公開日:2019年05月31日 更新日:2023年10月05日
ネット広告とは?種類別に強みや運用方法もわかりやすく解説!
ネット広告とは?種類や費用相場、運用方法をわかりやすく解説!
ネット広告とは
ネット広告とは、検索エンジン・Webサイト・SNS・メールなど、インターネットを介して掲載・配信する広告のことです。WEB広告・インターネット広告・デジタル広告・オンライン広告とも称されます。PC上だけではなく、スマートフォンやタブレット等のモバイル端末に表示される広告も含まれます。
この記事では、ネット広告の種類やそれぞれの特徴を紹介していきます。
また、メディアレーダーでは
ネット広告に関するセミナー動画をまとめています。動画視聴は
無料会員登録することで無料で視聴することができますので、気になるセミナーがある方はぜひご確認ください!
ネット広告が重要視される背景
ネット広告が重要視されるようになったのは、なぜでしょうか。ここでは、近年なぜネット広告が注目を集めているのかについて解説していきます。
インターネットやスマートフォンの普及
まず、ネット広告が重要視されている理由としてインターネットやスマートフォンの普及率が上がったことが考えられます。総務省の「令和4年情報通信白書」によると2021年のスマートフォン保有率は、88.6%となっています。このデータからわかるように現代の人たちはスマートフォンなどのモバイル端末を利用したインターネットの利用が増加しています。スマートフォンなどを使用してインターネット上の商品やサービスの情報を収集しています。そのため、インターネット上で商品やサービスを訴求できるネット広告が重要視されています。
■出典:総務省「
令和4年情報通信白書」
ターゲティングに秀でている
ネット広告では、ユーザー属性やWebサイトの閲覧履歴などの条件を指定することにより、ユーザーに合う商品やサービスを訴求できます。ターゲティング条件には、年齢や性別、住所など様々なものが設定できます。このようにネット広告は、ターゲティングに優れていることから重要視されるようになっているのです。
目次
ネット広告を実施したい方へ
No.1の媒体資料ポータルサイト「メディアレーダー」では、ネット広告に関する様々な資料を掲載しています。ここでは15資料ほどピックアップしてみました。資料のダウンロードは無料なので、ネット広告の出稿をご検討中の方はぜひ活用してみてください!




ネット広告の種類
ここではネット広告の種類をターゲット別にご紹介します。それぞれの特徴やメリット・デメリット、課金形態などについても説明していますので、さらに知りたい方は関連記事も読んでみてください!
低関心層向けネット広告
純広告・バナー広告
純広告は、特定のサイトの広告枠を買い取りテキスト・画像・動画での広告表示が可能になる広告です。

クリック単価・成約率で目標設定を行い、PDCA回し広告効果を高めることが重要です。
ターゲット層
| 潜在層、関心層にもリーチできる
|
料金形態
| クリック保証、PV保証、掲載期間が決まっている期間保証など多様な形態で運用可能
|
メリット
| ・認知の拡大につながりやすい
・エリアやターゲット時間帯を絞って配信することが可能 |
デメリット | ・認知が向上する一方で単価が高いのに、CVに繋がらず費用対効果が低い場合がある |
純広告・バナー広告についての下記の記事にて解説していますので、是非ご活用ください。
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純広告に関するメディアの比較、一覧、まとめ
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バナー広告とは?種類とメリット・デメリット、資料のまとめ
動画広告
動画広告とは名前の通り、動画コンテンツを配信する広告のことです。YouTubeなどの動画配信プラットフォームの注目度が高くなっている現在では、動画広告は高い広告効果に繋がります。
広告効果を生むためには、動画のコンテンツの設計が非常に重要になります。動画広告の発展と共に単なる広告だけでなく、高いエンタメ性も求められるようになったのでユーザーの目を引かなければなりません。
ターゲット層 | 潜在層、配信方法によっては低関心層にも届きやすい
|
料金形態
| 視聴課金、PV課金など |
メリット | ・テキストや画像よりも情報量が多く、目を引くので認知度や広告効果が高くなる
・クリックすることなく再生されるので手間なくユーザーに訴求できる |
デメリット | ・スキップされる可能性がある
・ユーザーに不快感を与えやすい |
下記は、動画広告についての関連記事になっているので、是非ご活用ください。
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SNS広告
SNS広告とは、名前の通りFacebookやInstagram、LINE、TwitterなどのSNSに掲載されるネット広告のことです。
各SNSユーザー属性を把握し、ユーザーからの情報拡散のされやすさを意識することが大切です。
ターゲット層
| 顧客層や顕在層、低関心層、顧客層までリーチ可能
|
料金形態
| クリック課金、インプレッション課金
|
メリット | ・性別、年齢、学歴、交際、フォロー状況に応じて他の広告では難しい細かいターゲティングが可能になる
|
デメリット | ・情報の拡散の程度は予測しづらいので、発信者側でのコントロールが難しい |
SNS広告の運用に関する詳細は、
【2023最新】SNS運用とは?SNS広告運用、アカウント運用について解説の記事でまとめていますので、ぜひお役立てください!
