公開日:2019年04月18日 更新日:2023年05月19日
【最新】TikTok広告とは?費用相場や特徴、メリットを解説
【最新】TikTok広告とは?費用相場や特徴、メリットを解説
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TikTok広告とは
TikTok広告とは、動画共有プラットフォームアプリ「TikTok」内に出稿された広告のことです。現在「起動画面広告」「チャレンジ広告」「インフィード広告」など、数種類の広告メニューがあります。 これらは予約型の純広告と運用型広告の2種類に大きく分けられます。
この記事では、TikTok広告の特徴や出し方などについて解説しています。
TikTokとは
そもそもTikTokとは縦型ショートムービーを投稿できる動画SNSで、中国のByteDance社が運営しています。
撮影機能やエフェクト機能・顔を加工する機能などが揃っているので、アプリ内で最短15秒から最長10分までの動画を撮影・編集・作成し、そのまま投稿・公開することができます。
全世界150か国で利用されているTikTokのユーザー数は2021年9月27日に10億人を超え、今や世界でも有数の規模を誇るSNSとなっています。
(出典:
Thanks a billion! by The TikTok Team)
実際に、2022年1月-3月のAppStoreでのアプリダウンロード数は全世界で1位となっております。
画像引用・出典:
Global App Revenue Grouth Was Flat in Q1,2022,While Usage Grew Nearly 5%(by Sensor Tower)
TikTokのユーザー属性
TikTokでは、全世界のユーザーの内、18歳以上の女性ユーザーが6割弱を占めています。
また、TikTokユーザーは若年層に偏向しており、全世界のユーザーの内、18歳から24歳のユーザーがおよそ半分を占めています。
出典:
DIGITAL2022:TIKTOK'S RAPID RISE CONTINUES by DataReportal
この結果の通り、TikTokには、いわゆる「Z世代」のユーザーが非常に多いです。
また、若年層が目立って突出していますが、20~40代のユーザーも多く、幅広い年代がTikTokを活用していることが分かります。
TikTok広告に企業が注目している理由
TikTok広告は近年、企業からの注目が非常に高まっています。それは前述したような特徴やメリットによって、広告効果を残しやすいことが理由として挙げられるでしょう。
特に2021年には、TikTokをうまくマーケティングに活用して商品の売上が爆発的に伸びる事例が出てきたため、「TikTok売れ」という言葉がビジネストレンドになりました。
今や企業によってTikTokのマーケティング活用は非常に大きなテーマであると言えます。
また、TikTok内ではインフルエンサーの影響力が非常に強く、話題や共感を生みやすい土壌があります。
インフルエンサーによってはYouTubeやTwitterなど他のSNSでも影響力を持っているため、TikTok外への拡散も期待できる点がマーケティングの観点から有用です。
そして、4大SNSの中ではまだ新しく、ユーザーも右肩上がりに伸びています。下記の図では全世界のTikTokユーザー数の予測が記載されていますが、2025年の時点でユーザー数は2,000,000,000人を超えることが予見されています。
TikTokのような右肩上がりに成長が続いているSNSでは、広告メニューを利用する企業の数はまだまだこれから増えていくことが予想されます。
出典:
The Rapid Rise of TikTok by statista
TikTok広告に関する資料
以下でTikTok広告に関連する資料を紹介しています。資料のダウンロードは無料ですので、お気軽にご活用ください。







TikTok広告の種類
TikTok広告のメニューには、2022年3月現在、大きく3つの種類があります。それぞれ特徴があるので、予算や目的に沿って選択することをおすすめします。
起動画面広告
起動画面広告とは、TikTokを起動すると同時に全面に表示される動画もしくは静止画の広告です。1日1社のみの広告のため、枠を確保することは難しく、掲載料金も高額になっているため、起動画面広告は企業のブランディングに利用されています。また、全てのユーザーの目に入る広告なので、自社製品・サービスの認知度を高める効果に極めて優れている点も特徴です。
もっとも、広告嫌いのユーザーも一定数いることは避けられないので、悪い意味でバズるリスクもあることを注意して対策と広告制作に取り組む必要があります。
#Chalenge(ハッシュタグチャレンジ)
ハッシュタグチャレンジ広告とは、キャンペーンやテーマとなる#(ハッシュタグ)を広告主が制作し、その#(ハッシュタグ)に合った動画をユーザーに制作して投稿してもらう、ユーザー参加型の広告です。
