志賀 一徳(しが・かずのり)様
株式会社京王エージェンシー
OOH事業本部 DOOH推進チーム
京王グループの広告会社である京王エージェンシーにて、屋外デジタルサイネージ(DOOH)の運営・企画を担当。
渋谷メガウォールをはじめとしたOOHメディアの価値向上に取り組みながら、「マチカドキネマ」などコンテンツを起点とした新しい広告体験の開発を推進している。
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デジタルサイネージが街中に溢れる現代。スマートフォンに視線を落とす通行者が増える中、屋外広告は新たな転換期を迎えています。
京王エージェンシーが2025年11月28日からローンチした「マチカドキネマ」は、その答えの一つ。渋谷・道玄坂のKEIO MIRARERU VISION 渋谷メガウォールを舞台に、7〜8分の短編映画を屋外ビジョンで放映します。単なるデジタルサイネージではなく、通行者が足を止めて見入ってしまう「街角の映画館」を目指す試みです。
今回は京王エージェンシー OOH事業本部DOOH推進チームの志賀様に、この新しい取り組みの背景と狙いについてお話を伺いました。
マチカドキネマに関する
京王グループの広告会社である京王エージェンシーにて、屋外デジタルサイネージ(DOOH)の運営・企画を担当。
渋谷メガウォールをはじめとしたOOHメディアの価値向上に取り組みながら、「マチカドキネマ」などコンテンツを起点とした新しい広告体験の開発を推進している。
――具体的に「マチカドキネマ」とはどのような企画なのでしょうか?
我々、京王エージェンシーは京王グループの広告会社であり、自社で開発した大型ビジョンの運営もしております。今回、Hakuhodo DY ONE様の協力によって、ショートムービーVODのSAMANSA様と提携し、屋外ビジョンでショートムービーをそのまま見られるパッケージを開発しました。
ショートムービーといっても、TikTokのような短い動画ではなく、7分から8分程度の、しっかりと物語になっている短編映画です。通行者の方が足を止め、5分から10分じっくりと見ていただけるような内容を企画しております。
――今回の取り組みの背景を教えてください。
これまでのOOH、屋外広告というものは、圧倒的なサーキュレーションに対して広く訴求することに媒体価値があったと考えています。ただ、コロナ禍をきっかけに、街に人がいない映像がテレビで放映されていたことなどもあり、「どれくらいの人が見ているのか」「媒体の価値指標は?」という声が広告主様や代理店様から上がりました。そのような背景から、どのくらいの人がOOHに接触しているのかというメジャメントデータに基づく効果の可視化が求められてきました。
Web広告ではインプレッションを指標にした配信が当たり前となり、OOHにもインプレッションを指標としたターゲティング販売が確立されつつあります。こうした背景を踏まえ我々もインプレッションを指標としたターゲティング販売など様々な販売方法に取り組んでおります。そうしたOOH広告の課題に対する取り組みを実施する一方で、我々はそもそものOOH広告の原点である「どのようにしたら顔を上げて屋外媒体を見てもらえるか」という取り組みの必要性も改めて感じておりました。
当社には「日本一のランドマークメディアを持つ媒体社になる」という企業ビジョンがございます。これは、メディアを見に来て、拡散される、情報発信と拡散の中心地となるようなOOHメディアを保有するということを意味しています。今回のようなコンテンツを活用した取り組みを通じて、実際に現地に足を運んで見に来たくなる媒体づくりを目指してまいりました。
大きなサーキュレーションを土台としながら、さらにDOOHを能動的に視認してもらえるように進化させる必要があります。そこで、私たち事業者自身も様々な協力先と共にコンテンツ開発を行っているという背景があります。
――既存の渋谷メガウォールと、今回の「マチカドキネマ」の関係を教えてください。
渋谷メガウォールは、渋谷・道玄坂の「SHIBUYA109」隣に設置された屋外の大型デジタルサイネージ(DOOH)で、1回15秒の広告を1時間に4回、1週間での放映を基本プランとしています。
今回の「マチカドキネマ」は、渋谷メガウォールという媒体を活用したパッケージ商品です。ただ広告を掲出するだけでなく、「どうすれば来街者・通行者・歩行者に見てもらえるか」を起点に考え、企画として組み立てたものになります。
マチカドキネマに関する
――渋谷という場所を選んだ理由は何でしょうか?