各SNS広告の特徴
Facebook
Facebookは、ユーザー登録時に細かい情報登録が必要となっているため、ターゲティング制度の高いアプローチが可能となっています。またFacebookを運営しているMeta社は、Facebookの他にInstagramやMessengerなども運営しているため、Facebook広告を通して他のメディアに広告出稿することも可能です。
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Instagram
Instagram(インスタグラム)は、写真・動画を投稿できるプラットフォームです。20~30代に人気が高いSNSです。Facebook同様、Meta社によって運営されているため、精度の高いターゲティング機能を利用できます。また、インフルエンサーの活動が活発なSNSの一つとなっているため、インフルエンサーマーケティングを行うことも可能です。
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【初心者必見】Instagram広告とは?種類や課金形態、出し方を解説!
TikTok
TikTok(ティックトック)とは、若年層に人気の動画投稿型のアプリです。他のSNSと違い、投稿できる動画の時間が15秒~60秒と短い特徴があります。動画での訴求に加え、アプリを起動した際の表示画面や、ハッシュタグを活用した広告配信が可能です。
下記は、LINEについての解説記事になっているので、是非ご活用ください。
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TikTok広告とは?特徴や出し方の解説
リワード広告
リワード広告とは広告掲載主が成果設定したアクションが発生したときに広告掲載媒体主とアクションを行ったユーザー自身に報酬が発生する広告です。
上記のデメリットのようにユーザー離れは効果的でないので、本質的にコンテンツに興味を持ってもらう必要があります。そのためには詳細なターゲティング設定を行わなくてはいけません。
ターゲット層 | 潜在層、顕在層
|
料金形態
| 設定されたコンバージョン達成に対し料金が発生する成果報酬型
|
メリット
| ・短期間での認知、ユーザー拡大、ブランディング確立が可能 |
デメリット
| ・報酬メインのユーザーが多いアプリは使用率が低くなってしまう |
デジタル音声広告
ネット広告の種類の一つにデジタル音声広告があります。音楽サービスを対象に広告を出稿しているので、効率よくユーザーにサービスや商品を届けることができます。
デジタル音声広告は、日本ではまだ馴染みが薄いですが、海外では市場規模が大きくなっている広告媒体の一つです。
近年ではユーザーの反応を音声広告で尋ねること機能が作られ、より詳細なターゲティングをしながら運用できるのが特徴になります。
ターゲット層 | 音楽配信サービス(例:Spotifyなど)をよく聞く人
|
料金形態
| 基本料金+1配信当たり〇円のような体系となっているケースが多い
|
メリット
| ・ユーザーが別の作業をしながら広告を聞ける |
デメリット
| ・ユーザー同士の拡散が難しい |
潜在層向けネット広告
アフィリエイト広告
アフィリエイト広告とは、アフィリエイトサイトに掲載してある広告を通して申し込みや問い合わせ、購入など、広告掲載主が成果設定したアクションが発生したときに、広告掲載媒体に対し報酬が支払われるネット広告のことです。
様々な媒体を通すため、興味や認知の低い潜在層にもリーチできます。
アフィリエイト広告は掲載される媒体を増やすとより高い効果が出ます。アフィリエイト掲載サイトの運用者の掲載モチベーションを上げるために高い報酬設定することも大切です。
ターゲット層 | 顕在層、潜在層 |
料金形態
| 設定されたコンバージョン達成に対し料金が発生する成果報酬型
|
メリット | ・掲載機会が多く、コンバージョン達成時にのみ費用発生が発生するので費用対効果が高い |
デメリット | ・想定外のWEBサイトに掲載されブランドイメージに傷がつく可能性がある |
下記は、アフィリエイト広告についての関連記事になっているので、是非ご活用ください。
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成果報酬型広告・アフィリエイト広告とは?仕組みと種類、メリット・デメリット、資料の比較、一覧、まとめ
アドネットワーク
アドネットワークとは、多数のサイトを集約して広告配信ネットワークを形成し、複数のWebサイト上で広告を掲載できる手法です。広告枠をパッケージ化し、広告主に引き渡せます。

配信先の媒体やターゲット層、フリークエンシー回数(一人のユーザーに広告をどれだけ表示させたか)を定期的にチェックする必要があります。
ターゲット層 | 購買意欲の高い顧客層、顕在層
|
料金形態
| クリック課金、インプレッション課金
|
メリット | ・業務を効率化できる
