公開日:2021年11月26日 更新日:2021年12月23日
マーケティングの4Cとは?4Pとの関係や活用法を解説!
マーケティングの4Cとは?4Pとの関係や活用法を解説!
マーケティングを担当していると「4C」という単語を目にする機会がよくあります。
しかし、4Cの意味や他のマーケティング用語との違いを明確に理解しておらず、4Cの活用方法もよくわからない、といったマーケターも残念ながら存在します。
この記事では、4Cの定義について解説を行うだけでなく、他のマーケティング用語との違いや、4Cの活用方法についても詳しく説明します。
4Cとは
4Cとは、Customer Solution(顧客ソリューション)、Customer Cost(顧客コスト)、Convenience(利便性)、Communication(コミュニケーション)の頭文字を取った、マーケティングに関する顧客へのベネフィットを主眼に置いた考え方です。
それぞれの意味を表にまとめました。
用語
| 意味
|
Customer Solution(顧客ソリューション)
| 顧客が抱えている悩みや問題を、どのようにして解決することができるのか
|
Customer Cost(顧客コスト)
| Customer Cost(顧客コスト) その解決策を得るためには、どの程度の費用が必要になるのか
|
Convenience(利便性)
| その解決策を得るためには、どの程度手間が掛かるのか、簡単に入手することができるのか
|
Communication(コミュニケーション)
| Communication(コミュニケーション) 顧客に企業側の伝えたいメッセージが届いているか、顧客の要望を企業はしっかりと聞いているか
|
Customer Solution(顧客ソリューション)
顧客に対して提供できる解決策であり、顧客の不足、不満、不便といった欲求を満たすソリューションのことを指します。
イメージしやすいように、例を紹介します。
課題解決のソリューション
| 例
|
不便を解決(便利)
| 不便を解決(便利) 時計(時間がわかる)
|
わからないを解決(わかりやすい)
| わからないを解決(わかりやすい) 専門書(わからない問題が、詳しく解説されている)
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格好悪いを解決(デザイン)
| 格好悪いを解決(デザイン) 自分のセンスに合った服(着ると良い気分になる)
|
自分をよく見せたいを解決(ブランドイメージ)
| 高級腕時計(身につけているとブランドイメージを拝借でき、自分のイメージアップに繋がる)
|
Convenience(利便性)
商品やサービスを利用するために、顧客が手間を掛けずに簡単に利用できるように環境を整えることが重要です。
ローカルビジネスであれば、通いやすい範囲に店舗を構えることが重要です。
コールセンターであれば、長期間の受付時間や、混雑時でも繋がりやすい回線数やオペレータの確保が求められます。
さらに、店舗でしか販売しないのではなく、ネットでも販売すると行った点も顧客にとっての利便性を高める上では重要です。
また、決済手段も利便性として無視できません。
現金だけでなく、クレジットカードやQRコード決済やポイント払いも導入することにより、顧客の利便性向上に繋がります。
Communication(コミュニケーション)
企業が伝えたいことを顧客に正しく適切に伝え、顧客の要望も企業に伝わるようにコミュニケーション手段を設計することは重要です。
オンライン、オフラインで様々なコミュニケーションの手段が存在します。
オフライン
| 販売員
|
| イベント(展示会、セミナー)
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| DM、チラシ
|
| コールセンター
|
オンライン
| ウェブサイト
|
| SNS
|
| メール
|
| LINE
|
| オンラインイベント(Webセミナー)
|
顧客と円滑なコミュニケーションを行い、関係性を強化し親しみを持ってもらうだけでなく、顧客から質問や相談をしてもらいやすい関係を構築することが求められます。
そのために、どのような手段を用いるのかという、コミュニケーション設計が重要となります。
4Cと4Pの関係
4Cは、顧客の視点に立ったマーケティングの考え方ですが、企業の側に立った考え方に置き換えたものとして4Pがあります。
4Pとは、Product(製品)、Price(価格)、Place(流通)、Promotion(プロモーション)の頭文字をとったもので、マーケティング・ミックスとも呼ばれます。
4Cと4Pは、以下の表のように対になる考え方です。
4C
| 4P
|
Customer Solution(顧客ソリューション)
| Product(製品)
|
Customer Cost(顧客コスト)
| Price(価格)
|
Convenience(利便性)
| Place(流通)
|
Communication(コミュニケーション)
| Promotion(プロモーション)
|
4C分析と3C、5C分析との違い
4C分析は、自社が顧客に対してどのような価値を提供できるのか、という視点に立ち分析を行う手法です。
マーケティングでよく用いられる分析手法に、3C分析や5C分析があります。
これらの分析方法は、自社だけでなく競合他社やパートナー企業も含めて、顧客に対してどのような価値提供ができるのかという観点から分析を行う考え方です。
3C分析との違い
3C分析とは、Company(自社)、Competitor(競合他社)、Customer(顧客)の頭文字を取ったもので、この3者の三角関係を俯瞰的に分析する手法です。