他のSNSより優れた#(ハッシュタグ)文化と豊富なクリエイターを有するTikTokだからこそ、成立する広告で、拡散力が高く、バズリも期待できます。動画制作へのハードルが低く、承認欲求の高いユーザーが多いメディアであるため、多くの参加者を呼び込み、認知を獲得するには極めて高い適性を有します。さらにクリエイターや「いいね」をつけたユーザー、ハッシュタグで拡散させたユーザー等、このチャレンジに主体的に参加した潜在顧客層を自然な形でファンにできるメリットがある点もこの広告の魅力です。
Branded Effect
Branded Effectは、画像認識技術を用いて動画コンテンツのクリエイティブ作成が可能になる広告です。ユーザーの体の動きを感知して、「髪色が変わる」「ハートが飛び出てくる」等のアクションがある動画を作成できます。
大幅なエンゲージメントを期待できる広告で、ロゴやブランドを視覚的に印象付けたい企業におすすめな広告です。
インフィード広告
インフィード広告とは、TikTokのおすすめ欄に掲載される動画もしくは静止画の広告です。
おすすめ欄といっても、一般ユーザーの投稿動画と同じように掲載されるので、受け取るユーザーの多くは広告だと気付きません。このため、広告を避ける潜在的顧客にもアプローチできる点がこの広告の強みになっています。広告主は、一般投稿者と同じように「いいね」やコメントを獲得でき、自然なユーザーの反応が得られる広告として重宝しています。また、通常の投稿と同じようにシェアやハッシュタグにより拡散される可能性が高いメリットもあります。さらに表示される時間も商材の良さを簡潔に伝えるには充分な10秒前後である点もこの広告の利用を促す利点となっている点も特徴です。
Top Feed
Top Feedは、1日の中でランダムなセッションで「おすすめ」フィード内の4ポスト目に表示される広告です。
1日1社限定の広告で、広告感なくユーザーに訴求が可能です。
Reach&Frequency
Reach&Frequencyとは、自身が希望するリーチとFrequencyにたいして最適化できる広告のことです。狙いたいセグメントに対してターゲティングも可能です。また事前にリーチやフリークエンシーを設定できるので、合計インプレッションを推定で算出できます。そのためKPIや予算を立てやすいことが特徴的です。
Brand Auction(運用型広告)
Brand Auctionは運用型広告で、TikTokユーザーの属性に合わせてターゲティングすることのできる広告です。少額からの出稿も可能で、希望するボリューム感で出稿できます
TopView
TopViewとは、アプリ起動時に直ぐにフルスクリーンで表示される動画広告のことです。1日につき1社展開できる広告で最大60秒表示されます。
最初に表示されるため注目度が圧倒的に高く、インプレッションは1,500万前後、リーチは500万前後程度の効果が期待できます。
Spark Ads
Spark Adsは、クリエイターのオーガニック投稿をおすすめフィードでブースト出来る広告です。
配信の最適化やターゲティング設定も可能なので、狙ったターゲット間で拡散されやすくバズが生まれやすいことが特徴的です。
TikTok広告のターゲティングの種類
TikTok広告には、下記の通り大きく分けて4つのターゲティングがあります。
出典:
TikTokビジネスセンター
ターゲティング名 | 特徴 |
デモグラフィックターゲティング
| 性別(男性/女性/無制限)、年齢、ロケーション(国別/都道府県)、言語の4項目の設定が可能です。
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ユーザーリストターゲティング
| 「カスタムオーディエンス」「類似オーディエンス」の設定が可能です。
「カスタムオーディエンス」は自社で作成したカスタムシルトに対して広告が配信できます。
「類似オーディエンス」では、作成されたカスタムオーディエンスに類似したユーザーリストに配信可能です。
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興味&行動ターゲティング
| 名前の通りユーザーの興味やユーザーアクションをベースにターゲティングを実施できます
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デバイスターゲティング | 「デバイス」は流入元となったデバイスの環境について、ターゲティングができます
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TikTok広告のメリット
TikTok広告のメリットを下記にご紹介します。
Z世代にリーチしやすい
広告媒体としてTikTokを利用するメリットとしては、まずは何と言っても若年層(Z世代)にリーチしやすいことでしょう。テレビなどでのアプローチが難しいと言われているZ世代は「デジタルネイティブ」と称されることも多く、スマートフォンが生活の中心にある世代です。SNSアプリの中でもとりわけティーンの利用が多いTikTokは、この世代へのアプローチを得意としています。