・広告効果のデータも同形式のものになるので効果を比較しやすくなる |
デメリット | ・媒体の選定ができないのでターゲット層と異なるWebサイトに表示される可能性がある
|
アドネットワークに関する詳細は、下記の記事にてまとめていますので、ぜひお役立てください!
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アドネットワークの比較、一覧、まとめ
DSP
サイトを集約し広告配信ネットワークを形成したものがアドネットワークでしたが、DSPは複数のアドネットワークを通じ複数のサイトに広告配信できます。

予算、ターゲット、目標などを詳細に設定し、ターゲティング配信先ランディングページを整備することで、ターゲティング精度と広告効果が高くなります。
ターゲット層
| 広告表示が最適化されるのでターゲティング設定した層に配信
|
料金形態
| インプレッション課金、クリック課金
|
メリット
| ・サイトのユーザーの行動履歴から配信先が決定
・関連度の低いサイトは広告の表示が避けられるのでターゲティングに最適化されること |
デメリット
| ・運用コストがかかる |
下記は、DSPについての解説記事になっているので、是非ご活用ください。
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DSP広告の比較・まとめ・一覧
メール広告
電子メールで広告付きのメルマガを配信します。メルマガのヘッダーやフッターに広告とリンクを掲載する手法か、登録されたユーザーの嗜好に合わせ広告メールを送る手法があります。
メール広告のユーザーは質より量が求められます。開封率と遷移率を目標に掲げ、タイトルや配信時間、内容の改善などを日々改善し目標を目指す必要があります。
ターゲット層 | 登録されたメールアドレスに対しメールを送信するので複数層が混在
|
料金形態
| クリック課金、配信型課金 |
メリット | ・時間や場所を選ばずに見ることが可能
・メールを消さない限り消えない
|
デメリット | ・開かれないと読まれない
・ターゲティング設定を恥ずると費用対効果が低くなってしまう |
下記は、メール広告についての解説記事になっているので、是非ご活用ください。
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ネイティブ広告
ネイティブ広告は既存のサイトに溶け込むように掲載された広告のことです。

媒体のユーザー母数で掲載を決めるのではなく、ターゲット層のマッチングを重視する必要があります。また、ネイティブ広告と言えど、PR表示を明記することが重要です。
ターゲット層 | 潜在層、顕在層 |
料金形態
| クリック課金
|
メリット | ・自然な広告表示で主張が少ないので、ユーザーはストレス負担なく、興味を示しやすい
・クリック率やアクション率が高い傾向にあり |
デメリット | ・媒体の信頼性やWEBサイトの関連度が低いとユーザーの反感買いやすい
・広告単価が高い |
下記は、ネイティブアドについての関連記事になっているので、是非ご活用ください。
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記事広告
記事広告とは、既存のサイト内でPR記事の執筆、掲載をお願いする広告のことです。
記事広告における効果は口コミのような第三者の評価に効果が偏りがちな特徴があるので、自社商材がこの手法に適しているか熟考する必要があります。
ターゲット層 | 普段接触することの少ない潜在層や低関心層
|
料金形態
| インプレッション課金
|
メリット
| ・媒体のブランド力の利用し、高い信用を得られる
・第三者を媒介することで口コミ効果も生むことができる |
デメリット
| ・PR記事の掲載に時間かかる
・掲載媒体によっていは、掲載費用が高くなる |
下記は、記事広告についての媒体資料やマーケティング資料や関連リンクになっているので、是非ご活用ください。
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顕在層向けネット広告
リスティング広告
リスティング広告とは検索ワードに応じて、検索エンジンの検索結果表示ページの上位に表示される広告のことです。
リスティング広告は入札管理と予算管理が肝になっています。成果の有無で検索ワードの入札額を増減、除外したり、目標のCPA(顧客獲得単価)達成率の応じて予算上限を変動させたりすることが求められます。
ターゲット層 | 顕在層
|
料金形態
| クリック課金
|
メリット | ・購買意欲、自社商材へのニーズが高い質の良いユーザー(オーガニックユーザー)を短時間で気軽に集客できる
・分析を行うことで、効率的にSEO対策を行うことができる
|
デメリット
| ・細やかな運用が求めれられる
・検索されないと表示されにくい |
リスティング広告に関する詳細は下記の記事にてまとめていますので、ぜひご覧ください!