渋谷を選んだ理由は、20代から30代の男女が他の地域より多く集まる街だからです。若年層が中心で、最近は外国人の方も非常に多く見受けられます。
109に隣接する渋谷メガウォールは、奥渋と呼ばれる文化的なエリアの入り口にあり、映画などの文化コンテンツに関心を持つ層が行き交う場所です。
こうした環境において屋外大型ビジョンで映画を流すことで、多くの人に興味を持ってもらえると考えました。
――具体的にどのような構成で映像が流れるのでしょうか?
基本は10分のパッケージになっており、毎時00分から必ず始まるようにしております。9時00分からスタート、10時00分からスタート、11時、12時という形です。「00分にこのメガウォールの前に行くと、面白いものが見られる」という仕掛けになればと考えております。
構成としては、最初の30秒はマチカドキネマのオープニングムービーが入り、次の30秒でプリロール広告、スポンサー企業様の広告が流れます。そこから本編のショートムービーが7分から8分流れます。
本編を流しながら、画面の下側にスポンサー企業様の商品パッケージのイメージや企業ロゴが継続的に表示され続けます。番組終了後、最後にもう一度60秒程度の広告が流れるという構成です。
――他のサイネージでもこういった取り組みはあるのでしょうか?
当社も京王線の交通媒体においてコンテンツの取り組みを実施していたり、他社様でもコンテンツへの取り組みは見られますが、屋外媒体でのこのような取り組み、しかも10分にもなるコンテンツは、我々の知る限りではございません。
――どのようなクライアント様の活用を想定されていますか?
この渋谷のメガウォール自体は、渋谷という場所柄、エンタメ業種からの出稿が多い媒体です。今回もエンタメ企業との親和性は高いと考えていますが、「マチカドキネマ」は単なる広告枠ではなく、「街角の映画館」という新しい体験そのものが価値となります。
この取り組み自体が話題性を持つと考えていますし、渋谷の街づくりや映画という上質な文化の発信にも貢献できるコンテンツだと思っています。単に広告を見てもらうだけでなく、企業様のブランド価値を高める場としても有用です。これらを踏まえて、エンタメに限らず、幅広い業種から関心を持っていただけるのではないでしょうか。
上映中には画面の下部に継続的に広告が表示され、中長期に渋谷の街に露出し続けるため、企業や商品の長期的なブランディングに特に有効だと考えております。新しいカタチでのブランディングを重視される企業様に是非出稿いただきたいです。
――最近のデジタル広告との違いは、どのようにお考えですか?
最近のSNSやスマートフォンに配信される広告のターゲティングはかなり高度化してきており、「また表示された」「追跡されている」といった印象を持たれる方が多いのではと考えています。
その点、OOH広告は偶然の出会いのある媒体であり、広告の内容を自然と受け入れられやすいという特徴がございます。
――広告とコンテンツを融合させるという点で現代的な手法でありながら、デジタル広告では難しい広告感の払拭を実現している点が興味深いです。屋外サイネージの特性と、デジタル広告では実現が難しい要素を融合させた面白い取り組みですね。
――この媒体で最も伝えたいメッセージは何でしょうか?
「マチカドキネマ」は、映画館のような感覚でサイネージが見られる、全く新しい広告体験になりますので、話題性が期待できます。
映画という上質な文化コンテンツを、話題性のある場所で流すことで、渋谷の街づくりやスポンサー様の上質なイメージ向上にも貢献できると考えております。
そして私たちが目指すのは「見られるビジョン」、ブランド名称でもある「MIRARERU VISION」です。通りすがりに目に入るだけでなく、能動的に見てもらえる。そんな状態を継続させていくためにも、楽しく新しい広告体験を提供し続けていきたいと考えています。
当社と株式会社Hakuhodo DY ONEおよびショート映画配信サービスを提供する株式会社SAMANSAの連携のもと、渋谷エリア最大級の縦型ビジョン「渋谷メガウォール」を活用した革新的なDOOHコンテンツ「マチカドキネマ」が誕生しました。
屋外ビジョンで人気ショートムービーを上映し、渋谷の街を「映画館」に変身させる!?インパクト大のコンテンツです。
この新登場のコンテンツ「マチカドキネマ」のスポンサー様を大募集いたします。
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