視聴完了率が高い
TikTokは「短尺」かつ「音楽付き」の動画が多く、このフォーマットに則った広告動画を制作すれば、文字ばかりの広告と比較して視聴完了率が高くなることもメリットです。
実際に投稿されているコンテンツと遜色のない広告となり、ユーザーに「広告」の不快感を与えない自然な広告訴求が可能となります。
UGCが生まれやすい
後述するTikTok広告の事例をご覧いただければわかりますが、ユーザー参加型の広告コンテンツが非常に多く、UGC(ユーザーによって生成されるコンテンツ)が生まれやすいこともポイントです。また、参加型のコンテンツであるがゆえに広告クリエイティブの反応率が比較的高いです。
広告を見たユーザーへ購買行動を促しやすい
TikTokを見て商品購入したことがあるユーザーは年々増加傾向にあります。実際の調査で、「TikTok内で紹介された商品・サービスを購入したことがある」ユーザーについて、2018年は12.7%でしたが、2021年には18.0%になり、3年で5.3%も増加しました。
TikTokは動画コンテンツなので、実際に使用シーンを想起しやすく購買行動に繋がりやすいのではないでしょうか?また、ユーザー増加によって、投稿されたコンテンツ・広告自体がブラッシュアップされ続けているとも考えられます。
今後もユーザーが増加していく見込みのため、より多くのユーザーの購買行動が増していくでしょう。
出典:
「メディアインサイトレポート フルアテンション視聴へようこそ」(TikTok For Business)
TikTok for businessでの広告出稿までの手順
TikTok for businessでの広告出稿までの手順について簡単に説明します。
「TikTok For Business」のアカウント開設
まずは、TikTokのビジネス向けアカウントを開設する必要があります。下記URLより「TikTok For Business」のWebサイトへアクセスし、「今すぐ」ボタンをクリックします。
出典:
「TikTok For Business」のアカウント開設はこちら
必要事項を入力することで、簡単にアカウント開設ができます。このとき「広告主審査」を完了させておく必要がありますのでご注意ください。
「TikTok For Business」の初期設定
「TikTok For Business」の初期設定では、下記の4つを設定する必要があります。
- 支払い情報の登録
- ピクセル(タグ)設置
- イベント設定
- オーディエンス設定
こちらの設定が完了しないと基本的に広告の配信はできませんので、ご注意ください。
「TikTok For Business」からの広告配信
「TikTok For Busiess」から広告配信するまでには、下記の手順があります。
①キャンペーンの設定
②広告セットの設定
③広告の設定
④動画クリエイティブの作成
⑤広告クリエイティブ審査
大まかな流れとしては他のSNS広告と近いものがあります。この段階で行うターゲティング設定などが、費用対効果よく成果を生むためには非常に重要と言えます。
TikTok広告の費用相場
TikTok広告の費用について、公式ではウェブ上に公開されておらず、
TikTok for Businessより媒体資料をダウンロードする必要があります。
TikTok広告の認定代理店でゴールドパートナーを務める
株式会社アイズによると、Brand Auction(運用型広告)の費用感は、小規模の運用であれば30万から50万円程度、大規模な運用であれば100万円以上が相場となっているそうです。
テストマーケでTikTok広告運用をする場合には、50万円以上が適しているそうです。
小規模の運用 | 大規模な運用 | テストマーケティング |
30万~50万円程度 | 100万以上~ | 50万円以上~ |
また、Spark Adsでは上記のような運用費に加えて、別途クリエイターのアサイン費がかかります。
クリエイターによってアサイン費が異なるので、実際に行う場合には代理店に問い合わせましょう。
さらに、起動型広告など一部の純広告メニューについては、メディアレップが独占的に担当している場合もあるので、こちらも併せて代理店に問い合わせましょう。
TikTok広告の入札方式
TikTok広告では、プロモーションの目的や戦略に応じていくつかの入札方式があります。
自社の場合、どれに該当するか見極めて入札していくことが重要です。
TikTok広告の入札方式の主なものは4種類、それぞれについて解説していきます。
インプレッション課金型(CPM)
インプレッション課金型では、2秒または6秒の動画広告1000回再生あたりのコストで入札する方式です。
TikTok広告では、「起動画面広告」や「運用型広告」で利用されます。
相場は、1000回表示あたり100〜1000円くらいです。
最適化インプレッション課金型(oCPM)