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リターゲティング広告
リターゲティング広告とは、過去にサイト訪問したことがある人に対して表示させる広告です。Yahoo上ではリターゲティング、Googleではリマーケティングとも呼ばれています。
上記のデメリットの「しつこい」を減らすために、リターゲティングの精度を上げる必要があります。また、リターゲティングリストを増やすために認知拡大施策と並行するとより高い効果を発揮します。
ターゲット層
| 顕在層、顧客層がターゲット
|
料金形態
| インプレッション課金、クリック課金など
|
メリット
| ・過去に接触のあった購買意欲の高いユーザーに再アプローチすることができる
|
デメリット
| ・複数回表示されることで「しつこい」とユーザーの不快感に繋がる可能性がある
|
下記は、リターゲティング広告についての関連記事になっているので、是非ご活用ください。
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リターゲティング、リマーケティング広告が配信出来るサービスまとめ
ネット広告のメリット
ネット広告のメリットは、「狙ったターゲットに訴求しやすく、小さいリソースで始められる」という点です。低予算で人員の少ない中小企業や個人事業主でも、短期間で成果を生み出せる仕組みになっています。具体的なメリットは下記のような点です。
細かいターゲティングが可能
メリットとしてあげられるのが、細かなターゲティングを行えることです。CookieやDSP/SSP、DMPなどのデジタルマーケティングツールの普及により、ユーザーに応じた広告の表示が可能となりました。
表示される広告が最適化されることにより、より高い効果が出せるようになっています。また、広告の種類によっては、性別や年齢だけでなく、趣味・関心などのターゲティングも可能です。
運用中のデータを分析してターゲット属性を変更することも可能となっているため、短期間での広告効果が高く効率的な広告運用ができます。
イニシャルコストが抑えられる
ネット広告の課金形態はクリック課金や再生回数によるものが多く(従量課金制)、自社の予算にあった金額で調整することが可能です。そのため、イニシャルコストも低額から始められます。
それに対してマス広告は、例えばCMであれば1再生で数万円、新聞であれば一枠50万程度かかるため、トータルで数百万~数千万円単位の広告費が必要であるケースが多いです。
初めて広告を出す場合でもそれなりのコストがかかるため、資金力のある企業でないと選択肢に入れづらいという側面があります。
この理由としては、マス広告は掲載枠が有限であり競争が激しいため単価が高くなりやすく、また広告の信頼性や話題性を確保するためにクリエイティブにも資金を投下する必要がありますが、
ネット広告は掲載枠の有限性が低く、ターゲティングやキーワードなどの設定で単価を抑えることができるためです。
短期間で効果に繋がりやすい
マス広告の場合、興味を持った商品があった場合、ユーザーはその商品を検索したり、実際に店舗を訪れる必要があり、広告の成果の確認ができなかったり、時間がかかったりしてしまいます。
その点、ネット広告は、ユーザーは広告画面から直接広告主のウェブサイトを訪れることができるため、Web上で購入・資料請求できる商品との相性が非常に良いです。
これは認知→興味→検討→購入のプロセスの中の検討までを、Web上ならばスムーズに行うことができるからであると言えます。
また、ターゲティングによって広告のリーチ対象も狭めることができるので、より自社の顧客像に近いターゲットから効率的にリーチすることで、短い期間で成果を生み出すことができるでしょう。
広告効果の測定がしやすい
ネット広告は、広告効果の測定が行いやすいこともメリットです。媒体によっては、広告効果が特定の行動履歴や閲覧傾向と紐づけられ、データ化することができます。
このデータはクリック率やインプレッション数・コンバージョン率などの指標として集計され、定量情報として広告主に蓄積されます。
定量情報を分析して導いた仮説をもとに、異なる広告やランディングページを制作して実験を繰り返し、費用対効果を高めるなどのアプローチを行うことができるのです。
また蓄積したデータをもとに、予算設定の変更・改善や、時には広告の停止を判断した場合、そうした判断はアカウントを通して最速で広告に反映されます。
