更新日:2025年09月18日
「在庫処分」ではなく「ファン体験」。UHA味覚糖の福袋から学ぶマーケ戦略
40種類以上のグミを米袋に詰め込んだ「UHA味覚糖夏の福袋2025」は、開ける前から楽しめるUHA味覚糖ならではの商品で、TikTokショップを活用した最先端のマーケティング事例といえるでしょう。
本記事では、この注目すべき事例を考察すると共に、「もし自分なら」という視点で具体的な集客シナリオを3つ考案してみました。この記事がプランナーの皆様の思考の壁打ち相手になれば幸いです!
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「もうちょっと刺さるアイデアがほしいな……」と思ったとき、世の中の広告を眺めると意外なヒントに出会えるものです。
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UHA味覚糖株式会社の事例
2025年8月6日、UHA味覚糖株式会社は「
夏の福袋2025」を数量限定で販売しました。昨年2000袋を完売した大人気企画「夏の福袋」は、UHA味覚糖のグミ40種類以上と限定のオリジナルグッズを詰め合わせた商品です。
同商品は1袋8,282(パツパツ)円で販売されており、8月12日現在、公式オンラインストアでは完売となっています。
福袋=在庫処分というイメージを持たれている方も多いかと思いますが、同社の取り組みは一味違います。
<ポイント>
・入手困難な商品含め、被りなしで40種類以上のラインナップ
・ここでしか手に入らないオリジナルグッズ付き
本企画の人気の理由は、商品の魅力に加え、販売前から消費者の関心を高めるための仕掛けにあったと考えています。UHA味覚糖は「夏の福袋」をより話題化させるべく、3つのプロモーション施策を展開していました。
1.インフルエンサー起用で先行レビュー配信
施策の狙い
・中身を見せて興味を持ってもらう
・グミ関心層に届ける
同商品は
日本グミ協会のバックアップを受け、福袋を紹介する先行レビュー配信をTikTokで実施しました。
日本グミ協会は2013年に同人活動としてソーシャルメディア上で活動を開始した団体で、2017年より9月3日(グミの日)を盛り上げるべく、共同でキャンペーンやイベントを実施しています。
2.TikTokショップ活用で、その場で購入
施策の狙い
・配信画面内で購入できる導線作り
先行レビュー配信は、TikTokで実施されました。ここでは、UHA味覚糖株式会社の公式オンラインショップだけでなく、TikTokショップも開設することで、配信を見たユーザーがその場で購入できる導線作りがされていることがわかります。

TikTokショップは外部サイトへの移動がなく、アプリ内で購入が完結するため、TikTokに登録しているユーザーであれば簡単に購入が可能です。
「TikTokショップ」とは?
TikTokショップとは、ショート動画やライブ配信とECを融合させたアプリ完結型のプラットフォーム。拡散力の高いTikTokを通じ、商品が広まりやすく購買にも直結。日本で3,300万人超の利用者に訴求でき、新規顧客獲得や販路拡大に大きな効果が期待されます。
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▼1,2をまとめると…
3.福袋でファンマーケティング
施策の狙い
・お気に入りを見つけてもらい、継続購入を促す
また、同商品の価格は決して安価ではなく、レア商品やSNS映えを意識した演出、TikTokでのライブ配信などを通じ、単なる在庫処分ではなくファン体験を提供することを狙っていると予想されます。
多様な味を試せるコレクション性や、毎年恒例化による期待感で、消費者との継続的な関係構築を図る、ファンベースマーケティングの好例といえます。
福袋のグミを食べ進める中で自分のお気に入りのグミが見つかれば、今後「グミを食べたい!」となった際に選んでもらえる確率も高くなるでしょう。
事例から発展!編集部が考える追加施策アイデア3選
本記事で取り上げたUHA味覚糖「夏の福袋2025」の事例をもとに、編集部ならではの視点で考えた追加施策アイデアを3つご紹介します。
既存の施策をさらに発展させる形で、SNSや店舗、リアル体験などさまざまな接点を活用したアイデアを盛り込んでみまし.......
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