白なQRコードが描かれた専用の1パイントグラ.......
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