少額で始めてすぐに止められるので、リスクを最小限に抑えられると共に、予想を超える成果を上げている場合は予算を増やして、成果を最大化できます。
ネット広告のデメリット
ネット広告のデメリットは、データを活かすための専門的なノウハウを身に着ける必要があることです。
このデメリットを補うために、広告代理店や運用代行会社に委託することもできますが、その場合には広告費に運用手数料が加算されてしまうため、一長一短があります。
具体的なデメリットは下記の2点です。
運用スキルが必要
ネット広告の運用では、取れる手段や設定の種類が多いため、専門知識を必要とされるシーンが多く、運用の巧拙で成果に差が出ます。
媒体ごとに機能やツールも異なるため慣れるのに時間と労力を要し、効果的な広告施策を展開するには媒体間のシナジーを考慮する必要があります。
ネット広告のメリットは、詳細なターゲティングと成果把握の容易さにありました。しかし裏を返すと、ターゲティングが甘かったり、成果から導く仮説が不正確だったりすると、期待する成果を出せない可能性が高いです。
そのため、より自社の顧客に近いターゲットに訴求する設定や、より高い精度で分析して正確性の高い仮説を導く必要があると言えます。
近年ではAIによる自動入札機能が整備されてきており、属人的な要素は排除される傾向にありますが、AIが不必要な広告を出稿して、無駄に広告費がかかるケースもあります。
つまり、まだまだ人による広告管理が必要で、成果を生み出すためには運用スキルが必要不可欠であるということです。
競合が多いキーワードは単価が高くなる
ネット広告の手段としてメジャーなリスティング広告では、自社の広告を表示する検索キーワードを設定します。ここで競合が多いキーワードを設定すれば、それだけ入札競争が激化するので、単価は高くなります。
例えば、医療や不動産に関連するキーワードでは、成約単価が高く競争に参加している企業も多いため、最低入札単価が高い傾向にあります。つまり競争の激しい業界や、大手資本と競合するキーワードで、単価は高くなります。
ネット広告の課金形態
ネット広告の課金形態は主に以下の7種類に分類されます。それぞれの特徴についても紹介していきます。
課金方式 | 特徴 |
クリック課金型
| 広告を見たユーザーがクリックしてはじめて課金対象となる課金方式です。リスティング広告やSNS広告を中心に多くの企業が活用しており、ネット広告の中では一般的な課金方式となります。
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インプレッション課金型
| 広告出稿先のWeb媒体において、自社の広告が表示されるたびに費用が発生します。月次で細かく費用が発生するというよりも、月に1,000回表示されたら〇円のように、ある程度の課金テーブルが設けられているケースが一般的です。
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視聴課金型
| YouTubeやTikTokをはじめとする動画共有サイトにおいて、広告動画が視聴されてはじめて課金対象にとなります。掲載期間が決まっているというよりも、視聴回数に到達するまで広告表示されるケースが一般的です。
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期間保証型
| 一般的に純広告に多い課金方式です。ネット広告の指定枠に2週間や1ヵ月掲載することを保証した形で費用が発生する課金方式となります。期間はWeb媒体に異なりますが、同一メディアに一定期間広告が表示されるため、訪れたユーザーに対して何度も訴求することが可能です。
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成果報酬型
| 自社の広告経由での購入や申し込み、資料請求などのコンバージョンが発生したタイミングで課金対象となる方式です。アフィリエイト広告に多い料金形態となり、成果に応じて費用が発生するため、他の課金方式よりも1件あたりの費用が高くなる傾向にあります。
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エンゲージメント型
| ユーザー行動に応じて費用が発生する課金方法で、主にSNS広告などで多く活用されています。ユーザーからのイイね!やフォロー、シェアなどが発生したタイミングで課金対象となります
