公開日:2021年10月19日 更新日:2023年03月29日
プロモーション戦略とは。重要性や事例を紹介
プロモーション戦略とは。重要性や事例を紹介
マーケティングの基礎知識として語られる「プロモーション戦略」について、具体的な手法や通常の「プロモーション」との違い、活用事例などイメージ出来ますでしょうか?
「プロモーション戦略」は顧客への商品やサービスの販売を促進する活動全般を指しますが、これらは「新規顧客の獲得」、「既存顧客の囲い込み」を目的とした戦略として有効な手法です。
一方で、「プロモーション戦略」を実際にマーケティング業務に活用するにあたって、その基礎知識や活用事例の把握は非常に重要になります。
そこで、ここではマーケティングに欠かせない「プロモーション戦略」について解説します。
プロモーション戦略とは
「プロモーション戦略(Sales Promotion)」とは、いわゆる
「販売促進」のことです。
試供品を提供したり、割引券を配布したり、キャンペーンを開催するなどの施策のことを指します。
「広告」がブランドを認知してもらい好きになってもらうブランディング活動であるのに対し、「プロモーション戦略」は購買を決断してもらうための「プッシュ戦略」であるとも言えます。
プロモーション戦略は直接的な手法から間接的な手段まで幅広いですが、具体的には「SP広告」と「PR活動」の2種類の施策に分けることが出来ます。
SP広告
プロモーション戦略における「SP広告」とは、
売上・販売を目的とした広告メッセージを顧客へ送信する活動を指します。
代表的な例として「ダイレクトメール(DM)」が挙げられます。DMは個人宛に宣伝目的に送られる資料やクーポンなどの印刷物をイメージする方が多いかと思いますが、最近は電子メールやTwitter・InstagramなどのSNSのDM機能もSP広告の手段として活用されています。
PR活動
プロモーション戦略における「PR活動」の代表的な手法として
「インセンティブ」と「クーポン(割引券)」の2つがあります。
「インセンティブ」は、消費者や販売店に賞や報酬を与えて、やる気・買う気になってもらうことです。
アイドルグループのCDを購入することで握手券を配布するという方法が代表的な手法の1つとして挙げられます。
その他にも企業主催の様々な「コンテスト」、記念品を配る「ノベルティ」などのイベントも「インセンティブ」に当たります。
「クーポン(割引券)」は、主に新規顧客を獲得する際に用いられる特典です。
コロナ禍で人気が出てきた「フードデリバリーサービス」では、多くの企業が自社サービスの初回限定割引券を発行し、多くの新規顧客獲得に成功しました。
また、「YouTubeプレミアム」や「Netflix」などのWeb動画配信サービスでは、無料体験期間を設け新規登録のハードルを下げた事が成功要因の1つとして挙げられます。これらも「クーポン」の一種だと言えます。
プロモーション戦略の重要性
プロモーション戦略を行うことで、マーケティングにおいて非常に重要な
「新規顧客の獲得」「既存顧客の囲い込み」「効果測定が容易」という3つのメリットを得られます。
以上の3つはセールスにおいて非常に重要な要素になることは言うまでも有りません。
新規顧客の獲得
新規顧客の獲得の代表的な手法としては、新規限定のクーポン券の発行や値引きを行うことで、新規顧客の初回利用のハードルを下げる戦略があります。
既存顧客の囲い込み
既存顧客を維持するためにもプロモーション戦略は非常に有効な手段になります。
既存顧客の囲い込みも非常に重要で、新規顧客の獲得にかかるコストは既存顧客を維持するコストの5倍掛かるとも言われています。
既存顧客を囲い込むプロモーション戦略として代表的な手法には、アマゾンが採用している購入金額に応じてポイントを付与するシステムがあります。
ポイントを付与することによって、ユーザーに再度アマゾンを利用して商品を購入する意欲を高めさせることが出来ます。
また、顧客参加型の話題性のあるイベントを定期的に行うことで、商品や企業への飽きを感じさせず顧客との距離を縮める事ができ、結果として客離れに歯止めをかける効果も期待できます。
効果測定
さらに、プロモーション戦略は効果測定がしやすいというメリットもがあります。
プロモーション戦略の主要な手法である「DM」や「クーポン券」は、顧客へ届けた数と利用された回数をカウントするだけで効果測定が出来ます。
PDCAサイクルを回して改善を繰り返すマーケティングにおいて、難しい分析ツールを使用しなくても効果測定を容易に行えることは非常に大きなメリットだと言えるでしょう。
プロモーション戦略の成功事例
ここまでプロモーション戦略の概要および重要性について解説をしましたが、最後にプロモーション戦略の具体的な成功事例としてマクドナルドの「名前募集バーガー」を紹介します。
マクドナルド「名前募集バーガー」
業績不振や不祥事により2009年から7年連続売上高が減少となっていたマクドナルドホールディングスでしたが、2016年2月に「名前募集バーガーキャンペーン」を開始しました。
キャンペーン内容は、北海道産の食材を使った新商品「北海道産ほくほくポテトとチェダーチーズに焦がし醤油風味の特製オニオンソースが効いたジューシービーフバーガー(仮称)」の正式な名称を公募で決定するというもので、採用者にはハンバーガー10年分相当の142万3500円が送られるというキャンペーンでした。
キャンペーン期間は2週間と短めでしたが、結果500万件以上もの応募が集まりました。
他にも、おいしさの星の数とコメントをTwitterで投稿する「クラブハウス バーガー」など、顧客参加型のプロモーション戦略を打ち出しました。
話題性のある参加型のプロモーションを数多く行うことで、期限切れ鶏肉の使用など品質問題に伴う客離れに歯止めをかけることに成功。
結果、マクドナルドホールディングスの2016年度決算は7年ぶりに前年比売上高を上回ることが出来ました。
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