最適化インプレッション課金型は、広告1000回表示あたりの入札をしますが、システムがコンバージョンまたはアプリインストールなどの成果をもとに自動で入札する仕組みです。
課金はインプレッションごとに発生します。
再生課金型(CPV)
再生課金型は、6秒または2秒の動画再生1000回あたりのコストで入札します。
選択した秒数分の広告を視聴する可能性があるユーザーに最適化される仕組みで、1000回あたりの入札設定額に近づくように自動調整します。
クリック課金型(CPC)
クリック課金型は、1クリックあたりの広告コストで入札する仕組みです。
クリックしそうなユーザーに広告を配信し、クリックあたりのコストが入札額にできる限り近づけるように自動調整します。
トラフィック、アプリインストールやコンバージョン目的に利用されます。
TikTok広告の事例
ここでは、話題になったTikTok広告の事例を紹介します。
マクドナルドの事例
ポテトが揚がったときのあの「ティロリ♪ティロリ♪」の音に合わせて、女優の山之内すずさんらインフルエンサーがダンスを躍る参加型のキャンペーン。
インフィード広告で動画を流し、ハッシュタグチャレンジ「#ティロリチューン」へ誘導したところ爆発的に拡散され、多くの動画再生とUGCを獲得しました。
既に消費者に浸透しているものを資産として再利用し、さらなる話題を生んだ戦略は、マーケティング巧者として有名な同企業の貫禄を感じさせました。
出典:
TikTok for Business
ブックオフコーポレーションの事例
寺田心さんのテレビCMでおなじみの有名なミーム「ブックオフなのに本ねーじゃん」がもともとTikTok内で流行を見せていたところに、企業公式が乗っかるという画期的な取り組み。マス広告→UGC→TikTok→UGCの好サイクルをつくることができた事例です。広告っぽくないコンテンツをフックに若年層のブランドリフトアップに成功したお手本のような事例です。
出典:
TikTok for Business
荒野行動の事例
荒野行動は、2018年にヒットしたバトルロワイヤルゲームで、中国の大手ゲーム会社NetEaseが提供しています。TikTok内では荒野行動を夢中でプレイしている人の顔を「荒野全力顔」と名付け、プレイヤーの自撮り投稿を推奨するプロモーションを行いました。この際、ゲーム内にはTikTokへダイレクトにシェアできる撮影機能を搭載し、多くのユーザーが参入しやすいような施策を行いました。この広告効果により、TikTok内のハッシュタグの再生回数やアプリダウンロード数の大幅な増加に成功しました。
出典:
PR TIMES MAGAZINE|広報PRのナレッジを発信するWebメディア
豆腐少女の事例
豆腐少女はJoyPacから配信されているゲームアプリです。ゲームは女の子のキャラクターをジャンプさせ、豆腐の上に移動させていくというシンプルなもので、中毒性があり幅広い年代のユーザーから人気です。日本でのユーザー数獲得に向けてTikTok広告機能であるPangleを導入したところ、多くのユーザー数獲得に成功しました。中でもプレイアブル広告といい、広告をタップすれば広告画面上でプレイできるというインタラクティブな動画広告を出稿した際に多くのユーザーを獲得することに成功しました。
出典:
TikTok for Business
TikTok広告を出す際のポイント
TikTokは他の動画プラットフォームと比較して、コンテンツの受け取り方が受動的で、TikTokならではの特徴があります。そのことを踏まえると、広告出稿の際に気を付けなければならないポイントがいくつかあります。
訴求ターゲットの確認
まず、自社の商材のターゲットユーザーがZ世代であるか?は気にした方がいいでしょう。Z世代以外のユーザーがいないわけではありませんが、TikTokユーザーの中でも圧倒的なボリュームを占める若年層にマッチする商材でないと、広告成果が充分に出ないリスクが高まります。
ユーザーが参加しやすいかの確認
また、広告動画を制作する際、特にユーザー参加型のコンテンツを作りたいときには、「ユーザーが真似しやすいかどうか」も考えた方がいいかもしれません。真似するのが難しいものや、社会通念に反するものなどは、うまく拡散されなかったり炎上したりする可能性が出てきます。
動画の長さの確認
そして、動画の長さはなるべく短くした方がいいでしょう。短すぎると印象に残らない可能性がありますが、短く端的にまとまっていて且つインパクトが大きい動画をつくることで、視聴完了率を高められるかもしれません。
ライタープロフィール
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ソーシャルメディア 事業部株式会社アイズ
- SNS広告運用代行やSNSを活用したクチコミマーケティングを提供
SNS広告やSNSを活用したクチコミマーケティングの詳細はこちら
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