|
配信数保証型
| 主にメール広告で活用され、一定期間にメール広告が何通配信されたかによって費用が発生する広告手法となります。プッシュ型でユーザーにアプローチすることができる反面、メールが届いたとしても開封されなければ無駄になってしまうデメリットも存在します。
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ネット広告の費用相場
ネット広告の費用相場は、下記の通りです。
| 課金形態
| 費用相場
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リスティング広告
| クリック課金
| 10〜500円/クリック
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ディスプレイ広告
| クリック課金
| 50〜100円/クリック
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| インプレッション課金
| 数十〜数百円/1,000表示
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アフィリエイト広告
| 成果報酬型課金+初期費用
| 初期費用5万円
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| +月額費用+手数料
| 3万~5万円/月額費用
手数料30%
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メール広告 | 配信課金 | 5~100円
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記事広告(メディア広告)
| 掲載期間保証型
| 掲載期間保証型 100万円/月
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ネット広告の選び方
ネット広告とマス広告の違いは、詳細なターゲティングとその掲載成果の獲得にありました。この2つを手に入れ、広告主は自ら運用しながらより効果的な広告施策を展開することにネット広告を利用するメリットがあります。
従ってネット広告を選ぶ際のポイントは、効果的な広告施策を展開できるようにターゲットを絞込み、絞り込んだターゲットを顧客にどう育てていくか広告の目的を明確にすることです。
①ターゲットを分類する
ネット広告のターゲットはニーズの有無とその程度、認知の有無によって分けるのが妥当でしょう。この2つの視点で分けることで広告を通じて顧客をどう育てていくか目的が明確になるからです。
そして顧客未満の非顧客層をニーズと認知で分けると顧客から遠い順に、低関心層、潜在層、顕在層に3つに分けるのが広告目的を決める上で便利です。
低関心層
低関心層はニーズを全く持っていないか、極めて低い程度しか持っておらず、そのため自社製品・サービスの認知すらない層です。
例えば、健康に関心が無い層は、健康面を全面に押し出してプロモーションした花王の「ヘルシア緑茶」は認識すらしていない場合があります。
潜在層
潜在層はニーズを持っている可能性があるが、自社製品・サービスを認知していないか、認知しても自分自身ではニーズの認識が無いので購買行動に移らない層です。
例えば、健康に関心があるが、緑茶に健康に良い成分が含まれていることを知らない層には「ヘルシア緑茶」を知っていても健康のため買おうと思いません。
顕在層
顕在層は、ニーズがあり自分自身もその認識がある場合で、競合他社製品・サービスの認知があっても自社製品・サービスの認知が無い場合と自社製品・サービスの認知はあるが、何らかの理由があって購買行動に移っていない層です。特に自社製品・サービスの認知のない層を準顕在層といい、顕在層と分けて捉える意見もあります。
例えば、健康に気を付けている人が緑茶に健康成分が含まれていることを知っており、花王が健康面を全面に押し出したプロモーションしている「ヘルシア緑茶」の認知があっても、よくいくコンビニに売っていない場合が顕在層にあたります。
②広告の目的を明らかにする
ターゲットを絞った場合、そのターゲットを顧客に育てるため、広告目的を明確にする必要があります。絞り込まれたターゲットの状況に応じて認知を目的とするものであったり、説得を目的とするものであったり、最後の一押しをすることを目的とするものであったり、目的により使うべき広告手法が異なります。