自社(Company)が顧客に対して、どのような価値を提供できるのか、どのような強みや弱みがあるのかを分析するだけではありません。
競合他社(Competitor)についても顧客に対してどのような価値提供を行うのかに関して分析を行います。
また、顧客(Costomer)が抱える悩みや問題、年齢や性別などの属性情報といった顧客の分析も行います。
3C分析を行うことにより、自社は顧客に対して本当に価値を提供できているのか、競合は自社よりも顧客により多くの価値を提供いるのではないか、といった分析を行うことが可能です。
5C分析との違い
5C分析とは、3C分析のCompany(自社)、Competitor(競合他社)、Customer(顧客)に、Collaborators(協力者)、Climate(環境)を加え、さらに俯瞰的に分析する手法です。
協力者(Collaborators)は、卸や小売といった中間流通の業者を指します。
顧客に製品を直接販売していない場合は、中間流通の業者が自社に協力的であるかどうか、という点は非常に重要です。
新商品を出しても中間業者が競合の製品ばかり注力している、顧客からのクレームに中間業者が適切に対応しない、といった問題がある場合は、自社の販売の足を引っ張ることになってしまいます。
また、環境(Climate)は、外部環境を指します。
法令の改正や社会的な動向の変化といった面で、プラスに働くのか、マイナスに働いてしまうのかという点に関して分析を行います。
このように、5C分析を行うことにより、中間流通の業者や外部環境も含めて俯瞰的に分析を行うことが可能になります。
4C分析の活用方法
4C分析を行う際には、STP分析を併用したり4Pを4Cに置き換えたりすることで、顧客の立場に立って分析を行うことが可能になります。
STP分析を併用する
4C分析を行う上で、顧客がどのような悩みや問題を抱えているのかだけでなく、顧客の年代や性別、職業などの属性情報も理解しておかなければ、精度の高い分析を行うことはできません。
そのため、4C分析を行う上でSTP分析を併用し、顧客理解を深めることをおすすめします。
STP分析とは、Segmentation(セグメンテーション)、Targeting(ターゲティング)、Positioning(ポジショニング)の頭文字を取ったものです。
Segmentation(セグメンテーション)
| 年齢、性別、地域、価値観、行動特性といった切り口で市場の細分化を行い、ユーザー像を明確にする。
|
Targeting(ターゲティング)
| 狙うべき顧客を、以下の3種類の方法で絞り込む。
・部差別型(絞り込まない)
・差別型(セグメントした顧客に適した製品を販売する)
・集中型(特定の顧客層に絞り込む)
|
Positioning(ポジショニング)
| セグメント内の競合他社の製品を分析し、どのような顧客に、どのような切り口で訴求するか決定する。
|
STP分析も併用することで、ターゲットとなる顧客像を明確にした上で、4C分析を行うことが可能となります。
4Pを4Cに置き換える
販売者側が顧客への販売施策を考える上で、4Cよりも4Pのほうが販売者側に立った考え方であるため、イメージしやすいという側面があります。
最初から4C分析をすることが難しければ、まずは4Pで分析を行い4Cに置き換えて考えると良いでしょう。
4P
| 4C
|
Product(製品)
新製品のダイエットサプリ
| Customer Solution(顧客ソリューション)
既存のサプリと何が違うのか?
本当に顧客の悩みを解決できるのか?
|
Price(価格)
3000円(1ヶ月分)
| Customer Cost(顧客コスト)
ターゲット顧客が支払える価格帯か?
競合品と比較して、価格に妥当性はあるか?
|
Place(流通)
インターネット通販のみ
| Convenience(利便性)
インターネットを使わない層に向けて、電話注文などは行わないのか?
納期はどの程度かかるのか?
決済手段は、クレジットカード以外に何が必要か?
|
Promotion(プロモーション)
初回限定500円
※定期申し込みが必要
| Communication(コミュニケーション)
顧客の認知拡大のために、どの手段を用いるのが適切か?
初回限定価格の定期縛りは、顧客の満足度を下げないのか?
リピート注文を促すために、どのように顧客にアプローチすればよいか?
|
このように、4Pの考え方を4Cに置き換えることにより、顧客の立場に立った分析を行うことが可能となります。
4C分析の注意点
4C分析を行う上で重要な点は、顧客視点から離れないということです。
顧客がどのような悩みや問題を抱えているのか明確にするだけでなく、年代、性別、地域といった属性情報についてもペルソナとして明確にイメージを固めておけば、顧客に寄り添ったマーケティング施策を実行できるでしょう。
また、4Cのそれぞれ項目が相互に影響する点に関しても、意識をする必要があります。
例えば、Convenience(利便性)を高めるために、決済手段にQRコード決済を追加するとします。
この場合、決済業者のポイント付与といったキャンペーンに便乗できれば、Customer Cost(顧客コスト)に良い影響が出ます。
さらに、Communication(コミュニケーション)においても、適切なタイミングと頻度で顧客にQRコード決済に関して情報を伝えることができれば、さらに良い効果が期待できます。
まとめ
今回の記事では、4Cの定義、他のマーケティング用語との違い、4Cの活用方法について解説を行いました。
4Cの意味を正確に理解し他のマーケティング手法と併用することにより、4C分析を効果的に行い、結果としてマーケティング活動に良い影響が出るでしょう。
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