低関心層に対する目的と広告手法
低関心層に広告する目的は、全く持っていないか、低い程度でしか持っていないニーズを醸成することです。従って広告は、例えば、ある一定の年齢に達したならば、健康に気を使うことの必要性をアピールことが必要です。具体的な広告手法は低関心層にアプローチできるレンジの広い広告で、GoogleやYahoo!のバナー枠を使うディスプレイ広告やクリックしなくても目に入る動画広告、複数の広告媒体間を連携させるアドネットワーク広告を使うのがよいでしょう。
潜在層に対する目的と広告手法
潜在層に広告する目的は潜在的に眠っているニーズを掘り起こすことです。従って、広告は、健康に関心あるなら緑茶に健康成分が入っていることをアピールする内容であることが必要です。具体的な広告手法は潜在層にアプローチできるように低関心層と同じ、認知目的を主とするディスプレイ広告や動画広告、アドネットワーク広告を使うのがよいでしょう。さらに潜在層のニーズを掘り起こすインフィード型やレコメンドウィジェット型のネイティブ広告も有効でしょう。
顕在層に対する目的と広告手法
顕在層に広告する目的はすでに持っているニーズと自社製品・サービスへの認知を薄れさせないことと最後の一押しです。従って、広告は「ヘルシア緑茶」の存在を忘れさせない手法及び「ヘルシア緑茶」のメリットの後押しであることが要求されます。具体的な広告手法は、検索キーワードに関連させるリスティング広告や一度サイトに訪れた人を追跡するリターゲティング広告です。さらに最後のひと押しとしてブログや口コミ、ニュース解説が顕在層を説得してくれるアフィリエイト広告も有効です。
ネット広告運用のポイント
今や当たり前に活用されるようになったネット広告は、現在多くの企業でインハウス化が進められています。
代理店に依頼することにより、運用の時間や手間が省けるなどのメリットはありますが、どのような理屈でどれほどの費用対効果が出せているのかというポイントが掴めていないままでは広告投資の意味がありません。
今後ネット広告運用にあたりインハウス、代理店委託どちらの方法を取ったとしても、最低限の運用に関する知識は入れておきたいものです。
ここでは運用にあたり下調べをしておきたい方に向け、Web運用におけるコツを簡単に紹介します。
運用の目的を明確化する
広告運用ではまず、「何のために広告を出すのかということ」を明確にすることが重要になります。
例えば、自社のサービスや製品の認知度を上げたいのか、それとも購入までしてもらいたいのか、これによっても選択する広告手法が大きく異なります。
企業にとってはこの広告という投資から何を得るのか/どのようなリターンを求めるのかを考える必要があります。その際にはより具体的に数値で目標を定義できるとよいでしょう。
ターゲットを明確化する
ターゲティングは広告配信の最も基礎となる部分かつ、最大のポイントと言っても過言ではありません。年齢や性別などの基本的な情報はもちろん、しっかりとターゲティングを行うにはペルソナの設定も必要不可欠です。
ペルソナの設定ではある人物像を見立て、ターゲットの趣味や仕事のポジション、性格や休みの日の行動などについてまで詳しく設定していきます。
このように、誰に向けた広告であるかを明確にしておくことで、よりコンバージョンに近いターゲットに優先的に訴求することが可能になります。
Webマーケティングにおけるコンバージョンとは、Webサイトの来訪者が行うアクションの中の「最終的な成果」を指します。
コンバージョンはWebサイトの目的によって異なりますが、購入や成約、お問い合わせなどのアクションが該当します。
上記のほかにも、以下のことを意識するとより効果ある運用が可能です。
- モニタリング
モニタリングでKPIの達成状況を確認しましょう。モニタリングを徹底することでどの場面で何を確認するのか、判断を下すのかを事前に決められます。
- 分析
広告の成果を把握して次のアクションにつなげるには、データの分析が必要です。データから「なぜそうなったのか」の原因と課題を解明することで。次の改善策に繋げられます。
- 改善施策を考える
原因と課題がわかれば、改善施策を練りましょう。対策を実施したら終わりではなく再度検証、改善策の立案というようにPDCAを回しましょう。
ネット広告に関するよくある疑問
ネット広告は行うべきか?
ネット広告のメリットは詳細なターゲティングと詳細な広告成果データの獲得でした。
この2つのメリットを有効に使うことで、より費用対効果高く成果を生み出すことができるという点に、ネット広告を利用する意義があります。
自社の目的や予算に合わせて、商材にマッチしたネット広告手法を選択できるという柔軟性は、企業のフェーズを問わずネット広告を活用すべき十分な理由になり得ます。
スマートフォンやタブレットでもPCと同様に表示されるか
何もしなければ、スマートフォンやタブレットにはPCと同様の表示はされません。
そのままでは文字が判別できず拡大表示が必要であったり、コンテンツの画面サイズがズレて、拡大表示や横スクロールが必要になったり、リンク同士の幅が狭く表示されて、目的のリンクをタップできなかったりします。
そのため、MFI(モバイルファーストインデックス)に対応する必要があります。他にも画像サイズを軽量化してページ速度を高速化することでページエクスペリエンスを高める必要があるでしょう。
運用には専門知識が必要か
ネット広告を運用するにはメディアごとにアカウントを作る必要があり、その手続きも開設後の機能も異なります。専門用語もメディア共通のものもあれば、メディア特有の呼び名もあります。
当然使えるツールやサービスも異なりますし、それらを理解したうえで使わないと期待通りの効果を得られません。それは費用対効果を悪くしてネット広告の不本意な退場を促します。
最先端のAIによる自動入札でさえ、設定に不備があると期待とは異なる方向に最適化されてしまいます。このようにネット広告運用には専門知識が必要なのです。
複数種類を組み合わせて利用できるか
ネット広告のターゲティングで絞り込まれた非顧客層を顧客に育てるためには、非顧客層の状態に合わせた異なる目的を持った広告手法を採用する必要があります。
いまだ自社製品・サービスを知らない層には認知を目的した広告手法であるディスプレイ広告などのバナー広告や動画広告、アドネットワーク広告などが適切で、
商品・サービスは知っているが迷っている層には説得を目的したリスティング広告やリターゲティング広告などが有効です。このようにネット広告は複数の異なる種類の広告を組合せることが自然なのです。
どの手法から始めればいいのかわからない
広告の主な徹底基準は費用対効果です。とすれば費用対効果の良い広告手法を採用するのが初心者には賢明です。
この点、リスティング広告はニーズの明確な顕在顧客をターゲットとするので、最終成果であるコンバージョン率が高い広告手法です。
さらにリスティング広告を運営しているGoogleやYahoo!はすでに多くのデータを持ち、そのデータに基づきAIを駆使する自動入札をリスティング広告に採用しています。
そのため全くのネット広告初心者でも自動入札を選択すれば、予算に見合った効率的な広告運営ができるのです。
従ってどの手法から始めればいいのかわかない人はリスティング広告の自動入札から始めることをお勧めします。
ネット広告の活用事例
健康野菜を販売するAは、安心安全で美味しい野菜を販売する会社です。Aは販促・広報の施策として、Facebook広告の出稿を決定しました。もちろん、ただ広告を打ったわけではありません。精密なターゲティングを行い、購入の可能性が高いユーザーのみにアプローチすることを心がけたのです。具体的には30~50代の主婦層に対し、Aのサービスや強みを直感的に理解できるよう「野菜が詰まった箱」と「価格」を表示してお得感をアピールしました。
その結果。
なんとコンバージョン率7.6倍、サイト訪問者数1.7倍という成果を上げることに成功したのです!
ネット広告の上手な活用の秘めたる可能性がいかんなく発揮された好例ですね。
ネット広告のまとめ
ネット広告の種類やメリット、選び方などを見てきました。
ネット広告は、1995年頃から一般に普及し始めたインターネットと共に成長し、世界情勢に関わらず一貫して市場規模は拡大し続けています。
市場規模が大幅に拡大しているのにもかかわらず、低コストで運用ができるため、効率が良い広告手法だと言えます。
しかし、本来の目的に沿って、正しく目標設定をし改善サイクルを回せるようにしなければ、いつまで経っても効果が上がりません。
そのために自社の商品やターゲットを深堀することや、具体的なKPIを設定しそれに基づいて運用することが重要です。
ライタープロフィール
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メディアレーダー 運営事務局株式会社アイズ
- 広告・マーケティングに特化した媒体資料のポータルサイト「メディアレーダー」のマーケティング担当。
BtoBマーケティングを始め、Web広告やリード獲得目的の施策を展開中。
「めでぃつぶ」では、広告業界の方、マーケター必見のマーケティング知識・ノウハウを発信しています。
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